ETHのリキッドステーキングプロトコル「Swell」AMAまとめ
boarding bridge
AMA主催・記事執筆:Kiyu
今回の記事は8月23日にboarding bridgeにて開催されたSwell AMAについてのまとめ記事です。
AMA概要
・日時:2023年8月23日(水)21:00 JST
・場所:bb Discord AMA-Voice/Chat
・Giveaway:100 Pearl × 10名
参考:Swell AMA
スピーカー
・Daniel Dizon | Swell Founder
・Kiyu | boarding bridge
・Peri | boarding bridge
・w33 | CryptoTimes
(敬称略)
AMAセッションの内容
トピック
Swellについて簡単に紹介をお願いします。
Swellはノンカストディアルのリキッドステーキングプロトコルです。
Swell上でETHをステーキングすることでユーザーはswETHを受け取ります。このリキッドステーキングトークンは事実上は領収書のように機能し、ステーキング状態のETHを他のDeFiアプリケーションで再利用し、追加の利回り獲得機会を得ることができます。
4月下旬のローンチ以後、Swellは主要なリキッドステーキングの一つとなるまで成長しました。Mark Cuban氏やBankless, Frameworkなど著名な投資家によるサポートを受けており、現在のイーサリアムの預入額は45000 ETHを超えています。
Swell Voyage | Airdrop dashboard
また、ここでコミュニティメンバーにSwellを使ったことがあるか聞いてみたところ、多くの方から既にSwellを使用しているとの声が上がりました。
Swellは既に存在するLSTのどのような問題解決を目指していますか?
Swellはリキッドステーキングをこれまで以上にシンプルな形で提供することで、Ethereumの未来を守ることを目指しています。このシンプルさというものは、いくつかの重要なプロダクト設計上の選択によって支えられます。
第一に、私たちはReward Bearing Token(利回り付きトークン)を使用しています。これは、リベースやラップなどのトランザクションを伴わない形であり、他のモデルよりも税務効率的に優れていると言えます。
第二に最もシンプルでスムーズなUXを持つDAppを提供しており、これにはFIATのオンランプなど多くの利便性の高い機能が含まれます。
より大局的に見ると、Swellはリキッドステーキングの市場をディスラプトする機会を獲得し、ETHをより価値のあるものにするための重要な要素である検閲耐性やパーミッションレスといった性質を守ることに貢献し、多くの人々はこの点について非常にエキサイトしています。このような大きなスケールでの野望は、プロトコルを中心としてユニークで強力なコミュニティの形成に大きく寄与していると言えます。
Swellがトップのリキッドステーキングプロトコルとしての地位を確立していくため、今後さらに多くのユニークな機能が導入される予定となっています。この機能の中には、Swell DAppからワンクリックで追加の利回りを獲得できるStrategic Vaultや、Swellの保有者に価値をもたらすためのトークンエコノミクスなどが含まれます。
Swellを拡大するためのどのような戦略を実行してきましたか?
Swellは、他の主要なリキッドステーキングプロトコルよりスタートが遅かったにもかかわらず、開始数週間でDeFiLlamaにおけるトップ10のリキッドステーキングに入ることができました。
この成功の背景の一つには、先人の失敗からの学びがあります。例えば利回り付きトークンというトークンモデルを選択したことは、DeFiへの統合を容易にし、Swellの急成長を実現させた要素の一つであると言えるでしょう。
このようなプロダクト開発における反復的なアプローチの他、Swellの成長は適切なインセンティブの提供によって支えられてきました。Swellでは競合リキッドステーキングプロダクトを上回るインセンティブを提供しています。このインセンティブはThe Voyageキャンペーンを通じて達成されています。このプログラムはSwellのアーリーアダプタープログラムであり、ここではステーカーはSwellのエアドロップの一部の獲得権利を示すPearlを集めることができます。
また、クロスチェーンへの対応も考えており、来週(AMA開催時)にArbitrumチェーン対応予定です。Pearlが得られるのはメインネットのステーキングのみですが、それ以外のインセンティブを考えています。
SWELLトークンのトークノミクスや入手方法を教えてください。
Swellのトークンエコノミクスはまだ公開されていないものの、他のDeFiプロトコルの設計に組み込まれ、実証された健全なファンダメンタルに基づいて設計されています。
SWELLトークンを購入することはできませんが、ステーキングや流動性の提供、新規ステーカーのリファラルなどにより、Swell Voyageを通じたパールの獲得による入手機会が存在しています。今年後半に予定されるTGEを通過することで、パールを用いてSWELLトークンの請求を行い、Swell DAOの市民になることができます。
TGE後にも、特定の流動性プールに対してswETHを預け入れすることで、パールではなく直接SWELLトークンの流動性インセンティブを獲得できます。
Swellを使用するリスクとセキュリティ対策について教えてください。
リキッドステーキングプロトコルとして、Swellはノードオペレーターを通じてステークされたETHに対してレシートとしてトークン(債券トークン)を発行します。この構造は銀行システムとの類似性があり、Swellはまず第一にセキュリティを優先することが不可欠となります。
Swellでは業界における最高レベルのコード監査人”Sigma Prime”による監査を受けています。Sigma PrimeはEthereum Foundationと同じ監査人です。同時にChainlinkのProof of Reserveを利用しており、これによりswETHトークンが常にETHと1:1で完全に裏付けられていることを保証しています。最後に、Immunifiを通じた私たちのバグバウンティ(報奨金)プログラムでは、コミュニティがバグを特定し共有するための機会を提供します。
私たちは、健全でより多様なリキッドステーキング市場を作りあげることへの支援を通じて、Ethereumの安全性を維持することに対してもコミットしています。特定のリキッドステーキングプロバイダが大きな支配力を持つと、これらのプレイヤーがセキュリティ侵害やスラッシュを受けた際に、影響がEthereumエコシステム全体に波及する恐れがあります。したがってリキッドステーカーは、監査を受けた安全なリキッドステーキングプロトコルを選ぶだけではなく、Ethereumに価値をもたらすパーミッションレスで分散性を脅かすほど成長していないものを選択すべきです。
このように、Swellを利用したステーキングは、Ethereumの価値を高めているパーミッションレスで安全かつ分散の特徴を維持するための選択とみなすことができます。
コミュニティQ&A
今後の成長に向けた主な戦略は何でしょうか?
直近ではArbitrumへの展開や、Chainlinkオラクルへの対応です。Chainlinkのオラクルを採用することでAaveやMakerなどの主要なレンディングプロトコルで、swETHが担保として利用できる可能性が生まれます。Arbitrumへの展開は来週(AMA開催時)を予定しています。
Balancerのプールで脆弱性が発見されましたが、swETH単体での保有に問題はありませんか?
単体で保有する分には問題ありません。影響を受けたのはBalancerのv2 Boostedプールです。SwellでもswETHのプールとして利用していましたが、既に$4M相当の流動性が移行を完了させています。
Swellは何名のチームですか?
コアチームメンバーは10名です。
パールを効率よく集めるにはどうしたら良いですか?
できるだけ早い段階から、長い期間Voyageに参加することです。また、swETHを流動性の作成などに利用することです。
今後パールをより多く獲得できるイベントはありますか?
もちろん、Swell DiscordのSwell Beach Clubに参加しに来てください!
なぜパールと名付けたのでしょうか?
私たちはスウェルシティを目指して海中航海中です! 真珠はその途中で見つかる自然発生的な報酬です。
日本の市場やプロジェクトについてはどう考えていますか?
私たちは日本が大好きです!日本の暗号資産市場には未来があります。
日本へ行ったことがありますか?もしあれば、何が印象に残りましたか?
私たちのチームメンバーの何人かが日本を訪れました。私たちは日本の素晴らしい庭園や寺院、食べ物が大好きです。
まとめ
Swellは日本の投資家からも人気のサービスであり、実際にコミュニティメンバーの多くがSwellの使用経験があったことが印象的でした。
ETHをリキッドステーキングできるサービスは複数ありますが、Swellは武器であるシンプルさや分かりやすいUI、更にトークンモデルやVoyageキャンペーンによるインセンティブなど、ユーザーのニーズに沿った運営方針によって、さらなる躍進が期待できそうだと感じました。SWELLトークンのTGEを楽しみにしています。
関連リンク
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