【仮想通貨】Ethereum Classic(イーサリアムクラシック) / ETCの特徴・仕組みを徹底解説!押さえておきたいEthereumとの違い
Shota
こんにちは、Shota(@shot4crypto)です!
現在時価総額14位のEthereum Classic(イーサリアムクラシック/以降ETC)は、Ethereum(イーサリアム/以降ETH)のハードフォークにより誕生したコインです。
この記事ではETHとETCって具体的に何が違うの?という疑問を解決すべく、ETCについてETHの特徴と並行して、異なるポイントを比較・解説していきます。
目次
Ethereum Classic(イーサリアムクラシック) / ETCの概要
Ethereum Classicのスペック
最大供給量 | – |
現在の供給量 | 99,976,807.0ETC |
アルゴリズム | Ethash |
承認方式 | Proof of Work (PoW) |
ブロック生成時間 | 10.2秒 |
難易度調整 | 毎1ブロックごと |
ブロック報酬 | 4.0ETC |
公式Twitter | @EthereumClassic |
公式Webサイト | https://ethereumclassic.github.io/ |
この中で赤字の部分がEthereumと共通(≠互換)する部分になります。
Ethereum Classic誕生の背景
DAO事件
Ethereum Classicの誕生を語る上で必ず覚えておきたいのが分散型の投資ファンドである『The DAO』の事件です。
The DAOは2016年に発足した、非中央集権の投資ファンドです。ユーザーはイーサリアム(ETH)を使ってDAOを購入し、それによってThe DAOに資金が集まる形で運営されていました。
ところが発足から間もなく、イーサリアムのスマートコントラクトのシステムの脆弱性をハッカーに突かれ、約5300万ドル(日本円約65億円相当の)ETHが不正送金される形になりました。
事件から分裂まで
この不正送金を受けて、イーサリアムの開発チームからはこの不正送金に対処するための以下の3つの案が出されました。
- ソフトフォーク(以降SF)
- ハードフォーク(以降HF)
- 誰も何も行わない
HFとは簡単に言えばブロックチェーンの仕様変更のことで、HF後はHF前のブロックチェーンとの互換性がなくなることになります。一方でSFとは、同様に仕様の変更なのですが、SF前後のブロックで互いに互換性を持ちます。
今回のケースだと、約65億円相当のETHがハッカーの手に渡ったことで開発者チームの一部は、『イーサリアムをHFをさせることにより、この不正送金を(互換性を絶つことにより)無効にすることができるのではないか』と考えました。
しかし、開発者チームの中には、『このHFは(最近のBitcoinのHFなどと違い)、イーサリアムを通貨として仕様変更するためのものでも、通貨としての欠陥を改善するためのものでもない』『イーサリアムのシステム上の変更のためではなくDAOのセキュリティに問題があったために仕様を変更するのは恣意的である』とし、旧仕様のチェーンを守ろうとしました。
こうしてHFされた新仕様のブロックチェーン上で動くものが新たなイーサリアム(ETH)となり、HFせずに旧仕様の人為的な変更を許さなかった開発者によって守られたものがイーサリアムクラシックとなりました。イーサリアムクラシックのクラシックの所以は旧仕様のブロックチェーンを引き継いでいることにあります。
HF後のチェーンを利用しているのがイーサリアムで
HF前の古い(クラシックの)チェーンを利用しているのがイーサリアムクラシックです。
間違えやすい部分だと思うので覚えておくといいかもしれません!
分裂後は?
イーサリウムのHF後も互換性がなくなっただけで基本的にはETHとETCは共に同じシステムをベースにして作られていたので、特に両者に違いはありませんでした。また、HF時にETHを保有していた人々に同量のETCが配られたために、しばらくの間は両者の間に価格の連動が見られました。
しかし互換性がない以上、イーサリアム、イーサリアムクラシックの両者が独自路線で開発を進めたり、あるプロジェクトがどちらか一方を採用すると、その進むべき道に差が生じてくるのは当然のことです。
以下の2枚のチャートは直近1か月のETHとETCのチャートですが、最近になって価格の連動がなくなりその差が顕著に表れていることがわかると思います。
<ETHの直近1か月の値動き>
<ETCの直近1か月の値動き>
Ethereum Classic(イーサリアムクラシック) / ETCの特徴
イーサリアムクラシックの3本柱
旧仕様のブロックチェーンを利用しているイーサリアムクラシックは『Decentralized(非中央集権的)』、『Immutable(不変的)』、『Unstoppbale(止めることのできない)』という3点を軸にして開発されています。これらは、HF前のイーサリアムでもオリジナルのビジョンとして重要視されていました。
というのも、ETCはDAO事件で恣意的なHFを行った開発チームに賛同できない人々が作り出した通貨ですので、イーサリアムの根幹となる信念のようなものを忠実に引き継いでいることがわかると思います。
イーサリアムクラシックには『Code is Law(コードは法である)』という原則があります。
イーサリアム系トークンの最も大きな特徴にスマートコントラクト(後述)というものがありますが、このコントラクト(契約)もコードによって定められている契約で、コードがあってこそのシステムだとする考えに基づいているということです。
この考えによれば、我々ユーザーが唯一できることは、あくまでも3本柱に則った上で、その中で自発的に契約に介入(例:送金など)することのみであるとします。
スマートコントラクトとは?
スマートコントラクトとは、イーサリアムクラシックだけでなくイーサリアムにもあるシステムで、『ある条件(事前にプログラムされている条件)を満たしているときに自動的にアクションが執行される仕組み・システム』のことを指します。
上述の『Code is Law』という考えはコントラクト(契約)は管理者や法の代わりにコードが自動でアクションを執行しなければいけないという3本の柱(『Decentralized』『Immutable』『Unstoppable』)に則る形が原則となっています。
また、これらのコード(管理者を持たざる法)は全てブロックチェーン上で公開されているため、完全に公平かつ非中央集権的なシステムであるという点から注目を浴びています。
Ethereum Classic(イーサリアムクラシック) / ETCのチャート・価格推移
Ethereum Classic(イーサリアムクラシック) / ETCを取り扱っている取引所
現段階でETCを取り扱っていて日本から利用可能な取引所はHF当時に比べるとかなり増えましたが、その中でも使い勝手のいい取引所を紹介させていただきます!
個人的には国内だとセキュリティ評価が世界一と謳われているbitFlyer、海外だと取り扱い銘柄が豊富なBinanceをお勧めします!
<国内取引所>
bitFlyer(ビットフライヤー)
Coincheck(コインチェック)
<海外取引所>
Bittrex(ビットトレックス)
Poloniex(ポロニエックス)
Binance(バイナンス)
Bitfinex(ビットフィネックス)
Huobi(ホービ)
Ethereum Classic(イーサリアムクラシック) / ETCのウォレット
イーサリアムクラシックのウォレットはClassicEtherWalletというウェブサイトで作成することができます。
ClassicEtherWalletではパスワードを入力するだけでウォレットを作成することができ、その後のウォレットは秘密鍵やニモニックフレーズなどを利用して安全に管理することができます。
まとめ
イーサリアムクラシックが誕生するまでのストーリーから、イーサリアムとの違いを詳しく解説しましたがいかがでしたか?おそらくここまで読めば、今まであいまいだったETHとETCの違いなどもなんとなくつかめてきたのではないかと思います。
最近ですと、両者の価格の連動性がなくなってきていて、ここ1週間の値動きを見るとETCがETHを差し置いて高騰しているのも十分に面白いポイントだと感じます!