仮想通貨ウォレットを使う際の注意点を紹介!各ウォレットの特徴も解説
Crypto Times 編集部
仮想通貨ウォレットは仮想通貨を安全に保管できるため、利用者にとって非常に重要です。
しかし「仮想通貨ウォレットは良いもの」と安易に鵜呑みにしてしまうと、思わぬ後悔をしかねません。
場合によっては仮想通貨を保管するために使ったウォレットで、逆に仮想通貨が流出・紛失してしまう可能性も考えられます。
本記事では仮想通貨ウォレットを使ううえで覚えておきたい注意点を紹介していきます。
トラブルなく仮想通貨ウォレットを使えるように知識を身につけておきましょう。
仮想通貨ウォレットを使う際に覚えておきたい5つの注意点
冒頭でも紹介したように、仮想通貨ウォレットは本来仮想通貨を守るためのものですが、誤った使い方をすると資金がなくなってしまう可能性もあります。
以下の注意点をしっかりと理解して、トラブルを未然に防ぎましょう。
- 仮想通貨ウォレットを使う際に覚えておきたい5つの注意点
ウォレットによって安全性や保管できる通貨が異なる
ホットウォレット | コールドウォレット | |
---|---|---|
意味 | インターネットにつながっているウォレット | インターネットにつながっていないウォレット |
種類 | 取引所ウォレット(一部) ソフトウェアウォレット | ハードウェアウォレット ペーパーウォレット |
メリット | 簡単に入出金ができる | セキュリティが高い |
デメリット | ハッキングのリスクがある | ウォレットが手元にないと引き出せない |
用途 | 頻繁に取引をする場合に | 長期の保管をする場合に |
仮想通貨ウォレットには非常に多くの種類がありますが、ウォレットによって安全性や保管できる通貨が異なります。
そのため、自分の利用環境に合わせてウォレットを選ぶ必要があります。
以下では、ホットウォレットとコールドウォレットの特徴を解説します。
ホットウォレット
ホットウォレットは「取引所ウォレット(一部)」「ソフトウェアウォレット」などが該当します。
簡単に言えば、ネットに接続されているウォレットのことで入出金がしやすいという特徴があります。
頻繁に仮想通貨の取引をする場合は、ホットウォレットへの保管がおすすめです。
ただし、ネットに接続されている分ハッキングのリスクがある点に注意しなければいけません。
セキュリティをより高めたい方はホットウォレットではなく、コールドウォレットを選びましょう。
- ホットウォレットの例
- メタマスク
- ファントムウォレットなど
コールドウォレット
コールドウォレットは「ハードウェアウォレット」「ペーパーウォレット」などが該当します。
ホットウォレットの反対で、ネットに接続されていないためセキュリティが高いというメリットがあります。
セキュリティを強固にする場合におすすめですが、端末を購入したり、端末や紙を保管したりと現実で手間がかかる点は注意しましょう。
- コールドウォレットの例
- ビットフライヤーのウォレット(交換や送付に必要な最小限はホットウォレット)
- レッジャーナノ
- トレザー
- Bitaddressなど
ウォレットに送金することで手数料が発生する可能性がある
取引所ウォレットを使う場合を除けば、基本的に仮想通貨ウォレットに資金を保管する際は取引所からウォレットへ仮想通貨を送金することになります。
取引所によっても変わりますが、ウォレットに仮想通貨を送金する際は手数料が発生する可能性があるので注意しましょう。
つまり、資金を守るために仮想通貨ウォレットを使っているのに、仮想通貨ウォレットを使うたびに資金が少なくなっていくとも言えます。
手数料で損をしたくないなら、仮想通貨は取引所のウォレットに入れたままにしておくのも一つの手です。
送金方法を間違えると仮想通貨が紛失する可能性がある
仮想通貨は送金先ウォレットのアドレスを入力することで、送金をすることができますが、送金先のアドレスを間違えると、仮想通貨が紛失する可能性があります。
そのため、送金アドレスは絶対に間違えないようにしましょう。
紛失のリスクを最低限に抑えるためにも、最初はテスト送金をすることをおすすめします。少額のテスト送金を行い、仮想通貨の送金が正しく行えていることが確認できたら、再度仮想通貨の送金を行いましょう。
1度仮想通貨の送金をすると、アドレスを登録することができるので今後はアドレス間違いをする心配はありません。
- ネットワークの選択ミスも注意
- アドレスの入力間違いだけでなく、別のネットワークの仮想通貨アドレスへ送信してしまうミスも起こりやすいです。例えば、イーサリアムクラシックを送金する場合に、イーサリアムのアドレスに送ってしまうと、仮想通貨が紛失してしまう可能性があります。
悪質なウォレットも存在する
すべての仮想通貨ウォレットが安全とは限らず、一部では悪質なウォレットもあるため注意が必要です。
例えば、有名な仮想通貨ウォレットを模した偽サイトがあり、その偽サイトでウォレットをダウンロードしたら個人情報や仮想通貨を盗まれるという事例があります。
ほかにも通販サイトで非公式のウォレットを購入したら、ウォレットにウイルスが仕込まれていて個人情報や仮想通貨を盗まれるという例もあります。
安全に仮想通貨ウォレットを使うには、正しくウォレットの購入・ダウンロードすることが大事です。
- 過去の事例
- 2019年、ハードウェアウォレットのトレザーの偽アプリがGooglePlayに登場しました。2021年には海外取引所バイナンスの偽アプリも公開されています。接続して送金した場合は高確率で戻ってきません。
正しく管理をしないと仮想通貨が引き出せなくなる
正規で安全な仮想通貨ウォレットを使っていても、自分で正しく管理をすることは非常に重要です。
例えば、スマホやパソコンを買い替えた時に、リカバリーフレーズを忘れていると今まで保管していた仮想通貨は引き出せなくなってしまいます。
一般的なパスワードなどはパスワードを忘れたとしても、運営に問い合わせることで何らかの対処法があることが多いですが、仮想通貨ウォレットに関しては別です。
必要な場面でリカバリーフレーズを忘れると、仮想通貨ウォレットにアクセスすることは一切できなくなってしまうので注意しましょう。
- 注意点
- リカバリーフレーズはパスワードのように変更・再設定することもできません。
仮想通貨ウォレットを安全に使うポイント
これまで紹介したように、仮想通貨ウォレットは仮想通貨を紛失してしまうリスクなどがあります。
とはいえ、仮想通貨ウォレットは正しく使えば仮想通貨流出のリスクを防げる非常に有用なものです。
そこで、ここからは仮想通貨ウォレットを安全に使うポイント紹介していきます。
- 仮想通貨ウォレットを安全に使うポイント
リカバリーフレーズは正しく管理する
前述したように、必要な場面でリカバリーフレーズ(別名シードフレーズ)を忘れてしまうと、仮想通貨ウォレットにアクセスすることはできなくなります。
リカバリーフレーズを忘れたときの代替手段は一切なく、仮想通貨ウォレットに保管していた資金は今後一切手を付けられなくなります。
そのため、リカバリーフレーズは絶対に忘れないように正しく管理しましょう。
リカバリーフレーズを管理する方法は主に以下のとおりです。
・ハードウェアに保存する
・写真 or スクショを撮っておく
リカバリーフレーズは絶対にオンラインで接続できる場所には保管しないでください。
パソコンやスマホのメモ帳などに保存すると、パソコンがハッキングされた際に簡単に仮想通貨ウォレットへアクセスできるようになってしまいます。
デジタルの媒体に保存するなら、オフラインのUSBやSDカードなどのハードウェアに保存しましょう。
紙にメモして保存する場合は、紛失しないように注意してください。可能であればメモした紙を金庫などに保管するのがベストです。
セキュリティを高めたいならコールドウォレットを活用する
ホットウォレットのセキュリティが低いわけではありませんが、よりセキュリティを高めたいならコールドウォレットのほうがおすすめです。
ホットウォレットはオンラインで接続された状態なので、ハッキングのリスクは否めません。
例えば、取引所のウォレットなら取引所がハッキングされてしまうと、仮想通貨が紛失してしまうリスクがあります。
また、ソフトウェアウォレットはご自身が所持しているスマホやパソコンがハッキングされると仮想通貨流出のリスクが出てきます。
コールドウォレットならオフラインで仮想通貨が保管されているため、ハッキングによって仮想通貨が流出する可能性はほぼありません。
- 注意点
- コールドウォレットをパソコンに接続した際にハッキングをされることで仮想通貨が流出する可能性はわずかにあります。
取引所のウォレットを使うなら国内取引所を選ぶ
取引所のウォレットに仮想通貨を保管するなら、可能であれば国内取引所を選びましょう。
過去に国内取引所で仮想通貨流出事件が起きた際は、法定通貨での払い戻しや仮想通貨での補填などが行われています。
また、金融庁の指示により、仮想通貨の流出を防ぐために厳格な管理がされており、近年の国内取引所は特にセキュリティが厳重です。
もちろん海外取引所はセキュリティが低いわけではありませんし、流出した場合でも補填がされるケースはあります。しかし、そもそもとして海外取引所は日本に対してサービスを提供してはいけないことになっています。
そのため、海外取引所だと補填がされる保証はないということは理解しておきましょう。
ハードウェアウォレットは公式サイトから購入する
ハードウェアウォレットは偽物や中古を使ってしまうと個人情報や仮想通貨が流出してしまう可能性があります。
特にありがちなトラブルとしては、Amazonやヤフオク、フリマサイトなどの通販サイトで購入したものが偽物というケースです。
Amazonやフリマサイトでは新品のように出品することは簡単です。また、一部では公式が出品しているように見せかけているショップも見られます。
このようなところから購入すると、ウォレットに事前にウイルスなどが仕込まれていて、流出する可能性があるので絶対に避けてください。
必ず公式サイトから購入して、新品のものを使いましょう。
ダウンロードする際はページに誤りがないか確認する
ソフトウェアウォレットをダウンロードする際は、ページ・URLを確認することが大事です。
ソフトウェアウォレットの偽サイトは数多くあり、偽サイトにてウォレットをダウンロードして、送金などの手続きをしてしまうと、仮想通貨を盗まれてしまう可能性があります。
もしくはダウンロードをしただけで個人情報が抜かれてしまう可能性も考えられます。
そのため、正しく公式サイトにアクセスできているか確認することが大事です。
例えば、ウォレットを検索して、一番上位に出てくるサイトが本物であるとは限りません。
また、場合によっては公式のX(旧Twitter)が乗っ取られて、公式が偽サイトへ誘導するという事態も発生します。
そのため、公式サイトのURLをさまざまなサイトから情報収集して確認したうえでソフトウェアウォレットをダウンロードしましょう。
仮想通貨のハッキング事件が発生中、Twitter乗っ取りで偽サイトに誘導
まとめ
仮想通貨ウォレットは、仮想通貨を悪意から守るために重要なアイテムです。
しかし、使い方によっては手数料によって損をしてしまったり、利便性を損ねてしまったりします。
また、最悪の場合は、逆に仮想通貨を紛失するきっかけとなってしまいかねません。
本記事で紹介した注意点や安全に使うポイントをしっかりと理解したうえで、購入・ダウンロードに踏み切りましょう。