DApps(分散型アプリケーション)は未来になり得るが未だ現実ではない

DApps(分散型アプリケーション)は未来になり得るが未だ現実ではない

こんにちは、kaz(@kazukino11111)です。

仮想通貨の隆盛に伴い、分散型アプリケーション(以下dapps)が世に放たれてから数年の月日が経過しました。DAppsは果たして未来のあり方なのでしょうか?

DAppsの支持者にとってそれはインターネットの未来です。しかし、DAppsを批判する人にしてみればそれは開発コスト、貧相なUI、少ないユーザーに代表されるように、大金を吸い込む穴です。

AugurやIDEXと言ったDAppsは来たるインターネットのための初期テストなのでしょうか?もしくは失敗する運命だった非実用的な実験だったのでしょうか?

分散型のお金は成功するもDAppsは未知数のまま

DAppsに対する嫌悪は一種の言葉遊びのようになってきています。DAppsに関する記事の見出しはベンチャーキャピタルが巨額の資金をCrypto Kittiesのようなプロジェクトにつぎ込んでいるという内容で溢れています。もしくは、広く公表されているAugurに関するものでしょう。

後者は盛大にリリースが迎えられ、ローンチ直後はランキング上位にも食い込んでいましたが、今ではデイリーアクティブユーザーが60人以下となっていますが、未だにEtherumのフラッグシップDAppsである事に変わりはありません。

Dappradarを見てみると、DAppsについて話している人の数は実際に利用している人の数よりもだいぶ多く感じられます。

このランキングでは90人程度のデイリーアクティブユーザーを抱えていればどのランキングでもトップ20に食い込む事ができます。そして、200人強のデイリーアクティブユーザーを抱えていれば、トップ10に入る事ができます

日によって多少変動はありますが、このランキングで1000人以上のデイリーアクティブユーザーを抱えているのはDEX(分散型取引所)のIDEXとForkdelta、そしてポンジゲームと呼ばれているFomo3Dのみです。

dappsが新たなテクノロジーで有る限り、そのユーザー数が限られてくるのは当然ですが、その数が小さな部屋に収まるほどの人数まで絞られる必要はあるのでしょうか?

「Design is the Killer App for Crypto」

広く拡散された「Why design is the killer app for crypto」というCoinbaseの記事をご存知でしょうか?この記事には次のように書かれています。

 

「今日のブロックチェーンは度々90年代のインターネットと比べられる。インターネットが最初に世に放たれた時、誰がそれを家や車をシェアするのに使われると予想できただろうか。ウェブの構築者たちはその可能性を知る必要がなかった。彼らは目の前にあるテクノロジーが社会を変えると情熱的に信じていた人々によって構成されるグループだった。そして、彼らはそれを現実のものにした。」

DAppsを含むweb 3.0の要素は外部から見れば未だ荒削りで複雑に見えます。しかし、dappsのデザインが向上すれば、ブロックチェーンのスピードが高速化すれば、全てがうまく行き、ユーザーの増加も見込めるでしょう。

ブロックチェーンを使って紛争解決を目指すプロジェクト、Klerosの創設者であるFederico Ast氏は以下のように考えます。

 「新しいテクノロジーは疑いと共に受け取られる。最初の段階でそれを既存のテクノロジーと比べれば、見落とす事は十分にありえる。」

GPSからBTCウォレットまで、初期バージョンには失敗が付き物

ビットコインを黎明期から知る人であれば常識ですが、分散型テクノロジーはすでに長い道のりを歩んできました。最初のBTCウォレットはQRコードなどなく、遅く、非直感的なデザインのアプリケーションでした。

これはGPSも同じです。現在では車やスマートフォンに当然のように搭載されているツールですが、90年代後半のTop Gearを見るとJeremy Clarkson氏が5000ドルもする車ほどのサイズの箱に入ったGPSをレビューしているのが伺えます。

Klerosが最初にdappsとしてデビューしたのはDoges on Trialと呼ばれるテストケースです。ユーザーは犬の画像、もしくは全く無関係の別の画像をアップロードでき、クラウドソーシングされた陪審員を出し抜けるか確認する事ができます。他の全てのDAppsのように、これは非常に初歩的な簡単な物に見えますが、Klerosは非常に重要なコンセプトをテストしています

Federico Ast氏は「言うまでもなく最初期の車は馬よりもずっと高く、ずっと遅かったし、最初のEメールは従来の手紙よりずっと高かった」と例をあげ、「しかし、新たなテクノロジーのパフォーマンスは指数関数的に増加していく。馬鹿げた実験も調停を再考するための重要な一歩目になりうる」と説明します。

起源となるブロックの生成から9年間が経つと、多くの人々が分散化されたお金を欲するようになるという事が断定的に言われています。しかし、分散化されたアプリケーションを人々が欲しがるようになるかどうか判断するには別の9年間が必要になるかもしれません。

現状DAppsのアクティブデイリーユーザー数は非常に少ないです。しかし、この段階に置いてそれを指摘する事は馬鹿げた事なのかもしれません。つい最近GPSやインターネットに関してそうする事が無駄だとわかったように。

記事ソース:Decentralized Apps Might Be the Future but They’re Not the Present

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