先日、WBTC(Wrapperd BTC)を利用し、BTCをEthereum上に持ってくることをKyberNetworkら3社がイニシアチブを取って、取り組んでいくことがプレスリリースで発表されました。これにより、Ethereumのチェーン上でBTCを利用したサービスや新たなアプリケーションの利用が可能になります。

今回の記事では、KyberNetworkの共同設立者であるLoi Luu氏に今回のWBTCに関するインタビューを実施しました。短い時間の中で、ブロックチェーンに出会ったキッカケ、WBTCに関して、今後の日本に関してなどに関して語ってもらいました。

KyberNetwork CEO Loi Luu氏インタビュー

— 本日はインタビューに応えてくれてありがとうございます。まずは自己紹介となぜ、ブロックチェーンに興味を持ったのかを教えてください。

Loi : はじめまして。今日はこちらこそ宜しくおねがいします。Loi Luuといいます。KyberNetworkの共同創業者です。私がブロックチェーンに興味を持ったのは、2013-2014年のことでした。当時、暗号学とかそう言う分野の研究をしているときにブロックチェーンに出会いました。

当時は、まだ情報も今ほど多くなかったので、パブリックフォーラムやメーリングリストを利用し、ブロックチェーンに関する議論をよくしていました。最終的にはビットコインの研究を主に話していましたね。因みにその研究の中には、Ethereumの開発者でもあるVitalikも含まれていましたよ。議論としては、どうやって安全かつスケーラブルなパブリックチェーンを作るかという研究を主としていました。その中で、Ethereumのシャーディングの論文とかも書いて、その論文をもとにZilliqaとかも利用されたりしていますね。

— 当時は今ほどブロックチェーンも盛んではなかったですが、一部では盛り上がっていたことが伺えますね。それでは、今回プレスリリースを拝見しましたが、WBTCというものが発行されるようですね。この仕組みを簡単に説明してもらえますか?

Loi : 私達はKyberNetworkというプロジェクトで、これは主にDEXのプロジェクトです。普段から、BTCをどうやって、ETHのチェーン上に持ち込めば良いかをずっと考えていました。今回、発表したWWBTCのイニシアチブというのは、プレスリリースに書いてあるような会社やプロジェクトが参加しており、これらのプロジェクトが協力してWBTCを発行しています。

WBTCの発行方法としては、カストディアンにBTCを預けることで、ERC20のWBTCトークンと交換できます。これがBTCの価値を表しています。マーチャントがカストディアンにBTCを預けることで、WBTCが発行される仕組みとなっています。

— なるほど、それではユーザーはカストディアンにBTCを預けることでWBTCを手に入れられると。

ユーザーは、WBTCを手に入れる方法が2あります。1つはDEXでWBTCを購入することができます。もう1つは、WBTCが発行されたマーチャントに対して、自分のBTCをアトミックスワップで取引することで手に入れることができます。

こういった仕組みを取ることで、カストディアンの持っているBTCの残高を見ることができますし、発行されたWBTCの発行枚数との比較ができます。つまり、WBTCトークンの正当性がオンチェーンで証明することが可能になるのです。更にいろんなプロジェクトが参加してるDAOにより、WBTCプロジェクトが運営されています。

このDAOの中の人たちが、WBTCにおける重要事項、例えばスマコンの変更やマーチャントの諸々を決める投票をおこないます。

— 現状、このDAOに入るための条件とかはあるのでしょうか?

Loi : はっきりとした要件は今のところはないです。今の界隈におけるある程度有名なDEXプロジェクトが助けてくれています。最終的には参加したいと希望するプロジェクトは既存のDAOメンバーの投票によって決まります。

— カストディアンにBTCをリザーブすることでWBTCが発行される仕組みとなっていますが、分散性という観点から考えると、中央集権的な企業が入っているのは不思議な感じですね。

Loi : 確かに中央集権的な企業もいますが、カストディアンも分散型のテクノロジーにはかなり力を入れています。全て分散性ということも考えましたが、我々の見解としては問題ないと考えています。

— 因みにWBTCはBurnされていくと今回の発表ではありましたが、Burnをしていく理由はなぜでしょうか?BTCと常に1:1であることを証明するためですか?

Loi : これはその通りです。常にBTCとWBTCが1:1であることが証明されるようにするためですね。常に1:1であることが証明されることで透明性かつ信頼に繋がります。

— 昨今ではUSDTのような問題も多くありますからね。因みにETHのチェーン上でBTCをWBTCにすることでのメリットやユースケースなどを教えてもらえますか?

Loi : そうですね。様々なユースケースがあると思いますが、例えば、ICOは未だにEthereumのプラットフォームで行われることが多いです。その中で、従来だとETHを送っていましたが、これがWBTCで参加することも可能になります。今までも参加できたとは思いますが、スマートコントラクトで送り返されるのが容易になります。

Crypto KittiesのようなNFTを購入する際も、WBTCで購入が可能です。また、金融系のところもWBTCを利用することで様々な広がりを見せることができると考えています。Kyber自身も流動性を提供するポジションを狙っています。WBTCを持つことで、様々なパートナーのニーズに答えることが可能になります。

— 因みに今回のWBTCの仕組みは、ビットコインのサイドチェーンプロジェクトであるRootStockにも結構にている部分があるかなと思ったのですが、こちらとの違いってなにかありますか?向こうは、BTCのサイドチェーンではありますが。笑

Loi : RootStockは確かにアプローチとしては似ていますね。ただ、今回のWBTCはKyber単体で運用されているわけではなく、様々なプロジェクトで運用されています。どこか単体のプロジェクトというわけではないので、明確な違いとしてはそこが違いと言えますね。

— 色々と短い間でしたが、ありがとうございました。最後にコメントをいただけますか。

Loi : こちらこそありがとうございました。私は日本のコミュニティはこれから、もっと面白いものが沢山出てきて、構築されていくと思っています。そのためには、まだまだ開発者とかエンジニアが足りていないとも感じています。なので、この産業にもっと沢山の人が飛び込んできて欲しいと思っています。日本は、技術力も高く、それが必ずできる環境だと思うので楽しみな市場です。

また、将来的に見るとパブリックブロックチェーンが使いやすく、スケーラブルなものになると思っています。そんな、パブリックブロックチェーンのスケーラビリティや、先進的な部分をこれから先、見ていきたいですし、そうなるように我々も頑張っていきます。

最後に

今回は、KyberNetworkの共同設立者であるLoi Luu氏にインタビューを実施させていただきました。

oi Luu氏にインタビューをする中で、今回発表のあったWBTCだけではなく、なぜブロックチェーンに興味を持ったのか、今後の市場はどうなっていくと思うか?、DEXが流行るためには?と本当に様々な質問を投げかけさせていただく中で、WBTCのことだけでなく、色々な方面の質問が飛んできて面白いねともコメントをいただきました。

そのくらい、トッププロジェクトであるKyberNetworkの共同設立者 Loi Luu氏がどのようなことを考えており、現在の市場をどう見ているかということに私自身、興味津々でした。

もっと色々なことを聞きたかったのですが、30分と限られた時間の中でのインタビューでいろいろと聞けたと思います。今後のWBTCに関して、そしてKyberNetworkの発展を共に期待しましょう。