財務省が税制調査会を実施 | 仮想通貨の税金に言及
Crypto Times 編集部
11月4日、財務省による税制調査会が行われ、仮想通貨の国際課税に関する言及が行われました。
OECD(経済協力開発機構)の取り組みについて、財務省は会議資料の中で下記内容を挙げています。
- 仮想通貨による租税回避リスクの健在化を受け、OECD(経済協力開発機構)が自動的情報交換の国際標準を策定したこと
- 2022年8月末に最終的なルール及びコメンタリーがOECD租税委員会(CFA)で承認されたこと
- 今後、OECDにおいて、策定された枠組みが各国で統一的に適用されるための実施細目及び実施スケジュール等が検討される予定であること
2021年4月、G20はOECDに対して、仮想通貨に関する税の関連情報の自動交換を規定する枠組みを開発するよう義務付け、これを受けてOECDは2022年8月にCARF(Crypto Asset Reporting Framework)を承認しました。
仮想通貨における情報の自動交換とは、日本に住む投資家が海外取引所を利用した場合に、現地国の税務当局と日本の税務当局の間で取引情報が自動で交換されることを指します。
令和元年に行われた政府税制調査会では、経済のデジタル化に伴い、現行の税制が物理的拠点を持たずに経済活動が行える現代のビジネスモデルに対応しきれていない点が課題として挙げられました。
現在、OECDによるCARF(Crypto Asset Reporting Framework)の作成は進んでおり、先月10月10日には、共通報告基準について改正したCARFを新たに公開。さらに、先日の日本経済新聞の報道によると、早くとも2025年頃に各国間での情報交換が開始される可能性があるとしています。
現在、EUではMiCAと呼ばれる仮想通貨に関する規制法案の制定が進んでおり、2023年2月には欧州議会と欧州理事会による最終投票が行われる見込みです。
今後、MiCAやCARFに関する取り組みが進んでいくことで、さらなる仮想通貨の規制整備が行われることが推察されます。
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記事ソース:資料、日本経済新聞、OECD、The Block
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