ASML純利益2.3倍、それでも半導体株が売られた理由とは
よきょい
オランダの半導体製造装置大手ASMLは10月14日、7〜9月期決算を発表しました。売上高は116億6200万ユーロと四半期として過去最高を記録し、純利益は49億6000万ユーロとなりました。
前年同期の純利益21億2500万ユーロと比べると、約2.3倍に相当します。同社はEUV露光装置(極端紫外線で微細な回路を焼き付ける装置)を世界で唯一手がけており、その決算は半導体投資の先行指標として注目されています。
売上高は前年同期比で約55%、前四半期比で約25%増えた計算で、粗利益率は57.5%でした。純利益は市場予想の約41億ユーロを大きく上回った一方、売上高は予想の約117億2000万ユーロをわずかに下回りました。10〜12月期の売上高は142億〜152億ユーロ、粗利益率は約57%を見込んでいます。2026年通期の売上高見通しは440億〜450億ユーロとし、7月時点の430億〜450億ユーロから下限のみを引き上げました。
クリストフ・フーケCEOは顧客がAI関連投資の規模や期間を踏まえて需要予測を引き上げ続けているとしたうえで、2027年と2028年の供給計画では顧客の需要を完全には満たせないとの認識を示しました。一部の顧客からは2029年、さらには2030年分の発注に関心が寄せられているとも説明しています。同社は7月、主力のEUV装置の生産能力を2027年に約30%、2028年にさらに約30%引き上げる計画を示しており、2028年分は上乗せを検討しているとしています。7〜9月期には約41億ユーロの自社株買いも実施しました。
好決算にもかかわらず売上高がほぼ予想並みで通期見通しの上限も据え置かれたことから、市場では材料出尽くしと受け止められ東京市場では決算発表後に半導体関連株が売られました。同社株は年初から大きく上昇しており、高い評価水準が上値を抑えた面もあると見られています。
一方で、需要が供給を上回る状態が2028年まで続くとの見通しは、装置業界全体の受注環境の強さを示すものです。短期の株価反応と中長期の業績見通しとの温度差が、今後も意識されそうです。
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