スペイン強豪サッカークラブ、仮想通貨取引所の約65億円未払いで法的措置を検討=報道

スペイン強豪サッカークラブ、仮想通貨取引所の約65億円未払いで法的措置を検討=報道

最新UEFAランキングで15位となるスペインの強豪プロサッカークラブ「アトレティコ・マドリード」が、スポンサー料金の未払いにより暗号資産プラットフォームのWhaleFinを訴える準備をしていることが海外メディアProtosに報じられました。報道によると、アトレティコ・マドリードに対する約65億円(4000万ユーロ)分のスポンサー料金が未払いの状態になっているとしています。

2022/23シーズン開始に先立ち、WhaleFinと5年間のスポンサー契約を締結していた同クラブ。昨年8月には、Play to Earn Web3ゲームとして知られる「STEPN(ステップン)」とアトレティコ・マドリードのコラボスニーカーNFTがWhaleFinで販売されるなどの取り組みも行われていました。

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アトレティコ・マドリードは、WhaleFinが支払いを怠ったことで契約条件に違反したと主張し、約22億円(2000万ユーロ)の補償を求める予定としています。

WhaleFinの親会社であるAmberグループは、昨年12月に3億ドルに及ぶシリーズCの資金調達を実施。左記の動きは仮想通貨取引所FTXの経営破綻に伴うもので、同グループの総取引資本の10%未満がFTXに関連付けられていたことなどもあり、元々予定していた評価額30億ドルでのシリーズBの資金調達計画を変更したものとなります。

上記の資金調達は、上海に拠点を置くFenbushi Capitalがリードし大口の個人投資家やファミリーオフィス系のファンドも参加。資金調達時の企業評価額はついては公表されていません。

FTXの経営破綻後、Amberグループはイングランドプレミアリーグのチェルシーとの年間約2000万ポンドのスポンサー契約を終了したことも報じられています。

スポーツ関連企業と仮想通貨企業

スポーツ関連企業と仮想通貨関連企業の提携が中止された事例は昨今増加傾向にあり、その多くがFTXに関連しています。

当時、世界最大手の仮想通貨取引所として知られていたFTXは、F1、NBA、MLB、eスポーツなど多くのジャンルのスポーツ企業と提携していました。

過去に提携していた企業と内容の事例

  • メルセデス-AMG ペトロナス(F1 レースチーム):F1レーシングチームは、2021年9月に長期契約を締結。2022年11月11日にFTXのスポンサーシップを中止
  • マイアミ・ヒート(NBAチーム):2021年4月に発表された19年間で1億3500万ドルの大型契約を締結。現在はFTXとのすべての契約終了を発表済
  • チーム・ソロミッド (eスポーツクラブ):FTXとの最大の公開契約(10年間で2億1000万ドル)を2021年6月に締結。2022年11月に取引を中止
  • メジャーリーグベースボール(MLB):FTXは、リーグの審判員のユニフォームにロゴパッチを付ける5年間の契約を締結。現在は契約解消済

日本人にとって馴染み深かったのはMLBの事例で、当時大谷翔平氏が打席に入った際、審判の胸にFTXのロゴが記載されていたことが当時、Twitter(仮想通貨業界)で話題となりました。

アトレティコ・マドリードとWhaleFinの今後の動向は、スポーツ関連企業(特にプロサッカークラブ)と仮想通貨取引所との関係性に影響を及ぼす可能性が考えられます。今後の両社の動向に注目が集まります。

記事ソース:ProtosBloomberg

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