バイナンス1兆円規模の流出で米規制論が再燃|トランプ氏も言及
10月29日に仮想通貨取引所バイナンスで約63億ドル(約9922億円)が流出した事件を受け、米国で業界規制をめぐる議論が再び活発になっています。バイナンスのリチャード・テン共同CEOは原因の一部として、開発運用担当エンジニアのノートパソコンが侵害され、攻撃者が不正な出金を送信できるシステムにアクセスしたことを挙げました。
トランプ大統領は10月30日の記者会見で、事件を調べていると述べたうえで、バイナンスは顧客の資金を返すと説明していると語りました。仮想通貨には以前から危うさを感じていたとの考えも示しています。
米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長は、バイナンスが同委員会の規制下にない点を問題視しました。規制の及ばない海外取引所には米国の金融市場のような安全策が備わっていないという主張です。CFTCは10月5日、個人向けのレバレッジ取引に関する規制の枠組みと、こうした商品を扱う取引所の新たな登録区分を提案していました。
上院で審議が止まっている市場構造法案「CLARITY法案」の効果については、見解が分かれています。共和党のルミス上院議員は、法案があれば捜査当局の要請を受けた時点で企業が疑わしい取引を凍結する法的な裏付けが得られたと主張しました。これに対し、米証券取引委員会(SEC)で首席補佐官を務めた金融規制団体ベター・マーケッツのアマンダ・フィッシャー氏は、法案はステーブルコイン発行体の凍結に裁判所の命令を求めていたと反論しています。
バイナンスをめぐっては、2023年に創業者のチャンポン・ジャオ氏がマネーロンダリング対策の不備を認め約40億ドルの和解に至った経緯があり、同氏はその後トランプ大統領の恩赦を受けています。CLARITY法案は大統領の仮想通貨事業をめぐる倫理規定で与野党が対立し、9月に上院で審議入りが否決されました。
過去最大の流出事件が、中間選挙後の議会審議にどこまで影響するかが注目されそうです。
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