仮想通貨取引所が銀行に?クラーケン、欧州の銀行を買収へ

2026/10/27・

よきょい

仮想通貨取引所が銀行に?クラーケン、欧州の銀行を買収へ

仮想通貨取引所クラーケンの親会社Paywardは10月14日、リトアニアのSaldo Bankを保有するフィンランドのSaldo Finance Oyの買収に合意しました。規制当局の承認を前提に、2027年の完了を見込んでいます。

買収により、預金口座、融資、決済サービスが仮想通貨取引を中心とするグループに加わることになります。Paywardは、利付き預金や個人・法人向け融資、カード商品などを計画として掲げています。

ただし、同じアプリ内に並んでいても資産ごとの法的な保護は異なります。Saldo Bankの適格預金は、リトアニアの預金保険制度で1預金者・1銀行あたり原則10万ユーロまで保護されます。一方、既存のPayward Ireland Limitedが扱う電子マネー残高は、預金保険ではなく分別管理による保護です。ビットコインなどの仮想通貨は、価格下落による損失が預金保険で補償されることはありません。

Saldo Bankの2026年6月の報告では総資産1億9690万ユーロ、個人預金1億6940万ユーロ、貸出債権総額1億2950万ユーロでした。2025年の監査済み決算では、90日以上延滞した債権が161万5000ユーロから351万4000ユーロへと約118%増え、貸出に占める割合は1.55%から2.84%に上昇したと試算されます。

2026年6月までの期間は貸倒費用が引当前の営業利益を上回り、54万5000ユーロの純損失となりました。自己資本比率は19.0%と報告されています。

延滞債権がそのまま損失になるわけではないものの、今回の買収は与信リスクの管理も引き受けることを意味します。Paywardは給与の受け取りなどを一体化した商品の詳細をまだ公表していません。資金がどの法人に置かれ、どの保護が適用されるのかを明確に示せるかが、今後の重要な論点になりそうです。

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