プライバシー系仮想通貨に注目集まる|RAILGUNの利用急増

プライバシー系仮想通貨に注目集まる|RAILGUNの利用急増
ct analysis

仮想通貨市場において長らく冬の時代にあった「プライバシー」領域が2025年中頃から注目を集め、2026年にはいっても活況を呈しています。その潮流はかつてのような「完全匿名通貨」への回帰ではなく、規制への適応とパブリックチェーン上での実需という新しい形を見せ始めています。

象徴的な動きを見せているのが、イーサリアム (Ethereum) 上のプライバシープロトコル「RAILGUN」です。 オンチェーンデータによると、RAILGUNにおけるトークンのシールド(秘匿化)トランザクション数は、1日あたり328件という過去最高値を記録しました。

これは完全に独立した匿名通貨を使うのではなく、DeFi(分散型金融)のエコシステムが存在するパブリックチェーン上でゼロ知識証明を用いて「必要な部分だけを隠す」という利用スタイルが定着しつつあることを示しています。



生存戦略が分けた明暗:MoneroとZcash

RAILGUNのようなソリューションが台頭する一方でネイティブなプライバシー通貨であるMonero(XMR)とZcash(ZEC)は規制当局へのスタンスの違いにより、2025年までに全く異なる道を歩むこととなりました。

Moneroは2014年の発足以来、コミュニティ主導で「強制的なプライバシー」を貫いてきました。

すべての取引を匿名化するその設計思想はTRM Labsの調査で「2024年の新規ダークネット市場の約半数がMoneroを排他的に採用した」と報告されるほど、アングラ市場での支持を不動のものにしました。 しかし、その代償として「表の市場」からは締め出されています。2024年にはBinance、OKX、Krakenといった主要取引所での上場廃止が相次ぎ、流動性の確保が困難な状況が続いています。

対照的に企業主導(Electric Coin Company)で開発され、学術研究をルーツに持つZcashは「選択的プライバシー」という柔軟な道を選びました。

プライバシー機能をオプション(任意)とし、規制当局と対話路線をとった結果、2025年にはBinanceでの「監視タグ」削除、OKXでの再上場など、主要市場への復帰を果たしています。現在、供給量の約30%が秘匿領域(シールド・プール)に保管されており、コンプライアンスを遵守しながらプライバシー需要を取り込むことに成功しています。



技術的優位性と「量子耐性」の壁

両者は将来の技術ロードマップにおいても対照的です。 ZcashはPoWとPoSのハイブリッドシステム「Crosslink」への移行に加え、すでにプライバシー層において「量子耐性(量子コンピュータによる解読への耐性)」を実装済みです。

一方、Moneroは現在のリング署名技術を「FCMP++」へアップグレードし、ブロックチェーン履歴全体を匿名セットとして利用可能にする計画を進めていますが、量子耐性の獲得についてはZcashの後塵を拝しており、今後の開発における重要課題となっています。

透明性が前提のブロックチェーンにおいて、プライバシーを「権利」としてどう組み込むか。ツール型のRAILGUN、コンプライアンス型のZcash、そして完全匿名型のMonero。三者三様のアプローチは、Web3における自由と規制の境界線を問い続けています。

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