NEM(ネム)とは?国内3社に縮小した仮想通貨XEMの価格・将来性・買い方

NEM(ネム)と暗号資産XEMを紹介する記事のサムネイル。濃紺の背景に、明るさと大きさの異なる光る点が細い線でつながったネットワークと、その下を横切るように連なる半透明のブロックが並ぶ抽象的なイラスト

NEM(ネム)は2015年に始まったブロックチェーンで、XEM はその暗号資産です。取扱いが国内3社に縮小した経緯を含め、PoI などの特徴・Symbol との違い・価格動向・今後・リスク・国内での買い方を中立に解説します。

NEM(ネム)は、2015年に動き出したブロックチェーンで、XEMはその上で使われる仮想通貨(暗号資産)です。

この記事では2024〜2025年に取扱いの終了が相次いだ経緯を含め、NEMの特徴・Symbolとの違い・価格動向・今後・リスク・国内での買い方を解説します。

・2024〜2025年に取扱い終了が相次ぎ、国内でXEMを扱うのは3社に縮小した
・XEMは最初のブロックで全量を発行済みで、ハーベストの報酬は取引手数料が中心
・価格は2018年1月の最高値211円の約4,100分の1で、直近1年でも約7割下落

NEM(ネム)とは?

NEM Documentationのトップページ。左にOverview・Concepts・User guidesなどのナビゲーション、中央に「Welcome to the NEM Documentation」の見出しと、NEMのロゴを富士山と松に組み合わせたイラスト
画像:NEM Documentationのスクリーンショット(2026年10月22日撮影)

NEMはNew Economy Movementの略で、送金のほか、メッセージの送信・独自の資産の発行・名前の登録をチェーンの機能として提供するプロジェクトです。XEMは、このネットワークで使われる通貨の単位です。

「ネム」「NEM」「XEM」「ネムコイン」と呼び方は揺れますが、売買の対象はいずれもXEMです。取引所の表記も、bitFlyerは「ネム(NEM)」、コインチェックは「ネム(XEM/JPY)」、Zaifは「XEM/JPY(ネム)」と分かれています。

プロジェクトは2014年1月19日、海外の掲示板bitcointalkにutopianfuture名義で投稿された告知スレッド「[ANN] NEM」から始まりました。チェーンの最初のブロックは、2015年3月29日(UTC)に作られています。

NEM(XEM)の基本情報

名称 NEM(New Economy Movement)/通貨単位XEM
ティッカー XEM
合意方式 Proof of Importance(PoI)
総供給量 8,999,999,999 XEM(最初のブロックで全量発行済み・新規発行なし)
価格 約0.052円
時価総額 約4.68億円
時価総額順位 2095位
国内の取扱い 3業者(bitFlyer・コインチェック・Zaif/金融庁の登録一覧・2026年9月30日現在)

*2026年10月28日時点・出典:CoinGecko、総供給量はNEM Technical Reference、国内の取扱いは金融庁の暗号資産交換業者登録一覧

NEMの最新動向:上場廃止が相次ぎ国内は3社に

2024年6月のBinanceを皮切りに、国内外の取引所がXEMの取扱いを相次いで終え、国内で扱うのはbitFlyer・コインチェック・Zaifになりました。チェーンが止まったわけではなく、減ったのは売買できる場所です。

取扱いの終了は、次の順で続きました。

  • 2024年6月3日:BinanceがXEM/USDTなど4銘柄を6月17日に上場廃止すると発表し、XEMは24時間で30%超下落したと報じられた
  • 2024年9月:Binance Japanが、Binanceのグローバルでの上場廃止を受け、XEMの取扱いを9月18日に廃止すると発表したと報じられた
  • 2025年5月21日:GMOコインが、XEM・XYM・MONA・QTUM・ENJ・BATの6銘柄の取扱いを8月2日までに段階的に廃止すると発表したと報じられた
  • 2025年7月23日:ビットトレードが、XEMの取扱いを8月29日に廃止すると公告した

ビットトレードは廃止の理由を「グローバルでの流動性の低下によりカバー取引やプライス生成の継続が困難」と説明しています。GMOコインの廃止も、報道ではグローバルの流動性不足が理由とされました。

NEMの特徴

NEMの特徴は、残高に加えて取引の多さも評価する合意方式と、新規発行の無い供給、トークン発行やマルチシグを標準で備える設計にあります。2021年には、NEMから派生した別のチェーンSymbolも生まれました。

仕組みの数値は、2018年版の技術資料「NEM Technical Reference」によります。

取引の多さも評価するPoI

NEMの合意方式はProof of Importance(PoI)で、ブロックを作る処理はハーベスティング(収穫)と呼ばれます。PoIは残高だけでなく、誰とどれだけ取引したかも「重要度」として評価に入れます。XEMを置いておくだけの口座より、送金に使っている口座が評価されやすい設計です。

PoIの計算に入るには、vested(権利が確定した)残高が10,000 XEM以上必要です。入金したXEMは、まだvestedでない分の10%が1日(1,440ブロック)ごとにvestedへ移ります。

重要度に数える取引は、1,000 XEM以上で直近43,200ブロック(約30日)以内の送金です。受け取る側も10,000 vested XEM以上を持つ必要があり、取引額の重みは1日ごとに小さくなります。

全量発行済みで、報酬は手数料から

XEMは最初のブロック(nemesis block)で全量が発行され、そこに入ったアカウントは初めから全額がvestedでした。Supernode Programの説明でも、XEMは100%発行済みで、新規発行のブロック報酬は無いとしています。

ブロックの間隔は難易度の調整で平均約60秒に保たれ、ハーベストした口座はそのブロックに含まれる取引手数料を受け取ります。

本体口座の鍵を使わない方法として、委任ハーベストもあります。本体口座の重要度を資金の無い委任用の口座に移してその鍵でハーベストし、報酬は本体口座に自動で送られます。

独自トークンやマルチシグを標準装備

NEMでは、独自トークン(モザイク)の発行、名前の登録(ネームスペース)、公証機能Apostilleを、チェーンの標準機能として使えます。n個の鍵のうちm個の署名で動かすm-of-nのマルチシグ口座も、プロトコルが標準で対応しています。

送金の手数料は、10,000 XEMごとに0.05 XEM(上限1.25 XEM)と、メッセージ32バイトごとに0.05 XEMの合計です。

ノードに報酬を払うSupernode Program

NEM Supernode Programのページ。左に参加ノード数92・現在のラウンド5248・支払総額25.46K XEMの数値カードとアクティブなノードの一覧、右にXEMはGenesis blockで100%発行済みといったプログラムの説明文
画像:NEM Supernode Programのスクリーンショット(2026年10月22日撮影)

Supernode Programは、性能の高いノードの運営者に、10,000,000 XEMの報酬枠から報酬を分配する仕組みです。

評価は6時間ごと・1日4回のテストで、チェーンの高さ・計算能力・帯域・応答性などを見ます。参加には10,000 XEM以上の保有と、月1回の再登録が必要です。

Symbol(XYM)は2021年に生まれた別チェーン

Symbolは、NEMから派生した別のブロックチェーンで、ネイティブ通貨はXYMです。メインネットは2021年3月16日に始まり、合意方式はPoIとは異なるProof-of-Stake Plus(PoS+)です。

XYMは、2021年3月12日のNEMのブロック高3,105,500でのXEM保有量に応じ、オプトインした保有者に1 XEM=1 XYMで配られました。XEMは、そのまま残っています。

公開時の告知では、XYMの受け取りはローンチ後も最長6年まで請求できるとされました。ただし、正確な期限と、いまも受け付けが続いているかは、公式には示されていません。

この記事で扱う価格や取扱いは、すべてXEMのものです。

NEM(XEM)の価格動向

XEMの価格は2026年10月28日時点で約0.052円です。1年前の約0.200円から約74%下がり、2026年10月26日にはこの1年の安値の約0.049円をつけました。

CoinGeckoの円建ての最高値は2018年1月7日の211.47円、最安値は2015年9月5日の約0.0101円です。

最高値の19日後の2018年1月26日、コインチェックが保有していたNEMが不正に外部へ送信され、顧客の預かり分のうち5億2,300万XEMが流出しました。関東財務局は1月29日、同社に業務改善命令を出しています。

コインチェックは1月28日、流出したNEMの保有者約26万人に、1 XEM=88.549円で日本円の補償をすると発表したと複数の報道が伝えました。補償の総額は約463億円で、自己資金でまかなうとされています。

直近1年(2025年10月29日〜2026年10月28日)で最も高かったのは、2025年12月2日の約0.246円です。週ごとに見ると、2026年7月2日から9日に約76%上がり、続く9日から16日に約41%下がりました。

10月12日から19日にも、約40%下げています。

NEMの今後

NEMの将来性を考える材料は、チェーンがいまもブロックを作り続け、ノードソフトの保守も続いていることです。一方で、公式のロードマップは2020年のSymbol公開計画を最後に更新が止まっています。

チェーンは稼働、ノードソフトも保守が続く

GitHubのNemProject/nemリポジトリの画面。8,009件のコミット、最新のコミットが27分前であること、Releases欄に最新版のnis v0.6.102が表示されている
画像:GitHub NemProject/nemのスクリーンショット(2026年10月22日撮影)

公開ノードの記録では、NEMのチェーンは2026年10月22日もブロックを作っており、高さは5,870,587でした。

ノードソフトNISの最新リリースは2025年4月2日のv0.6.102で、新しいテストネットやAPIの追加を含みます。GitHubのリポジトリには、2026年10月にもピアノード一覧の更新などのコミットがあります。

ロードマップは2020年で止まり、公式ウォレットはアーカイブ

docs.nem.ioのロードマップのページで最新の内容は、NEM Foundationが運営していた2019年第4四半期〜2020年第3四半期のSymbol公開計画です。

デスクトップウォレットNanoWalletのGitHubリポジトリは、2023年にアーカイブされ、読み取り専用になりました。最後のリリースは2023年1月26日のv2.7.0です。

NEMの注意点・リスク

XEMを持つうえでの注意点は、開発と資金の担い手が見えにくいこと、チェーン上の取引が少ないこと、ノードの評価が中央の監視サービスに頼っていることです。

運営組織が変わり、今の担い手が見えにくい

NEMの運営を担っていたNEM Foundationでは、2019年1月、当時の会長Alexandra Tinsman氏が「資金は約1か月分」と述べ、人員削減と再編を計画したと報じられました。

2020年6月の公式フォーラムの告知では、移行先のNEM Group Limited(NGL)が、ソフトウェア開発・投資・コミュニティ・トレーディングの4部門で構成されると説明されました。

2021年8月のNEM Trustの告知はNGLを閉じると伝え、中核開発者がスイスに作る新しい財団に、約12億XEMと約7.7億XYMの開発者基金を出すとしました。同じスレッドで、開発者は「まだ交渉中」と返信しています。

現在のdocs.nem.ioの連絡先ページは特定の財団名を挙げず、「NEM contributors」への連絡先として、Discord・X(旧Twitter)の@NEMofficial・GitHubのNemProjectを案内しています。

NGLの解散方針が告知されて以降、NEMチェーンの開発と資金を担う組織と、開発者基金の最終的な条件は、公式には示されていません。

チェーン上の取引が少ない

nem.fyiエクスプローラーのトップ。最新ブロック5件がいずれも取引数0・手数料0で、総取引数11.07M・ノード数96・スーパーノード数92などの数値パネルが並ぶ
画像:nem.fyiのスクリーンショット(2026年10月22日撮影)

エクスプローラーのnem.fyiで2026年10月22日に表示されていた直近約50ブロックは、取引数がすべて0でした。ノード数は96で、うちスーパーノードは92、累計の取引数は約1,107万件です。

ハーベストの報酬は取引手数料が中心のため、取引が少ないと、ブロックを作る側が受け取る報酬も小さくなります。

ノードの評価は中央の監視サービスが担う

Supernode Programのテストは、中央で管理される監視サービス(controller)が行います。参加の登録先のアドレスは、毎月X(旧Twitter)とDiscordで告知されます。

NEM(XEM)の買い方

XEMは、国内ではbitFlyer・コインチェック・Zaifで、日本円で買えます。bitFlyerは販売所、コインチェックは取引所と販売所、Zaifは取引所で扱っています。

販売所はbitFlyer、取引所はコインチェックとZaif

3社では、最小の購入額と手数料の形が異なります。販売所は業者を相手に売買する形で、bitFlyerのように売買手数料が無料でも、買値と売値の差(スプレッド)がかかります。

  • bitFlyer:販売所で1円から購入でき、最小発注数量は0.000001 XEM。売買手数料は無料(スプレッドあり)、送付手数料は3 XEMで、2020年8月6日から扱う
  • コインチェック:取引所の手数料はMaker・Takerともに0.000%。最小注文数量は円建てで500円相当額、BTC建てで0.001 BTC相当額で、2017年4月19日から扱う
  • Zaif:取引所でXEM/JPYとXEM/BTCを扱い、手数料はMaker 0%・Taker 0.3%。XEM/JPYの最小注文数量は0.1 XEM

コインチェックの送金手数料は0.5 XEMで、同社の利用者どうしの送金と預け入れは無料です(2024年12月時点)。Zaifの出金手数料は2〜20 XEMです。

送るときはNEMのネットワークを選ぶ

コインチェックは、XEMの入金にNEMのネットワークを使うよう求めています。異なるネットワークから送ると、通貨を失う可能性があるとしています。

XYMはSymbolのネットワークの通貨で、名前が似ていてもXEMとは別のネットワークで動いています。

XEMを送る前に、宛先のアドレスと、通貨・ネットワークが合っているかを確かめてください。

NEMに関するよくある質問

仮想通貨ネムは売れない?

国内では、いまも円で売却できます。2026年10月28日もコインチェックとZaifのXEM/JPYでは売買が成立しており、直近の約定値はそれぞれ0.05円・0.0525円でした。

ビットトレードは取扱いの廃止後、同社で売却が難しいXEMについて、2030年8月29日までの5年間は返還の請求に応じるとしています。

仮想通貨ネムはいつ終了しますか?

NEMのチェーンを止めるという告知は出ていません。Symbolの公開時にNEM側は、NIS1のチェーンはこれまで通り毎分ブロックを作り続け、今後もそうすると告知しました。

ネムは1万円になる可能性はありますか?

将来の価格は断定できません。1 XEMが1万円になると、総供給量の約90億XEMを掛けた時価総額は約90兆円になる計算で、現在の価格の約19.2万倍にあたります。

XEMは新規発行が無く供給量が一定のため、1 XEMの価格は時価総額にそのまま比例します。

NEMのまとめ

この記事では、NEMの特徴・Symbolとの違い・価格動向・今後・リスク・国内での買い方を解説しました。

  • NEMはブロックチェーン、XEMはその上で使う通貨の単位
  • XEMは最初に全量を発行済みで、新たには増えない
  • SymbolのXYMは2021年に生まれた別の通貨で、XEMはそのまま残る
  • XEMの価格は、直近1年で約74%下がった
  • 国内で買えるのはbitFlyer・コインチェック・Zaifの3社

強みは、2015年に動き出したチェーンがいまもブロックを作り続け、ノードソフトの保守も続いているうえ、送金に加えて独自トークンの発行やマルチシグを標準の機能として使える点です。

一方で、国内外で取扱いを終える取引所が相次ぎ、チェーン上の取引も少なく、開発と資金を担う組織が見えにくい点には注意が必要です。

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