『Tacen&TXAプロジェクト』の概要や特徴、AMAの内容をQ&A形式で解説!

2021/05/07・

ユッシ

『Tacen&TXAプロジェクト』の概要や特徴、AMAの内容をQ&A形式で解説!

昨今、UniswapをはじめとするDEX(分散型取引所)が業界で大きな注目を集めています。

従来のCEX(中央集権型取引所)の問題を解決するとして誕生したDEXですが、そこにはまだ課題が残っているのが現状です。

本記事では、DEXとCEX両者の特徴を併せ持つ”ハイブリット型DEX”の提供を目標とするプロジェクト「Tacen」と、Tacenが関わっている「$TXAプロジェクト」について、先日開催されたAMAの内容を元にQ&A形式で解説していきます。

・「仮想通貨取引所の最先端について知りたい」
・「TacenやTXAプロジェクトについて知りたい」

といった方は是非最後まで読んでみてください。

目次

Tacenの概要

Tacenの概要

創設者Jae Yang
特徴CEXタイプのオーダーマッチングの速さと、ノンカストディアルなシステムを組み合わせたハイブリット型DEXを提供。
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Tacenはハイブリッド型DEXの提供を目標とするプロジェクトです。

  • CEXの高速な集中型オーダーブックとノンカストディアル取引を組み合わせたシステム設計
  • 取引がp2pで行われるためKYCが不必要

といった点から、従来の取引所と比べ独自のアプローチをしているプロジェクト。

そして、Internet Computerと呼ばれるDFinityのエコシステムとしてバーチャルイベントに参加したことも有り、現在非常に注目されています。

Tacen&TXAプロジェクトのAMA

今回のAMAにはCEOのJae氏とChief of ProductのClarence氏が来てくれました。

CRYPTO TIMES編集長
Tacenはまだ詳細が多く出ていないので、是非ともその仕組やどんなプロジェクトなのかというところを隅々まで聞いていけたらと思っています!

自己紹介

Jae:皆さんこんにちは、Tacenの創業者兼CEOのJae Yangです。

私のバックグラウンドはもともと航空宇宙工学で、ヘリコプターのエンジニアリングの世界で約9年半働いていました。

 様々な防衛関連企業のために、物理シミュレーションやPilot-in-the-Loopシミュレーションを数多く手がけてきました。

その後、Eコマースの世界経て、次にSmartThingsで少しだけIOT業界で働いたことがあります。最近では、Metal Payのエンジニアリング・ディレクターとして、アプリのバックエンドの立ち上げや、エンジニアリング・チームのリーダーを務めています。

Clarence:こんにちは、Clarenceです。

私はTacenでプロダクトを担当し、OpulousとElastosのプロジェクトにもアドバイスをしています。私は、シリコンバレーで7年間ソフトウェアエンジニアをしていましたが、その後、ブロックチェーンのビジネス開発と製品に移行しました。

1. Tacenとはどんなプロジェクトなのですか?

TacenはハイブリッドDEXのためのクロスチェーン分散型決済レイヤーを構築しています。

ハイブリッドDEXとは、高速な集中型オーダーブックと、分散型決済レイヤー、非カストディアル取引を組み合わせたものです。

分散型決済レイヤーは、米国では法的に問題ありません。取引がピアツーピアで行われるため、KYCを必要としないのです。

CRYPTO TIMES編集長
ウェブサイトにも書いてある「KYCを必須としない」という部分が早速出てきました。
ここは後で深掘って聞いていきたいと思います!

2. プロジェクトの最もメジャーなポイントを教えて下さい。

Jae :私たちのプロジェクトがユニークなのは、システム設計とコンプライアンスに対するアプローチだと思います。

まず第一に、トレーダーのプライバシーを守りつつ、同時に米国の規制に準拠することに注力しています。

また、コミュニティがクロスチェーン決済レイヤーの安全性確保に貢献できるようにしています。

Clarence:当社の分散型決済レイヤーは、スマートコントラクトやオラクルを含め、オープンソースで透明性が高く、監査も容易です。また、他の多くの取引所プラットフォームにも対応可能です。

トレーダーは、自らが所有するスマートコントラクト「Smart Wallet」を通じて、どのチェーンでも資金を担保にし、マッチングスピードが5秒以下という速度である中央のオーダーブックに取引を署名して送信することができます。

取引がマッチングされると、マッチングエンジンによって署名され、分散型のオラクルネットワークにブロードキャストされます。オラクルネットワークは、取引を立会人として記録するとともに、決済金額を事前に計算します。(純利益 / トレーダー間のデルタ)

決済は遅れて行われるため、ユーザーは合成残高で取引を行いますが、いつでも決済を呼び出すことができ、ピアツーピアで決済が行われるプロセスが開始されます。

– 旧式のDEXでオーダーブックを使用していたときは、注文を出したり戻したりするときに取引手数料を支払わなければなりませんでしたが、御社のDEXでも同じですか?

Jae:ガスステーションネットワーク(GSN)を取り入れて、トレーダーの手数料の大半を賄うようにします。

また、注文を入力する際に手数料を支払う必要もありません。

なぜなら、私たちのモデルでは中央型のオーダーマッチングシステムを利用しているからです。取引所のAPIに署名されたペイロードを送信することになります。

CRYPTO TIMES編集長
従来のDEXのアプローチとだいぶ違うアプローチですね!

3. Tacenはどのような問題を解決することができますか?

Jae:私たちのプロジェクトが解決する問題は「*プリンシパル=エージェント関係」の問題だと思います。トレーダーの資金を預かるわけではないので、他の多くの中央集権的な取引所のような逆効果をもたらすようなインセンティブはありません。

私たちは、取引所のユーザーエクスペリエンスに集中できます。

*「プリンシパル=エージェント関係」行為主体A(プリンシパル)が、己の利益のための労務の実施を、他の行為主体B(エージェント)に委任すること。

Clarence:取引所がハッキングされて資金が盗まれる事件が多発していますが、DEXのようなノンカストディアルな取引所では、ユーザーは資金をリスクにさらさずに取引ができますが、速度が非常に低速ですよね。

私たちのハイブリッドモデルは、CEXタイプのオーダーマッチングの速さと、ノンカストディアルなシステムを組み合わせたものです。また、私たちが開発した分散型決済レイヤーの副次的効果として、決済インフラがコミュニティによって運営されているため、より法的に準拠しています。

TXAエコシステムの取引所プラットフォームは、ユーザーの資金に触れる必要がありません。

4. 他の競合プロジェクトと比べての強みは何でしょうか?

Jae:素晴らしい質問ですね。

DEXには流動性の確保という本質的な問題があるため、AMMはDEXのための応急処置となっています。

よく考えてみると、AMMは基本的に最後の手段としての流動性供給者です。

AMMは、あらかじめ条件をもった供給曲線を持っており、他の市場参加者がそれらを利用することができます。

リアルのオーダーブックベースのシステムでは、このような透明性の高いものは存在しないはずです。

DEXもシングルチェーンの取引や決済には適していますが、ほとんどのDEXではクロスチェーンの取引や決済ができません。

– 現在、DEXはBSC上で動作するようになったり、レイヤー2ソリューションを使って高速化を図っていると思いますが、それでもTacenが優位に立っていると思いますか?

Clarence :確かにレイヤー2ソリューションは前世代のソリューションですが、それでも十分な速度ではなく、通常は1つのチェーンに限定されます。レイヤー2を使用しても、集中管理されたオーダーブックの速度が5ms未満であることから、桁違いの速さです。

例えば、SolanaのSerumは500ms、BSCは2000-3000msです。

コミュニティからの質問

– DFINITYは未だローンチしてませんが、なぜDFINITYでDEXを作ろうと考えたのでしょうか?

Clarence:私たちのアーキテクチャでは、決済データを確認、記録し、提供するカスタムで分散型のオラクルネットワークを使用しています。これらのオラクルはオープンソース・ソフトウェアをベースにしており、コミュニティによって運営されています。

使用量が急増した場合には、このネットワークを適切に拡張する必要がありますが、幸いなことに、DFINITYには拡張可能なキャニスターがあります。

そのため、当社のオラクルにはDFINITY社のキャニスター技術が部分的に使用されており、取引量が急増した場合には、オラクルのオペレーターが迅速にキャニスターを追加配備することも可能です。

– KYCなしとコンプライアンス遵守は、一見矛盾するように思えるのですが、どのようにしてコンプライアンスを遵守するのでしょうか?

Jae:米国の送金業者に対する規制機関であるFinCENは、主に事業者と顧客の間で行われるやり取りが第三者に伝達されるかどうかを問題にしています。当社は、金融仲介業者としての役割を果たさないようにすることでコンプライアンスを維持しています。

SECにとっては、取引所のデザインが1934年証券取引所法に基づく証券取引所の定義に密接に合致していないことを確認することで、コンプライアンスを確保します。

また、取引所では決済を行わないため、トレーダーのプライバシーが守られていることを確認することが可能です。

私たちが日本で行っているコンプライアンス活動の一部をこっそりご紹介しましょう。

流れ図は膨大なので、時間をかけて正確にマッピングしたいと考えています。

私はあなたたちが好きだから、もう一つお見せしましょう。

これらは私たちが行ってきたコンプライアンス・マッピングの一部で全体のコンプライアンスプロジェクトの1/3です。

– DEXでオーダーブックを使うということは、多くの銘柄で流動性確保が困難になると思います。流動性を確保するためにはどのような方法があるのでしょうか?

Jae:Tacenの取引プラットフォームでは、流動性提供者にフィーリベートを提供します。また、Tacenの取引所は、流動性提供者の既存システムとのスムーズな統合を可能にするホワイトグローブサービスを提供することで、流動性提供者と密接に連携しています。

また、私たちは多くのウォレット開発者と密接に協力して、KYCなしの取引体験を可能にしています。非認証ウォレットの多くは、ユーザーが暗号通貨を別の通貨に交換したいだけであるにもかかわらず、ユーザーを別のKYCフローに投げ込まなければならないことに気づきました。

これでは、リテールトレーダーの取引意欲が低下してしまうと思います。この仕組みを変えることで、大量の流動性を確保できると考えています。

– Smart Walletsは、どのようなチェーンに対応していますか?

Clarence:Ethereum、ETC、Moonbeam、BSC、Celo、RSKなど、多くのEVM互換チェーンをサポートする予定で、最終的なリストは後ほど公開します。

また、EOS、Tron、Cardano、Algorandなど、その他のスマートコントラクトに対応したチェーンのサポートも検討しています。スマートコントラクトに対応しているチェーンであれば、サポートできる可能性があります。

– 最近のDEXは、SolanaやBSCを選んでいる中、なぜ基盤としてDFINITYのInternet Computerを選んだのでしょうか?

Clarence:当社のアーキテクチャは他のDEXとは根本的に異なり、マッチした取引をブロックチェーンに書き込まないため、SolanaやBSC(実際には遅すぎる)は使用しません。

そのため、技術的には、多くのDEXがオンチェーンであるのに対し、当社はオフチェーンのオーダーブックです。

イメージとしては、取引が成立すると、すぐにオラクルネットワーク(軌道上で常に取引を監視している衛星のようなものと考えてください)にブロードキャストし、オラクルが取引を追跡し、将来の決済のために記録するというものです。

– Tacen DEXはいつローンチしますか?

2021年Q4にはOpen Betaをローンチすることを目標にしています。

– Tacenが発行する$TXAはどのような使い道がありますか?

Jae:私は一つだけ明確にしておきたいのですが、TXAプロジェクトとTacenは別物です。

しかし、Tacen Exchange Platformは、TXAの分散型決済レイヤーを利用した最初のハイブリッド取引所になります。

Clarence:

  1. オラクルを運用するためのステーキング要件の作成
  2. TXAホルダーがTXAエコシステムのガバナンスに参加可能
  3. 取引手数料を支払うための基本的なユーティリティー
CRYPTO TIMES編集長

すごく簡単に言うとConsensysとETHみたいな立ち位置です。

Tacenというのは開発主体で、TXAはTacenも関わってるけどTacen自体が発行しているわけじゃないという感じです。

– TacenはDFinityのVirtual Conferenceにも参加しましたが、TacenとDFINITYの今後のコラボレーションについても聞いてみたいです。

Clarence:前述したように、我々はDFINITYのキャニスター・アーキテクチャーを活用して、分散型決済レイヤーがネットワーク上の取引量の要求に応じて迅速に拡張できるようにしています。

将来的には、様々な人が運営する多くの取引所プラットフォームが、同じ決済レイヤーを共有できるようになると考えています。これには、NFT取引所、NFTオークションハウス、グローバル取引所などが含まれます。

Jae:世の中にある最高クラスの技術を使って、エンジニアリングの問題の一部を解決します。私たちは、世の中にある他のプロジェクトと協力することを確信しています。

Clarence:また、私たちが構築しているトレーディング・エコシステムは、皆さんが所有しているということも付け加えておきます。また、Jaeが言ったように、私たちは最高の技術を使用することを包括しています。

– NFTマーケットプレイスやオークションでも同じような(下記画像)スキームが使われるのでしょうか?

Clarence:そうですね、私たちのアーキテクチャでは、あらゆるトークン資産を担保にできるのと同じように、どのチェーンでもNFTをロックして、他のチェーンのデジタル資産と取引できるようにしています。

– 将来の日本市場に対してどのようにアプローチすることを考えていますか?

Jae:とても注意深くです笑

冗談です。もう少しお話しましょう。

私たちは現在、日本のコンプライアンス状況をマッピングしています。私たちには優れた研究チームがあり、日本のすべての規制要件を調査しています。

この作業は、Tacen Exchange Platformが日本の法律に準拠していることを確認するのに役立ちます。

私たちは、まず知っていることに基づいてフローチャートを作成し、それをシステム設計の検討材料にします。そして、日本市場向けのコンプライアンスレポートを自動化していきます。

– Tacenは多くの投資家が入っているようですが、一般向けにもセールは行いますか?

Jae:残念ながら、投資ラウンドはありません。前回のエクイティラウンドは数ヶ月前に行われました。

– IEOやIDOも実施されませんか?

Jae:Tacenは自社のトークンを持っていませんが、もしTXAトークンに興味があれば、お気軽にコミュニティチャンネルにお立ち寄りください。https://t.me/txa_community

IDOを実施する予定もありません。

– TXAトークンをどのように配布するのですか?そしてどうやって分散させるのでしょうか?

Jae:TXAプロジェクトチームは、Claim Contractsを利用した配布を計画しています。トークン保有者は、配布スケジュールと割り当てに基づいて配布を受けることができるウェブサイトがあるでしょう。

UNIが “Claim UNI “でそれらを分配したものとにています。

– Stakingということはオラクルはバリデータなどによって管理されるのでしょうか?いくつのバリデータによって管理されるのでしょうか?

Clarence:はい、オラクルネットワークを使用していますが、オラクルは単なるバリデータとしてだけではありません。

ユーザーがTXAエコシステムで取引をする際には、注文を署名して取引所プラットフォームに送信します。その注文が正しい資産ペアの別の注文とマッチすると、取引所プラットフォームはマッチした注文に署名し、それを分散型のオラクルネットワークにブロードキャストします。

このオラクルネットワークが「Settlement Data Oracle network」(略称:SDO)と呼んでいるものです。SDOはマッチした注文のブロードキャストを受信し、バッファリング、検証を行い、ブロックチェーンなどの永続的な不変の台帳に記録します。

例えば、取引をするとき、あなたとあなたの友人は何度も取引をすることができますが、それぞれの取引はオラクルによって追跡されるのです。

例えば、20回の取引の後、友人はあなたに50ドルの借りがあるので、オラクルは友人のスマートコントラクトに、あなたに50ドルを支払う必要があると伝えます。

– 近い将来ホワイトペーパーはリリースされますか?

Clarence:いいえ、私たちはトークン・プロジェクトではないので、ホワイトペーパーはありません。しかし、近日中に多くのテクニカルペーパーや記事が発表される予定です。

– どの国の暗号通貨の規制が最も合理的だと思われますか?

Jae:これはいい質問ですね。

シンガポールでは、最も合理的な暗号規制が行われているように思います。

MASは、暗号通貨と証券の違いを明確に表現しています。

まとめ

いかがだったでしょうか?

仮想通貨取引所の最適解として、様々なプロジェクトが色々なアプローチを実践している中、Tacenのアプローチはこれまでにない独特なものであることが分かりましたね。

今後もCRYPTO TIMESでは、仮想通貨のあらゆる分野の情報を発信していくので、是非積極的にチェックしてみてください。

最後までありがとうございました。

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