難航する米ウォール街の仮想通貨産業への参入、金融大手の2018年の展開を振り返る
Crypto Times 編集部

この記事の3つのポイント!
- ブルームバーグが2018年の大手金融機関の仮想通貨産業への展開を振り返った
- 今年の大手金融機関の仮想通貨産業への展開は難航
- 顕著な進歩が見られない中、インフラ整備が進められていることも事実であり、来年以降の展開に期待したい
記事ソース:ブルームバーグ
2018年のウォール街大手金融機関の仮想通貨産業への展開は難航を示しました。
米大手総合メディアのブルームバーグは12月23日、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー、 シティグループやバークレイズなどの米ウォール街の金融大手の今年の仮想通貨業界における展開を振り返りました。
米ニューヨークに本拠を置く大手金融グループであるゴールドマン・サックスの今年の展開は顕著と形容するにはスピード感に欠け、また同機関のノンデリバティブファンドがこれまでに獲得したクライアントは20に留まると加えました。
同じく米ニューヨークに本拠を置く世界的金融機関グループであるモルガン・スタンレーは、2018年9月頃からビットコインのスワップ取引サービス提供の準備が整っていましたが、未だひとつのコントラクトも行われていないと伝えられています。
米マンハッタンの金融大手シティグループは、未だ規制の枠組み内での仮想通貨関連のプロダクトや取引の実現に至っておらず、英ロンドンの金融大手バークレイズも当面は仮想通貨のトレーディングデスクの設立の予定はないと伝えられています。
しかし、金融大手の仮想通貨産業での展開が難航する中、元クレディ・スイスグループAGトレーダーのベン・セブレイ氏は
”最も重要なのは、今も大手機関の取引を可能にするインフラの整備が進められているという事実です。”
とブルームバーグの報道において強調しました。
ニューヨーク証券取引所を所有するインターコンチネル取引所 (ICE) の暗合資産管理サービス、米フィデリティ・インベストメンツのデジタル資産管理サービス、さらには米イェール大学の仮想通貨ファンドへの投資など、あらゆる取り組みが進められています。
元ドイツ銀行AGトレーダーのユージーン・ウン氏はブルームバーグの取材に対して
”昨今の下げ相場は、利益を逃すまいとする諸機関が十分なテストも行わないままインフラ整備を急ぐようなことなく、適切な基盤の構築につながるでしょう。”
と来年以降の金融大手による仮想通貨産業のインフラ整備への期待を語りました。