Aerodrome徹底解説|Base上に構築された急成長中の流動性提供プロトコル
   公開日 : 2023/09/17

Aerodrome徹底解説|Base上に構築された急成長中の流動性提供プロトコル

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先日、8月29日にBase上でローンチされた「Aerodrome」は多くの注目を浴びています。

イーサリアムにはトランザクションの速度の遅さや手数料の高さという問題点が存在します。これらの課題に対応するため、レイヤー2の開発が盛んに進められています。

現在、多くのレイヤー2が登場し、イーサリアムメインネットのトランザクションを大きく上回る取引がレイヤー2で実施されています。

その中で、Coinbaseはレイヤー2「Base」を開発しました。

そして、現在Base上で最も高いTVLを持つプロトコルは「Aerodrome」です。

しかし、なぜAerodromeはこれほど急速にTVLを増やすことができたのでしょうか?Aerodromeとは、具体的にどのような特徴を持つプロダクトなのでしょうか?

この記事では、Aerodromeの機能や特徴について詳しく解説します。

Aerodromeの概要

Aerodromeは、Base上で動作するDEXです。

DefiLlamaのデータによれば、記事執筆時点でのBaseのTVLは3.74億ドルとなっています。その中で、AerodromeのTVLは1.33億ドルを占め、Base全体のTVLの約3割以上を担っています。

BaseのTVLの変動については、以下で詳しく説明します。

DefiLlamaより引用。

8月31日を境に、BaseのTVLは急激に増加し、2億ドルから3.5億ドルへと上昇しました。この急激な増加の要因は、Aerodromeのローンチにあります。

既にOptimism上にて実績を有するVelodromeのフォーク

Aerodromeが登場するまで、Base上の流動性提供プロトコルはBaseSwapなどが担当していました。しかし、Aerodromeの登場以降、Aerodromeが圧倒的な存在感を放っています。では、なぜAerodromeはこれほどまでの注目を集めているのでしょうか。

AerodromeはBase上でのプロダクトでありますが、これが初のDEXではありません。実は、Velodromeという名前のプロトコルとして、イーサリアムのレイヤー2であるOptimism上で既にローンチされていたのです。言い換えれば、AerodromeはVelodromeのフォーク版となります。

DefiLlamaより引用。

VelodromeはOptimism上のDEXカテゴリでトップのTVLを持ち、全体としてもSynthetixに次ぐ第2位のプロダクトとして位置づけられています。

Velodromeの実績は既に確立されており、その成功したプロダクトがBase上にもローンチされたことで、Base内での圧倒的なシェアを獲得することができました。

Aerodromeの特徴

Aerodromeが流動性提供プロトコルであり、Velodromeのフォークであることを既に触れました。

しかし、多くの流動性提供プロダクトが存在する中で、なぜAerodromeがこれほどの注目を浴びているのでしょうか?

Aerodromeの魅力の一つは、$AEROトークンを中心とした充実したエコシステムにあります。

まず、DEXにおいて最も重要な要素は、流動性です。ユーザーは流動性を提供することで報酬を得ることができます。例えば、Curveでは、報酬として$CRVトークンを受け取ることができます。

多くのDEXが独自トークンを発行し、それを流動性提供のインセンティブとして使用しています。しかし、このような独自トークンは、売り圧となる可能性があります。独自トークンの供給増加は、その価値の希薄化と関連しています。

Aerodromeは、流動性提供者が得るトークンの活用方法を多様化することで、この売り圧を軽減する仕組みを導入しています。

$AEROをロックすることで多くの手数料をもらえる

Aerodromeは、トークンの流動性を集めることでトレーダーからの手数料を得る設計となっています。流動性プロバイダーは、毎エポックで$AEROトークンを受け取ることができます。

これだけを見ると、他のDEXと同様の仕組みに思えます。しかし、Aerodromeの特徴は、$AEROをロックすることで受けられるインセンティブが充実している点にあります。

Aerodoromeドキュメントより引用。

ユーザーは$AEROをロックすることで、次のエポックの排出量配分への投票が可能となり、これにより「$veAERO Voters」としての権利を得ることができます。

$veAERO Votersは、投票に応じて、前エポックのプロトコル取引手数料の100%と、現在のエポックの追加投票者インセンティブを受け取ることができます。

この追加の投票者インセンティブは、ロックされた$AEROの量に比例しています。そのため、多くの$AEROをロックすることで、より多くのインセンティブを受け取ることができる仕組みとなっています。

$AEROのロックによるインセンティブは、$AEROの売り圧を軽減する役割を果たしています。さらに、多くの$AEROをロックすることが有利という仕組みは、流動性プロバイダーを引きつける効果も持っています。

ロック期間が長ければ長いほど、より多くの投票権を得られる

$AEROに関して詳しく説明してきましたが、特筆すべき点として、$AEROはAerodrome内での投票には直接使用できないことが挙げられます。

Aerodromeは、ユーティリティとガバナンスの目的のために、2つの異なるトークンを採用しています。

  • AERO:プロトコルのERC-20ユーティリティトークン
  • veAERO:NFT形式のERC-721ガバナンストークン

ガバナンスにはveAEROが使用されます。しかし、veAEROを取得するためには、$AEROをロックする必要があります。そして、ロックされる$AEROの量と期間によって、配分される$veAEROの量が変わります。

具体的には、以下のような配分がされます(ロック期間の上限は4年):

  • 100$AEROを4年間ロック → 100$veAERO
  • 100$AEROを1年間ロック → 25$veAERO

このように、$AEROのロック期間が長いほど、得られる$veAEROの量が増える仕組みが取り入れられており、これにより$AEROを長期間ロックするインセンティブが提供されています。

リベースによる$veAEROの調整

$veAEROの保有者は、$AEROの排出量や$veAEROと$AEROの供給量の比率に応じてリベースを受け取ることができます。この仕組みは、$veAEROの投票力が新たなトークンの排出によって希釈されるのを防ぐためのものです。

リベースとは、ステーキング報酬として新しいトークンをミントし、それをステーカーに分配することを指します。具体的な例で説明します。

$AEROが100万枚ステーキングされ、それに対応して100万枚の$veAEROが分配されたと仮定します。次に、プロトコルが利益を上げ、その利益から1万枚の$AEROをミントすると、合計で101万枚の$AEROと100万枚の$veAEROが存在することになります。この状況で、$veAEROの1%、すなわち1万枚が追加で発行されます。

このリベースの仕組みは大まかな説明ですが、このようにして利回りを複利的に増加させることができます。その結果、トークンを継続的に保有することが最も収益性が高くなるというインセンティブが生まれます。

OlympusDAOのメカニズムを参考:(3, 3)メカニズム

このリベースメカニズムは、OlympusDAOの仕組みをベースに構築されています。

OlympusDAOは分散型準備通貨プロトコルで、そのトークンであるOHMをステーキングすることで報酬を受け取ることができます。この報酬レートは、投票を通じてコミュニティのメンバーによって決定されます。また、ステーキングをせずにトークンを売却すると、そのトークンの価値が希薄化する仕組みが取り入れられており、これによりトークンの売却という行動に対して負のインセンティブが生じるよう設計されています。

この仕組みは一般的に「(3, 3)メカニズム」として知られています。このメカニズムはゲーム理論の考え方を基にしており、具体的には、ユーザーとOlympusDAOの両者が「Stake」、「Bond」、そして「Sell」の3つの行動選択肢を持つと仮定した場合、それぞれの行動がもたらす利益を指数として示しています。

このメカニズムの中で、もし「Stake」を選択することが両者にとって最も利益をもたらす選択となる場合、最適化の結果として自然にステーキングが促進されることになります。

上記のデータを見ると、OHMの約80%がステーキングされていることが明らかです。

この仕組みに関して一般的な誤解として、「全てのユーザーがステーキングを行うと、売る人がいなくなり、その結果、価格の下落が防げる」という考えがあります。

しかし、実際には、先に市場から撤退することで利益を得る人が現れる可能性があるため、「Stake」が必ずしも利益をもたらすわけではありません。この問題を解決するために、リベースというメカニズムが導入され、ステーキングに対するより強力なインセンティブが提供されています。

Velodromeユーザーにはエアドロを実施

Aerodromeのエコシステム拡大の一環として、Velodromeのユーザーを取り込む戦略も見逃せません。

Velodromeで既に流動性を提供しているユーザー(veVELOホルダー)に対して、veAEROのエアドロップを実施しています。このエアドロップの量は初期供給の40%にも上る大量で、Aerodromeがエコシステムの構築に熱心であることが伺えます。

まとめ

ここまでAerodromeの概要およびトークノミクスについて解説してきました。

流動性を提供するDEXは数多く存在しますが、Aerodromeの特徴として特筆すべきは、$AEROトークンのロックに強力なインセンティブを設けることで、$AEROの売り圧を抑制している点です。

さらに、Aerodromeは新規のプロダクトというわけではなく、Optimism上で既に実績を持つVelodromeのフォークとして存在しているため、ユーザーからの信頼も厚いです。

チェーンの発展には流動性の供給が不可欠です。Baseは新進のイーサリアムレイヤー2としての地位を築いていますが、そのTVLの約3割をAerodromeが占めていることから、Aerodromeが今後のBaseの発展に大きく寄与することは間違いないでしょう。

興味を持たれた方は、Aerodromeのトークノミクスに参加してみてはいかがでしょうか。

 

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