AIを活用したインテントベースのインフラストラクチャ「Aperture Finance」AMAレポート

2024/05/09・

boarding bridge

AIを活用したインテントベースのインフラストラクチャ「Aperture Finance」AMAレポート

執筆:Tsun

AIを活用したインテントベースのインフラストラクチャであるAperture FinanceのAMAを、CryptoTimes公式コミュニティであるboarding bridge(bb)にて開催しました。

今回のAMAでは、インテントベースインフラの仕組みやApertureの思い描くビジョンに焦点を当ててお話を伺いました。

以下はAMAの内容を要約したものです。

AMA概要

日時:2024年4月24日(水)21:00 JST

場所:bb Discord AMA-Voice/Chat

Giveaway:1000 $APTR × 5

参加者:109名

スピーカー

Lian Zhu | Co-Founder

Takman | Moderator

Rairu | boarding bridge

(敬称略)

AMAの内容

自己紹介

Aperture Financeの共同創業者兼CEOのLian Zhuと申します。Amazon、Netflix、AWSで上級職を務め、シリコンバレーを拠点とするテック企業で約10年の勤務経験があります。カリフォルニア大学バークレー校でEMBAを取得しました。

Aperture Financeを立ち上げる前は、小さなヘッジファンドを運営していました。この場でAperture Financeについてお話しできることを大変嬉しく思います。

Aperture Financeの主な目的、解決したい課題について教えてください

従来のDeFiインフラには、非効率的なリソース配分、流動性の分散、トランザクションのルーティングなどの課題がありました。リアルタイムのモニタリングや分析には高いコストがかかり、実装は複雑で、相互運用性と統合が困難でした。これらが新規DeFiユーザーの参入を妨げる障壁となっていました。

こうした課題に対する解決策が、Apertureが提唱するAIを活用したインテントベースのインフラストラクチャです。Apertureはこの分野のパイオニアとして、トークン取引、運用戦略の決定、エアドロップの受け取りなどDeFiとのあらゆる関わり方を、ユーザーのインテント(意図)だけで実現できるようにしました。

ユーザーは複雑なプロセスや技術的な要素を気にする必要がありません。明確なインテントさえあれば、AIがそれを適切に解釈し、自動化された最適な方法で処理を行います。AIの活用によりユーザーエクスペリエンスは格段に向上し、DeFiの民主化に貢献します。

An Aperture Introduction to Intents | Medium

インテントベースのインフラストラクチャについて具体的に教えてください

インテントベースのインフラとは、ユーザーの意図(インテント)を適切に解釈し、その意図に応じて最適な方法で自動的に処理を行うインフラストラクチャのことです。
具体例で説明すると、従来の非インテント型インフラは、インターネット接続のないGPSのようなものです。最短距離のルートを機械的に提示するだけで、リアルタイムの交通情報は考慮されません。

一方、インテントベースのインフラは、グーグルマップのようなリアルタイムの情報を活用するサービスに例えられます。ユーザーの目的地への「到着を最速にしたい」という意図を的確に捉え、交通渋滞などの状況を勘案して最適なルートを動的に案内します。

従来のインフラはプロセス駆動型で、トランザクションの各ステップを事前に定義する必要がありました。ユーザーは定義されたプロセスに従うか、ウェブアプリの決められた手順を踏まなければいけませんでした。

しかしインテントベースのインフラでは、ユーザーが意図を示すだけで、プラットフォームが最適な方法でトランザクションを実行し、ユーザーにとって最善の結果をもたらします。処理は柔軟に行われるため、ユーザー体験の飛躍的な向上に寄与します。

Aperture’s Litepaper

ユーザーが意図を示してから処理に至るまでのフローについて説明してください

Apertureのビジョンは、ユーザーが自然言語でインテント(意図)を示すだけで、AIが最適な方法でDeFiの処理を自動的に行うことです。例えばユーザーが「ETHをセキュリティ重視でステークしたい」と入力すれば、ApertureのAIがベストなプロトコルを評価し、ユーザーに代わってETHのステーキングを実行します。
このコンセプトを実現するのが、Apertureの対話型AIである「IntentsGPT」とインテントベースのインフラです。IntentsGPTはオンラインで稼働しており、インフラは9つのブロックチェーンで動いています。現在Apertureはこの両者をつなぎ、セキュリティを確保する最終段階に取り組んでいます。

また、Apertureではすでにいくつかのインテントベースの取引が可能です。例えば流動性プロバイダーでは、「ETHが2,500ドルまで下がったら、ETH/USDCを40/60の比率に自動リバランスして欲しい」というインテントを設定できます。Apertureがその後市場を監視し、条件が満たされ次第自動的に注文を実行することになります。

Aperture’s Litepaper

Apertureを利用する際にはどのようなリスクが伴いますか?

Apertureの強みは、non-custodialであることです。Apertureのスマートコントラクトにユーザー資金をロックする必要がないため、ApertureにはTVLが存在しません。ユーザーリクエストを処理する際にはアトミックトランザクションを採用しています。これは、Apertureがユーザーに代わって取引を行う際、同一ブロックの同一トランザクションでユーザーウォレットに資金が送金されるということです。つまり、資金がApertureのスマートコントラクトに留まることはなく、これによりカストディアンリスクが排除できるのです。

DeFiのインフラとして、セキュリティは私たちの最優先事項です。シリコンバレーには一流のエンジニアリングチームがあり、コードを精査する最高のリソースがあります。また、スマートコントラクトのセキュリティを確保するため、大手セキュリティ監査会社と提携しています。

What’s TVE | Medium

今後のロードマップについて教えてください

Apertureが提唱するインテントベースのインフラはオープンなものです。より多くのユースケースへの対応を目指し、今後も新しいソルバー(ソリューションプロバイダー)を追加していく予定です。

私たちは先日、BNBチェーンの20億ドルのTVLに流動性管理を提供するため、PancakeSwapを統合したばかりです。今後数ヶ月のうちに、PropellerHeadsやEnsoFinanceのソルバーを統合する予定です。ソルバーが増えれば、より優れた取引ルートの発見が可能になります。

また、2024年Q3には、IntentsGPTの機能強化を図ります。DeFi統計やバックテストに関する問い合わせを可能にする予定です。この2つのステップにより、AIを活用した汎用的なインテント・ベースのインフラをさらに発展させるための強固な基盤を構築します。

Aperture x PancakeSwap | Medium

他のDeFiプロジェクトとの提携の予定はありますか?

Aperture Financeは、AIを活用したインテントベースのインフラによりDeFiに革命を起こそうとしています。先に説明したように、インテントベースのインフラはDeFiユーザーの自然な意図だけで取引が実行できるため、取引効率が大幅に向上し、ユーザーエクスペリエンスを飛躍的に改善します。

私たちは、この分野で主要なプレーヤーと提携しています。例えば、私たちはZKソリューション・プロバイダーであるBrevisと提携し、私たちのインテント型インフラにZKの機能を追加しています。PancakeSwapを統合し、BNBチェーンの20億ドルの資産にインテント・ベースの流動性管理を提供したばかりです。PropellerHeadsやEnsoFinanceと提携し、ソルバー・ネットワークを急速に拡大しています。今後もパートナーシップに関するニュースが続く予定です。続報にご期待ください。

Aperture Finance|X(Twitter)

$APTRのユーティリティについて教えてください。

Aperture Financeが発行するネイティブトークン$APTRには、プロジェクト内で以下のような主要なユースケースが設定されています。

①ガバナンスと意思決定

$APTRを保有することでApertureのガバナンスに参加し、重要な意思決定に投票できます。

②手数料支払い

Apertureを利用する際の手数料を、$APTRで支払うことができます。

③ソルバーのステーキング

開発者がApertureにソルバーをデプロイする際、一定量の$APTRをステーキングする必要があります。

$APTRトークンの発行は2024年の第2四半期を予定しており、これに先立って現在INTENTional Campaignというポイントプログラムを開催中です。ユーザーはApertureの機能を体験することでポイントを獲得し、これらのポイントはトークン発行時にエアドロップに変換されます。

運営チームの収益源について教えてください

Apertureでは、取引の際に少額の手数料を頂いています。この手数料が私たちの収益となり、チームの成長を支えています。私たちは合計20億ドル相当の取引を処理しており、その処理手数料はおよそ200〜400万ドルになります。

クロスチェーンスワップに対応する予定はありますか?

はい、対応する予定です。クロスチェーン・ソルバーを追加するか、クロスチェーン・スワップを直接統合するつもりです。

Auto機能が実行されなかった場合は、手数料は発生しませんか?

自動取引(自動リバランスなど)が実行されなかった場合、ガス代も処理手数料もかかりません。もちろん、この場合はApertureの収益も発生いたしません。

今後日本に特化したプロモーション活動を行う予定はありますか?

はい、Skyland Venturesと野村ホールディングスの子会社であるLaser Digital Japanから投資を受けました。日本でのローカルイベントの共催も考えています。その際は是非ともよろしくお願いいたします。

Skyland Ventures|PR TIMES

例えば、「PancakeSwapに提供している流動性を引き出したい」という命令は可能ですか?

はい、ApertureからPancakeSwapのポジションを閉じることができます。今のところ、まずポジションの固定を解除する必要がありますが、このステップも将来的にApertureで自動化される予定です。

またPancakeSwapとのパートナーシップにより、現在開催中のINTENTional Campaignでは、Aperture上でPancakeSwapを利用することで他のDEXに比べて3倍のポイントを獲得することができます。

PancakeSwap|X(Twitter)

まとめ

今回のAMAではインテントベースインフラの仕組みやApertureの思い描くビジョンに焦点をあててお話を伺いました。徹底したユーザーフレンドリーなアプリケーション作りからは、DeFiを誰もが手軽にアクセスできるものにするという強い想いが感じられました。

近年、DeFiは目覚ましい発展を遂げ、様々な投資戦略を可能にしてきました。しかし一方で、プロトコルの仕組みはより複雑化しており、UXが損なわれ、新規ユーザーの参入障壁が高まる結果になっています。この課題はクリプトのマスアダプションを妨げる一つの要因であると言われています。

Apertureは誰もが直感的にDeFiを利用できる世界を作るべく、インテントベースのインフラストラクチャの開発に注力しています。ユーザー体験を飛躍的に向上させるインテント分野並びにApertureの今後の成長には目が離せません。

また、ネイティブトークン $APTR のTGEに向けてエアドロップキャンペーンも開催中です。最新情報は各種SNSをご参照ください。

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