分散型AIデータ & LLM(大規模言語モデル)ネットワークの「MASA」AMAレポート

2024/04/15・

boarding bridge

分散型AIデータ & LLM(大規模言語モデル)ネットワークの「MASA」AMAレポート

執筆:MARU

ユーザー自身がデータの所有権を持ち、”共有”と”収益化”を可能にし、「Web3時代におけるデータ所有権と収益化の革新」を実現するMASAのAMAを、CryptoTimes公式コミュニティであるboarding bridge(bb)にて開催しました。

今回のAMAでは、MASAネットワークのデータ所有権と分散型AI開発について伺いました。

以下はAMAの内容を要約したものです。

AMA概要

日時:2024年4月8日(月)21:00 JST

場所:bb Discord AMA-Voice/Chat

Giveaway:500USDT × 3名

参加者:134名

スピーカー

CALANTHIA MEI | MASA NETWORK CO-FOUNDER

arata | CRYPTO TIMS

(敬称略)

AMAの内容

calanthia.soul | X

こんにちは、MasaネットワークのCo-founderのCalanthiaです。

Masaは、ユーザーがデータを所有し、共有し、収益化できる分散型AIデータネットワークです。Binance MVB アクセラレーター第6期の卒業生であり、HashkeyとAWSのAIアクセラレータープログラムに選抜されました。

これまで140万人を超えるユーザーから3800万件以上のデータポイントを収集し、Polygon、zkSync、Avalancheなどのプロジェクトと連携しています。
Animoca Brandsなどから1800万ドルを調達し、コインリストセールで記録を樹立しました。(17分間で875万ドルを販売)

質問トピック

「競合と比べてMasaが優れている点は何ですか?」

ユーザーがデータを共有し、収益を得るための画期的な簡単さが、Masaの最大の強みです。

ユーザーの行動を一切変える必要はありません。ユーザーはMasaアプリの「クエスト型報酬」、Masa Chromeブラウザ拡張機能の「サーフィン型報酬」、Masa Oracleの「ノード型報酬」、またはMasaの広大なパートナーエコシステムでデジタルデータを送るだけで、簡単にデータを提供できます。

ユーザーが収集したすべてのデータは「ポイント」に変換され、ユーザーはそれらをMasaデータマーケットプレイスで報酬と引き換えることができます。

私たちはこの独自のユーザーデータを、Masaネットワークを通じて開発者に安全かつプライベートな形で共有します。
独自のデータは、AIデベロッパーにとっての大きな差別化要因です。

Masaの強力なデータネットワークは、公開されているデータを超えて、本当に独自でパーソナライズされたAIモデルを実現します。

MASA new data economy | MASA Whitepaper

「規制当局のプライバシーにどう対処し、巨大ハイテク企業の支配にどう挑戦しますか?」

Googleのようなモデルとは異なり、プライバシーはMasaにとって最も重要です。

Masaはユーザー中心のデータ所有権アプローチを採用しています。ユーザーがデータの完全な管理権を持ち、どの匿名化されたデータポイントを誰と共有するかを選択できるようにしています。

これは、Masaが開発した Zero-Knowledge Soulbound Tokens (zkSBT) によって実現されています。

Masaは業界をリードする暗号化技術である zkSBTを開発しました。ユーザーの個人情報は、データネットワークや開発者との共有時も秘密のままに保たれます。

Masaの革新的な取り組みは、2023年の第7回サイバーセキュリティー会議(CSNet)で発表されました。

Soulbound tokens(SBT)とは?
個人または団体の特性を表すデジタルIDトークン
zkSBT(Zero-Knowledge Soulbound Token)とは?
ゼロ知識証明を使用してプライバシーとセキュリティを強化する検証可能なクレデンシャル(資格情報や認証情報など)の一種。検証には証明キーのみが必要であり、ウォレット情報を公開することはない。

「MASAトークンのユーティリティを教えてください」

$MASAはMasaネットワークの基幹となるユーティリティーおよびガバナンストークンで、Masa Avalanche Subnetのガストークンとして機能します。

当初はEthereum及びBNBチェーン上のERC-20トークンとして利用可能でしたが、今後はAvalanche、Polygon、Base、Celoなど、より多くのブロックチェーンにも拡張されていきます。

開発者がMasaネットワークのデータやLLMにアクセスする際には、MASAトークンで手数料を支払います。このトークンは、データを提供するユーザー、Masa Oracleを運営するノードオペレーター、そしてエコシステム成長のための財団の保管先に分配されます。

「なぜAvalancheサブネットを選択したのですか?」

私たちはデータアプリチェーンのプラットフォームを探していて、OP Stack、Cosmos、Avalanche Subnetを比較検討しました。最終的にはAvalanche Subnetを選択しました。

その理由は以下の通りです。

1)膨大なデータを高速に処理できること
2)ガス代の設定が柔軟で、非常に低コストでデータ処理ができること

Masaのようなデータ管理とAI訓練に特化したネットワークにとって、大量のデータを素早く処理できることと、低コストでトランザクションを行えることは非常に重要です。

Avalanche Subnetの技術仕様がMasaのユースケースに最適だと判断し、最終的にそのプラットフォームを選択しました。

ちなみにサブネットのバリデーターになるための要件については、Masa oracleのローンチがそろそろされる予定で、そこでNode workerになる方法も発表されます。

Masa zkData ネットワーク | MASA 公式ツイートより

「早い分散AI技術革新の中でどういった立ち回りを考えていますか?」

AI分野での革新が急速に進み、数千もの企業、プロジェクト、アプリケーションが立ち上がる中で、トレンドに乗ることの難しさが高まっています。
真の持続可能な価値は一体どこにあるのか。AIのスタック構造のうち分散化によって最も恩恵を受けるのはどの部分か。私の考えでは、その答えは「分散型データ」と「オープンソースLLM(大規模言語モデル)」にあると思います。

AIモデルが高度化し、標準化が進むにつれ、多様性があり高品質かつ倫理的に調達されたデータの必要性が高まってきています。まさにそこに、分散型データネットワークとオープンソースLLMを融合させたMasaネットワークの価値があるのではないでしょうか。

Masaネットワーク上では、インターネットユーザー誰もが、データ提供者やノードワーカーとなって報酬を得ながら、AI モデルの訓練に貢献できるのが大きな特徴です。
このように、Masaは真の意味での「アルファ」を生み出す可能性を秘めているといえるでしょう。

「マイルストーンや長期的なロードマップはどのようになりますか?」

Masaの目標は、Web3ユーザーデータの少なくとも50%をカバーすることです。そして、EVM対応のチェーンだけでなく、non-EVM チェーンにも展開していく計画です。Web2、Web3の膨大なAIデベロッパーにMasaネットワークのデータを活用してもらうことで、新しいAI開発の時代を切り拓いていきたいと考えています。

Masaネットワーク上では、ユーザー1人ひとりがデータ提供者やノードワーカーとなることができます。まさに新しい分散型AIエコノミーの扉が開かれようとしているのです。
これからの数年で、Masaが革新的なAI基盤として大きな影響力を持つようになっていくことでしょう。

私は、Masa が AIの未来を推進すると考えています。将来的には、すべての AI開発者が、Masa Networkの独自データを使用して、超パーソナライズされた AIモデルとAIエージェントをトレーニングできるようになります。

Mainnetの立ち上げに合わせて、Masaのプロダクトを体験し、AIトレーニングの報酬を得られるのは非常に楽しみです。ノードオペレーターや開発者としてMasaネットワークに参加することにも意味があります。

Masa ロードマップ  | MASA TOKEN  ECONOMICS

コミュニティQ&A

「エアドロップはありますか?」

取引所に上場後、非常にエキサイティングな取引コンテストをいくつか開始します。これはMASAトークンを獲得する絶好の機会となります。

「soul.nameと複数年契約を結んでいる場合、何か特典はありますか?」

Masa Airdropに始まり、ソウルネーム所有者に新しい特典を導入し続けます。

「MASA はスケーラビリティの課題にどのように対処する予定ですか?」

これが、Avalanche Subnet を選択した理由の 1 つです。Avalanche Subnet はハイパー スケーラビリティを念頭に置いて設計されており、大量のデータを大規模に処理できます。

「DeFiエコシステムと統合する予定や、パートナーシップなどはありますか?」

パートナーシップがすべてです。私たちは、Masaをベースに構築されたAI開発者のグループである AI Collectiveを間もなく発表します。

「Masaは企業向けの事業が主ですか?」

ユーザーにもサービスを提供します。私たちの使命は、すべてのインターネット ユーザーがデータを所有、共有し、そこから収益を得てAIアプリケーションをトレーニングできるようにすることです。

まとめ

今回のAMAでは、Masaネットワークの共同創設者であるCalanthia氏を迎え、Web3時代におけるデータ所有権と分散型AI開発の可能性について深く掘り下げていただきました。

Masaネットワークによって、ユーザーは自身のデータを所有、共有、収益化することで、AI開発の恩恵を直接受けられるようになりそうです。

例えばWeb2ではユーザーが購入した商品やサービスの情報が企業に吸われて、勝手にリコメンドが表示されます。このようなデータはテック企業に集中し、ユーザーはデータの価値に見合った報酬を得ることができませんでした。

しかし、Masaネットワークの実現によって、自身の購買データを匿名化して共有することができます。従来の課題を解決し、ユーザーが自身のデータをコントロールし、その価値を最大限に活用できるようになるのです。

Masaネットワークは、Web3時代におけるデータ所有権と分散型AI開発の可能性を体現するプロジェクトです。今後の展開に注目していきましょう。

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