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2020/08/22【Crypto 2020イベントレポート】過半数が善意を持つマルチパーティ計算の安全性
登壇者 Yifan Song 主にブロックチェーンのセキュリティに関する論文を執筆しており、主にMultiparty Computation(MPC)や暗号学に関する研究をしています。 Guaranteed Output Delivery Comes Free in Honest Majority MPC マルチパーティ計算(MPC)では複数のサーバーが決められた手順によってデータを処理し、次のサーバーへ渡すサイクルが有限回行われます。計算では加法と乗法のみが行われ、各サーバーの持っている情報のみでは元の情報が復元できない設計になっています。 今回の講演では、公開されたチャンネルとP2Pチャンネルにおける過半数が善意を持つ参加者である場合の安全性について考察します。 Yifan Song氏は、MPCの中でも公開鍵のような複雑な暗号プリミティブを使わずに簡単なローカルでの計算のみで行えるUnconditional MPCが有用であると主張しています。 MPCの攻撃者は2種類存在し、一方はプロトコルを意図的に無視するfully maliciousと定義され、もう一方はプロトコルには従うものの不正に情報を入手しようとするsemi-honestと定義されます。 Yifan Song氏のチームが開発したMPCプロトコルではFull Security(上記のどちらの攻撃者に対しても有効な安全性)を実現しています。さらに、Full Securityを実現したBSFO 12プロトコルが1つのゲートに対して20個のエレメント(MPCにおけるコスト)を必要とするのに対し、Yifan Song氏のプロトコルは最小で5.5のエレメントで運用できるなど、他のプロトコルよりも効率の良い計算を実現しています。 最後に Crypto 2020はInternational Association for Cryptologic Research (IACR)により運営される暗号資産とブロックチェーンに関するカンファレンスです。 今回の公演では、MPCの課題とされてきた安全性や効率性を改善したプロトコルについて理解することができました。
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2020/08/18【Crypto 2020イベントレポート】Our Models and Us – MIT Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory
8月に開催されたCrypto 2020にて、MITのコンピューターサイエンティストによる特別公演がありました。 登壇者 Silvio Micali MIT(マサチューセッツ工科大学) Computer Science and Artificial Intelligence Laboratoryに所属するイタリア人のコンピューターサイエンティストで、ゼロ知識証明や暗号学をはじめとしたブロックチェーン関連の技術にも精通しています。Algorandプロジェクトを立ち上げるなど、研究だけではなく実際にブロックチェーンを用いたユースケースも作っています。 Our Models and Us Micali氏は自身の立ち上げたAlgorandプロジェクトを例に取り、安全でスケーラブルなネットワークとプロトコルのモデルについて重要性を説明しました。 従来のビザンチン合意形成は非常時間がかかり、現実的に12人以上のプレイヤーが参加できないと言う課題がいがありました。そこで、Algorandは迅速に大多数のプレイヤーによるビザンチン合意を行うことができるモデルを追究しました。 Pure Proof of Stake (PPoS)を採用するAlgorandでは、ネットワークの全ての参加者から無作為に1000人を抽出し、ビザンチン合意形成を行った結果を電子署名として公開します。そこで既定の割合(2/3)以上の合意が取れればバリデーションが完了します。 バリデーションに関わる1000人の集団はCryptographic sortition(暗号化くじ引き)で決定されます。Cryptographic sortitionは分散化され、スケーラブルかつ安全なくじ引きを行うことができます。DPoSがトークンの保有量に対する投票券を配布し代表者を決定するのに対し、Cryptographic sortitionでは全てのノードが自身のコンピューターによりくじ引きを行い、当選した場合はそれを公表し合意形成に参加すると言う違いがあります。 くじ引きにはverifiable random functions (VRFs)を用いることで正しくランダムなくじ引きを行ったことが他のノードから検証することができ、不正の防止になっています。さらにPPoSではフォークが起きず、ファイナリティがすぐに確定すると言う利点があります。 最後に Crypto 2020はInternational Association for Cryptologic Research (IACR)により運営される暗号資産とブロックチェーンに関するカンファレンスです。 今回の講演では、ブロックチェーンの抱える課題を主に暗号学の観点から解決する興味深いモデルについて知ることができました。
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2020/05/08【イベントレポート】Kyber Network Loi Luu氏;Katalyst, KyberDAOと今後の展望- Ethereal Virtual Summit 2020
本日5月7日~8日にかけて開催されている「Ethereal Virtual Summit 2020」にて、Kyber Networkの創設者であるLoi Luu氏がこれからの展望としてKatalystやKyberDAOについて説明しました。(Kyber Networkに関してはこちらの記事で詳しく説明しています) The Future of Decentralized Liquidity for DeFi Kyber Networkは、DeFiなどのサービスにおける流動性を高めるための、複数のDeFiプラットフォームとエンドユーザーを最適なレートでつなげる流動性プロトコルとして機能します。 Kyber Networkを利用することで、全ての取引がオンチェーンで行い透明性を確保しながらも、一元的にアグリゲート(集約)された流動性にアクセスすることができます。 今後の展望としてKyber Networkが実装を予定としているプラットフォームのプロトコルとKNC(Kyber Network Crystal)トークンモデルを改善する大型アップデート「Katalyst」により、Kyberにはさらなる流動性がもたらされます。Katalystの大きな変更点は以下の4点とされています; プロトコルにおける意思決定がKyberDAOによって行われる KNCトークン保持者への新たなステーキングメカニズム 流動性供給の改善 テイカー・DAppsでの任意の手数料設定 KyberDAOはKNCの保持者がプロトコルにおける決議や重要なネットワークパラメーターに対して投票を行うことができるコミュニティプラットフォームです。 [caption id="" align="alignnone" width="1141"] Kyber Mediumより[/caption] KNCを保有することで、投票権だけ出なく、ネットワーク手数料の一部をETHの配当として獲得することもできます。 KyberDAOの登場により、KNCは”デフレーションモデルを採用し、トークンがバーンされステーキング報酬がDAOによって決定される"世界で初めてのトークンとなります。 Katalystでは、徴収された手数料の一部がプールの供給者へインセンティブとして還元される仕組みになっており、インセンティブの供給者はKNCを保有する必要はありません。 [caption id="" align="alignnone" width="1473"] Mediumより[/caption] 同プラットフォームを使用するDAppは、自身のビジネスモデルに応じて任意にマージンを設定することができます。 また、開発者は流動性の心配をすることなくアプリやDeFiユースケースを開発することができます。 Ethereal Virtual Summitについて Ethereum Virtual Summitは、Ethereum最大のインキュベーターとされるConsenSysによるコミュニティイベントです。 2月の時点ではニューヨークでの開催が予定されていましたが、世界の情勢を受けオンライン・無料で開催しています。 以下のリンクより、ウェブ上で参加することができます; Ethereal Virtual Summit
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2019/09/13法律事務所ZeLo / IOST財団共催 — 第二四半期のIOSTノード・カンファレンスを開催
IOSTのエコシステムに参加するノードが集まり、ブロックチェーンの社会実装に向けた、改正法・法規制を理解するワークショップを行いました。 IOSTのノードで、ビジネスパートナーでもある法律事務所ZeLo・外国法共同事業の弁護士や、ノードパートナー、エコシステムに興味のある人たちが集まりました。 現在(2019年8月末)世界からIOSTのエコシステムに参加するノード(Node Candidates)は約370、内選出ノード(Elected Nodes:ネットワークに参加してブロック生成または検証作業に参加)は150を超えています。投票としてのステーキング量は4.15 billion IOST(市場供給量の34.6%)となっています。 IOSTのステーキングエコノミーは、TokenInsight による世界のステーキング プロジェクト ランキング(2019年8月・月間)で1位の評価を得ました。また、コインテレグラフの世界のトップステーキングプロジェクト・レポート(Top Staking Project of the Crypto World Today:Report)で2番目に紹介されています。 第二四半期の貢献報酬の結果を報告 日本からは6つのノードがレポートを提出しました。コンテンツ作成、Dapp開発、イベントのカテゴリーに貢献したノードは、貢献度に応じたTierに分類され、Tier1 = 0、 Tier2 = 3ノード、Tier3 = 2ノード、Tier4 = 1ノード、Tier5 = 0の結果となりました。 ノードへの報酬はそれぞれ、Tier2 = 344,338、Tier3 = 181,792、Tier4 = 109,075となりました。この報酬はノードを応援している投票者の間で分配されます。 GeekHash:ノードを代表をして活動を報告 GeekHashのCEO・藤岡氏が、ノードと投票者間で、ノードが投票量に応じたサービスを提供できる"IOSTインセンティブ"(開発中)のコンセプトを発表しました。 柴田氏 — wodcaトークンウォレット トークンウォレットを開発するwodca(ウォッカ)でCTOとして活躍する柴田氏は、各種ウォレットの違いと仕組み、wodcaの特徴(物理カードで秘密鍵を管理するサービス等)についてプレゼンを行いました。 高井弁護士 — 法律事務所ZeLo・外国法共同事業 高井弁護士は、仮想通貨を知ったきっかけ、ZeLoへ参加することになったエピソードから始まり、改正法の法的留意点などを解説するプレゼンを行いました。 ディスカッションでは、ステーキングビジネスへの将来の規制、暗号資産として扱われないビジネスモデルを検討することなど、実際にブロックチェーンゲームを開発する参加者と活発な議論を行いました。 IOSTノードコミュニティでは、四半期に一度「ノードカンファレンス」を開催して、社会実装に向けた専門知識の共有をしていきます。 記事ソース: MeetIOST Medium
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2019/08/26Ripple(リップル)主催カンファレンス「SWELL 2019」の登壇イベントが一部公開済
Ripple(リップル)が2017年から毎年開催している大型カンファレンス「SWELL」が、今年も11月7日・8日の2日間で開催されます。完全招待制の同イベントは、シンガポールを会場としています。 「SWELL 2019」の登壇イベントは以下の通りとなっています。 【11月7日(木)の主な登壇イベント】 ペイメント業界の新興大型テック企業 本当に使える国際送金システム ポリシーに関する討論: デジタル資産はいつ主流となるのか? 【11月8日(金)の主な登壇イベント】 モバイルウォレット: クレジットとバンキングのリープフロッグ型発展 パネルディスカッション: 送金サービス利用者が本当に欲しいもの トップ大学のブロックチェーンプログラム 流動性のイマ 去年開催された「SWELL 2018」では、リップルのBrad Garlinghouse CEOやビル・クリントン元米大統領がキーノートスピーカーとして登壇しました。 今年は、バングラデシュのモバイルマネーサービス「bKash」のKamal Quadir CEOと、インド準備銀行元総裁のRaghuram Rajanがキーノートを担当することになっています。 SWELLは暗号資産・ブロックチェーン業界で毎年大きな注目を集めるイベントです。SWELL 2018では、xRapidの商用リリースが発表されたこともあり、今年のカンファレンスでも重要なニュースが出るのではと予想されます。 また、2019年のアジェンダはこれから追加や修正が入る可能性があるので、今後もウェブサイトのアップデートに要注目です。
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2019/08/13IOST主催ブロックチェーン1DAY教育プログラム at 山口大学工学部
2019年8月10日に山口県にある山口大学工学部の学生たち50名を対象として、エイベックス・テクノロジーズ、エバーシステム、IOST/IOS財団によるブロックチェーン教育のワークショップ&スマートコントラクト・ハンズオンが開催されました。 今回のイベントでは、前半は3社によるワークショップ、後半はIOSTのブロックチェーンを利用したスマートコントラクトのハンズオンと2部に分かれた構成となっていました。 ブロックチェーン・ワークショップ エバーシステム株式会社 ブロックチェーンエンジニア 宮崎敦史 最初はエバーシステム株式会社のブロックチェーンエンジニアである宮崎さんの発表です。 ブロックチェーンに関して知見のない大学生に向けてのブロックチェーンの基礎の発表でした。 主にトランザクション、ブロック、取引データの暗号化「ハッシュ」などに関しての発表となりました。 エイベックス・テクノロジーズ株式会社 ブロックチェーン事業部統括 石田陽之 エイベックステクノロジーズ株式会社からは、石田さんの発表となりました。 ブロックチェーンにおけるトリレンマの問題、ブロックチェーンの活用が期待される業界、そして、エイベックステクノロジーズ株式会社の現在進めているプロジェクトに関して触れられました。 エバーシステム株式会社 代表取締役 和田隆夫 博士(工学) エバーシステム株式会社の代表取締役Dr.和田によるCryptoNinjaの紹介です。 CryptoNinjaの開発秘話からEthereumとIOSTのブロックチェーンで作成してみての比較などに関して、DAppsを作る上での特徴を語りました。 グループワーク〜宇部市の課題に取り組む 三者からの発表が終わった後は、学生たちがグループに分かれて、宇部市の5つの課題にブロックチェーン技術を活用できるアイデアを討論し、発表しました。 ※宇部市の「2主要課題の整理」2019年5月より 質の高い居住環境の形成 歩いて楽しい街なか空間の創出 医療・福祉のセーフティネットの構築 子育て支援策の充実・強化 就労機会の創出 スマートコントラクト・ハンズオン 後半はIOSTのブロックチェーンを利用して、ハンズオンが行われました。 最初にIOSTのプラットフォームのメカニズムの講義から始まりました。 その後は、JavaScript言語をサポートするスマートコントラクト、コンセンサスアルゴリズムPoB(Proof of Believability)、Chrome V8 VM、データベース、他プラットフォームとの優位性について説明がされました。 学生たちは、ハンズオンで、オンラインIDE(開発環境)「ChainIDE」を使って、ブロックチェーン上で動くプログラム、スマートコントラクトを体験しました。 2018年、IOST/IOS財団は日本地域での活動開始当初から、地方でのブロックチェーン技術の理解と潜在的 な開発者の育成に力を注ぎ、大学・教育機関でのワークショップ・プログラミングハンズオンの提供を行っ てきました。 国立工業大学をはじめ、5つの教育機関と述べ150名(2019年8月現在)を超える学生が参加して、ブロックチェー ン技術の概念を学び、実際にスマートコントラクトのプログラミングを体験しました。 主催: IOST / IOS財団 協力: エイベックス・テクノロジーズ株式会社 ブロックチェーン事業部 エバーシステム株式会社 河村 圭(准教授) 山口大学 大学院 創成科学研究科 知能情報工学分野 兼担:工学部 知能情報工学科 システム設計工学研究室 福士 将(准教授) 山口大学 大学院 創成科学研究科 知能情報工学分野 兼担:工学部 知能情報工学科 計算機システム工学研究室
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2019/07/30ブロックチェーン が変える未来!大阪 イベントレポート
2019年7月21日に大阪のブロックチェーン専門コワーキングスペースSingularity Hiveにて、IOSTが主催するイベント『ブロックチェーンが変える未来』と題したイベントが開催されました。 今回のイベントでは、参加者全員の自己紹介から開始し、始まり、ブロックチェーン業界への就職を希望する学生、社内でブロックチェーン技術に注目を始めた企業、そしてBlockchain Kyoto勉強会の運営者の方たちが参加しました。 ライトニングトーク Jim Maricondo - MetaMesh Group(元ConsenSys、日本地域担当) イーサリアムプラットフォーム実装のコンサルティングを行うConsenSys社で、日本でのブロックチェーン技術の普及と企業での活用を促し、ブロックチェーン業界で幅広い人脈を開拓したJim氏のライトニングトークです。 現在は、元ConsenSysメンバーが立ち上げたMetaMesh(米国)でアジア地域担当として活躍しています。Jim氏は、2019年のブロックチェーンのグローバルなトレンドを参加者たちと共有しました。 Twitter 近藤岳晴 CTO - Acompany Inc. 名古屋を代表するブロックチェーンのコンサルティング・開発を行うAcompanyは、名古屋大学の学生が立ち上げた技術系スタートアップです。 情報工学を専攻した近藤氏は、ブロックチェーンの仕組みを、わかりやすい"ジャガイモ"と"ハッシュポテト"の例えから、公開鍵・秘密鍵の関係、ブロックチェーンの重要な計算アルゴリズム「楕円曲線」を用いた暗号技術について話しました。 Twitter 岡崇 - PHI Inc. 近畿大学生3名が立ち上げた、ブロックチェーン開発実装のスタートアップPHIは、オンライン上で仮想組織を形成し仕事を行えるアプリ”GUILD”を次世代ブロックチェーン・プラットフォームである"IOST"と共同で開発中です。 岡氏は、ティール組織とDAO(Decentralized Autonomous Organization)は類似性があるために、ブロックチェーンの働き方改革が可能であることを熱く語りました。 Twitter 椙村優太 - Enbowl Inc. 革新的技術を使って次世代のインフラの構築を目指すEnbowlの椙村氏は、名古屋でのブロックチェーン技術コミュニティ、Blockchain-Nagoyaの運営メンバーとしても活躍しています。 個人情報を提供する個人がインセンティブが得ることができる、企業との情報バンクプラットフォームのコンセプトを紹介しました。 参加者たちはどこにブロックチェーンで"なければならない"技術が必要かを議論しました。 Twitter 服部摩耶斗 - 元Neutrinoコミュニティマネージャー 渋谷にあるブロックチェーン特化型コワーキングスペースNeutrinoで、今年の6月までコミュニティマネージャーをしていた服部氏。 スタートアップや大企業のブロックチェーン業界での動向をお話されました。 Twitter ディスカッション ライトニングトークの後は、登壇者と参加者を交えて、近い未来のフリートークが行われました。 取引の仲介業者が少なくなる未来、需要者同士で、物、金、エネルギーを売買することが当たり前になり、しかしブロックチェーンがすべてを置き換えることはなく、選択技のひとつして、途上国の既存の問題を解決するインフラとして活用されていく、などが議論されました。
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2019/05/27bitgritとMatrix AIが東大でEast Asia Data Symposium イベントレポート
2019年5月11日、日本に本拠点を置くAI/ブロックチェーン企業、株式会社bitgritは、中国のMatrix AI Networkと連携し、「East Asia Data Symposium 〜日本と中国におけるAIの可能性〜」と題したイベントを東京大学で開催しました。 上記2社の業務提携を記念する本イベントは、東アジア地域を中心に、AI、データ、そしてブロックチェーンといった最先端技術の可能性とユースケースを探る場として展開しており、bitgrit及びMatrix AI NetworkのそれぞれのCEOに加え、東京大学教授の計3名が登壇しました。 イベント冒頭では、bitgritのCEO、フレデリック氏によるbitgritの事業内容および「民主AI」の実現を目指す企業理念について発表が行われました。bitgritのプラットフォームでは、世界中のデータサイエンティストやAI技術者にフリーランス案件の紹介や日本への就労を希望する海外エンジニアのキャリア支援を行い、有望な技術者を必要とする企業に彼らを繋げる場として発展させていくという目標を掲げました。 Matrix AI Networkの創業者兼最高経営責任者であるOwen Tao氏によるスピーチでは、Matrixの事業内容に加え、中国における人工知能・ブロックチェーンのユースケースおよび可能性など、AI・ブロックチェーンに関する情勢・知見が発表されました。 世界中にコミュニティを有するMatrixの事業内容紹介において、Tao氏は自社の「ブロックチェーンをAIに応用する」アプローチを語り、またMatrixの仕組みを通じて中国の地下鉄システムといったインフラに既に寄与している事例を挙げました。 3人目に登壇したのは、東京大学大学院情報学環の越塚登教授によるスピーチです。 「AI for Data, Data for AI」と題した越塚教授のプレゼンは、人工知能(AI)とはなにか?といった初学者向けの導入に始まり、人工知能の可能性や現世界でのユースケース、日本の養殖業・農業における効率向上やIoT活用などご自身の研究内容まで、ユーモア溢れる形で非常に幅広いトピックについてAIの可能性に関して話されていました。 今回のイベントは、大盛況のうちに閉幕いたしました。 bitgritとMatrix AI Networkはパートナーシップを結んでおり、Tao氏は、「AIモデル、プラットフォーム、そしてマーケットを一つのサービスとして提供したいという点において、私たちMatrix AI Networkとbitgritの目的は一致しており、共に歩んでいきたい。bitgritが提供する開発者コミュニティを、私たちはデータサイエンティストやAIモデルをお互いに提供し合うことで、今後さらにご一緒に成長できると考えます。この国境を超えたコラボレーションを通じて、私たちそれぞれのプラットフォームの知名度が高まるだけでなく、お互いに日本や中国市場に進出の一助となるなど、今後のパートナーシップにも期待しています」と述べています。 bitgritのフレデリックも、「Matrix AI Networkと共に、中国と日本におけるコミュニティをさらに繁栄させると共に、AIの民主化・分散化の実現に向けて力を合わせることを嬉しく思い、今後の発展に期待しています」と、パートナーシップの可能性について前向きな姿勢を示しました bitgrit, Matrix AIの今後に目が離せません。
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2019/03/30Paris Blockchain Week Summitが4月16・17日にフランス・パリにて開催!
暗号通貨の普及が進むフランスの首都・パリで、参加者1500人・スピーカー100人以上が集まる大型カンファレンス「Paris Blockchain Week Summit」が4月16・17日に開催されます。 当カンファレンスでは有名なブロックチェーンプロジェクトの重役や、EU議会・調査機関関係者、さらにはSWIFTなど分散型台帳技術に関連する業界の企業も参加することになっています。 プレゼン・パネルの題目は「技術」「規制」「投資」「ビジネス」の4種類が設けられており、それぞれの分野でエキスパートが登壇する予定です。 カンファレンス公式サイトはコチラ 今回のカンファレンスの見どころは? Paris Blockchain Week Summitのステージイベントは、有名企業やEU関係者100人以上のプレゼンテーションおよびパネルディスカッションによって構成されています。 また、トピックも今話題の「STO(セキュリティトークンオファリング)」から「ゼロ知識証明」「非代替型トークン(NFT)」「シャーディング」などといった技術の話まで全て網羅しています。 主な登壇者を紹介! インフラ・プラットフォーム Marjan Delatinne (Ripple/リップル) Robert Wiecko (DASH, COO) Jack Gavigan (ZCash, COO) Dominik Schiener (IOTA, 共同創設者) Kelcey Gosserand (IBM) Patrick Dai (Qtum, CEO) Jordan Fried (Hedera Hashgraph) Max Kantelia (Zilliqa, 共同創設者) Arthur Breitman (Tezos, 共同創設者) 取引所・アセットマネージャー Wei Zhou (Binance, CFO) Andrew Robinson (Coinbase) Andy Cheung (OKEx, COO) Yoni Assia (eToro, CEO) Will Harborne (Ethfinex) Edward Moncada (Blockfolio, CEO) Brian Norton (MyEtherWallet, COO) EU・フランス政府・研究機関 Bruno Le Maire (フランス経済金融大臣) Caroline Malcom (OECD) 関連業界の企業 Leonard Schrank (SWIFT, 前CEO) Pauline Adam-Kalfon (PwC) プラットフォーム系プロジェクトからはRippleやDASH、ZCash、IOTAなどの有名どころに加え、Stellarベースのプロダクトを展開するIBMなどが参加します。 取引所はヨーロッパに拠点を持つBinanceやOKEx、eToroなどが参加するほか、欧米両方で大きなシェアを誇るCoinbaseなども来場します。 その他には、フランス政府から経済金融大臣、さらにはOECDやブロックチェーン推進事業に大きなリソースをさいているPwCなどの名前も挙がっています。 さらに面白いのが、Rippleと金融インフラの王座を争うSWIFTの前CEOも当カンファレンスに参加する点です。アジェンダに二者が対面しそうなトピックはありませんが、それでも要注目なのは間違いなしでしょう。 注目のステージイベントを紹介! 技術 ゼロ知識証明 - 単純なプライバシー保護以外への応用方法 IoT - ヒトのためのウォレットとモノのためのウォレット 公開・秘密鍵マネジメント 非代替型トークン(NFT)について 規制 セキュリティトークンオファリング(STO)について 自主規制 - 取引所とセカンダリ市場のプレイヤーへのソリューション 規制当局のジレンマ - 消費者保護とイノベーションの推進 法執行機関とKYC/AML 投資 ヨーロッパにおけるデジタル資産市場のインフラ作り 分散型機関への投資 ステーブルコインの大流行について ビジネス ブロックチェーンはペイメントの未来となるか? フランスのブロックチェーン事業の現状 フランス政府はICOを合法化しており、暗号資産取引などで発生する利益に対しても特別な納税ブラケットを設けています。 フランス・パリではビットコイン(BTC)などの暗号通貨でのショッピング決済を可能にするマーチャントを取り入れているお店などがたくさんあります。 また、街中のタバコ屋などでビットコインを購入することもできるほか、アートやチャリティーなどの分野でもビットコインでの寄付等を積極的に募っているものもあります。 [caption id="" align="aligncenter" width="526"] 当イベントはフランス経済金融庁からの支援も受けている。[/caption] カンファレンス公式サイトはコチラ
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2019/03/04【イベントレポート】2/14 THE BLOCKCHAIN NIGHT #OSAKA by IOST Japan
2月14日、大阪・難波にて、IOST JapanによるイベントTHE BLOCKCHAIN NIGHTが開催されました。 当イベントでは、ブロックチェーンのビジネス応用に関する事例や技術等が紹介されました。 本記事は、当イベントで登壇されたIOSTの佐藤氏やエバーシステムの石田氏、合同会社長目の小川氏、そしてAcompanyの近藤氏による解説をレポートとしてまとめたものになります。 IOST Japan Community Manager 最初に、IOSTの佐藤氏から、IOSTについての紹介がされました。 IOSTはシンガポールを拠点とし、次世代ブロックチェーンの開発を行う非営利財団で、同時にブロックチェーンアプリケーションでもあります。 IOSTには独自のコンセンサスアルゴリズムであるProof of Believability(PoB)が採用されており、これにより非中央集権的でスケーラビリティで高速に処理が可能な環境を開発しています。 2月25日には待望のメインネットのローンチが行われ、ノード選挙も3月10日まで実施中です。 IOSTのノード投票についてはこちら、プロジェクトの技術・仕組みについては以下の記事で詳しく解説されています。 【仮想通貨】IOST(アイオーエスティー)の特徴・将来性を徹底解説! - CRYPTO TIMES エバーシステム株式会社 CEO エバーシステムの石田氏からは、「ブロックチェーンの魅力やその使い道」「ブロックチェーンビジネスの注意点」について紹介されました。 ブロックチェーンの魅力 「インターネットが誕生して、画像や動画が瞬時に送れるようになったものの、価値そのものを送ることはできませんでした。しかし、2009年のサトシナカモトの論文が発表されたことにより、インターネット上で価値を送れるようになったのです。これが、ブロックチェーンおよび仮想通貨の画期的な部分です。」 続けて、ブロックチェーンの覚えておいてほしい以下の3つの特徴を紹介しました。 データが分散して保存されることで、障害の耐性が高いこと 取引記録が改ざんされないため、二重支払いが起こらないこと 管理者がいなくても稼働すること 「デジタルデータでは、AさんがBさんに1万円渡しながらCさんにも同じ1万円を渡すといったような二重支払いが起こりえます。しかし、ブロックチェーンでは1度で所有権ごと移転するため、二重支払いがおこりません。これにより、資産が扱えるといわれているのです。」 「管理者がいなくても稼働するというのは、一見素晴らしい仕組みに聞こえますが、管理者がいないということは、責任者が不在です。そのため、一定数管理者のいる完全には非中央集権ではない仕組みも誕生しています。」 ブロックチェーンの使い道 次に、”ブロックチェーンの今後の使い道’’について以下のように述べました。 経済産業省がまとめた資料によると、ポイントや決済の分野においは1兆円、権利証発行の分野でも1兆円、シェアリングには13兆円、サプライチェーンには32兆円、取引の自動化(スマートコントラクト)には20兆円の経済規模があります。 「最近では、ゼネラルモーターズやジャスラックなどの国内外の大手企業がブロックチェーンを利用した様々な仕組みを構想しているというニュースも出てきており、いよいよ今年からブロックチェーンを用いた製品自体もどんどん出てくると思います。」 「IDC Japanのデータによると、2022年までに世界では12兆円、国内では545億円分のブロックチェーン関連の市場規模が予測されており、とりわけ2019年以降から急激に技術革新が進み、市場が成長していくと思います。」 「例えば、ブロックチェーンでゲーム内のアイテムを管理することによってそのアイテムに資産性を持たせることができます。そうすれば、いずれそのアイテムが取引される可能性が生まれます。近頃、今までのゲームに全くなかったこの要素に多くのゲーム会社が注目しており、ブロックチェーンゲームに積極的に投資を行っています。」 ブロックチェーンビジネスの注意点と取り組むメリット 次に、ブロックチェーンビジネスにはいくつかの注意点があることが紹介されました。 「ブロックチェーンで記録できるのはあくまで取引履歴です。データそのものを記録するわけではありません。取引履歴をどのように使うかをビジネスの際には考えなければなりません。また、デジタルデータを1社で管理するほうが良いビジネスには、ブロックチェーンはあまり効果を発揮しません。」 他にも、ブロックチェーン技術を社会に実装させるには政治力が必要であることが注意点として挙げられました。 次に、''今ブロックチェーンに取り組むべきメリット''について以下のように述べました。 「ブロックチェーンという新しい技術に取り組むということが現在まだニュース価値として高い状態です。これをうまく利用して広報活動に繋げるのがいいでしょう。また分散化によるコストダウンや、新技術に触れることによって感度が上がり、良好な経営判断にもつながります。」 他にも、今ブロックチェーンに取り組むことで将来的にコンサルタントのような立ち位置での支援が可能になり、個人のキャリアにもつながるというメリットも紹介されました。 ブロックチェーンビジネスは、早く取り組めば取り組むほど、有利だといいます。 合同会社長目 CEO 合同会社長目 CEOの小川氏からは、ブロックチェーン活用の見通しと、ブロックチェーンの仕組みについて解説が行われました。 ブロックチェーン活用の見通しについて 始めに、''ブロックチェーン活用の見通し''についてです。 「投資家は、新しい技術が将来使われるかを判断する際に、大手企業の買収動向を調べます。今月半ばに、FacebookがChainspaceというブロックチェーンのスマートコントラクトに関係する企業を買収したというニュースが出ています。このことからも、大企業がブロックチェーンを使おうとしていることが分かりますよね。」 Gartnerが出したレポートによると、2030年までに日本のGDPの約3分の2のにも及ぶビジネス価値がブロックチェーンよって生み出されるとされており、今後のブロックチェーン市場に大きな期待が寄せられていることがわかります。 ブロックチェーンの仕組みについて 次に、''ブロックチェーンの仕組み''についてです。 「ブロックチェーンは、データの入ったブロックがつながっているものです。データを一方向ハッシュ関数を用いてハッシュ化し、それを次のブロックに入れていきますす。関数を用いてハッシュ化することで、元々の値が似たようなものでも、全く異なるハッシュ番号に変わります。」 これにより、データの改ざんに気づくことが出来るというのです。 また、コンセンサスアルゴリズムに関しては以下のように解説しました。 コンセンサスアルゴリズムとは? 中央集権的な管理者が存在しないP2Pネットワークにおいて、正しく合意が形成されるように生み出された仕組みのこと。 「P2Pネットワークでは、全員が同じデータを共有しますが、そのデータを作る際にコンセンサスアルゴリズムが関係しています。有名なのがビットコインに使わているPoWで、これは計算を早く解いた人が新しいブロックを作れるというメカニズムです。」 ただ、PoWでは計算力がものをいうため、ノードは電気を大量に消費します。これを受けて、地球にやさしい方法として、通貨を多く持つ人がブロックを承認する仕組みのPoSなどの新しいメカニズムが生まれ、さらにそこからDPoSやPoBなどの新しいコンセンサスアルゴリズムが生まれました。 【初心者向け】仮想通貨(ブロックチェーン)におけるコンセンサスアルゴリズムとは? - CRYPTO TIMES この他にも、ブロックチェーンのスケーラビリティ問題やブロックチェーン技術における企業の取り組みなどが紹介されました。 Acompany Inc. CTO 続いて、Acompany Inc.の近藤氏からは、ブロックチェーンの実用例についての簡単な紹介がなされました。 Acompanyは、ブロックチェーンの実社会での活用のための研究開発を行っているそうです。 紹介には、ALISやCryptoKitties、MyCryptoHeroes、Rippleなどが取り上げられました。 講演後の交流会 講演終了後は30分ほどですが、交流会が行われました。 バレンタインの日に開催されたため、会場ではお菓子とチョコレートワインが振舞われ、グラス片手にブロックチェーンに関する様々な話が交わされていました。 まとめ 今回は、大阪で行われたBLOCK CHAIN NIGHTの講演内容や様子をまとめてみました。 イベントには、ブロックチェーンに興味を持つ学生やエンジニアなど、20人ほどが参加していました。 イベント中には、ブロックチェーンについての質問を募集し、それについてブロックチェーン事業に携わる企業の方が答えるコーナーもあり、ブロックチェーンに関する理解を深める非常に良い機会でした。 ブロックチェーンに興味のある方は、ぜひご参加することをおすすめします。