先週の経済動向のおさらいと今週の注目イベントから考えるマーケット市場

先週の経済動向のおさらいと今週の注目イベントから考えるマーケット市場
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暗号通貨市場は米国株式及び債権市場、ドル相場などからの影響を大きく受けているのは言うまでもありません。米国における先週の市場動向のおさらいに加えて、今週の注目すべき経済イベントについて、簡単にですがまとめてみました。

先週ですが、米国市場でいえば富裕層に対するキャピタルゲイン税強化による下げ圧力が強まる一方で、製造業及びサービス業のPMI(Purchasing Manager’s Index=購買担当者景気指数)の上昇、10年債利回りが1.55%程度で推移したことが上げ、ないし相場維持材料となり、結果として市場は大きく変動しませんでした。

キャピタルゲイン税強化はと言うと、言うまでもなく強い材料でしたが、「10年債利回り」も注目すべき指標と考えられます。

これは低ければ良い、高ければ悪いというものではありません。「ちょうど良い」という塩梅が良くされています。

現在の米国は大型財政政策の実行に向けた国債増発の可能性が高く、増発すれば債券価値の下落、金利の上昇、結果として景気冷え込み、というパターンが考えられます。

また、景気指標が強すぎると、債権投資から株式投資へシフトし、結果として金利が上昇、景気冷え込みというパターンもあり得ます。これらは教科書通りのパターンであり、実際にはこうした事象が「急激に、予想外に」進んだ場合に景気が変動する可能性が高くなります。

そのため、何事も「ちょうど良く進む」のが良いのです。

米10年債利回りでいえば、1.55%というのはその週での「ちょうど良い」水準だったということになります。

暗号資産市場の参加者としては景気がある程度強く、金利の上昇が「抑えられている」状態が好ましいということになります。これは、リスク資産投資の割合が増えるからです。当面、変なサプライズは不要ということになります。

経済指標はおおよそ前回(前月、前年、前回など)対比、予想値対比で考察されます。最近は前年比で上下推移していても、それは既に市場が織り込んでいることが多い為、基本的には予想値との乖離がどの程度あったか、政策決定会合などであれば直近の方針からどのように変化したか、などが注目点となります。

また、先日の日米首脳会談後に発表された日米共同声明にも注目です。声明の中で謳われた中国への対応方針が、中国からの報復を招く可能性がある為、今後の動向を注視する必要があると思います。このあたりは両国にうまい具合にやってほしいところではあります。

今週ですが、FOMC(Federal Open Market Committee=米連邦公開市場委員会=米国の金融政策を決定する会合)が27日と28日に、バイデン氏の施政方針演説が28日に予定されています。

加えて、企業の決算発表も本格化します。米国ではGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)とテスラの決算発表が控えています。ちなみに2020年5月にGAFAMの時価総額は、日本の東証一部上場企業の全銘柄の時価総額を上回りました。これらの企業の決算発表は注目せざるを得ないのです。

経済指標はとっつきにくいですが、ニュースや要人の発言などと合わせて見ればなかなか面白いものです。暗号資産市況と必ずしも直結はしませんが、マクロで経済の動きを追っていけば、自分なりの相場観が育つかも知れません。

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