手数料無料で株取引ができるプラットフォームとしてアメリカの若者を中心に人気を集めていたRobinhoodは今年2月から仮想通貨取引プラットフォームの運営を開始しました。

サービス開始時には2018年末までに仮想通貨プラットフォームNo.1の座を狙うと公言しており、その勢いには目を見張るものがあります。

しかし、仮想通貨取引所は通常、利用者が取引の際に支払う手数料で収益をあげていますが、Robinhoodはどのようなビジネスモデルを構築しているのでしょうか?

創業から5年で評価額は6000億越えに

2018年9月初頭にRobinhoodがCFO(最高財務責任者)の雇用とIPOの準備を進めていると報じられました。

RobinhoodのCEOを務めるBaiju Bhatt氏がTechCrunchのカンファレンスにて登壇し、IPOとCFOの雇用計画を明らかにしました。

Robinhood社は2013年に若者をターゲットとして創業されたスタートアップで、株式やオプション、仮想通貨取引を無料で行える事で急激にその知名度を上げてきました。昨年4月には評価額1400億円と言われていた同社ですが、現在は約6200億円となっています。

Robinhoodの手数料無料のビジネスモデルとは?

Robinhoodは顧客の口座に保管されている投資に使われていない残高から利息を得ています。しかし、これは非常に小さな金額でRobinhoodの収益の柱にはなり得ません。

Robinhoodが大きな収益を得ているのは信用取引の部分です。同社のプラットフォームには、ゴールド口座という物が存在します。ユーザーは月額で費用を払う事によって、一定額の融資を受ける事ができます。最低の月額費用は6ドルで1,000ドルの融資が受けられるという仕組みになっているようです。

Robinhood共同設立者は当面は収益に期待しないと発言

今年2月にRobinhoodが仮想通貨取引サービスを開始した際に、同社の共同設立者のBladimir Tenev氏はTechCrunchに対して以下のように話しています。

 

 「我々はこのビジネスを損益ゼロになるように運営していく。当面は収益には期待していない。Robinhood Cryptoは新規顧客の獲得と既存の顧客へのサービス向上を目指していく。」

同社は手数料を無料にして赤字を出す事を覚悟し、300万人以上の既存ユーザーを仮想通貨取引へと誘致する狙いがあると報じられました。

実際には顧客の注文データ販売で巨額の利益を得ていた模様

一方で、Robinhoodがアメリカ証券取引委員会(SEC)に提出した2018年第二四半期の報告書から、同社が顧客の注文データをHFT(High Frequency Trading,高頻度取引)企業に売却する事で、多大な利益を得ていた事が明らかになりました。

同社はApex Clearing Corporation, Citadel Securities, Two Sigma Securities, Wolverine Securities, Virtu Financialという5つのHFT企業に対して注文データを販売していたのです。

Robinhoodは顧客の注文1つにつき、0.00008ドル(約0.009円)から0.00026ドル(約0.029円)を獲得していたとされています。この金額は他の大手金融機関がHFT企業に販売する金額の10倍以上に相当するようです。

Robinhoodは公式サイトにて、「金融システムは富のためだけに存在しているのではない。」「私たちは手動での他社の取引仲介業でコストがかさんでいる物を排除した結果、手数料ゼロを実現させている」と記載されている事や上記のTenev氏の発言から、利用者の間では疑問視する声が上がっています。

関連会社や顧客にはさらなる疑惑も

Robinhoodやその関連企業、その顧客は過去にSECによる操作や罰金の対象となっている事が発覚し、懸念されています

2014年には同社のパートナー企業のTwo Sigma Investmentsが情報収集の調査における事情聴取でSECに招集されています。

また、昨年1月にはRobinhoodの顧客にあたるCitadel SecuritiesがSECにより2,200万ドル(約24億円)の罰金を課されています。

そして、昨年10月には同じくRobinhoodの顧客であるWolverine Securitiesがインサイダー取引の疑惑をかけられ、100万ドル(約1億円)の支払いを命じられています。

フィンテック界の巨人はどこへ向かうのか?

Robinhoodのビジネスモデルは決して違法な行為ではありませんが、消費者に対してこのような情報が開示されてこなかった点や関連企業の罰金の件などは利用者に取って驚きの事実だったかもしれません。

400万人を突破した同社のユーザー数は今後も伸びていくと見られていますが、今回取り上げた疑惑をどう払拭していくかが鍵となりそうです。

記事ソース:Investpedia, Chepicap