米国の重要な仮想通貨規制法案、土壇場で延期

米国の重要な仮想通貨規制法案、土壇場で延期
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昨日、米上院銀行委員会のティム・スコット委員長は米国市場における仮想通貨規制法案に含まれる「CLARITY法案」のマークアップ(修正審査)を延期することを決定しました。この延期は、業界関係者を含む委員会で意見がまとまりきらなかったことに加え、大手プレイヤーである仮想通貨取引所Coinbaseのブライアン・アームストロングCEOが法案への支持を撤回したことが背景にあるとされています。

200ページ以上で構成されるCLARITY法案は仮想通貨が証券、コモディティ、またはその他のカテゴリーのいずれに該当するかを定義し、米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の管轄権を明確化することを目的とする内容となっています。同法案に関する超党派で作成されたテキストが先日公開されたばかりでしたが、アームストロング氏は「あまりに多くの問題がある」として支持を撤回し大きな注目を集めていました。



Coinbaseが指摘する問題点と危うさ

アームストロング氏が問題視したのは、ブロックチェーン上で株式をトークン化して扱うことが事実上禁止になる点やDeFi(分散型金融)に対する禁止事項が含まれる点、CFTCの権限を侵食しイノベーションが停滞する可能性がある点などです。

そして、最も注目され議論を呼んだのがステーブルコインの保有に対する報酬(利回り)が禁止され銀行による競争排除を許す結果になる内容が含まれていること、つまりこの法案が銀行に有利に働くよう設計されている点です。

アナリストのShanaka Anslem Perera氏も上記を問題点として指摘していました。

同氏は銀行が預金者に支払う金利は0.1%程度である一方、ステーブルコイン発行者は裏付け資産として保有する米国債等から4.5%程の利回りを生み出している現状を挙げながら、仮にステーブルコインが利回りをユーザーに還元できれば銀行は預金獲得競争で太刀打ちできなくなると主張。

カンザスシティ連銀の試算によると、ステーブルコインが競争力のある金利を提供した場合、銀行は預金の25.9%を失い、1.5兆ドルの融資能力が消失する可能性があるとされています。Perera氏は「銀行業界の解決策はイノベーションではなく立法だった」とし、53の銀行協会が自らの6.6兆ドルの預金を守るために動いたとする今回の法案を激しく非難しています。

銀行業界はステーブルコインへの利息支払いを許容する抜け穴が銀行システムからの預金流出を招くと懸念していますが、仮想通貨企業側はこの禁止措置を反競争的だと主張しています。また、トークン化された株式に対する「事実上の禁止」にあたるというブライアン氏の懸念に対して、複数のトークン化関連企業はこれを否定し、法案はデジタル証券を肯定するものだと反論するなど米国内で意見がまとまっていないのが現状です。



議員・関係者は希望的な見解を維持

しかし、議員や関係者は法案成立に向けて希望的な姿勢を崩していません。シンシア・ルミス上院議員は法案成立が「かつてないほど近づいている」とし、関係者は依然として交渉のテーブルについていると述べています。

ビル・ハガティ上院議員も短期間で合意形成を得た成果が得られることを「確信している」とコメント。スコット委員長も「全ての関係者がテーブルについて誠実に取り組んでいる」との声明を出しています。

また、仮想通貨取引所Krakenの共同CEOであるアルジュン・セティ氏は「今立ち去ることで不確実性を固定化し、米国企業を曖昧な状況の中で運営させ、他国企業の前進を許すことになる」と発言し、複雑な内容が絡み合う今回の法案の成立に向けて引き続き協力していく姿勢を示しています。

上院民主党は1月16日金曜日に仮想通貨業界代表者と電話会合を実施する予定です。会合ではステーブルコインの利回りの許容に関する妥協案などが議題になる可能性があります。

業界内でも意見が分かれる中、今後の協議の行方が注目されます。

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