新世代チェーン「Shardeum」の可能性 | シャーディング特化型L1の魅力とは
あどまん
今回は、2023年Q1にメインネットのローンチを控えるShardeumについて解説していきます。
ShardeumはEVM互換のシャーディング特化型レイヤー1ブロックチェーンで、現在テストネットで稼働しているプロジェクトです。
シャーディングはヴィタリック氏が言及(https://vitalik.ca/general/2021/04/07/sharding.html)しているように、スケーラビリティ、分散化、セキュリティをどれも妥協することなく実現する唯一の解決策として注目を集めている技術です。
そんなシャーディングを用いたレイヤー1ブロックチェーンのShardeumが今年のQ1を目処にメインネットをローンチする予定であるため、どのようなプロジェクトか目を通して頂けますと幸いです。
目次
Shardeum概要
Shardeumは、EVM互換のスマートコントラクトで、ノードをシャードと呼ばれる小さなグループに分割することで、作業負荷を分割し、より多くの並列処理を可能にするシャーディング特化型レイヤー1ブロックチェーンです。
シャーディングとは、ネットワークの計算とストレージの負荷を分散させるためのパーティション分割のことであり、各ノードのオペレータは、ネットワーク上のトランザクションの総負荷を軽減することができます。さらに、シャーディングはトランザクションの検証や確認の作業を管理可能な小さな単位に分割することによって、スケーラビリティの向上を目指します。
つまり、シャーディングはスケーラビリティのトリレンマを解決することができると考えられています。スケーラビリティのトリレンマとは、ブロックチェーンがスケーラビリティ、分散化、セキュリティを実現しようとすると、そのうちの2つしか実現できないというものです。
セキュリティが必須条件である以上、本来スケーラビリティと分散化の間にはトレードオフが存在することになりますが、シャーディングはセキュリティを維持しつつ、スケーラビリティと分散化を両立させることが出来ます。
そのため、イーサリアム創設者であるヴィタリック・ブテリン氏も兼ねてよりイーサリアムのロールアップスケーリングにおいてシャーディングの重要性について説いています。
ロートマップの一つでもある「The Surge」はシャーディングによるロールアップのスケーラビリティ向上を目指すものであり、イーサリアムにおいてもシャーディングが必要不可欠な技術であることが分かります。
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Reaching the "basic rollup scaling" milestone in my roadmap diagram.
That means:
* EIP-4844 rolled out
* Rollups partially taking off training wheels, at least to "stage 1" as described here https://t.co/qNQonDQkzG pic.twitter.com/7HePctWw1l— vitalik.eth (@VitalikButerin) December 31, 2022
また、ShardeumはPoQ(Proof-of-Quorum)とPoS(Proof-of-Stake)を用いることによって、ネットワークの運用コストの削減や取引手数料が低いことも特徴として挙げられる他、待機ノード、ノードローテーション、無許可参加などの仕組みによって、ネットワークのセキュリティ面においても強化されています。
Shardeumの5つの特徴
・EVM規格のレイヤー1ブロックチェーン
・リニアなスケーラビリティと低手数料
・バリデータ・ノードの管理が手軽
・トランザクションの処理が早く&低レイテンシー
・PoQとPoSによる強固なセキュリティ
Shardeumは”ダイナミック・シャーディング”と呼ばれる技術を採用
シャーディング技術を用いたブロックチェーンはShardeumだけでなく、NEARやHarmony、Zillqaなど複数のプロジェクトでも用いられています。
例えば、Zilliqaのシャーディング技術は、取引をブロックにグループ化し、ブロックレベルでコンセンサスを求めます。コンセンサスとコミットメントがブロックレベルで行われることは、トランザクションのファイナリティに時間とリソースがかかってしまうため、シャーディングを展開する上で効率的な方法ではありません。
このようにシャーディング技術にも課題はあり、Shardeumはこれらの課題を解決すべく「ダイナミック・シャーディング」と呼ばれるシャーディング方法を採用しています。
シャーディングは、前述したようにネットワークを細かく分割することで、ノードによるトランザクションを高速に処理する技術です。しかし、これだけではリニアなスケーラビリティを実現することはできないため、Shardeumはさらに、過去のデータを「アーカイブ・ノード」にオフロードすることで、トランザクションを検証するバリデータ・ノードをより軽量化します。
また、ダイナミック・シャーディングは、ブロックレベルではなく、各トランザクションでコンセンサスを実現することで、トランザクション処理のために複数のシャード間でコンセンサスが得られるまで待つ必要はなく、各トランザクションを個別に処理してからブロックにまとめるため、わずか数秒のレイテンシーを実現できます。
コンセンサスメカニズム/コンセンサスアルゴリズムにはPoQ+PoSを採用
ShardeumのコンセンサスメカニズムとコンセンサスアルゴリズムはPoQとPoSの2つを採用しています。
Proof of Quorum(PoQ)とは、コンセンサスグループの過半数がその取引に投票したことを示すレシートを生成することを意味します。
コンセンサスグループの各ノードは取引のハッシュに署名し、コンセンサスグループの他のノードにそれを伝えます。ノードはこれらの投票を集め、投票数が50%以上になると、その取引に関するコンセンサスを証明するレシートを形成します。
Shardeumはネットワークを安全に保つためにPoQとPoS(Proof of Stake)の両方のコンセンサスアルゴリズムを使用し、検証ノードはネットワークプロトコルに従って動作することを保証するためにSHMをステークする必要があります。
Shardeumのトークノミクス
$SHMはネットワークにリソースを提供する報酬として、バリデータ、アーカイブ、スタンバイの各ノードで採掘される予定です。このコインは、Shardeumネットワークでのスマートコントラクトの実行や、転送トランザクションの実行に関連するガス料金の支払いに使用されます。
$SHMのトークノミクスは以下のような配分となっています。
51%:コミュニティ – ノードへの報酬、バリデータ、アーカイブ、スタンバイ・サーバー
18%: Sale – 3ヶ月のクリフと2年間に渡って配布
15% :チーム – 3ヶ月のクリフの後、2年間に渡って配布
11% :Foundation – Token Generation Event (TGE)でアンロックされます
5% :エコシステム – TGEでアンロックされます
ロードマップ
ロードマップは以下のようになっています。
2023年Q1にはメインネットのローンチ及び$SHMの発行を予定しています。しかし、Q2にも「Public sale」と記載しているため、もしかしたらQ2に延期する可能性もありそうですね。
開発メンバー
Shardeum Co-Founder兼Committer – Nischal Shetty氏
- 1,000万人以上のユーザーを持つインド最大の暗号取引所であるWazirXの創設者兼 CEO。Nischal氏は、10年以上にわたってインドでグローバルな製品を構築してきた経験を持 つ起業家です。ソフトウェアエンジニアとしての教育を受けたNischal氏は、過去に2,000万人以上のユーザーを持つソーシャルメディア管理ウェブサービスであるCrowdfireを設立した経験もあります。これまでの成功により、フォーブスの「30歳以下の30人」リス トにも選ばれています。Nischal氏の使命は、「すべてのインド人がクリプトにアクセスできるようにすること」です。
Co-Founder兼Committer兼Creator – Omar Syed氏
- 2017年にShardusを生み出したブロックチェーンアーキテクトて。過去30年にわたり、Omar氏はNASA、Yahoo 、Zyngaで耐障害性の高い分散システムを構築する支援に携わってきました。ケース・ウェスタン・リザーブ大学にて人工知能を専攻し、学士号および修士号を取得。 Omar氏は、結婚紹介サイトや株式センチメント分析サイトなど、いくつかのスタートア ップ企業にも携わった実績を持つ。また、Omar氏は息子のアーミルと共に戦略ボードゲーム「アリマー」を考案し、人工知能の画期的な研究を促進する「アリマー・チャレンジ賞」を提供している。長期ビジョンは、「安定した仮想通貨に基づく無条件のベーシックインカムを誰もが受け取り、貧困と飢餓をなくす世界」です。
テストネットの始め方
Shardeumは現在テストネット段階であり、テストネットでShardeum上のDappsに触れていると将来的にSHMのエアドロップが獲得できる可能性があります。
そのため、テストネットの始め方についても解説していきます。
事前準備
・メタマスク
Discordはテストネットトークンをもらうときに必要になりますので、参加しましょう。
MetaMask(メタマスク)の使い方まとめ!入出金・トークン追加も超簡単
ネットワーク追加
Shardeumは1.xと2.x という2つのネットワークを開発中です。
2023年2月8日現在は、Liberty1.6と2.0が開発されています。
① Shardeum 1.6
Chainlistで「shardeum」と検索して1.Xを追加しましょう。
<ネットワーク追加>
https://chainlist.info/
・Network Name: Shardeum Liberty 1.6
・New RPC URL:https://liberty10.shardeum.org/
・Chain ID:8080
・Currency symbol (optional):SHM
・Block Explorer URL (optional):https://explorer.liberty10.shardeum.org/
② Shardeum 2.x
・Network Name: Shardeum Liberty 2.0
・New RPC URL:https://liberty10.shardeum.org/
・Chain ID:8081
・Currency symbol (optional):SHM
・Block Explorer URL (optional):https://explorer.liberty10.shardeum.org/
もし、Chainlistで追加することができなかった場合、メタマスクから手動で追加する必要があります。
①メタマスクのネットワークから「ネットワークを追加」をクリック
②上記の詳細を各項目に入力し、「保存」をクリック。
テストネットトークンを取得
ShardeumのDiscordに参加し、「LIBERTY」チャンネルから「faucet-1.6と2.1」があるので、クリックしましょう。
コメントを書き込むところに「/faucet」と入力するとウォレットアドレスを入力するように求められるので、自分のアドレスを入力して送信。
そうすると、100SHMがウォレットに届きます。
Dappsを触ってみよう
無事ウォレットにテスト用ウォレットが届いたら後は普段のようにチェーン上で展開されているプロダクトを使ってみましょう。
Swapped Finance
①Swapped Financeにアクセスし、ウォレットをコネクトして、スワップ
②流動性の提供
「プール」の「追加」から流動性を提供することができます。
DotShm
DotShmはENSのようなName Serviceです。
DotShmもテストネット上でdomainを取得することができるのでやっておきましょう。
①DotShmにアクセス、検索欄の中に好きな単語を入力しSearchをクリック。
Registerと表示されていれば、取得することができます。
「Already Registered」と表示されていれば、すでに他のユーザーに登録されているため取得することができません。
②好きなドメインが見つかったら、「Register Domain」をクリック
③Success!!と表示されたら、ドメインの取得が完了です。
Shardeum Name Service
こちらもまたShardeumのName Serviceです。
好きなドメインを検索し、recordと表示されていたらMintしましょう。
YOGAMA NFT
Yogama first genesis collectionは、2222のヨガポーズと25のゴールデンヨガスペシャルパスのプロジェクトです。
現在はテストネットにてNFTをmintすることができます。
他にもすでに多くのdappsが開発されているので、興味がある方は以下のShardeum公式サイトよりDappsを探してみましょう。
https://shardeum.org/ecosystem/
以上、Shardeumの解説でした。
イーサリアムの開発において重要な要素でもあるシャーディング技術を用いたShardeumは、他のブロックチェーンでは試みられなかったアプローチをとることで多くのユニークな機能を兼ね備えているプロジェクトです。
トークノミクスにも5%分がエアドロップ分として確保されていることから、テストネット利用者はSHMが貰える可能性があるため、テストネット段階から積極的に触れておくことをオススメします。
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