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2019/02/15Coinbase WalletでGoogle DriveやiCloudを利用した秘密鍵の保管が可能に
アメリカの大手仮想通貨取引所であるCoinbaseは、自社のウォレットであるCoinbase Walletでの秘密鍵の保管において、Google DriveやiCloudを利用したバックアップに対応させたことを発表しました。 自身のCoinbase Walletアプリを最新版に更新することで、新たなバックアップ機能を体験することができます。 この機能を利用することで、自身の資産に対するアクセス権がこれまで以上に確実なものとなります。 iCloudやGoogle Driveを利用したバックアップは、秘密鍵そのものがクラウド上にアップロードされるのではなく、秘密鍵をさらにAES-256-GCMと呼ばれるアルゴリズムで暗号化した形でこれが行われます。 そのため、万が一Google DriveやiCloudからデータが盗まれてしまった場合でも、秘密鍵が漏洩することはなく、この復号はCoinbase Walletアプリからしか行うことができません。 現在のバージョンにおいて、iOSを利用している場合はiCloudでの、Androidを利用している場合はGoogle Driveでのバックアップに対応しています。 利用可能なクラウドストレージの種類に関しては、今後も追加されていくと発表されています。 記事ソース:Backup your encrypted private keys on Google Drive and iCloud with Coinbase Wallet
技術
2019/02/120xが発表した改善案「ZEIP-23 MultiAssetProxy(MAP)」の詳細
2月12日、分散型取引所のプロトコルである0xから、ZEIP-23 MultiAssetProxy(MAP)と呼ばれる新たなImprovement Proposal(改善案)が発表されました。 ZEIPとは、0x(Zero- Ex) Improvement Proposalの頭文字をとったもので、開発が行われている0xの改善案を指します。 発表によれば、この改善案に関しての開発は既に完了していますが、実装にはコミュニティによる投票が必要とされることから、その詳細や開発の背景、投票についての詳細な情報が今回発表されました。 本記事ではそんなZEIP-23について発表された内容をまとめていきます。なお、ソースコードなどのテクニカルな部分は便宜上省略させていただきます。 今回の発表の概要・キーポイント 今回の発表のキーポイントは以下になります ZEIP-23 MultiAssetProxy(MAP)について ZEIP-23 MultiAssetProxy(MAP)は、ERC20とERC721をバンドル化し、0xプロトコルを通じて分散的に取引することを可能とするスマートコントラクトを指します。 MultiAssetProxyでは、アセットのトランスファーを行うのではなく、バンドル化されたERC20やERC721のAssetIDと呼ばれるものを認識し、当該のAssetProxyにこれを返すという役割を果たすとされています。 また、アセットの取引において、部分的にこれが約定するということはなく(atomic transaction)、必ずすべてのトランザクションが成功するか、すべてが元の状態に戻るかのどちらかの結果となります。 MAP実装とコミュニティ投票について MAPの開発は既に完了しており、コードのセキュリティ監査もすでに終了しています。 しかし、統合には0xのスマートコントラクトの"hot upgrade"が必要とされ、これにはコミュニティによる監査も必要であるが故、ZRXを利用した投票の後の実装という形となっています。 そのため、ZRXトークンホルダーは2019/02/18から行われるMAPの統合について承認・拒否の投票を行う必要があり(強く奨励され)、この投票結果に応じた統合となります。 また今回の投票は、初の試みでありオンチェーンガバナンスにおける安全性の証明にリスクを伴う可能性があるため、投票は集権的なメカニズムを利用しオフチェーンで行われます。 仮に、承認された場合、0xはv2.0からv2.1へのアップグレードが行われます。 バグバウンティキャンペーンの詳細 0xでは、oxプロトコルのスマートコントラクトに関するバグの発見に対してバウンティ(報酬)を提供するバグバウンティキャンペーンを行っています。 今回のZEIP-23の発表では、ZEIP-23がバグバウンティの対象に追加されたことが明らかになりました。 バグを発見すると、CVSS(Common Vulnerability Scoring Standard)に基づく重要度に応じて最大$100,000USDまでの報酬が提供される仕組みになっています。 また、報酬はすべて0xのトークンであるZRXでの支払いとなります。 ZEIP-23の開発に対するモチベーション Non-Fungible Token(代替不可能トークン)は、EthereumのコミュニティにおいてERC721が正式に採用されたのち、ブロックチェーンゲーム(DApps)やコレクタブル、マーケットプレイスのエコシステムに大きな活気をもたらしました。 Ethereum(イーサリアム) ERC721の特徴は? ERC20やERC223との違いを徹底比較! - CRYPTO TIMES 0xのv2.0では、ERC721トークンのトレードをサポートしていましたが、コミュニティからの要望の多くに、これらのアセットをバンドル化したトレードを可能にすること、というものがありました。 ZEIP-23では、あらゆるERC20・ERC721のバンドルの取引を可能にします。 これには、以下のような様々なユースケースが考えられます; [caption id="" align="aligncenter" width="678"] 2匹のKittiesと1匹のKitty+DAIのトランザクション。[/caption] 複数匹のKittiesと1匹のKitties+ステーブルコインの取引 ERC721のトレーディングカードで、20枚セットのブースターパックを販売すること DecnetralandにおけるLANDのまとめ買い・売り 予測市場においてショートポジションを持つこと。例えば、AugurやVeilを利用して、2020年大統領選挙において、特定の政党以外に対してのロングポジションを持つことで、実質的にその特定の政党に対するショートポジションを持つことになる 今後の実装に関するロードマップ MAPが0xに実装されるためには、ZRXホルダーのコミュニティによる投票での最終的なConfirmationが必要となります。 統合にコミュニティの投票が絶対とされる理由には、今回のアップグレードが"hot upgrade"と呼ばれ、これには0xの既存のスマートコントラクトを修正する権利が含まれ、資産へのアクセス権も同時に必要とされるためです。 ZEIP-23の今回のアップグレードだけでなく、今後の"hot upgrade"に関しても、ステークホルダーはZEIP(改善案)に対する拒否権を行使することができなくてはなりません。 投票は、上記イメージのように2019/02/18から一週間にかけて行われる予定となっており、その結果はシンプルな多数決によって決定されます。 (2018/02/13の日本時間午前4時からは、0xのsubredditでAMA(Ask Me Anything)セッションも行われるため、不明点があればこちらで質問することも可能です。) 0xコアチームメンバーのこの投票に参加することができますが、機関・企業によって保有されているトークンでは参加することができず、自身でZRXを保有している必要があります。 投票が可決された場合、即座にその統合が行われますが、ERC20・ERC721を実際にバンドル化して取引を行うことができるのは、可決後2週間後の2019/03/11からとなっています。 仮に、この提案が否決された場合、0xのフォーラムにおいて事後のディスカッションが行われ、今後の実装に向けてよりよい提案や、必要に応じてより強固なセキュリティの方策に関する議論が行われる予定となっています。 まとめ 0xより、発表された新たな改善案であるZEIP-23 MultiAssetProxyについての発表をまとめました。 この提案がコミュニティにより可決されれば、3月11日より、ERC20やERC721をバンドル化して取引することができるようになり、DAppsのマーケットプレイスの幅がさらに広がるのではないかと考えられます。 また、ソースコードについての詳細は割愛しましたが、詳細は公式発表の以下のリンクから確認指定だたくことができます。 記事ソース:ZEIP-23: trade bundles of assets
ニュース
2019/02/12Litecoin財団がLitecoinの拡張ブロックにMimbleWimble実装のため、Beamとの提携を発表!
Litecoin財団がLitecoinの拡張ブロックを利用したMimbleWinble実装のためBeamと協力を進めることが明らかになりました。 Beamのゴールの一つは、仮想通貨におけるプライバシーを強化し、同時にMimbleWimbleのプロトコルを推進していくことにあります。 Litecoinでは現在、MimbleWimbleプロトコルを実装したLTCと通常のLTCの双方向の変換を可能にすることで、LTCにプライバシーと代替可能性を付与することを目指しています。 この変換において、MimbleWimbleプロトコルを実装したLTCでは、トランザクションを完全に秘匿することが可能となります。 また、プロジェクトによって行われる開発は、すべてオープンソースで公開されていく予定です。 記事ソース:Litecoin Foundation and Beam Cooperation Announcement
技術
2019/02/08Binance(バイナンス)がテストネットリリースを間近に控えるBinance Chainの詳細に関して
こんにちは。Shota(@shot4crypto)です。 昨年、仮想通貨取引所であるBinanceからリリースに関しての予定が明らかにされたBinanceの独自チェーン『Binance Chain』とその分散型取引所『Binance DEX』ですが、先日Q&A形式でこれに関しての更なる詳細が発表されました。 本記事では、Binanceが独自に開発を進めるBinance Chainについてその詳細をまとめていきます。 Binance Chainとは Binance Chainとは、仮想通貨取引所Binanceとそのコミュニティによって開発された独自のブロックチェーンを指します。 以前から公式にアナウンスされているBinanceの分散型取引所『Binance DEX』はこのBinance Chain上に構築される分散型取引所ということになります。 Crypto Timesでも以前に、Binance Chain・Binance DEXに関して紹介をしていますので、以下の記事も是非参考にしていただければと思います; -Binance(バイナンス)が独自のブロックチェーン「Binance Chain」を数ヶ月内にリリースか!デモ動画も新たに公開! -BINANCE(バイナンス)の分散型取引所BinanceChainの開発状況デモが公開 Binance Chainの概要 https://www.youtube.com/watch?v=9R9LrKgL__A Binance Chainの概要 名称 Binance Chain ネイティブコイン $BNB アルゴリズム BFT / DPoS・pBFT(将来的に) 特徴① ブロックタイム1秒・1 Confirmation ファイナリティ 特徴② スマートコントラクト非対応 関連リンク Binance DEX テストネット(未) Chain Explorer テストネット(未) Binance Chainの特徴 Binance Chainは以下のような原理に基づいて設計されています; 一切の資産の預かり・保管をしない:トレーダーは自身のプライベートキー及び資産を自身で管理 ハイパフォーマンス:大きなユーザーベースを想定した高スループット・低レイテンシー、かつ流動性の高い取引を実現。1秒のブロックタイムと1 Confirmationのファイナリティを目指す(トランザクションが即座に完了する) 低コスト:低い手数料及び流動性コスト ユーザーエクスペリエンス(UX):Binance.comと同様のUXを提供 公正な取引:フロントランニング等を最小限に抑える 進化可能:新技術などによる改善が容易 DEX(分散型取引所)と聞くと、ユーザーエクスペリエンスがCEX(集権型取引所)と比較して劣るイメージですが、Binance Chain上の分散型取引プラットフォームでは、従来のBinance.comと同様のUI・UXが提供されるという点が大きな特徴として挙げられます。 1秒のブロックタイム・1 Confirmationのファイナリティという点も、ユーザビリティなどにおいて非常に重要な点の一つです。 また、Binance ChainはCosmos SDK・Tendermintの技術の一部を利用しており、これをフォークする形で設計されていることも大きな特徴です。Cosmos・Tendermintを選択した理由に関しては、後述のAMAにてCZ氏が回答しています。 Binance Chainでできることは? 特徴を見ていくと、Binance Chain及びBinance DEXでは、従来のBinance.com同様或いはそれ以上のパフォーマンスが期待できるということがわかりました。 ここでは、Binance Chain・Binance DEXでは具体的に何ができるのか、既存のDEXとどのような違いがあるのかを見ていきます。 Binance Chain Docsによれば、Binance Chainでは; Binance Chainのネイティブコインである$BNBの送信・受け取り 新規トークンの発行 トークンの送信・受け取り、Burn / Mint、凍結 / 解凍 異なる2トークン間での取引ペア作成の提案 チェーン上に作成された取引ペアの資産(トークン)売買 と記載されています。 バイナンスコインはこれまで、EthereumのERC20という規格で発行されるトークンでしたが、Binance Chainがメインネットへ移行すると同時に、Ethereum上のトークンからBinance Chainのネイティブコインに移行することになります。 しかし、Ethereum上のトークンからBinance Chainへの移行が行われると言っても、同ドキュメントによればコインのBurnなどはこれまで通り引き続き行われるとされています。 二点目にある、新規トークン発行に関してですが、前項同様これに関してもユーザビリティが担保された形で容易にトークン発行を行うことのできる仕組みが準備されるとのことです。 トークン発行に必要とされるのは、『トークン名称』・『トークンティッカー(シンボル)』・『発行枚数』・『Mint可否』の指定及び『少量の$BNB』とされており、Binance Chainを利用することで誰もが簡単に新規トークンを発行することができるようになります。 Binance CEO CZ氏が実施したAMAの内容まとめ 2月7日の日本時間午前11時頃、CZ氏はBinance DEXに関してのAMAを行いました。 https://twitter.com/binance/status/1093328531168276480 上記ツイートのライブ配信録画から内容を確認することもできますが、AMAでCZ氏が回答した質問を以下にまとめていきます; Binance Chainのバリデーターノードの数はどの程度ですか? --テストネットでは11に設定されています。Bitcoinほど多くはないので、どちらかというとNEOやXRPに近い感じだと思います。 ノードとなるために必要とされる要件等はありますか? --実質、誰でもノードになることはできますが、ブロックタイムが1秒なので、比較的高い負荷に耐えられるマシンが必要だと思います。 ノードやステーキングを行う人に対してはどの程度のガス・手数料が支払われますか? --現段階では、支払われたガス・手数料はすべてノードに渡ります。Binanceの現在の主なゴールとして、BinanceのDEXをできる限り早くリリースすることが最優先で、リリースが済んだ後で必要な調整などがあれば適宜調整していく形を取ります。 Cosmos・Tendermintを選んだ理由はなんですか? --一番の理由として、Cosmosの持つアーキテクチャが私たちの求めていたものに一番近いものだったという点が挙げられます。Binance ChainはCosmosの一般的な『Cosmos SDK』を使用しておらず、CosmosやTendermintの持つ技術を細分化してフォークするという形を取りました。 --Binance Chainは、トークンを容易に発行しそれをトレードするためのインターフェースしか持たないので、スマートコントラクトには対応していません。 --Applicationという点だけで見るならば、Binance Chainは非常にシンプルなチェーンですが、負荷耐性という意味では非常に強力なものとなっています。私たちは、スマートコントラクトを実装してより多くの機能性を持たせるよりも、より多くのトランザクションの負荷に耐えうる性能を持たせることの方がより重要であると考えています。 Binance Chainのテストネットのβテスターにはどのように申込みをすることができますか? --テストネットはあと一週間ほどでリリースされる予定となっています。テストネットがローンチすれば、もちろんβテストの受付も行っていきます。 DEXの早期アクセス権はどのようにして手に入れることが可能ですか? --私たちは、既に一部のパートナーに対してDEXへのアクセス権を提供しています。この中でもほとんどがウォレットの開発者或いはブロックチェーンエクスプローラーに対してのものです。 --基本的に、DEXへのアクセス権提供は、DEXを統合するためのツールを持つ人々に対してのみとなっています。 Binance Chain上では、数百万ものプロジェクトが実質的にトークンを発行することができると話していましたが、期待されるTPSはどの程度ですか? --現段階でのTPSは数千程度であると予測されます。ですが、これは容易に引き上げることが可能です。 --現状、Binance ChainのTPSのベンチマークとしては、Binance.comで現在取引が行われているのと同程度の負荷に耐えられるような設計になっています。しばらくの間は、このスループットで問題はないと考えていますが、取引高という観点で万が一耐えられなくなってしまった場合でも、これを水平にスケールさせることが可能です。 どのようにしてバリデーターになることができますか? --当初は、DDoS攻撃などを防ぐために、バリデーターは私たちのパートナーの中から選ばれますが、時間の経過とともにこの数字を増加させていきます。これに関しては、まだ最適な数字を探しているところです。 Cosmosの技術をクロスチェーン間のインターオペラビリティ実現に利用していきますか? --これに関してはまだ決定していませんが、当初はBinance DEXのリリースにフォーカスしていくつもりです。 --もしインターオペラビリティの技術を利用していくとしても、最初のv1.0ではなく、将来的にリリースをしていくv.20やv3.0での実装となるでしょう。 --とはいえ、Cosmosの技術を利用しているという点では、インターオペラビリティの実装も十分に自然なことです。 Binance Chainのネイティブコインとなる$BNBにはどのようなユーティリティがありますか? --基本的にはERC20の$BNBが持つユーティリティと同じで、$BNBを利用することで手数料が安くなるなどのユーティリティが存在します。 トランザクションをプライベートで行うこともできますか? --現状、これに関してはBitcoinなどのようにすべてのトランザクションは透明に記録されていきます。プライベートのトランザクションなどは行うことはできません。 まとめ Binanceがリリースを間近に控えるBinance Chainの概要についてまとめました。 仮想通貨取引所がコミュニティと共に独自にチェーンを開発するというケースは前例がありませんが、プロダクトは十分に期待できると言えるでしょう。 TwitterでもBinance Chainだけでなく、海外の情報を発信していますので、そちらもよろしくお願いします。 記事ソース:Binance Chain FAQ v0.3
インタビュー
2019/02/07【韓国滞在レポート③】BlockRatings – Paul氏 インタビュー
現在、Crypto Timesにて掲載中の韓国のブロックチェーン / 仮想通貨市場に関するレポートです。初回は韓国市場をターゲットにしているAelf、2回目は韓国のVCであるBlockWater Capitalに関してお送りしました。 本滞在レポートでは、第1回から第5回にかけて、プロジェクトやファンド、開発者など様々な視点から見る国内外の仮想通貨市場に関しての状況や戦略などをまとめていきたいと思います。 第3回となる本レポートでは、ICOの精査やレポートの配信を定期的に行っているBlock RatingsのCOOであるPaul Ju氏にインタビューを行ったレポートを執筆します。 第1回・第2回のレポートは以下をご覧ください。 【韓国滞在レポート①】Aelf - JB Lee氏 インタビュー 【韓国滞在レポート②】BlockWater Capital - ChaeHo Shin氏 インタビュー Block Ratingsインタビュー Block Ratingsの提供するサービス -- はじめまして。日本国内向けにブロックチェーンの情報を発信するWebメディアCryptoTimesです。この度は取材ありがとうございます。まずは自己紹介をお願いします。 Paul : はじめまして。BlockRatingのPaulといいます。私は大学で理学部を卒業後、カナダで三番目に大きな投資会社である『CI Investment』に務めていました。その後は、韓国に戻り、現在はBlock RatingsでリサーチやICOプロジェクトのアセスメントなどを実施しています。 -- Paulさん、本日はありがとうございます。Block Ratingsでは具体的にどういったサービス・情報を公開していますか? Paul : Block Ratingsでは市場データや今後行われるICOのレポートなどを無料で公開しています。韓国がメインですが、韓国以外にも日本や中国、英語圏向けに情報を発信しています。 CoinMarketCapなどのウェブサイトでは、例えばBitcoinの価格は50以上の異なる取引所などのデータを集計してその平均値を価格として反映させています。 一方で、私たちの価格データは流動性や統計的な異常値などを除外して価格データとして反映するため、CoinMarketCapなどのウェブサイトよりも正確な値を算出しています。 [caption id="attachment_25745" align="aligncenter" width="842"] Block Ratings公式サイトより[/caption] これは、私たちがレポートやデータを公開する際に、取引所やプロジェクトから資金を融通していただいていないからこそできることだと言えます。 このようなレポートやデータはすべて、ソーシャルメディアなどでも日々公開されています。 プロジェクトをレポーティングするときに注目する点とは? -- ありがとうございます。ICOのレポートも公開しているとおっしゃっていましたが、これらのレポートを作成する際はどういった点に注目しますか? Paul : ICOのレポートの作成において、我々は主に以下の3つの要素に注目しています。 チームメンバー テクニカルペーパー トークン チームメンバーの観点では、創設者や主要メンバーのキャリアや学歴、経験などについての評価を行なっています。 [caption id="attachment_25743" align="aligncenter" width="1021"] Block Ratings公式サイトより[/caption] テクニカルペーパーでは、プロジェクトの実現可能性に焦点を当てた精査を行ないます。技術的に可能であるかどうか、現実社会にある問題を解決するのかなどといった視点で客観的な精査を心がけています。 トークンでは、その価値の裏付けとなる部分がどのように設計されているのか、本当に価値があるのかといった部分に注目します。 -- 実現可能性を見るという点が興味深いですね。ということは性能よりもプロジェクトのビジョンなどによりフォーカスしてスコアリングを行うということでしょうか? Paul : そうですね。例えば、インフラ系のプロジェクトで仮にETHとEOSをそれぞれスコアリングする場合は、TPSなどではなく、そのプロジェクトのビジョンに注目していきます。 性能面も、もちろん無視することはありませんが例えば、TPSが実現可能性にどの程度貢献するのか等を考慮して総合的に評価しています。 現在と今後のBlock Ratingsの戦略 -- 性能だけではなく総合的に評価していくのは面白いですね。精査に関してですが、最近だとICOの数も徐々に減ってきているように感じますが、今後のこの辺りに関しての戦略などはありますか? Paul : その通りで、通常のICOは減ってきています。最近、韓国で人気が出ているものはリバースICOです。なので、リバースICOのプロジェクトを精査する際は、ICOを実施する元の企業の財政データなどを評価基準とします。 またICOのレポートとは別で、デイリー / ウィークリー / マンスリーで公開される市場レポートを直近のニュースなどと併せて公開しています。これまで、今後行われるICOのレポートに絞って精査を行ってきましたが、最近の市況を受けてSTOには触れず、現在のトップ100の仮想通貨をカバーしていくことを目標としています。 [caption id="attachment_31077" align="aligncenter" width="800"] Block Ratingsで配信されるDaily , Weekly , Monthlyのレポート[/caption] -- トップ100の仮想通貨のカバー含め、ICOのレポートもプロジェクト側からは予算が発生していないさそうですが、Block Ratingsの収益面というかマネタイズはどうやって実施しているのでしょう? Paul : プロジェクト側からバジェットが出ないということは、裏を返せば倫理的な情報を発信できるといいうことでもあります。また、プロジェクト側からレビューを依頼される場合でも、最初にプロジェクトの概要を確認して、それがれっきとしたプロジェクトであるかどうかを確認してから判断するようにしています。 現段階では、『収益を生み出すことよりも投資』といった感じで提供コンテンツの質の向上を心がけています。 また、我々はマーケティングに関しても、現在はあまり力を入れておらず、参加したカンファレンスもCoinJinjaによって開催されたカンファレンスのみの参加となっています。 ウェブサイトでのデイリーアクセスは現在では1,000程度でこの割合は、韓国国内から50%・海外から50%といった感じです。 -- あくまでも現段階では、良質なコンテンツを発信し続けているって感じですね。最後に、現在、BTC含む全体の市場が大幅に下落していますが、仮想通貨市場は今後どうなると思っていますか? Paul : 短期で見ると、もう少し下がるのではと考えていますが、長期だともう一度上がる可能性があると思っています。 市場心理的にはETFなどが大きく注目されていますが、おそらく規制が整った段階で大きく市場に活気が戻るのではと予測しています。 韓国国内における規制の状況について話すと、現在は内部でガイドラインを作成しているようで、現段階で一般向けに公開されている状況は非常に少ないです。ただ、必ずまた盛り上がると信じて、我々は日々励むのみです。 まとめ 韓国で仮想通貨市場のレポートなどの発信を日中英の3か国語で行っている、『Block Ratings』のPaul氏とのインタビューの内容をまとめました。 現在、仮想通貨市場全体の市況は悪い中、Block Ratingsではコンテンツの質を重視した情報発信を行っているということで、ICOなどを調べて同じ情報発信していく側としても勉強になる部分が非常にたくさんありました。 次回のレポートでは、中国のIoT系のプロジェクトであるIoEXのJonas KIM氏とのインタビューをまとめていきます! Block Ratings公式サイト インタビュー : アラタ , Shota
ニュース
2019/02/06Facebookがブロックチェーンスタートアップ『Chainspace』の買収を発表
海外の仮想通貨メディア『Cheddar』の報道によると、Facebookがブロックチェーン業界で初の買収を完了させたことが明らかになりました。 Facebookにより買収が行われたのはChainspaceと呼ばれる企業で、イギリスのUniversity College Londonの研究者により創設された小さなスタートアップとして知られています。 Chainspaceでは主に、ブロックチェーンを利用したサービスや決済を促進させるための分散型スマートコントラクトシステムの開発を行っています。 買収はテック系スタートアップなどが多く集まるシリコンバレーでは『acqui-hire』として知られる形態で行われ、ここからはFacebookのまだ歴史の浅いブロックチェーン業界に対する進出への関心を伺うことができます。 この件に精通している人物によれば、Chainspaceのアカデミックホワイトペーパーの執筆に携わった5人の研究者のうち4人がFacebookのブロックチェーンチーム参加を表明しているようです。 また、Facebookは今回の買収でChainspaceの技術の直接的な買収を行ったというわけではなく、新たに結成された小さなチームでブロックチェーン技術を活用する方法を模索するために雇用を行ったとしています。 記事ソース:Facebook Makes First Blockchain Acquisition With Chainspace: Sources
イベント
2019/02/05【イベントレポート】Binance Blockchain Week Singapore
2019年1月21日から22日の2日間にわたり、シンガポール・マリーナベイサンズで史上初となるBinance主催のカンファレンスであるBinance Conferenceが開催されました。 シンガポールは、国土的には東京23区と比較してやや大きい程度と非常に小さな国ですが、全世界から多く開発者や業界の関係者が集まり、終始盛り上がりを見せていました。 CryptoTimesでもシンガポールに足を運び、Binance初となるカンファレンスに参加しました。 本記事では、会場の様子やイベントの内容、所感を紹介していければと思います。 Binance Blockchain Weekについて Binance Blockchain Weekは1月19日から22日の4日間にかけて、Binanceの主催で開催されたイベントになります。 前半2日間では、『Binance SAFU Hackason』と呼ばれるハッカソンが開催され、ユーザーの資産保全をテーマとして10万USD相当のBNBをかけたバトルが行われました。 後半の2日間は、CryptoTimesも参加させていただいた、『Binance Conference』が開催され、これはCZ氏やTRONのJustin氏をはじめとして、世界各国から50を超える著名なスピーカーを招く充実したものとなりました。 Binanceによって開催されるカンファレンスは、シンガポールで開催された今回のものが初の試みとなりましたが、多くの人々が集まり非常に充実した内容でした。 Binance Blockchain Weekの様子 冒頭でも述べた通り、会場はブロックチェーンに携わる世界中の人々で大きな盛り上がりを見せていました。ちなみにチケットは両日とも完売だったそうです。 イベントの内容は次項で紹介しますが、会場の様子も写真でお伝えしていきたいと思います。 エキシビションエリア入り口 会場の入り口には、Binanceの大きなロゴがありました!開幕からものすごい豪華な会場でした。。 今回のイベントのメインスポンサーであるTRONの創設者であるJustin氏の大きなパネル ここ最近、Binance LaunchpadでのBitTorrentのICOやDAU(デイリーアクティブユーザー)の急激な成長などで話題を集めるTRONですが、会場には大きなJustin氏を目印とするTronのブースが設営されていました。 これまでトップ10には入っていませんでしたが、Coinmarketcapの時価総額を見ると現在は8位に位置しており、今かなりホットな通貨であることが伺えます。 GRAND BALL ROOMの様子 写真では、午前中のプログラムが始まる前の時間だったためあまり人がいませんが、パネルやキーノートには多くの人が釘付けでした。 ちなみに、筆者は午後BinanceのCEOであるCZ氏と一緒に写真撮影をしていただきました! https://twitter.com/shot4crypto/status/1091618674266464256 パネルディスカッションの紹介 今回のBinance Blockchain Weekのプログラムは、全体的にパネルディスカッションをメインに構成されており、その他でキーノートといった感じでした。 どのパネルも著名な方々による素晴らしい意見が飛び交っていましたが、その中でも面白いなあと思ったものを紹介していこうと思います。 Lessons Learned in Crypto and Token Investment このパネルディスカッションは、2019年の現在まで、仮想通貨やトークンへの投資によって何を学んだのかというトピックを軸に進行していきました。 パネルメンバー Michael Gu氏 - Boxmining 創業者 John Ng氏 - Signum Capital 設立者 Dovey Wan氏 - Primitive Ventures 共同設立者 Jamie Burke氏 - Outlier Ventures CEO Vincent Zhou氏 - FBG Capital 創業者 Q: 現在の市場をどうみますか?参加者は合理的だと思いますか? Dovey氏:現在も合理的だとは思ってません。合理的な投資という点で話すのであれば、まず市場における情報が非対称的であることが一点あります。 投資家はどうしても対称的な情報を手に入れることができず、合理的な投資家でさえもが、このために異なるトークンの価値付けモデルを利用していると考えています。 このトークンの価値付け(Token Valuation)において、コンセンサスが生まれていないので、現在の市場を合理的と呼ぶのは難しいでしょう。 Jamie氏:2016年の段階では、スタートアップの99%は正直言ってくだらないもの(Bullshit)ばかりでした。 状況は好転しているとは思っているが、現在でもブロックチェーンにつぎ込まれている資本とその基礎にある価値が分離しているように思えます。 DAppで~~のように利用可能なトークンと言ってもまだインフラが決してそれを実現させてはくれないでしょう。 John氏:我々(Capital)としてもしっかり戦略を練らなければいけません。 これまで、一部のCapitalではプライベートで購入したトークンの上場後即エグジットなどを行っていたようだが、今の市場でそれをやってしまうと市場が死んでしまう。DUMP=死に繋がります。 もし市場の下落が続けば、その分辛くなるし、それが早ければ早いだけ辛さも増していきます。 そういった意味でもしっかりと戦略を練った投資を行うことが非常に重要です。 Q: 2019年でこれまでのレッスンをどう生かしていきますか? Dovey氏:これまでの上昇局面の相場では、売り手が売り時を伺う売り手の市場だったのに対し、今は買い手が買い時を伺う買い手の市場になっています。 どちらにせよ、価値が過小評価されているときに投資を行う必要があります。 Jamie氏:市場は構造的に変化を遂げています。 今後、個人ではなく機関の資金が流入することになれば、より合理的な市場になっていくでしょう。 また、プロジェクトではこれまでのプロトコル・オンチェーンガバナンスの部分からより商用化が進められる一年になると思っています。 スケーリング問題などの技術面での障壁はあるが、市場という点で見たときトラディショナルな金融からより特化した独特なものに変化していくでしょう。 Decentralized Apps that Can Scale to Millions of Users: Are we there yet? 日本からも、Miss Bitcoin Maiさん(@missbitcoin_mai)さんが登壇していたこのパネルディスカッションは最近話題にあがるDAppsのMass-Adoptionについてのトピックを中心として進んでいきました。 パネルメンバー John Riggins氏 - BTC Media International Operations Jason Jeon氏 - NHN Entertainment チーフエヴァンジェリスト Patrick Dai氏 - Qtum 共同創設者 Mai Fujimoto氏 - Miss Bitcoin Emma Liao氏 - Ultrain 共同創設者 Q. 現段階で分散型のエコシステムを支えるだけのテクノロジーのレベルに到達していると思いますか? Patrick氏:まだそのレベルには達していないと感じます。 例えば、BitcoinはそもそもDApps向けにデザインされていませんし、EOSも同様に多くの制約があります。DAppsを取ってもその多くがギャンブルです。 エコシステムを支えるのに確かにテクノロジーは必要ですが、テクノロジーだけがバリアというわけではありません。 分散型のエコシステムを成立させる上では、テクノロジーと同様にアプリケーション自体も重要になりますし、人々による十分な認知もまた重要な要素の一つです。 Emma氏:ブロックチェーンのAdoptionという点で話すのであれば、DAppsが果たす目的をより一層考える必要があります。 エコシステムを支えるという点では、フルDAppsがこの目的を果たすのには一番ですが現状、テクノロジーはそのレベルに達していません。 しかし、それ以上に人々がブロックチェーンを利用して具体的に何ができるのかということを深く理解することの方がエコシステムの成立においてより重要であると考えています。 Q. Emma氏のいうAdoptionを実現において、具体的にこれはどのように実現されると思いますか? Jason氏:まず、前提としてAdoptionの実現におけるユースケースを考える必要があると考えます。 どの程度のレベルの分散性があるのかといった話題もありますが、ゲーマーはそんなことは一切気にしません。彼らは楽しいものをプレイしたい、それだけです。 現状、ゲームでユーザー数が伸びているのはすべてギャンブルで、ターゲットが単純に仮想通貨のコミュニティのみとなってしまっています。 個人的には、昔ながらのゲームを例えば、コンペティションやスキルに応じた支払いなどの形で業界に持ち込んでいくことがAdoptionに繋がるのではないかと思います。 Patrick氏:音楽やビデオなどの、オンラインのコンテンツだと思います。 現状、AppleのAppStoreでは開発者が30%をApple側に、中国NetEase(网易)やTencent(腾讯)では10%を手数料として支払う必要があります。 マネタイズの部分で、やはりブロックチェーンは有用であり、これが完全に新しいインフラとして普及していく可能性は十分にあります。 Jason氏が言及していたゲーミング同様にオンラインコンテンツもターゲットが広く、業界の外のインフラを持ち込むことが重要になってくるのではないかと思います。 Q: 日本を見ると、特にDAppsの市場にはどのような特徴がありますか? https://twitter.com/missbitcoin_mai/status/1087327435333369856 時間の都合上、Maiさんは日本の状況やDAppsについての意見を発表することができませんでしたが、彼女のツイートで自身の『My Crypto Heroes』などの日本のDAppsについての意見を後日発信していましたので、こちらも紹介させていただきます。 Why the Quality of Information Matters: Separating Good from Bad パネルメンバー Angie Lau氏 - Forkast.News CEO・創設者 Matthew Tan氏 - Etherscan CEO Catherine Ross氏 - Cointelegraph Assistant Editor in Chief Emily Parker氏 - LongHash 共同創設者 Ulisse Dellorto氏 - Chainalysis Head of Business Development Q: 各自、自身のプラットフォームを持っていると思いますが、これの良し悪しをどのように判断し、他との差別化を行いますか? Emily氏:人々は仮想通貨のメディアを信頼することが難しいと言います。 そのため、情報ではなくデータを求めてデータを発信するウェブサイトなどを訪問しますが、これは実際に情報サイトと比較して信憑性の高いものとなります。 例えば、Etherscanなどは信憑性が高いですが、その他の情報を紹介するサイトと比較してどうでしょうか? 一方で、仮想通貨に熱心な人々というかこのコミュニティでは、その他のコミュニティと比較して非常に優れている部分もあり、例えばサイトに記載されている情報に誤りがあれば、これらはすぐに指摘されやすいため、修正がより容易になります。 もう一つの問題が、客観性です。 仮想通貨メディアでは、客観性が欠如していることが多く、例えば一つのコインを推したりしているのを見かけますが、LongHashではこの客観性を失わないようにデータの解釈を行っています。 客観的であるべき部分で、仮想通貨メディアはより客観性をケアする必要性があると感じます。 Ulisse氏:私たち(Chainalysis)の強みは、10人の経済学者を抱えている点です。 ブロックチェーン上で行われたトランザクションはすべて、ブロックチェーン上にデータが残ります。 しかし、行われているそのほとんどのトランザクションは取引所によって行われており、彼らがホットウォレットへ資産の移動を行っているケースがそれに該当します。 ここで、強調しておきたいのが、決してリサーチを怠らないということです。 異なるタイプの集団によって行われたアクションを適切にカテゴライズし、そのアクションから中にある真のメッセージを読みほどくためには、コンスタントにこのリサーチを続けることが必要とされます。 Matthew氏:私は個人的に、ブロックチェーン内にあるデータを読みほどくのが好きです。 理論上、ノードのコンピュータ内にはすべてのデータが入っているので、個人でも十分にそのデータが正しいものなのか、そうではないのかを検証することが可能です。 データのソースという点に関して、私はいくつか留意するポイントがあります。 -独立したソースであるか:金銭的なインセンティブやその他によって情報に偏りが生じていないか -データ提供者:これを無料で行っているのかどうか? このように情報が提示されているといっても、その方向性に大きな差異が生じることがあります。 中には、しっかりとした情報もありますが、常に見る側の視点からメディアのリテラシーを考えていく必要があると思います。 まとめ ここまで、長文になってしまいましたが、シンガポールで2日間にかけて行われたBinanceのカンファレンスの様子や、プログラムの内容を要約してレポートとさせていただきました。 参加者の熱意や登壇者の洞察力の深さなど、このカンファレンスからは多くの刺激を得ることができました。 プログラムの一部では、独自のコインであるBinanceコイン($BNB)を利用して行っているチャリティの紹介もされており、ブロックチェーンの普及やそれによる問題解決を真摯に目指す素晴らしい取引所であるということを再認識することができました。 プログラムの最後に行われたCZ氏のスピーチによれば、間もなくBinanceの独自チェーンであるBinanceチェーンのテストネットや次回のBinance Conferenceの開催についても言及されました。 個人的にもイベントが終了したからとはいえ、引き続きブロックチェーンの普及や発展を考えていく上では決して見逃すことのできない、2019年要注目の取引所であると思っています。 ありがとうございました。
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2019/02/022月2日よりIOSTのノード投票にコンペティションが開始!
IOSTでは、先日よりノードパートナーの投票が行われていますが、既にこの投票には5000人以上のユーザーが参加、8億以上のIOSTが投票に利用され、既に50以上の候補者が選抜されています。 そんな中、本日2月2日より10日間にかけて、IOSTとBISS.comの共同でIOSTのパートナー選抜に向けた投票コンペティションが開催されています。 投票はこちらのElection Portalより投票に参加することが可能です。 ■コンペティションの実施方式についての詳細 イベント開催中、候補者に対しては各日に獲得した投票の総数に応じてランク付けが行われます。 トップ3に入る候補者のうちいずれか一人に対して投票を行った方に対しては、デイリー報酬プールからボーナスでIOSTが配布されます。 各日の報酬プールは、その日にいずれかの候補者に対して行われた投票の総数の5%に相当し、1位、2位、3位の候補者にそれぞれ50%、30%、20%の割合で分配されます。 仮に、1億IOSTの投票が1日目に行われた場合、1日目の報酬プールはこの5%となる500万IOSTとなり、配布される報酬は1位を獲得した候補者に対して250万IOST、2位と3位にそれぞれ150万IOST、100万IOSTとなります。 ■First Guest Rewardsとは 今回の投票イベントには、First Guest Rewardsと呼ばれるボーナスが設定されています。 仮に自身の最初の投票が1~3位の候補者に対するものだった場合、その最初の投票に対してFirst Guest Rewardsのボーナスが適用され報酬が10倍となります。 First Guest Rewardの対象となるのは、その日に行われた最初の投票のみとなります。 ■コンペティション実施タイムライン 本イベントは各日0:00 ~ 16:00 (UTC)で行われ、結果は翌日の10:00 (UTC) に発表されます。 コンペティションの開催期間は2月2日 ~ 2月11日です。 記事ソース:Voting Competition — Daily Reward pool of millions of IOST for Voters.
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2019/02/01Binanceがクレジットカード決済に対応を発表!Simplex社との提携により実現
Binanceが新たに締結したSimplexとの提携により、Binance.com内での仮想通貨の購入においてクレジットカード・デビットカードが利用可能となりました。 https://twitter.com/binance/status/1090948789576167424?s=20 ユーザーは、Binance内でBTC・ETH・LTC・XRPの4種類の通貨をVisaまたはMasterCardで購入することができるようになり、購入後は数分で残高に反映されるようです。 [caption id="attachment_30482" align="aligncenter" width="800"] クレカを利用した仮想通貨購入画面[/caption] 今回のクレジットカード対応に関して、Binanceでは以下の3つの利点があるとしています。 スピード:10~30分で自身のウォレットに反映される 手数料:総額の3.5%或いは10USDのどちらか低いもの 利便性:VisaとMasterCardへの対応 購入はログイン後、https://www.binance.com/en/creditcard のURLから行うことができます。 ■Simplexについて SimplexはイスラエルにHQを置き2014年に創業されたフィンテック企業です。 クレジットカードを利用した決済処理において、100%詐欺がないことを保証するといったソリューションを世界向けに提供しています。現在、Binance以外にも他の仮想通貨取引所に対し、Simplex自社のクレジットカードを利用したソリューションの提供を行っています。 記事ソース:Binance Enables Debit and Credit Card Payments
インタビュー
2019/01/30【韓国滞在レポート②】BlockWater Capital – ChaeHo Shin氏 インタビュー
現在、Crypto Timesにて掲載中の韓国のブロックチェーン / 仮想通貨市場に関するレポートです。初回は韓国市場をターゲットにしているAelfに関してお送りしました。 今回のレポートではあくまでプロジェクトだけではなく、ブロックチェーン企業への投資ファンド、リサーチャー、カンファレンスなど様々な視点から見る国内外の仮想通貨市場に関しての状況や戦略などをまとめていくをポイントに発信しています。 第2回となる本レポートでは、韓国で大規模なブロックチェーンファンドであるBlockWater CapitalのChaeHo Shin氏にインタビューを行ったレポートをお届けします。 BlockWater Capitalにより、インキュベートされた取引所DFLOWも2月よりローンチされます。こちらも是非注目ください。 第1回のレポートは以下よりご覧ください。 【韓国滞在レポート①】Aelf - JB Lee氏 インタビュー BlockWater Capitalインタビュー [caption id="attachment_30418" align="aligncenter" width="400"] BlockWater Capital ChaeHo Shin氏[/caption] -- はじめまして。CRYPTO TIMESです。VCの方にこうやって取材できるのもなかなかないので緊張しています。まずは自己紹介とBlockWater Capitalの紹介をお願いします。 ChaeHo氏 : BlockWater CapitalのChaeHo Shinです。よろしくお願いします。私自身は、過去に韓国の中央銀行に務めており、その後昨年に仮想通貨の業界に参入しました。 韓国のプロジェクトであるMediBlocのCFOを務めたのち、2018年8月にBlockWater CapitalにManaging Partnerとして参加しました。私たちは、2017年の夏からオペレーションを開始した韓国のファンドです。2人の個人資産によって創業され、現在もこの2人の資金を運用しています。 2017年末の段階では、15倍のROIを記録し、運用資産の面で見ると韓国では大規模なファンドであるということができます。 ファンドとしての強みは、私たちは世界各国の大規模なファンドと強力な繋がりを持っているという点です。過去に、ICOプロジェクトである『FANTOM』にリード投資で参加しましたが、当時(6月)は、非常にhypeも高く10倍以上の倍率があったため、韓国国内でも『BlockWater Capital』のプレゼンスは大きく向上しました。 BlockWater Capitalの投資判断基準とは? -- ありがとうございます。2017年から2018年の頭にかけてはICOが特に盛んでしたが、韓国では現在ICO周りの規制はどうなっていますか? ChaeHo氏 : 韓国政府は、ICO周りの規制を準備していると言っていますが、このスピードは非常に遅いと言えますね。 -- 色々訪問したり、話を聞いている中で韓国は日本と似ているなと思っていたのですが、規制周りのスピード感も遅いんですね。 ChaeHo氏 : そうですね。また、私自身、彼ら(韓国政府)が実際に何かをしているかという点に関して懸念があります。過去に、Regulator(規制を行う側)として仕事をしていたことがあるので、政府がどのような動きを取るかということに関しては容易に想像することができます。 現時点で、韓国国内では明文化されたICOの規制はありませんが、これはEUや米国の動きを伺っているためと考えるのが健全で、韓国が米国のSECより先にリスクを取って規制を固めていくということは考えにくいでしょう。こういった理由で、世界各国は米国SECやEUの動きに注目しているのではないかと考えています。 -- 日本でも規制を作りつつはあるものの、なかなか決まりきらない部分はあるので同じですね。因みに先程年末は15倍のROIを達成したと話がありましたが、BlockWater Capitalがプロジェクトに投資する際の判断基準について教えていただけますか? ChaeHo氏 : 現在のプロジェクト精査におけるテーマは”Mass-Adoption”(一般への大規模な普及)にあります。このテーマですがこれは中国他、大規模な複数のファンドとの話し合いの後に何が戦略として有効であるかを話し合って決定したものです。 2018年夏くらいまでは、どちらかというと技術力を重視したプロトコルレイヤーやプラットフォームのものに注目していましたが、メインネットのローンチで何ができるのか・ユースケースを世界に示すことができませんでした。 -- イメージとしては逆で、技術よりな部分に力を入れていると思ったのですが、今はそうではないんですね。 ChaeHo氏 : もちろん技術的なプロジェクトにも投資はしますが、まずはプロジェクトがスキャムでないこと、実際に何ができるかを広く示すことができるプロジェクトとして”Mass-Adoption”のテーマが選択されました。 そのため、投資先を選ぶ際は、”Mass-Adoption”面での実現可能性や個人ユーザーへの技術の浸透の可否が非常に重要になります。 しかし、実現可能性やプロジェクトが目指すものも十分に確認しますが、最終的にはファンドとして利益を上げる必要があるので、参入する市場規模などしっかりと数字を使ったマトリックスも、もちろん重視していきます。 技術からマスアダプションへ -- BlockWaterのポートフォリオに多く散見されているプロトコルや取引所などは過去に行った技術への投資ということなのですね。 ChaeHo氏 : 先ほど伝えた通り、現在のトレンドは”Mass-Adoption”です。そのため、今はプロトコルにはあまり注力していません。 当時は、次世代のLinuxを目指して多くのプロトコル系プロジェクトに対するhypeが高まっており、次にどれが生き残るのか、どのプロジェクトが次のLunuxとなるのかを仮想通貨ファンドとして判断するのは難しかったために、幅広く投資を行っていました。 -- 次世代のプラットフォームの地位を勝ち取ろうというプロジェクトは確かに多かった気がしますし、そのようなプロジェクトに投資してるファンドも多かった印象があります。 ChaeHo氏 : そうですね。当時は高いhypeのために、容易に資金が集まり開発も進んでいましたが、最近では優良なプロジェクトでも調達金額に到達しないケースも稀ではありません。 一方で、取引所との提携は非常に重要で、それが大規模なものであればあるほど、強力な関係であればあるほどファンドとしては大きな強みとなります。仮想通貨プロジェクトへの投資において、ファンド側としては資金の投入だけではなくしっかりとしたイグジット(出口)プランも挙げておく必要があります。 トップティアの仮想通貨取引所との強力な関係を構築しておくことで、投資を行ったプロジェクトのトークンの売却、つまり出口を確保するということと同義になるため、これが非常に重要です。 Blockchain Fundの今後の投資判断とは -- 今だと市場も冷え込んでいますが、今後はどのような判断をもとに投資を行っていくのでしょうか? ChaeHo氏 : これまでは、ICO(Initial Coin Offering)でトークンに対しての投資がメインでしたが、各国の規制やその表明などにより、資金調達方式におけるトレンドがSTO(Security Token Offering)に移行しつつあります。 私たちは、このような状況を受けて、ICOのリード投資だけではなく、上場済みの上位仮想通貨や株式への投資なども積極的に行っています。 -- 従来のようにトークンではなく、株式に対しての投資も行うようになっていると。 ChaeHo氏 : こういった意味だと、私たちは従来のベンチャーキャピタルの戦略に近づいているとも捉えることができるのかもしれませんね。直近だと私達は、韓国国内で行われた2社のリバースICOにも参加しました。 -- 投資におけるリターンはどのくらいのスパンで見ていますか?短期で見ているのか長期で見ているのかなど。 ChaeHo氏 : 仮想通貨への投資であれば、まず長期のスパンで見ることはありません。基本的には1年以内で考えています。 私たちは、プロジェクトに危害を与えることは極力避けたいので、他のファンドがやっているような即座のイグジットは行いません。 しかし、株式に投資するとなれば、長期で考えることも多いですが、トークンは市場心理などとも深い関係を持つので、必ずしも1年以内というわけでもなくフレキシブルに対応していくことができると思います。 -- 本日はありがとうございました。色々と韓国市場に対してや投資に対する考え方もわかり、非常に勉強になりました。 まとめ 今回の記事では、BlockWater CapitalのChaoHo氏とのインタビューの内容をまとめました。 プロジェクトの発表などを普段読んでいると、ようやく実装レベルまで迫っているという感じですが、一方で、BlockWater Capitalを含むVCでは早期に技術サイドへの投資から手を引き、エクイティやMass-Adoptionに注力している点などは、非常に興味深い内容でした。 また、市況に合わせて柔軟かつ慎重に投資のスタイルを変化させているといった点などは、一個人投資家としても真似していきたい部分だなと感じました。 そんなBlockWater Capitalがインキュベートする取引所DFLOWも近日オープンのようです! 次回のレポートでは、WebでICOのレビューや市場の調査レポートなどを行うBlock RatingsのPaul氏とのインタビューをまとめていきます! BlockWater Capital 公式ウェブサイト (インタビュアー : アラタ , Shota)