Acala($ACA)/Karura($KAR)とは?プロジェクト概要を徹底解説!

2021/11/29・

さっちゃん

Acala($ACA)/Karura($KAR)とは?プロジェクト概要を徹底解説!

Acala/KaruraはPolkadot/Kusamaエコシステムにおける分散型金融(DeFi)のネットワークや流動性のハブ(中心)を目指すプロジェクトです。

Acala・KaruraともにPolkadotとKusamaの1回目のパラチェーンオークションに勝利し、スロットを獲得してメインネットを接続しています。

Karuraはすでにステーブルコインや流動性トークンの発行、分散型ファンドも立ち上げています。

この記事では、Acala/Karuraの詳しい特徴について徹底解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。過去には、CRYPTO TIMESでAcala Networkに関してのAMAを実施しているのでそちらの記事も参考にしてくださいね。

目次

Acala/Karura Networkの公式リンクまとめ

Webサイトhttps://acala.network/
https://acala.network/karura
プロダクトAcala app(まもなくリリース)
Karura app
Twitterhttps://twitter.com/AcalaNetwork
Mediumhttps://medium.com/acalanetwork
Discordhttps://discord.gg/6QHVY4X
TelegramChat/Announcement
githubhttps://github.com/AcalaNetwork
linkedinhttps://www.linkedin.com/company/acalanetwork

フィッシングサイト/スキャムサイトに誘導されないためにも、公式リンクのブックマークやSNSアカウントのフォローをおすすめします。

Acala/Karuraの特徴・注目ポイントを解説

PolkadotAcalaEVM

最初に、Acala/Karuraネットワークの特徴やメリット、注目ポイントを解説します。

Acala/Karuraは、Polkadot/Kusamaのパラチェーンオークションでスロット獲得後、Polkadot/KusamaベースでDeFiを中心にエコシステムの拡大を目指す有力プロジェクトです。

異なるブロックチェーンのDeFi利用者や開発者が、スケーリング問題を気にせずAcala/Karuraネットワークに移動できる環境を整えています。

CRYPTO TIMESではPolkadot/Kusamaのパラチェーンオークションの概要やエコシステムについての無料レポートを公開しているので、Polkadot/Kusamaの基礎知識については、そちらも参照してみてくださいね。

上記のレポートで、相互運用性や強固なセキュリティなどパラチェーンに接続する多くのメリットを知ることができます。

土台の知識をつけたうえでAcala/Karuraの概要を読むとより理解が深まるのでおすすめです。

Acala/Karuraの特徴

Polkadot/KusamaでDeFiの中心を目指すプロジェクト

Acala/Karuraは、Polkadot上の分散型金融(DeFi)のネットワークや流動性のハブを目指すプロジェクトです。

Polkadot/Kusamaに対応するエコシステムの資産、Polkadot/Kusamaのステーブルコイン、さらにEthereumなどの主要チェーンに相互接続を可能にして資産管理できます。

そのためにスマートコントラクトを実装して、DeFiを最適にするカスタマイズを施す技術を構築するのがメインです。

つまり、Ethereumなどに相互接続するクロスチェーンにおいて、Polkadot/Kusamaを利用する多くの分散型アプリケーションの中心となってDeFiに接続します。

Polkadot/Kusamaのパラチェーンに接続することでさまざまな恩恵を受けられるので、ユーザーや開発者の増加にも期待大です。

セキュリティ基盤も強力
Acala/KaruraではPolkadot/Kusamaの強固なセキュリティ基盤を共有することで、DeFiの資産が安全に守られます。Polkadot/Kusamaはセキュリティをプールする方法でチェーン全体を保護します。

イーサリアムに互換性のあるレイヤー1スマートコントラクトを導入

Acala/Karuraネットワークのレイヤー1(1層目の主要チェーン)にはスマートコントラクトが組み込まれており、事前のプログラムによって取引などが全自動で行われます。

スマートコントラクトにて、DeFiの構成要素やブリッジ機能、オラクル、クロスチェーンの流動性、専用DEXなど多くの分散型アプリケーションの構築が可能です。

これらは「Acala EVM」で利用できる環境にあり、EVMとはイーサリアムバーチャルマシンという高機能スマートコントラクトのことですが、プロジェクトはEVMをAcala・Polkadot/Kusama・Substrateの一部と考えているためAcala EVMと呼びます。

SubstrateはPolkadot/Kusamaのブロックチェーン開発フレームワークのことで、Acala EVMはこのSubstrateとEthereumの両方の長所を提供するものです。

AcalaEVM

さらにAcala EVM+を構成することで、Ethereum環境で使われるMetaMaskやTruffleなどのツールを使用しながら、EVMからAcala EVM+に展開できます。

つまり、EVMベースのDeFi開発者や利用者は、少しの操作で簡単にAcala/Karuraネットワークに切り替え可能となり、高い安全性や安価なガス代で最適化されたDeFiの利用が実現されるという意味です。

上の画像では、AcalaのDeFiプラットフォームにBTC資産やETH資産がブリッジ可能で、Ethereumの分散型アプリと相互運用性があるとわかります。

さらに、Polkadot/Kusamaの高度なセキュリティやクロスチェーン技術の恩恵を受けられる環境なので、まさにEVM互換のマルチチェーンDeFiハブです。

Acala/Karuraの分散型取引所でスワップや借入などの操作が可能に

AcalaSwap

AcalaがPolkadotに接続されるとメインネットが立ち上がり、Karuraはすでにローンチしています。

メインネットのローンチ前は、Acalaの機能をテストできるマンダラネットワークが公開されており、テストトークンを使ってAcalaのDeFiプラットフォームを利用できますが、実際の資産価値はありません。

Polkadot{.js}を実際に接続して試すこともできるので、「いきなりメインネットで試すのは不安」という方はまずはテストネットから触ってみるのがおすすめです。

Acalaメインネットでは、Polkadotベースのステーブルコイン「aUSD」の借り入れやトークンスワップ、流動性提供、ガバナンス提出などもできるようになります。

Karuraではすでに「kUSD」として利用できる状態です。

また、別のブロックチェーンと接続するクロスチェーンもAcala/KaruraのDeFiプラットフォームで利用できる予定です。

Acala DeFi CrossChain

引用:Acala Wiki

Acala/Karuraが提携している「Laminar Chain」と「Ren」が最も有力で、Laminar Chainはステーブルコイン鋳造などを行っており、Renは資産のブリッジ機能があります。

これらブロックチェーンプロジェクトとのクロスチェーンにより資産の行き来が可能となり、DeFiプラットフォームとしても機能性が高く、Polkadot/Kusamaの技術を最大限に活用しています。

ネイティブトークン「ACA」「KAR」、ステーブルコイン「aUSD」「kUSD」を発行

トークン概要
ACA・KARAcala/Karuraのユーティリティトークン。ステーキングやガバナンス、手数料支払い、報酬としての受取。
aUSD・kUSDAcala Dollar・Karura Dollarのことで分散型ステーブルコイン。借入や担保に利用、今後DeFiで活躍。

DeFiハブとしての機能を強化するネイティブトークン「ACA」「KAR」は、表のように取引手数料やガバナンス目的として使われたり、Acala/Karuraのノードに参加して報酬を得たりします。

また、Polkadot/KusamaのクラウドローンでAcala/Karuraを支援したユーザーにはACA・KARトークンが配布されます。

DeFiプラットフォームが正式にローンチされると、ACA・KARでの取引や交換などで使い道がさらに増えて、将来の価格にも反映されるかもしれません。

次に、aUSD・kUSDはAcala/Karuraの分散型アプリケーションやDeFiで活用できるステーブルコインです。

分散型取引所では特定の通貨を担保に1ドルでペッグされるaUSD・kUSDの生成、貸出や借入を行うことができます。こちらはMakerDAOのDAIのように特定の通貨の担保率に応じて、清算される仕組みになっています。

aUSDは他のプロトコルとの提携も行っており、例えばDeFiプラットフォームの「Injective」では、aUSDをエコシステムに統合したことで新しいデリバティブ商品を生成する機会を広げています。

流動性トークン「LDOT/LKSM」と「lcDOT」でロック期間中も取引が可能

トークン概要
LDOT・LKSMAcala/Karuraへのステーキングで付与される流動性トークン:DOT/KSM Liquid Staking(LDOT/LKSM)
lcDOTAcalaのクラウドローン参加者に付与される流動性トークン:Liquid Crowdloan DOT(lcDOT)

Acala/Karuraはトークンの流動性を保つために、LDOT/LKSMとlcDOTというデリバティブ商品を導入します。

これらは、ロック期間中でもAcala/KaruraのDeFiで運用して流動性を保つことを可能にしたトークンです。

例えば、Polkadotのステーキングはロック解除後でも28日間は移動できない制限があり、パラチェーンオークションのクラウドローンなら段階的にロック解除されますが、最大で2年間DOTがロックされます。

この期間DOTやKSMを動かせなくなるのはデメリットですが、Acalaは解決策としてLDOT/LKSMとlcDOTを編み出しました。

これらの流動性トークンを受取り、例えば、以下のようにDeFi運用できます。

  • LDOT-DOTペアのプールに流動性提供してACAトークンを稼ぐ
  • LDOTやlcDOTを担保にしてaUSDをミントし運用
  • lcDOT→DOTにスワップして他のクラウドローンへ参加

もちろん、上記のユースケースはあくまでも一例です。

注意点として、LDOT/LKSMやlcDOTを担保にaUSD・kUSDを生成するときには清算リスクが伴います。

Acala/Karuraの設定した担保比率が清算比率を下回ると自動精算され、さらに清算ペナルティも自動的に発生するので注意が必要です。

Acala/Karuraを通じて様々なDeFi運用が可能になりますが、その裏にはリスクもあることを頭に入れておきましょう。

Acala/KaruraのTokenomicsを解説!

Acala token

Acala/KaruraのACA/KARトークンについて、分布割合や報酬、発行などの情報を解説します。

コミュニティにおけるトークンの割合、オークション後のACA配布について把握しておきましょう。

Acala/KaruraのTokenomics

ACAトークンの固定供給は10億枚

ACAトークンは、ローンチ時に最初のブロックチェーンで10億枚発行されます。

最大供給量が10億枚なのでそれ以上発行されません。

Acalatokenomics

上の画像は、ACAトークンの分布割合を示したものです。

支援者、チーム、コミュニティの割合は、コミュニティが約半数で、さらに内訳をみるとオークションやエコシステム開発者用に十分な割合で分配されています。

オークション分と流動性プログラム分で多めに調節されており、流動性ハブとしてトークンを適切に保護しているのも理解できます。

パラチェーンオークションの支持者へのトークン分布

サポーターへのACA配布詳細
報酬化までトークン配布詳細
受給権パラチェーンオークション勝利後にACAの配布割合を決定
トータル報酬すべてオークションサポーターへ報酬トークンが発行される
ACA報酬クラウドローンで預けられた1DOTごと・参加レベルごとに配布
流動性報酬のACAはロック解除されて流動性がありDeFiで利用可能

Polkadotのパラチェーンオークションの勝利後、ACAトークンの配布については表のように発表されています。

実際のパーセンテージは現時点(2021年10月末)ですべて未確定です。

初期参加ボーナスの有無や、預けたDOTの量によって受け取るACAトークンは変わります。

具体的なトークン配布の時期や期間、数量はオークション後の状況により異なるので、表の内容は参考程度にしてください。

KARトークンの固定供給は1億枚

KAR tokenomics

KaruraのネイティブトークンKARのトークン分布です。

KARの供給は1億枚となり、コミュニティの割合が約60%となっています。

さらに内訳をみると、クラウドローン報酬と流動性プログラム、報酬保護分に大部分を置いており、配布分がしっかり確保されていることが分かります。

Kusamaクラウドローン参加者へのトークン分布

2021年6月、KaruraはKusamaパラチェーンオークションで最初にスロットを獲得しました。

2万人弱の貢献者により50万KSM以上がロックされて勝利しています。

総供給の1億トークンのうち、10%の1,000万KARが報酬分で割り当てられており、Kusamaに接続完了後すぐに30%請求可能です。

残り70%は48週間かけて権利確定となりました。

Acala/Karuraのパートナー・提携情報まとめ

acala Chainlink

Acala/Karuraは多くのプロジェクトや企業と連携しています。

特に、Acala/Karuraの機能的・社会的な役割を支えるエコシステム構築プロジェクトは重要です。

設立から最近の提携パートナーまで解説するのでぜひ参考にしてください。

Acala/Karuraのパートナー

創設チーム「Laminar」と「Polkawallet」

プロジェクトAcalaでできること
Laminarステーブルコイン鋳造や証拠金取引チェーンとして、基本取引通貨にAcalaのaUSDを使用
PolkaWalletPolkadotのモバイルウォレットとして、AcalaのaUSDミントやステーキング、流動性提供に対応

Acala/Karuraをサポートして、サービスを取り入れている主なプロジェクトとして、LaminarとPolkawalletの2チームを知っておきましょう。

それぞれエコシステムにPolkadotを採用したプロジェクトであり、Acala/Karuraの創設メンバーでもあります。

各プロジェクトのDeFiやウォレットでは、Acalaの分散型ステーブルコイン「aUSD」を基軸として利用できます。

Acala/Karuraの分散型取引所でも解説した通り、Laminarチェーンと資金の相互移動もできるため新たなトークンでの使い道が広がり流動性も高まるでしょう。

エコシステム構築プロジェクト20社以上

Acala ecosystem

Acala/Karura Networkのエコシステムはすでに広く、20社・プロジェクト以上あります。

Acala/Karuraで構築するプロジェクトの場合は、技術的・資金的にも提携チャンスがあり、サポートを受けられるのもメリットです。

最近では「Chainlink」と統合して、高品質データのやり取りや速度改善が可能となり、仮想通貨の価格データにおける分散型オラクルとして役立ちます。

オラクルとは
オラクルはスマートコントラクトに外部データを提供します。ネットワーク外であるオフチェーンのデータを橋渡しするので、スマートコントラクトの利用範囲を大いに広げます。

25社以上のパートナー会社と提携

Acala partners

Acala/Karuraのパートナー企業やプロジェクトは25社以上あります。

資金提供やスキルなどでパートナーシップを結んでおり、例えば「HASHKEY GROUP」は、東京にも支店がある仮想通貨管理や投資の金融機関です。

Polkadotを創業・開発する「Web3 Capital」や「Web3 foundation」ももちろんパートナーです。

多くの提携プロジェクトによりAcalaの成長が期待できます。

Acala/Karuraの出資VCや資金調達元の情報まとめ

Acaka financing

Polkadot/KusamaのDeFiハブを構築するために、より多くの資金調達でAcala/Karuraネットワークの開発を進める必要があります。

ここでは、Acala/Karuraの資金調達元、出資ベンチャーキャピタルについて解説します。

Acala/Karuraの資金調達情報

2万以上の貢献者から6,100万ドル以上を調達

2021年9月、Acalaは26,000人以上のコミュニティ支援者から6,100万ドル以上の調達に成功しました。

この資金調達は、8月末に行われた、Acalaに資金提供を行うイベント「BUILD ACALA」による効果です。

Acalaのメインネットが立ち上がると、このイベントの支援者にACAトークンが配布されます。

それまでAcalaチームが資金を保有しており、ローンチ後にAcalaのプロトコルDAOに移動される予定です。

この資金調達により、パラチェーンオークションの自己資金調達が容易になり、資金を使ってAcalaのスマートコントラクトプラットフォームで構築された分散型アプリなどを支援するとも発表されています。

Acalaネットワークが独自の成長に資金提供できる大きな機会です。

BUILD ACALAとは
事前登録と本人確認を完了したメンバーが、20DOT~80DOTにあたるトークンをDOT・ETH・USDTなどで支払いするAcalaの資金調達イベント。Acalaメインネットがローンチするとトークン配布対象です。

CoinBase Venturesからの出資

Acala/Karuraは2021年4月、海外の大手仮想通貨取引所であるCoinbaseのベンチャー投資部門である「Coinbase Ventures」から資金提供を受けました。

出資金額は明らかにされませんでしたが、予測のためにCoinbase Venturesが最近共同で出資した出資合計金額を確認してみましょう。

例えば、Stader Labsに400万ドル、Forta Plotocolに2,300万ドル、CoinSwitch Kuberには2億6,000万ドルとなっており金額の幅は広いです。

このうちCoinbase Venturesの出資額の詳細は公表されていませんが、AcalaとKaruraの開発資金に充てられるほどの出資額であることは間違いありません。

2020年の資金調達
Acala/Karuraは、2020年3月にシードラウンドで140万ドル、8月にはシリーズAで730万ドルを調達しています。主な投資家は、仮想通貨業界で投資を行うPolychainやPantera Capitalです。

Acala/Karuraのコアメンバーを紹介

Acala/Karuraネットワークを立ち上げ、開発するメンバーを紹介します。

創設者、エンジニア、アドバイザー、広報、デザイナー、チーフなどでチーム構成されており、ここでは創設者とアドバイザー(顧問)についてまとめるのでぜひチェックしてください。

Acala/Karuraのコアメンバー

Acala/Karuraの共同創設者

Acala founder

Acala/Karuraの創設者は3人で、全員がLaminarの共同開発者でもあります。

Ruitao Su氏は、ニュージーランドのオークランド大学出身で、他にもソフトウェア開発企業2社を立ち上げた経歴があり多才です。

Bryan Chen氏もオークランド大学出身で、ソフトウェア開発などの経験の後、Laminarの最高技術責任者やPolkadotの公式アンバサダーを務めます。

Bette Chen氏は、デューク大学やオタゴ大学、オークランド大学の出身です。

ソフトウェア企業やコンサルタント、ブロックチェーンフレームワークの開発企業など多くの経歴があります。

優秀な彼らによってAcalaの組織やコミュニティが立ち上がり、DeFiハブの技術導入を目指します。

Acala/Karuraのアドバイザー

Acala Advisar

アドバイザーとして3名がAcala/Karuraを支えます。

Ashley Tyson氏は、Web3財団の創設者メンバーであり、Polkadotにて分散型Webを開発する代表的人物です。

Kenneth氏は、さまざまな産業を取り扱うDENTONS RODYKのパートナーであり、ブロックチェーンフィンテック部門の責任者となっています。

ブロックチェーン技術やシンガポールの株式公開市場の取引に重点を置き、プロジェクトの再編などに助言するスペシャリストです。

Jack Platts氏は、ベンチャーキャピタルであるHypersphere Venturesの創設者で、過去にWeb3財団にも所属していました。

Acala/Karuraのアドバイザーである彼らの助言により、パラチェーンオークション勝利やDeFiハブの完成に導かれるといえます。

Acala/Karuraのロードマップ(2021年11月時点)を解説

Acala Roadmap

Acala/Karuraの開発チームが計画している、目標達成までの道筋を年代ごとにまとめます。

Acalaは2021年11月のPolkadotパラチェーンオークションで最初にスロットを獲得しました。

それまでのAcala/Karuraのロードマップを見て、これまでの開発計画を知り理解を深めましょう。

Acala/Karuraのロードマップ

2019年Acala/Karuraプロジェクトの立ち上げ

2019年
時期達成項目
第3四半期Acala Inc.始動(10月)
プロジェクト開発スタート
第4四半期ホワイトペーパー・経済的見通しのモデル完成
#1テストネット候補のローンチ

Acala/Karuraは、2019年10月にLaminarとPolkawalletにより共同で創立されました。

年度末にはホワイトペーパーを完成し、テストネットを開発済みです。

この時すでにPolkadotのブロックチェーンで大々的なDeFi市場を構築することを目的としており、Web3財団からは開発助成金を受取っています。

翌年からはシリーズAとシードの資金調達ラウンドを利用し、開発を進めます。

2020年EVMとスマートコントラクトの実装

2020年
時期達成項目
第1四半期Web3財団より助成金が承認
分散型ファンド「dSWF」のホワイトペーパーリリース
#2テストネット候補でステーブルコインとDEXローンチ
第2四半期ステーキング時の流動性トークン「LDOT」始動
Web3財団からの助成金受取完了
第3四半期#3テストネット候補のコード完了
#1パラチェーン候補がPolkadotのテストネットRococoで開始
第4四半期EVMとスマートコントラクトの実装(進行中)
外部2社によるセキュリティ監査実施
#5テストネット候補ローンチ

2020年度は、Web3財団からの助成金や分散型ファンド、流動性トークン発行など多くの目標を達成しました。

EVMとスマートコントラクトの実装は現在も進行中です。

また、テストネットとは「Acala Mandala」のことで、テストネットトークンを使って操作できます。

2021年Karura・Acalaのローンチ予定

2021年
時期達成項目
第1四半期構成可能で革新的なAcala EVMテストネット起動
外部1社によるセキュリティ監査実施
#2パラチェーン候補がPolkadotのテストネットRococoで開始
クラウドローンとパラチェーンオークションのテスト開始
経済監査(進行中)
XCMを用いて送受信の実装とテスト
#6テストネット候補ローンチ
第2四半期Karuraネットワークローンチ(進行中)
Acalaネットワークローンチ(予定)

2021年は、パラチェーンオークションの開催に向けて、Rococoでのテストネット開始や外部監査、XCMのテスト・実装などが行われました。

XCMは、クロスチェーンのメッセージシステム設計のことで、ブロックチェーン同士の通信のようなイメージです。

このテストで他のチェーンへ資産の転送に成功しており、Polkadot上のプロジェクトとして重要な価値を表しました。

さらに、パラチェーンオークションでAcala/Karura両方が最初に勝利したので、正式にネットワークが立ち上がっています。

ロードマップをチェックすることで、現在までのAcala/Karuraの動向が理解できるだけでなく、Polkadot/Kusamaのパラチェーンスロット獲得後、Acala/Karuraがチェーンを超えたDeFiハブになる将来が見えてきたと思います。

Acala/Karuraの競合・類似プロジェクトと徹底比較

Acala/KaruraAstar/ShidenMoonbeam/Moonriver
コンセプトPolkadot/Kusama上で
DeFiサービスのハブとなる
Polkadot/Kusamaの
マルチチェーンDAppsプラットフォーム
Polkadot/Kusama上で
イーサリアム互換の開発環境提供
仮想マシンAcala-EVMX-VM(EVM&WASM)EVM
仮想マシン比較Web3プロバイダー模擬プログラム導入で
Polkadot拡張機能とEthereumDAppを併用可能
WASMにより開発者のプログラム構築が容易、
EVMでL2ソリューションの最先端開発
Ethereum L1と完全互換性、Web3RPC(遠隔手続き)で
ETHのツール利用、移動も容易
トータル供給(Polkadot)10億枚70億枚10億枚
トータル供給(Kusama)1億枚7,000万枚1,000万枚
Web3助成金3回受領7回受領2回受領
BackersCoinbase ventures、PanteraCapital、Plychain、
CoinFund、DigitalCurrencyGroupなど
Binance Labs、HashKey、LongHash、
FenbushiCapital、Hypersphere Venturesなど
Binance Labs、Coinbase ventures、IOSG Ventures、
Fenbushi Capital、Hypersphere Venturesなど

Acala/Karura Networkと競合・類似するプロジェクトとして、同じくPolkadot/KusamaのスマートコントラクトチェーンであるAstar/Shiden networkとMoonbeam/Moonriver networkを比較しています。

すべてがイーサリアムと互換性を持ち、クロスチェーンとして資産の行き来や、プラットフォーム自体をイーサリアムから移動することも可能です。

Acala/Karuraは主にDeFiプロジェクトやネットワークの構築ですが、Astar/ShidenとMoonbeam/Moonriverはスマートコントラクトにより分散型アプリケーションの橋渡しや開発を手助けします。

Astar/Shidenは特にスケーラビリティ問題の解決やdAppsエコシステムの構築、マルチチェーンの対応などに重点を置き、Moonbeam/Moonriverはイーサリアムとの完全互換性を重視しています。

パラチェーンのスロット獲得を目指すこれら3プロジェクトの動向はPolkadot/Kusamaエコシステムを追っていく上では必ずチェックしておきたいところですね。

Acala/Karuraのまとめ

acalanetwork

この記事では、Acala/Karuraについてプロジェクトの方針や特徴について解説しました。

Polkadot/Kusama上のDeFiプロジェクトのハブとなり、分散型金融がさらにマルチとなり利便性が高まることに注力していることが分かったと思います。

もう一度Acala/Karuraの注目ポイントを簡単にまとめておきます。

Acala/Karuraのまとめ
  • DeFiハブとしてイーサリアムと互換性を持ち分散型アプリの中心を目指す
  • Acala EVMによりイーサリアムとSubstrateの両方の長所を併せ持つ
  • 流動性トークンによりステーキング中やクラウドローン中でも取引が可能
  • Acala/Karuraともに1回目のオークションでスロット獲得済
  • ACA/KARともに報酬対象のトークンが十分確保されている

PolkadotのPLOでクラウドローンでAcalaを応援するためにDOTをロックした場合でも、流動性トークンとして「lcDOT」を入手できます。

Polkadotのオークションでは2年間のロック期間があり懸念要素でしたが、その問題を解決済みです。

DeFi構築や流動性問題についての多くを解決するであろうAcala/Karuraは、Polkadot/Kusama上で大きな存在となるでしょう。

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