Starknet上のネイティブマネーマーケットプロトコル「zkLend」AMA内容まとめ

2024/03/05・

boarding bridge

Starknet上のネイティブマネーマーケットプロトコル「zkLend」AMA内容まとめ

Ethereumレイヤー2のStarknet上でレンディングを提供する「zkLend」提供のAMAを、CryptoTimes公式コミュニティであるboarding bridge(bb)にて開催しました。

bbにおけるzkLendのAMAは今回が2回目となります。

今回のAMAでは、zkLendがStarknetを選んだ理由や、ローンチを控える$ZENDトークンについてお話しを伺いました。

以下はAMAの内容を要約したものです。

AMA概要

日時:2024年2月22日(木)22:00 JST

場所:bb Discord AMA-Voice/Chat

Giveaway:Secret Rewards × 5名

参加者:215名

スピーカー

Jane | Co-Founder of zkLend

arata | CryptoTimes

(敬称略)

AMAの内容

自己紹介

Jane

画像

Jane | X (Twitter)

私は銀行業界からスタートし、その後Web 2の世界に足を踏み入れました。テクノロジーの最先端を学ぶことや、人々がお金を扱う方法がどのように変わるかを見るのが大好きでした。

数年後、物事が少し落ち着き始め、昔ほど学ぶことがなくなったように感じ、クリプトに興味を持ち始めました。2016年にBitcoinのATMが出現し始めたのを覚えており、それが興味を持った大きなきっかけです。

経済学と歴史に興味があった私にとって、クリプトの考え方が魅力的でした。分散型のピア・ツー・ピア通貨が将来の金融を形作るという概念は、心から本渡しを魅了しました。また、ブロックチェーン技術の可能性にも驚かされました。ブロックチェーンは金融業界において革新的な構造を作り出しています。

そして今回、この分野に本格的に飛び込む機会が訪れました。Web2の世界から学んだことを適用しながら、Web3における将来の金融システムを構築しています。

質問トピック

なぜzkLendは Starknetを選んだのでしょうか?

まず初めに理解するべきことは、分散型金融(DeFi)の世界では、マネーマーケットはどのネットワークにおいても重要な役割を果たす基本的な構成要素のようなものです。
既存のプロダクトが確かに進歩を遂げていることは重要ですが、この分野はまだ非常に未熟であり、成長とイノベーションの莫大な可能性が存在しています。

Starknetを選んだ主な理由については、以下の通りです。

– L2 で得られるセキュリティが高いこと
– 我々のゴールであるEthereumをスケールする考え方にマッチしていること
– Starknet チームが非常に優秀で、我々のビジョンを実現する為に良い環境を提供していること

zkLendはStarknetの開発企業元であるStarkWare社から直接出資を受けています。

zkLend Website

zkLend が DeFi およびLendingにおいて、他社と優れているポイントはなんですか?

私たちは約2年間にわたってStarkNet上で構築を進めてきましたが、その間に、この分野の内外で大きな変化を目の当たりにしました。

2024年に向けた私たちの目標は、シームレスなUXを備えた比類のないDeFiプロダクトをユーザーに提供することです。2024年の展望を記した最近の記事では、私たちが注力している主要な取り組みをいくつか概説しました。

– StarkNetネイティブアセットのための分離されたマーケットを導入し、取引の柔軟性と効率性を高める
– ユーザーが一貫して収益を上げられるようにするためのボールト戦略の実装
– ユーザー体験とインターフェースの改善
– ストレージ証明やモジュラーデータ可用性のような革新的な技術を活用したオムニチェーン流動性ソリューションを探求

ユーザー体験については、StarkNetのネイティブ機能であるAccount Abstractionを活用し、複数のアクションをシームレスにカスタマイズして組み合わせることを可能にしていきます。最終的な私たちの目標は、複数のチェーンを横断する深い流動性を持つ統一されたレンディング市場を作ることです。

詳細については、Mediumの記事をチェックしてください。

zkLend’s 2024 — Embracing Creative Modularity

独自トークンであるZENDのユーティリティは何ですか?

現時点で考えているZENDトークンのユーティリティはいくつかあります。

– ZENDの配布を各プールで調整し、均衡値を見つけることをサポートします。それにより、プロトコルの正しいアクションを奨励します。
– ZENDトークンをステーキングするユーザーは、プロトコルの安全性モジュールを通じてプロトコルの保護に貢献できます。これはプロトコル内の不良債権に対する最後の手段として機能します。
– ZENDホルダーはプロトコルのガバナンスへのアクセスを得ることができ、zkLendの方向性や決定に対して発言権を持つことができます。
– 最後に、zkLend上で新しいマーケットを有効にする予定であり、ユーザーがZENDを活用して他の資産を借りることができるようにします!

DeFiエコシステムにおけるzkLendの役割や他のプロトコルとの相互運用性についてどのように考えていますか?

StarkNetのネイティブマネーマーケットプロトコルとして、私たちは絶えずプロトコルの健全性を保ちながら、ユーザーがStarkNet上のネイティブアセットをより活用できる機会を提供し、統合を深める方法を模索しています。

これを実現するために、私たちは2つの主要な戦略を追求しています。

– まず、ネイティブトークン$STRKだけでなく、ゲーム($LORDS)、DeFi、インフラストラクチャーなど、さまざまなセクターの他のプロジェクトのトークンも含めるようアセットリストを拡大していきます。当初、このリスティングプロセスはパーミッション制の予定ですが、最終的な目標はパーミションレスモデルへの移行であり、より広い参加とイノベーションを可能にすることを目指しています。

– 第二に、イノベーションと安全性のバランスをとるために、zkLendに分離されたマーケットを導入します。これらのマーケットは、アセットのリスティングに関連するリスクが主要プロトコルから切り離され、別々に管理される専用のスペースとして機能します。このようにリスクを隔離することで、プロトコル全体の健全性を保護しつつ、ユーザーが多様なアセットをやり取りできるようにします。

これらの取り組みを通じて、StarkNet内のより大きな統合を促進し、ネイティブアセットをより多く活用する機会をユーザーに提供しながら、プロトコルの完全性と安定性を維持することを目指しています。

現在の取り扱いアセット | zkLend Market

Starknet では最近多くの話題があがっていますが、これについて見解をお聞かせください

現在、Starknetエコシステムは非常に活発で、ネットワークやプロトコルがユーザーをオンボードし、様々な報酬を提供しています。

StarknetとzkLendの報酬は別々に考えた方が良さそうです。

STRKエアドロップとDeFiインセンティブは、Starknet Foundationによって設計・実施されています。プロトコルとして私たちは最善を尽くして参加していますが、最終的には誰が何を、どのような基準で受け取るかについての決定はStarknet側が決定します。

Starknet側で発表された報酬としては、皆様ご存じの通り、STRKトークンのエアドロップが実施され、将来的に第二弾のエアドロップについても言及しています。今回色々な物議がありましたが、今回のコミュニティからのフィードバックは次回に活かされる事は既に発表されています。また、Starknet上で 「DeFi Spring」というプログラムが実施され、4000万STRKがリワードとして DeFiプロトコルに割り当てられました。

一方zkLend 側では、$STRK:STARFALLキャンペーンを実施しています。ユーザーはSTRKトークンを預けることで追加の$STRK報酬を得ることができ、APYも2桁代となっています。この利回りはFoundationからの助成金からきており、コミュニティに還元されます。

ユーザーの皆様には、ぜひこのキャンペーンについてチェックしていただきたいです。

そしてもちろん、私たちもZENDトークンのエアドロップを予定しています!

先ほども伝えた通り、StarknetとzkLend側のリワードは別に考えた方がいいものの、多くのzkLend ユーザーたちはSTRKエアドロップの対象となっています。zkLendでの活動が、Starknetでの活動につながっているのが現状と言えるでしょう。

将来の方向性やロードマップについて、コミュニティが知っておくべきマイルストーンを教えてください

2024年の展望に関する記事で触れた通り、多くのエキサイティングな計画があります。しかし、この数ヶ月間は特に以下のいくつかの点に焦点を当てています:

STRKトークン:私たちはSTRKをサポートするだけでなく、「STARFALL」という大規模なSTRKステーキングキャンペーンを開始しました。これは現在zkLend上でライブとなっています。私たちはSTARFALLの全ステーカーに条件付きで固定の2桁APYをSTRKで提供しています。さらに、STRKは長期的にStarknetエコシステムで重要な役割を果たす予定です。トークンを使ってガスを支払うこと、ネットワークのセキュリティを確保すること、あるいは純粋な投機であること、私たちはzkLendとして可能な限り多くのユースケースをサポートできるようにしたいと考えています。

ZENDエアドロップとトークンリスティング:ZENDエアドロップについて言えば、一度きりのことではありません。私たちは複数ラウンドを計画しており、全員にとって包括的で公平な基準を作成するために取り組んでいます。ZENDトークンのリスティングについては、zkLendのガバナンスに関わる新たな機会がユーザーに開かれることを楽しみにしています。また、ZENDトークンが中央集権型取引所にリストされることで、外部からStarknetエコシステムにより多くのユーザーをオンボードすることを期待しています。

Roadmap zkLend Website

コミュニティ質問

Starknetでトランザクション詰まりが起きたことについてどうお考えですか?

2023年8月以前のStarknetでのユーザーエクスペリエンスが理想的ではなかったことは認めざるを得ません。私のトランザクションの承認には10分から20分かかっていました。しかし現在はその体験がはるかに良くなったと思います。これを乗り越えた今、私たちの焦点はMetamaskユーザーをArgentやBraavosにどのように乗り移らせるかだと考えています。

複数回のエアドロップ完了後、プロトコルからの離脱対策は想定していますか?

インセンティブが終了した後、どのようにしてユーザーを維持するかという問題は、間違いなくすべてのプロトコルが直面します。実際のところ、ユーザーはあるチェーンでファーミングを行い、次に別のチェーンに移動することが知られています。この一部は避けられないと認める一方で、私たちはStarknetが最高のL2であるという長期的な価値を信じています。その中でzkLendが一早く最大のマネーマーケットとしての地位を確立することこそ、インセンティブを超えた価値をもたらすと考えています。

要約すると、短期的には行動を促すものとしてインセンティブを使用してユーザーをオンボードする必要がありますが、長期的には、私たちがStarknetとの関係を強固にすることが勝利への道だと確信しています。

ユーザーにとってEVM以外のウォレットを使うだけでも高いハードルがありますが、どのように克服しますか?

おっしゃる通り、EVM(イーサリアムバーチャルマシン)以外のウォレットを使用することは、一般ユーザーにとって高いハードルです。StarknetはEVMチェーンではない、またはMetamaskによってサポートされていないという理由でよく見過ごされます。しかし実際には、ArgentやBraavosの使用方法を10分間学ぶだけで、Metamaskが提供しない多くの利点があることに気が付くでしょう。

これは主に、Account Abstraction(AA)に起因しています。Starknetでは、すべてのウォレットがスマートコントラクトとして存在しています。ウォレット提供者(あるいは実際にはユーザー)は、好きなようにウォレットを設定するためのツールを構築できます。これには、2要素認証や、サインイン後の5分以内のすべてのトランザクションを承認するセッションキーなどがあります。

Starknetおよびプロトコル側では、ネットワークのマーケティングとウォレットの使いやすさを向上させるだけでなく、これらのAAウォレットの実際の機能を改善するために、まだ多くの作業が必要です。しかし、EIP-4337の実装が進んでいないEVMチェーンと比較して、可能性は無限大です。

 

日本ユーザー向けのマーケティング戦略はどのように考えていますか?

クリプトはとてもグローバルな空間ですが、地理的にすべてをカバーしようと試みるが故に、これは私にとって最も難しい問題です。

私たちzkLendでは、日本を含むいくつかの市場を優先市場として特定しました。これは、クリプトやStarknetへのオーガニックな関心の高さを考慮してのことです。焦点を当てたいエリアを特定したら、Cryptotimesのようなパートナーに頼って私たちの言葉を広めてもらい、コミュニティメンバーに支援をしてもらうことで、日本のユーザーをサポートします。実際、私たちのCMOであるEmmaは、市場をチェックアウトし、見込みのあるパートナーに会うために、2023年にEth Tokyoに出席しました。

何か提案があればぜひ聞かせてください。日本のコミュニティと一緒に活動できることはとても素晴らしい経験です。

最後にコミュニティメンバーに向けて一言お願いします

今回のAMAで話す機会をいただき、ありがとうございます。これはStarknetとzkLendにとって実にエキサイティングなことです。

最後に皆さんにお伝えすることがあるとすれば、STARFALLキャンペーンがまだライブ中であるうちに、ぜひチェックしてみてください!すでに参加している方は、ZENDトークンのローンチやリスティングに向けた他のイニシアチブなど、怒涛の数週間をサポートしていただけると嬉しいです。

まとめ

AMAの中では、ユーザーからのStarknetに対する懐疑的な見方もありましたが、zkLendが技術的な側面で数あるレイヤー2ソリューションの中からStarknetを選んだ理由がよく伝わりました。

実際にzkLendを使用してみると、例えば「Approve」と「Transfer」のトランザクションがバンドルされていることに気が付きます。これはAccount AbstractionがStarknetにネイティブに備わっているからこその利点であり、今後統合するプロトコルやアセットが増えるに従って、ユーザーに真のマネーレゴ体験を提供する可能性が期待されます。

Starknetの$STRKエアドロップに加え、独自トークンである$ZENDのローンチも控えており、ますますの盛り上がりに注目です。zkLendの今後のアップデートについては、公式ウェブサイトおよび各ソーシャルメディアをご確認ください。

関連リンク

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執筆:Taka

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