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2026/08/15ノルウェー政府ファンドの間接BTCが1130億円規模に|前年比60%増
ノルウェーの政府系ファンドを運用するノルウェー銀行投資管理部門(NBIM)の株式保有を通じた間接的なビットコイン・エクスポージャーが、6月30日時点で11,549BTCと過去最高に達したことが分かりました。K33リサーチの推計によるもので、前年同期比60%増、6期連続の増加となり、金額では約67億クローネ(1130億円)相当とされています。 増加の大半はファンド自身の購入ではなく、ビットコインを保有する上場企業の株式を通じたものです。NBIMは約7,200社に投資し、世界の上場株式の平均約1.5%を保有しているため、ストラテジーのような企業が市場で存在感を増すだけで間接的な保有量が積み上がる構造にあります。6月末の運用資産は22兆6800億クローネで、うち72.1%が株式でした。 内訳ではストラテジー経由の換算保有が9,914BTCと全体の85.8%を占め、2025年末の7,801BTCから増加しました。2位はメタプラネットの671BTC相当で、MARAが421BTC、コインベースが183BTC、ブロックが120BTCと続きます。一方、総資産に占めるビットコイン関連の比率は2025年末の0.04%から0.03%へ低下しており、BTC換算量と株式時価の乖離が生じています。 イーサリアム側でも同様の構図が現れています。NBIMは6月末にビットマイン株を6,151,062株(8187万ドル相当)保有し、2025年末のゼロから新規に取得しました。ビットマインは6月28日時点で570万ETHを保有していますが、株価には現金や負債、ステーキング収益、純資産に対するプレミアムも反映されるため、K33のBTC換算のように単純なETH換算とはみなせない点には注意が必要です。 企業の貸借対照表を経由して仮想通貨が分散型の株式ポートフォリオに浸透していく流れといえそうです。 [ad] [no_toc] 記事ソース:資料

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2026/08/15SECが公開会合を突如中止、仮想通貨の新資金調達ルールが先送りに
米証券取引委員会(SEC)は、8月14日午前に予定していた公開会合を中止しました。議題には仮想通貨に関する一定の投資契約を対象とした新たな募集制度の規則案を検討することが含まれており、その内容が初めて公になる機会が先送りされた形です。 8月13日付の中止通知に理由や再設定日は示されていません。仮に賛成多数となっても規則制定手続きが始まるだけで、採択や発効、発行体が実際に免除を利用できるようになるまでには追加の段階が必要でした。今回の中止により、適格要件や開示義務、転売条件を示す提案文書の公表が遅れることになります。 SECが3月に示した解釈は、仮想通貨そのものとそれが販売される取引を切り分ける考え方です。証券に該当しない仮想通貨でも、発行体の経営努力による利益期待を伴う共同事業への投資であれば、投資契約の一部として販売され得るとされます。開発が進んで投資契約から分離した後も、当初の募集が登録または免除を要した事実は残ると整理されており、分類の問題は整理される一方、資金調達の枠組み自体は従来のままです。 現在使える手段は既存ルートに限られ、規則506(b)・506(c)は募集額の上限がない代わりに勧誘方法や購入者要件が課され、規則504は12か月で1000万ドル、レギュレーションCFは500万ドル、レギュレーションAはTier2で7500万ドルが上限です。 議会側ではルミス上院議員が「Regulation Crypto」の創設を求める修正文言を7月に公表していますが、成立と規則制定を経なければ利用できず当面は既存の枠組みが実務を規定しそうです。 [ad] [no_toc] 記事ソース:資料

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2026/08/15イーサリアム、8年追求した独自暗号を見送りか|財団研究者が方針示す
イーサリアム財団の研究者ジャスティン・ドレイク氏は8月13日、将来のレイヤー1設計においてPoseidonハッシュの採用を見送り、SHAやBLAKEといった一般的なハッシュ関数へ軸足を移す方針を示しました。証明向けに最適化された暗号技術を8年にわたり追求してきた路線の見直しにあたります。 同氏はPoseidonが破られたわけではなく、移行を指示するものでもないと説明しています。SNARK(計算が正しく行われたことを簡潔に証明する技術)の多くは大きな素数体上の演算を用いるため、SHA-256やKeccakのようなビット演算中心のハッシュは証明コストが高くつきました。 Poseidonはこの負担を下げる目的で設計されたものですが、証明方式側の進歩がその前提を変えたとされています。 変化をもたらしたのは二進体(バイナリフィールド)を用いる新しい証明方式です。7月29日に公開されたFlock論文では、M4 Maxの1コアでBLAKE3の圧縮関数を毎秒約8万2000回、SHA-256を約4万2000回、Keccakを約3万回証明できたと報告されました。10コアではBLAKE3が毎秒66万回超に達し、SHA-256の証明はBinius64比で9倍以上速かったとされます。ただしこれは内部処理回数のベンチマークで、ネットワークの処理能力とは別の指標です。 イーサリアムは将来的にバリデーターのBLS署名をハッシュベースのleanXMSSへ置き換え、leanVMで集約する構想を掲げており、一般的なハッシュを安価に証明できることは障害を一つ取り除くことになります。ドレイク氏個人の想定ではleanVMの実用化は2027年前後、各層への展開は2028年、公式の耐量子ロードマップは2029年頃を非拘束の目標としています。 既存のロールアップやzkVMへの変更は求められておらず、当面は将来設計の議論にとどまりそうです。 [ad] [no_toc] 記事ソース:資料

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2026/08/15【今日のマクロ経済】UAE国営石油会社関連タンカー2隻攻撃で原油高止まり。インフレ懸念も浮上
8月15日現在、米7月小売売上高が前月比-0.6%と市場予想を大きく下回り、消費者センチメントも悪化しました。前日発表の7月卸売物価指数(PPI)も予想を下回る弱さとなり、インフレ冷却と消費の弱さが同時に確認された格好です。9月FOMCでの利上げ確率は約28〜33%まで低下し、指標発表前の50%前後から大きく後退しました。 一方、中東情勢は緊迫の度を増しています。UAE国営石油会社(ADNOC)関連のタンカー2隻が攻撃を受け、ブレント原油は88〜90ドル近辺で高止まりしています。日経平均は68,713.80円と続伸してAI・半導体主導の上昇が続く一方、ビットコインは63,000ドルを割り込む場面もあり、株式との温度差が鮮明になりました。 📈 主要指標(8月15日) 銘柄 直近価格 トレンド 一言コメント S&P 500 7,785〜7,786 下落 史上最高値から-0.2%と小幅反落。小売売上高の弱さと原油高が重しも週間ではプラス 日経平均 68,713.80円 上昇 AI・半導体関連の買いが続き+0.59%と続伸。7月末の介入安値から6,000円近い回復 金(Gold) $4,370〜4,420/oz 保合い インフレ指標の軟化を背景に4,400ドル近辺で高値圏を維持。方向感は乏しい推移 原油(WTI) $81.8〜82.4/bbl 保合い 82ドル前後でのレンジ推移。タンカー攻撃を受けブレントは88〜90ドル近辺で高止まり BTC $62,700〜63,000 下落 63,000ドルを割り込む場面もあり軟調。利上げ観測の後退にも反応が鈍い展開 ETH $1,870〜1,880 下落 BTCに連動し1,870ドル台へ小幅安。1,900ドル回復の勢いを欠いたまま週末入り SOL $75〜76 保合い 75〜76ドルで比較的安定。仮想通貨全体が調整するなかでは相対的な堅調さを維持 XRP $1.00〜1.01 保合い 1ドル台をかろうじて維持し膠着。8月を通じて下値切り下げの流れが続いている 📊 マクロ経済:本日の注目トピックス ① 小売売上高-0.6%、9月利上げ確率は28〜33%へ低下 7月の米小売売上高は前月比-0.6%と、市場予想を大きく下回りました。消費者センチメントも悪化しており、米国経済の柱である個人消費に陰りが見え始めています。前日発表の7月卸売物価指数(PPI)も予想を下回る弱さとなり、物価と消費の両面から減速シグナルが出た形です。 これを受けて9月FOMCでの利上げ確率は約28〜33%まで低下しました。指標発表前は50%前後だったため、1週間で見方が大きく変わったことになります。7月末のFOMCで3人の当局者が利上げを主張していた局面からは、状況が一変しました。 もっとも、これは「利上げがなくなった」ことを意味しません。政策金利は3.50〜3.75%で据え置きが継続しており、ケビン・ウォルシュ議長のインフレ抑制姿勢自体は維持されています。労働市場の軟化がFRBに時間的猶予を与えているというのが実態に近く、原油次第では判断が再び振れる余地は残っています。実際、長期国債利回りは高止まりしており、30年債は約25年ぶりの高水準で入札が実施されました。財政赤字への懸念が金利の下値を支えている構図です。 ② ADNOC関連タンカー2隻が攻撃 ホルムズ海峡を巡る情勢は改善どころか悪化しています。UAE国営石油会社(ADNOC)関連のタンカー2隻が攻撃を受け、UAEはイランを非難しました。船舶通行量は月平均を下回る低水準で推移しており、8月上旬に「オマーンとの航路合意が最終段階」と報じられた楽観論は、完全に打ち消された格好です。 米国は海上封鎖を再強化し「無期限で封鎖を維持可能」と警告して経済圧力を強めています。一方のイランは海峡の管理権を主張し、賠償や制裁解除などの要求は満たされないままです。交渉は膠着状態にあり、短期での解決を見込む材料は乏しくなっています。 価格面では、ブレント原油が88〜90ドル近辺と週間で上昇しました。WTIは81.8〜82.4ドルで、8月上旬の75ドル台からは7ドル前後の水準回復です。この原油高は住宅ローン金利の上昇にもつながり始めており、インフレ経路を通じて実体経済への波及が始まっています。 ③ 日経68,713円で介入安値から6,000円回復、BTCは置き去りに 日経平均は68,713.80円(+0.59%)と続伸しました。AI・半導体関連への買いが続き、企業業績の堅調さが相場を支えています。7月末の日米協調介入直後に62,864円まで下落した水準からは、およそ2週間で6,000円近い回復です。米国株もS&P500の第2四半期利益成長が強く、グローバル株式ファンドへの資金流入は続いています。 一方で国内金利には上昇圧力がかかったままです。日銀が9月にも利上げに踏み切り、その後ペースを加速させる可能性が報じられており、円は介入後も円安圧力が残るという難しい状況が続いています。金利上昇と円安が同時に進む局面は、輸出関連には追い風でも、内需や国債需給には逆風です。 注目すべきは、この株高のなかでビットコインが62,700〜63,000ドルまで水準を切り下げている点です。米利上げ確率が50%前後から28〜33%へ低下したにもかかわらず、BTCはこれをほとんど買い材料にできていません。加えて日銀の9月利上げ観測が円建て価格の重しとして残る構図です。来週以降は中東交渉の進展と追加の経済指標が鍵となりますが、株式との連動が切れつつある現状では、BTC独自の需給材料が出てこない限り上値の重い展開が続きそうです。 [ad] [no_toc]

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2026/08/15S&P500は最高値もBTC足踏み、現物出来高は統計開始以来の低水準
米S&P500種株価指数が7,798.99で最高値を更新した一方、ビットコインは63,347.73ドル付近にとどまり、1か月以上にわたり支えとなってきたオンチェーン水準のすぐ上で足踏みしています。売り手の勢いは鈍りつつあるものの、新規の買い需要は価格を押し上げるには弱いとされています。 Glassnodeの週次分析は6万3000ドルを「中央値実現価格」(流通供給の半分が最後に動いた価格)と位置づけ、市場の平均取得コストのおおよその中間点だと説明しています。上値では6万8700ドルの短期保有者コストベース、下値では6月安値の5万8500ドル、さらに5万2800ドルの総実現価格が意識される水準として挙げられています。 マクロ環境は株式に追い風でした。7月の米生産者物価は前月比横ばい、10年債利回りは4.68%から4.64%へ低下し、北海ブレント原油は2.1%下落しています。それでもビットコインは資金を引き寄せられず、米現物ETFは8月12日に6110万ドルの純流出を記録しました。株高とBTCの弱さが同時に生じたことは、資金が直接移動した証拠にはならない点にも注意が必要です。 流動性の細さも懸念材料です。GlassnodeによるとBTC建ての現物出来高は2019年の統計開始以来の低水準まで落ち込み、直近の買い板の厚みは7月初旬から約33%減少しました。6万3000ドルを明確に割り込めばレバレッジ解消売りが5万8500ドルを試す展開もあり得る一方、6万8700ドルの回復には出来高とETF資金流入の裏付けが必要になりそうです。 [ad] [no_toc] 記事ソース:資料

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2026/08/15USDTのテザーが初の本格監査を通過、KPMGから「適正意見」を取得
テザーは、Tether Internationalの2025年12月期財務諸表についてKPMGから無限定適正意見を取得したと発表しました。 Tether Completes the Largest Inaugural Financial Audit in History Read more: https://t.co/vWG0fFSUxH — Tether (@tether) August 13, 2026 大手4大会計事務所による本格的な財務諸表監査は同社として初めてで、監査済みの数値では2025年12月31日時点の準備金が負債を68億1400万ドル上回っていたとされています。 従来の準備金アテステーションは一時点の資産と負債を照合するにとどまりますが、財務諸表監査は貸借対照表や取引、取引相手、裏付け証憑までを検証対象とします。テザーによれば、KPMGは準備資産として保有する金地金を実地で全数確認したとしています。CEOのパオロ・アルドイノ氏は、独立監査人が出し得る最良の意見だと述べています。 この節目が重く受け止められる背景には過去の経緯があります。2021年、米CFTCはテザーに4100万ドルの制裁金を科し、26か月の調査対象期間のうちUSDTを裏付けるのに十分な法定通貨準備を保有していたのは27.6%の日数にとどまったと認定しました。同年にはニューヨーク州司法長官とも1850万ドルで和解しており、監査済み財務諸表は外部から求められ続けてきた書類でした。 一方で米国側の物差しは変わりつつあります。GENIUS法とFDICの規則案では、準備資産の種類や分別管理、流動性リスク管理に加え、月次の公開開示や週次の非公開報告、年次監査などが求められ、適格準備資産の一覧に金は含まれていません。テザーの第2四半期のUSDT発行残高は約1846億ドルで、24時間で10%が償還される「大規模償還」の定義に当てはめると約184億ドル規模となり、年1回の監査だけでは答えられない課題が残りそうです。 [ad] [no_toc]

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2026/08/15米電池企業がBTC3割売却、マイニングも撤退|「準備資産」から一転
電池技術を手がける米KULR Technology Groupがビットコインのマイニング事業から撤退し、コインベースからの借入を返済したうえで保有BTCの売却を進めていることが分かりました。2024年末に始めた余剰現金の最大90%を投じ得るという積み増し方針からの大きな転換にあたります。 2026年上期のビットコイン購入はゼロで、前年同期に6990万ドルで693.81BTCを取得したのとは対照的です。第2四半期には1059万ドルの非現金の評価損を計上し、純損失は2197万ドルとなりました。売上高は43%減の208万ドル、営業損失は19%拡大の1120万ドルです。CFOのマイク・キメル氏は、戦略が財務の柔軟性をもたらした一方で価格変動が本業の評価を難しくしていたと説明しています。 6月末時点の保有は1,091.69BTC(評価額6392万ドル、取得原価は1億980万ドル)で、うち565BTC(約3310万ドル)が2000万ドルのコインベース与信枠の担保でした。6月末以降に約333BTCを2150万ドルで売却し、約2000万ドルを元本返済に充当したことで担保は解放され、保有は約760BTCまで約30%減少しています。 マイニングも7月30日に期限を迎えた契約の更新を見送り、2027年10月までの別契約は15万ドルを支払って早期解約し、約210万ドルの残存コミットメントを解消しました。取締役会は残る保有BTCを事業資金に充てられるようにしており、ビットコインが「積み増す準備資産」から「必要に応じて取り崩す流動性」へと位置づけを変えつつある流れを映しているといえそうです。 [ad] [no_toc] 記事ソース:資料

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2026/08/14仮想通貨ハッキングの敵か味方か|中国発・最強クラスAI公開へ
中国のAI開発企業Z.aiが新モデル「GLM-5.3」を発表しました。学習済みのデータ(重み)が公開され誰でも自分の環境で動かせる「オープンウェイト」型のAIとしてはコーディング性能が最高水準に達したとしていますが、注目を集めているのは開発元も「予想以上に速く発達した」と認めるサイバー攻撃能力です。同社は安全性評価と対策の完了後、2週間をめどに重みを一般公開する計画で脆弱性を発見する能力が高いAIが誰でも使える形で出回ることになります。 Z.aiによると、GLM-5.3は脆弱性の発見を測るベンチマーク「CyberGym」で84.5%を記録し、Anthropicの「Mythos 5」(83.8%)やOpenAIの「GPT-5.6 Sol」(83.6%)を上回って首位に立ったといいます。同社が特に驚いたと説明するのは、攻撃の連鎖をより深く辿る「エクスプロイト(脆弱性の悪用)」の領域での伸びです。悪用能力を測るベンチマークでは、前世代のGLM-5.2からスコアが2倍以上に向上したとしています。同社は「孤立した欠陥を見つけるだけでなく、完全な攻撃の連鎖に向けて筋の通った計画を立て始めた」と表現しています。 実際の効果も報告されています。同社はGLM-5.2の頃から中国の複数のセキュリティチームと組み、現実のコードベースにモデルを走らせてきました。専門家の確認を経て、269のプロジェクトから2,436件の脆弱性を特定し、うち1,097件が中〜高の深刻度だったとしています。対象はOS、ブラウザエンジン、ネットワークプロトコルなどに及び、最古の欠陥は約40年前から見過ごされてきたものだといいます。同社はこれらを公開記録として追跡する「Security Disclosure Ledger」を設けたと説明しました。 「防御の武器」と「攻撃の道具」の綱引き 脆弱性発見AIが仮想通貨業界にとって敵か味方かは、すでに現実の論点になっています。防御側ではAIによる大規模な脆弱性診断が始まっており、8月上旬にはビットコインのコードを対象にAIが55時間で6,700件超を指摘した事例があります。ただしこの時は、指摘の多くが実際のリスクにつながらないノイズだったとの評価もあり、AIの診断能力をどこまで信頼できるかが問われています。 一方で同じ能力は攻撃側にも渡ります。8月上旬には「AI支援型の攻撃」を受けたビットコインのブリッジが停止する事態が起きたほか、過去にはClaudeを使って発見された脆弱性を背景に、ある仮想通貨が1日で36%暴落しました。誰でも入手して手元で動かせるオープンウェイト型の場合、利用時に提供企業の審査を挟む商用AIと違い、攻撃者の手に渡るのを止める仕組みがないとも言えます。 この非対称性こそ、防御側が最も懸念してきた点です。8月上旬にはコインベースなど仮想通貨業界がAI大手にセキュリティ機能の開放を要請しました。規則を守る防御側が商用AIの安全機構で調査を制限される一方、規則に従わない攻撃側は能力の制約を受けず「置き去りにされている」との訴えです。 安全対策後の公開とはいえ、フロンティアクラスの攻撃能力を持つモデルが自由に使える形で登場することはこの綱引きの均衡をさらに攻撃側へ傾ける可能性もあります。誰にどこまでAIの能力を渡すのか、この議論は仮想通貨業界でも引き続き熱を帯びそうです。 [ad] 記事ソース:Z.ai

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2026/08/14仮想通貨ウォレット購入者約1.4万人の情報が流出|配送業者から
仮想通貨ハードウェアウォレット大手Trezorは配送業務の委託先である米ShipMonkが不正アクセスを受け、顧客約1万3,700人分の個人情報が流出したと発表しました。流出したのは氏名・配送先住所・電話番号・メールアドレスで2026年5月10日から8月8日の間に米国・英国・スウェーデン・コロンビア・ブラジル・イタリア・ポルトガルで注文を受けた顧客が対象です。Trezor自身のシステムや端末は侵害されておらず、保管中の仮想通貨が直接危険にさらされるものではないとしています。 発表によると住所や電話番号まで流出した「完全な流出」が11,742人、氏名・都市名・メールアドレスにとどまる「部分的な流出」が1,947人で、後者にはより古い注文が含まれる可能性があるとして確認を進めています。同社は注文データを配達後90日で削除・匿名化するポリシーを委託先にも適用しており、これが流出範囲を限定したと説明しました。 最大のリスクは、流出情報を使った精緻なフィッシングです。同社は詐欺師が銀行や取引所、Trezor自身をかたる偽のメール・電話・郵便物を送る可能性があると警告し、ウォレットのバックアップ(リカバリーフレーズ)をウェブサイトに入力したり他人に共有したりしないよう改めて呼びかけました。2013年の創業以来、電話番号や住所を含む顧客情報の流出は今回が初めてだといいます。再発防止策の一つとして、ロッカー受け取りや無地の梱包で配送情報を残さない「匿名配送」を、EUでは9月まで、米国では年内に導入する計画も示しました。 端末が無事でも「人」が狙われる ハードウェアウォレットを巡っては、セキュリティの不安が相次いで表面化しています。8月上旬にはハードウェアウォレット「Coldcard」の欠陥を突いた208億円相当のBTC盗難疑惑や、大手ウォレット「Coinkite」の乱数生成の不備が報じられています。ただし今回の事案はこれらと性質が異なり、端末や暗号技術の欠陥ではなく「誰がウォレットを買ったか」という購入者情報の流出です。 ハードウェアウォレットの所有者は定義上まとまった仮想通貨を自己管理している可能性が高く、攻撃者にとって優先度の高い標的リストになり得ます。同種の事案は2020年に競合Ledgerの顧客情報流出でも起きており、その後長期間にわたりフィッシングや脅迫的な郵便物に悪用されました。 攻撃の入り口が機械から人へ移っていることはデータにも表れています。8月上旬に公開された調査では、仮想通貨の損失の約5割が秘密鍵の管理ミスやフィッシングなどの人的要因とされ、コードの脆弱性を上回りました。手口の高度化も進んでおり、6月にはAIを使った偽サイトで仮想通貨保有者を狙う詐欺網をグーグルが提訴しています。 端末そのものの安全性が保たれていても、リカバリーフレーズを自ら入力してしまえば資産は失われます。暗号資産はその性質上、物理的な重量や移動のコストが存在しないため、単一アドレスでの管理を行なっている場合被害額は大きくなる可能性が高いです。引き続き、ブロックチェーン上に資産を保有しているユーザーは秘密鍵や各種情報の取り扱いに注意が必要となります。 [ad] 記事ソース:TREZOR

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2026/08/14【独占インタビュー】なぜビットコインではなくSolanaなのか──日本1位・世界10位のSOL保有企業WIZE社が賭けた「増える資産」の構造
デジタル資産トレジャリー(DAT)企業の淘汰が世界中で始まっている。相場の下落局面で資金繰りに行き詰まり、保有資産を売却する企業が相次ぐなか、日本でいち早く「Solana(SOL)」に絞ったトレジャリー事業を開始し、国内最大規模で展開する上場企業がある。株式会社WIZE(旧モブキャストホールディングス)だ。 同社は2025年10月にSOLの取得を開始し、保有規模は世界トップ10入り。さらに、同社によれば日本の上場企業として初めて、Solana財団の委任プログラム「SFDP」(財団が一定の基準を満たしたバリデータにSOLを委任する支援制度)に採択され、バリデータ運用まで手掛けている。 なぜエンターテインメント企業がSolanaだったのか。含み損をどう受け止めているのか。代表取締役CEOの藪考樹氏と、Chief Solana Officer(CSO)の南雲悠太郎氏に、率直に聞いた。 インタビュアー : 新井進悟(Crypto Times代表) この記事の用語 DAT(デジタルアセットトレジャリー 上場企業が自社のバランスシートで暗号資産を保有・運用する財務戦略。米Strategy社、日本メタプラネット社のビットコイン保有が代表例。 Solana(SOL) 処理の速さと手数料の安さを特徴とするブロックチェーン。2020年にメインネット公開。DeFi、ミームコイン、決済、トークン化株式などで利用が広がっている。 バリデータ/ステーキング バリデータは、ネットワーク上の取引を検証・承認する役割の担い手。保有するSOLをバリデータに預ける(ステーキングする)と報酬が得られる。ビットコインにはこの仕組みがなく、保有しているだけでは枚数は増えない。 株式会社WIZE「第二の創業」の物語 [caption id="attachment_170109" align="aligncenter" width="683"] WIZE株式会社 代表 : 藪 考樹 , インタビュー実施日 : 2026年8月5日[/caption] ――お二人の自己紹介と、WIZEのSolana・トレジャリー事業での役割を教えてください。 藪 : WIZEは今年、「モブキャストホールディングス」から社名変更しました。その理由のひとつが、「持株会社から事業会社への移行」です。 現在、私は代表と事業本部長を兼務しており、その下に「Solana事業部」と「エンターテインメント事業部」の2つを置いています。ですので本日は、現場の事業戦略とトップの経営判断、どちらの視点からでもお話しできると思います。 南雲 : 私はWIZEに2つの立場で関わっています。ひとつはパートナー企業の代表として。Dawn Labsという会社のCEOをしていて、WIZEのバリデータ運用は当社が受託しています。もうひとつが「Chief Solana Officer」、いわば外部から、WIZEのSOLに特化したトレジャリー事業の戦略をアドバイスする役割です。私個人がSolanaのエコシステムで海外を含めた関係性を持っているので、そこをレバレッジして、SolanaにおけるWIZEのポジションをつくっていく。この2つの役割になります。 ――モブキャスト時代はゲーム・エンタメの会社だったと思います。そもそもなぜトレジャリー事業を始めようと思ったのですか。 藪 : 理由は3つあります。 1つ目は、経営課題の解決です。投資回収に時間のかかるエンターテインメント事業の財務基盤強化と、12月期に向けた東証の上場維持基準のクリア。この2つの課題に対する打ち手になる、というのが最初の動機でした。 2つ目は、本業との連動です。私はこれまで多くのクリエイターと仕事をしてきましたが、彼らのほとんどが「社会課題の解決」を目的にエンタメを作っており、私自身もそういう方々がすごく好きです。だからこそ我々にとってのエンターテインメント事業とは、イコール「社会課題を解決するコンテンツをどう成長させるか」ということになります。 そして、そこに暗号資産をつなげることで、これまでの課題が解決できると考えました。「マイナスをゼロにする」ような課題解決に、あえて投機的な価値を持つ暗号資産を掛け合わせることで、極めてバランスの良い収益スキームが創れる。直感的にそう確信しました。 3つ目は、「人」です。かつて私がブロックチェーン展開に大反対したことで会社を離れたメンバーたちが、この数年間で業界の波に揉まれ、頼もしい有識者になっていました。いざチームを作ろうとした時、double jump.tokyoの上野さんやArriba Studioの佐藤さんなど、すぐに相談できる元モブキャストの仲間が何人も身近にいました。 これら3つの要素が、今回トレジャリー事業への参入を決断した大きな理由です。 ――社内から反対の声はなかったですか。 藪 : いえ、それが、特にありませんでした。 ひとつは、資金調達先のEVO FUNDと厚い信頼関係があったことです。深く議論できる担当者もおり、彼らが過去に手掛けたトレジャリー企業の貴重な経験値も、可能な範囲で共有してもらうことができました。 もうひとつは、モブキャストでかつて数年間取締役を務めてくれた佐藤さんに、手伝ってもらえることになった点です。彼は現在、Web3アクセラレーターを率いるITやプラットフォーム領域の専門家です。いきなり当社の経営会議に連れて行って「お久しぶりです!」と登場してもらったのですが(笑)、現経営陣もよく知る彼が、事業の人的な軸として立ってくれました。私の構想を確実に実行できる有識者がそこにいるというのは、やはり非常に大きかったですね。 ――役員だけでなく、社員レベルでも「急によく分からない事業を始めたぞ」という反応はなかったですか? 藪 : そこは、先ほどお話しした「2つ目の理由」につながってきます。そもそもエンタメって、なぜ時間がかかるのか。クリエイターが望んでいるのは、安売りしてすぐに儲けることではありません。時間をかけてでも、自分たちが本当に伝えたいことを理解してもらい、そこに共感してくれるファンを増やすこと。それこそがエンターテインメント事業の本質です。 実際に、地球環境の問題に取り組んでいるチームがいるのですが、彼らにこの話をしたら「すごい!」と言ってくれました。彼ら自身、日々本気で向き合い、苦労を重ねています。だからこそ、「そこを突破するには、こういった発想が必要だと思う」と深く共感してもらえました。一方で、事業サイドのエンタメ担当のメンバーたちからも、「なんか面白いことができそう」とすごく良い反応をもらえました。 [caption id="attachment_170115" align="aligncenter" width="907"] CoinGeckoより Treasury企業一覧[/caption] ――トレジャリー事業といえば、世界的にはBitcoin(ビットコイン)が主流でした。徐々にEthereum(イーサリアム)も出てきた。そのなかでSolanaを選んだ決め手は何でしたか。 藪 : 当時すでに他社の事例もあったので、仕組み自体はすぐに理解できました。我々も上場企業として資金調達の機能は持っているので、あとは「何のトレジャリーをやるか」だけでした。そこでSolanaに着目した最初のきっかけは、正直に言うと「響き」でした。 暗号資産というと、どうしても「怪しい」「危険な匂い」といった一般的なイメージがあります。映画などでもそういった文脈で描かれてきています。 その点、「Solana」はパッと聞いて暗号資産だと認識されづらい。将来エンターテインメント事業として一般の方に届ける上で、この親しみやすい響きは大きな武器になると直感しました。 もちろん響きだけで決断したわけではありません。「ステーキング」の収益性や「ガス代の安さ」といったビジネス上の優位性を確認したうえで、トランプコインなどの事例から「エンターテインメント事業と強力なシナジーを生み出せる」と確信したわけです。 そうやって自分なりの仮説を一つずつ検証し、有識者にも背中を押してもらう中で、「響きの良さ」という最初の直感が、確固たるビジネス上の確信に変わっていきました。そうして1〜2ヶ月ほどかけて頭を整理した段階で、経営会議に持ちかけました。 ――他にも決め手はありましたか。 藪 : タイミングの良さもありました。ちょうどSolanaを選ぼうかと考えていた頃に、アメリカでSolanaのETFに関する話が動き出していました。それと、もう一つは「差別化」ですね。ビットコインを保有している企業はすでにたくさんありました。有識者からはイーサリアムもかなり勧められたのですが、先ほどのネーミングの点でどうしても少し迷いがあって。エンタメ業界の人たちに話を持っていくのにも、ちょっと響きが違うような気がしていました。 他社としっかり差別化ができるという点、そして何より「日本で1位を取れそうだった」というのは、決断する上で非常に大きかったです。 ――実際、いま日本で1位ですよね。南雲さんと出会われたのは、この後ですか。 藪 : もう少し後ですね。Solanaでいくと腹を決めた後、佐藤さんにチーム作りをお願いしました。彼が元モブキャストのネットワークを頼りに動いてくれて、最終的に南雲さんにたどり着きました。最初は3人で一緒に沖縄料理を食べに行きました(笑)。 編集部注 / 新井 こうして始まったソラナ事業は、9ヶ月で体制そのものが変わった。同社は2026年8月、社内外の専門家によるアナリストチーム「SOL MAN’S」を新設している。国内大手証券会社出身でソラナ財団での活動経験を持つメンバー、暗号資産専門メディアの運営者、ソラナ特化のインフラ運用に知見を持つ技術者、Web3特化の投資ファンド創業者の4名が、ソラナ事業の分析と、独自の価格予測モデル「W3M」の運用にあたる。代表の直感から始まった事業は、組織として意思決定する段階に入っている。 ※ SOL MAN’Sは同社が自社事業の分析を目的として組成した社内体制であり、投資助言・代理業を営むものではない。 「持っているだけ」で終わらせない ――WIZEはバリデータも運営しています。具体的に何をしているのでしょうか。 南雲 : 大きく2つあります。技術面・運用面と、ビジネス面──つまりステーク(委任)を集める部分です。 技術面から簡単に説明すると、ブロックチェーンを支えているのがバリデータです。ユーザーがトランザクションを出したときに、それが不正でないか、二重の取引になっていないかを検証し、承認する。Solana側が「このプログラムを動かしてほしい」と提示しているプログラムがあるので、それをサーバーで動かして承認作業を行う。ここはパートナー企業である当社(Dawn Labs)が受託しています。ダウンタイムもなく、高いパフォーマンスで運用できている状況です。 ビジネス面、つまりステークを集める部分では、ひとつがSolana財団の委任プログラム(SFDP)からの委任。もうひとつが、バリデータにデリゲーションを分配する「ステークプール」と呼ばれるプロトコルからの委任です。ここはある種、政治的な要素も発生します。「日本で最初のピュアなSOL DATである」というWIZEの価値を評価してもらって、委任をもらってくる。もちろん、単純にパフォーマンスが良いからもらえる部分もあります。 解説 なぜビットコインではなく Solana なのか ── 器としての構造の違い ビットコインと Solana では、ネットワークの合意形成の仕組みが根本的に異なる。ビットコインは計算競争によって取引を承認する PoW(プルーフ・オブ・ワーク)で、保有者が保有していること自体から報酬を得る仕組みを持たない。1 BTC を10年保有しても、1 BTC のままだ。 一方 Solana は、保有量に応じて検証者を選ぶ PoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用している。保有する SOL をバリデータに預ける(ステーキングする)と、ネットワークから報酬が支払われ、枚数そのものが増える。トレジャリー企業にとっては、価格が動かない局面でも保有量が積み上がることを意味する。WIZE が「1株あたりの SOL は増え続ける」と説明する根拠は、ここにある。 ただし、押さえておくべき前提が2つある。 1報酬は SOL 建てで支払われる 枚数が増えても、SOL 価格が下がれば円換算の評価額は減る。増えるのは枚数であって、資産価値そのものではない。 2報酬の原資の一部は新規発行である Solana は現在およそ年3.8%のインフレ率で新規発行が続いており、これは全保有者の持ち分をわずかに薄める方向に働く。したがってステーキング報酬の実質的な取り分は、名目の利回りからインフレ率を差し引いた水準で捉えるのが実態に近い。記事後半で南雲氏が触れる SIMD-0550 の提案が注目されるのは、この差し引き分を小さくする方向の変更だからだ。 ※本ボックスは編集部による解説です(2026年8月時点)。 ――率直に伺います。バリデータ運用は技術要件が重い領域です。上場企業がそこまで踏み込むコストに、見合うものはあるのですか。 南雲 : 実際の運用からステークを集める部分まで、すべてパートナー企業が担っており、WIZE側で追加の人員やサーバーコストをかけることなく、収益を積み上げていける構造になっています。そこは非常に合理的だと思っています。 おっしゃる通り、バリデータ運用は技術的なハードルが高く、継続的なアップデートへの対応も必要です。そうしたナレッジを持つパートナーと連携しているからこそ、WIZEは自社で大きなリソースを割くことなく、高い水準でバリデータを運用できているということです。 また、バリデータ運用では、通常の報酬に加えてMEV(ブロック内の取引の並べ方などから生じる追加収益)などからも収益を得られる場合があります。 解説 収益の「第2エンジン」── ターゲットバイイング 同社は2026年8月の決算説明資料で、保有SOLが生む収益(ステーキング報酬・バリデータ報酬)を「第1エンジン」と位置づけたうえで、将来的な「第2エンジン」としてターゲットバイイングの導入検討を明らかにしている。あらかじめ狙った価格でSOLを買う権利を相手に与え、その対価としてオプション料を受け取る手法だ。価格が下がらなければオプション料がそのまま収益になり、価格が下がれば狙っていた水準より割安にSOLを取得できる。どちらに転んでも「原則ホールド・単価低減」という同社の方針と整合する、という説明である。ただし、あくまで検討段階であり、導入時期や規模は明らかにされていない。またオプションの売り手は、価格が想定以上に上昇した場合の値上がり益を放棄することになる点にも留意が必要だ。 一方 Solana は、保有量に応じて検証者を選ぶ PoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用している。保有する SOL をバリデータに預ける(ステーキングする)と、ネットワークから報酬が支払われ、枚数そのものが増える。トレジャリー企業にとっては、価格が動かない局面でも保有量が積み上がることを意味する。WIZE が「1株あたりの SOL は増え続ける」と説明する根拠は、ここにある。 ※本ボックスは編集部による解説です(2026年8月時点)。 投資家の疑問に答える ――ここからは投資家目線で伺います。SOLの取得を始めてから、暗号資産の市場環境は2〜3月頃からかなり悪化しました。SOL自体も価格を落としていて、現在は含み損の状態かと思います。これはどう受け止めていますか。 藪 : 始めた時点の平均取得単価は、円換算で2万5千円ほどでした。そこから直近では1万5千円ぐらいまで下げてきています。財務指標上は含み損が出ますが、我々は実質キャッシュフローで見ています。 例えるなら、50年前の港区の土地ぐらいのつもりで持っています。将来的に多少の変動はあるでしょうけれど、10年スパンで価値が認められていくと考えて、財務基盤を整えるために保有しています。だから、その都度の含み損はほぼ気にしていません。 編集 : 新井記 ※ 2026年7月31日時点で、平均取得単価は15,053円(開始時の約25,063円から約40%低下)、累計取得額10.0億円、取得回数60回。総保有は66,458 SOL(うち購入分65,603 SOL、累計ステーキング報酬855 SOL)。2026年12月期2Q累計では暗号資産評価損148.7百万円を計上している。 ――それは、株主の皆様に向かって言ってもいいことなんでしょうか(笑)。 藪 : そうですね(笑)。ただ、いま実際に売ってしまうと、本当のキャッシュ上の損失が出てしまう。現段階では売る予定もないので、含み損はそこまで重く受け止めていません。 ――昨年は多くの企業がビットコイン・トレジャリーに参入しましたが、結局取得したものを売却してしまった例もありました。相場がインフレの影響で長引きそうだから手放して別のことをやろう、という検討は一切なかったのですか。 藪 : 全くなかったですね。投機目的でビットコインを売っていた企業もありましたが、我々の目的は先ほどの2つ──経営課題の解決と、本業との連動です。特に本業とのつながりがあるのは大きいと思います。 もちろん、財務戦略上の選択肢を持たないわけではありませんが、長期保有が基本で、いまは売る予定はありません。 ――新株予約権で資金調達してSOLを買い増すと、その分だけ既存株主の1株あたりの価値は薄まります。それでも「1万株あたりSOL」という指標を掲げているのはなぜですか。 藪 : 我々は前回の決算発表で「WIZE Dual-Loop 戦略」を掲げました。本業の話と、Solana事業の話です。そのSolana事業では、株式が希薄化することも当然含めたうえで、1株あたりの資産価値の向上を一番に掲げています。 構造としてはシンプルで、新株の発行分を含めた発行済株式総数が分母になる。調達した資金はすべてSolanaの購入に充てるので、そこで得たSolanaが分子になる。さらに、ステーキング報酬が分子に追加されていく。つまり、株を刷らなくても分子は増えていく設計になっている。ここは常に意識しているところです。 編集 : 新井記 実際、1万株あたりSOLは2026年2月の1.99から7月には6.54へ、5ヶ月で約3.3倍に増えている。新株予約権の行使が進むなかでの増加である。同社はこの指標が期間中に何%増えたかを「SOL Yield」と定義し、株式発行に頼らずステーキングによって株主持分のSOLが複利で増える速さを示す指標としている。 解説 SOL を直接買うのと、SOL を保有する企業の株を買うのは何が違うか 株で持つ側の理屈 ──証券口座でそのまま売買でき、暗号資産取引所の口座開設やウォレット管理、秘密鍵の保管が不要になる。ステーキングの運用も企業側が行うため、保有者が技術的な作業を負わない。税制面でも、現行制度では株式の譲渡益が20.315%の申告分離課税であるのに対し、暗号資産の売却益は総合課税の雑所得として扱われる。 その前提は変わりつつある ──暗号資産についても申告分離課税(20%)の導入がすでに法制化されており、金融商品取引法改正法の施行翌年からの適用が見込まれている。税制上の差は、将来的には縮小する方向にある。 株ならではのリスク ──株価は SOL 価格に連動するとは限らない。市場の期待が高いときは保有資産の価値を上回る株価がつき、逆に市場が冷えれば下回ることもある。加えて、資金調達に伴う株式の希薄化、暗号資産以外の事業の損益、上場企業としての各種リスクも株価に影響する。SOL の値動きだけを取りたいのであれば、現物のほうが素直だ。どちらが優れているかではなく、何のリスクを取るかが違う。 ※本ボックスは編集部による解説です(2026年8月時点)。 ――海外の大手ビットコイン・トレジャリー企業では、ビットコイン価格の下落で株式や優先株が軒並み下がり、変動型の配当を出す原資の確保に苦しんでいたりといった問題が起きています。御社に、こうしたデススパイラル的なケースはあり得ますか。 藪 : 基本的にはない、と考えています。 無理な投資をしているトレジャリー企業が資金繰りに行き詰まり、保有資産を安値で手放す動きは、確かに業界内で続いています。ただ当社の場合は、EVO FUNDを割当先とするMSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)で調達した資金をSolanaの購入に充てるという、至ってシンプルな構造をとっています。 実際の買付についても、相場が良かった時期に十数億円規模の資金を一気にドンと投じるような、リスク管理を度外視した方法は一切取っていません。佐藤さんを中心とするSolana事業部が相場の動向を冷静に見極めながら、細かく分けて買い付けています。 具体的には、2025年10月から60回に分けて買い付けを行っています。その結果、スタート時には2万5千円台だった平均取得単価が1万5千円まで下がり、現在の市場価格との乖離もそこまで大きくせずに済んでいます。 こうした徹底した「リスク管理」と、「無理のない資金調達」。この2つの掛け合わせこそが、他のトレジャリー企業とは明確に違うところだと思っています。 ――海外と国内で、資金調達の方法自体が違うという面も大きいですか。 藪 : そうですね。あとは実際の購入時も、きちんと取締役会や経営会議での決議を経ている点は、違いかもしれません。 加えて、資金調達側のEVO FUNDと、買い付けを行うSolana事業部が、私を通じて密に連携できています。決して機械的なやり取りではなく、しっかりとコミュニケーションが取れています。 少し感情的な話に聞こえるかもしれませんが、実務を進める上では、こうした「血の通った連携」がかなり大きなウエイトを占めていると思っています。 ――Strategy社(旧マイクロストラテジー)がビットコインを少しずつ売り、イーサリアム最大のファンドBitMine社も大きな含み損を抱えて再び優先株の発行を検討している。国内の企業においても既にトレジャリー事業からの撤退が出てきています。DATブームは一度落ち着いたように見えますが、どういう企業が生き残ると考えますか。 藪 : トレジャリー事業といっても各社で状況は違うので、業界全体の動向よりも「私たちがどうしていくか」に集中しています。 当社にとって重要なのは、やはり「本業といかに直結させるか」です。一般的に暗号資産は価値が上がるのを「待つ」側面が強いですが、我々はアプローチが異なります。日本1位、世界10位の規模となった保有基盤を活かし、エンターテインメント事業を通じて「社会貢献が資産になる」状態を実際に作っていく。 そうすることで、「怪しい」と思われていたものが、「現実の『港区の土地』と同じように価値あるものだ」と正しく理解されていくはずです。だからこそ、我々自らが主体となって価値を高める側に回りたいと考えています。 「Solanaの価値は我々自身が上げていく」という強い気概で、今後も具体的な取り組みを発表していく予定です。これこそが、私たちが目指す新しい事業の形であり、最大の強みだと思っています。 南雲 : まさにそこが違います。相場が悪い状況が続くなかで辞めていくトレジャリー企業との最大の違いは、いま藪が言った通りだと思います。 ――投資家からすると、暗号資産を直接買うと現行制度では総合課税になる(2028年見込みで分離課税へ移行予定)。それが嫌だから、ビットコインを保有する上場企業の株を買う、というケースがあります。御社の株主にも「過去の成功事例に乗れるのでは」という理由で買った投資家も少なくないのではないでしょうか。 藪 : もともとお話しした「2つ目の目的」というのが、我々のエンターテインメント事業が生み出す『共感』と、Solanaを使ったトレジャリー事業が生み出す『資産価値』、この2つをうまく循環させることでした。 もっと噛み砕いて言えば、「社会貢献をすると儲かる」という仕組みを作ること。実は、これを実現したいという想いが一番根底にありました。 ですからこの先は、株主の皆様や我々のサービスを利用してくださる方々に対して、その構想をしっかりと有言実行していくフェーズです。それが結果として、株主の皆様への最大の貢献に繋がっていくと信じています。 ――一方で、そもそもSolanaを知らない投資家をどう増やすか。ここも生き残りに直結しそうだと考えています。 南雲 : 国内ではSolanaの認知度がそもそも低いという課題があります。これはWIZE社だけで解決するのは難しい。 そこで戦略的に、6月にSBI VCトレードとの提携をリリースしました。SBI側としてもSolanaは、いま注目しているブロックチェーンのひとつとして見ている。そういった先と当社の持つアセットを組み合わせて連携していくことで、一緒に国内のSolanaの認知度を高めていく、というのが我々の考えです。将来的にも、いまはまだ言えませんが、さらなる連携を出していければと思っています。 これから ── 5年後のWIZEに関して ――前回の四半期資料にあったエコシステム構想、NFTの配布などは、今後の核になる部分だと思います。現時点ではまだこれから、という段階でしょうか。 藪 : 少しずつ進んでいます。年内には、テストの意味合いを含めた1つ目の取り組みができると思います。 ――具体的には、どういう構想なのでしょうか。 藪 : WIZEには現在、「Solana事業部」と「エンターテインメント事業を担う部門」の2つがあります。エンタメ側では、食、音楽、アパレル、デジタルアートの4つの柱がすでに動き出しています。この2つの事業をどう掛け合わせるか、社内でずっと議論を重ねてきました。 [caption id="attachment_170130" align="aligncenter" width="1024"] Wize社決算資料 - WIZE Dual−Loop戦略ページより[/caption] これまでの「推し活」のような消費行動は、好きだからお金を払うものの、手元に資産として返ってくるわけではない一方通行な面がありました。しかし、WIZEの理念に共感しサービスを利用してくださる方々には、我々の取り組みの成果をしっかりと還元したいと考えています。 具体的には、消費の「行動履歴」をブロックチェーン上に刻み、「WIZEスコア」として貢献度を可視化します。その際、単なる無機質なデータではなく、我々のメッセージを込めたデジタルアートのNFTを付与する。これをコレクションとして集める体験が純粋な楽しさに繋がり、結果として熱狂的なファンを生み出す仕組みです。 かつてのNFTブームは投機に振れすぎたため、「失敗だった」とも言われました。私たちはその課題を改め、ワクワクするような体験は活かしつつも、きちんとした「実需」に基づき価値を還元するエコシステムを作ります。これを私は「トークン型の還元マーケティング」として展開していきたいと考えています。 そして足元で考えたとき、一番分かりやすく理念に共感してくれているのは、やはり株主の皆様です。株主の方々に対してこうしたデジタルアセットをお届けし、楽しみながら価値を共有できる形を作っていきたいという構想を持っています。 ――Solana自体の話で、直近で注目している動きはありますか。 南雲 : Solanaのインフレ削減に向けた動きがあります。SIMD-0550 と SIMD-0553 という改善提案です。 まずSIMD-0550は、インフレ率の低下ペースを速める提案です。Solanaのインフレ率は現在およそ3.8%で、毎年15%ずつ減っていき、最終的に1.5%(ターミナルレート)に到達する設計になっています。この年間15%を30%に引き上げ、より早く1.5%に到達させる。現在のペースだと2032年頃ですが、この提案が通れば2029年に到達します。 [caption id="attachment_170113" align="aligncenter" width="823"] SIMD-0550の提案ページ[/caption] 単純にインフレ率が下がれば、新しく発行される通貨が減るので、その分Solanaの価格は上がりやすくなる。プラス材料だと思います。 もうひとつのSIMD-0553は、トランザクション手数料の仕組みを変えるものです。ネットワークの利用量が増えるほど、より多くのSOLがバーン(焼却)される仕組みへの変更が提案されています。ミームコインの取引や、最近だとトークン化株式の取引もSolanaが最も使われていますが、そうした利用が増えるほどバーンが進む。 新規発行が減り、使われるほどバーンされる。両方が効けば、よりインフレ削減が進むので、Solanaの価格は上がりやすくなる。これがミクロで見た直近の変化ですね。 解説 SIMD-0550・0553 の試算と現在のステータス SIMD-0550(新規発行の抑制) 実装された場合、6年間で約1,890万 SOL の新規発行が削減され、総供給量は現行スケジュール比で約2.6%少なくなるとされる。 SIMD-0553(バーンの拡大) 日次のバーン量が約650 SOL から7,500〜9,000 SOL へ増加する可能性が示されている。 ※ いずれも提案側の試算。2026年8月13日時点で両提案はバリデータのステーク加重投票にかけられており、可決・実装は決まっていない。記載の到達時期・削減効果や SOL 価格への影響を保証するものではない。 ――最後に、5年後のWIZEはどんな会社になっていたいですか。あわせて、この記事で初めて御社とSolanaを知る読者へメッセージをお願いします。 南雲 : Solanaは、サンフランシスコ・ベイエリア発のプロジェクトで、創業者のアナトリー・ヤコベンコ氏とラージ・ゴカル氏も米国側の人間です。エコシステムは立ち上げからの最初の3〜4年は、欧米中心に回ってきました。DATに関しても同じで、米国が一番大きい。 そのなかでAPACにも、Solanaを盛り上げていくプレイヤーが求められていく。それはプレイヤーの分散化にも資するし、政治的な意味でも、この地域のビルダーやユーザーの発言権を強くしていくことにつながります。 APACにそういう課題感があるなかで、WIZEが果たせる役割は大きいと思っています。APAC発のSOL DATとしては、Nasdaq上場のSolana Company(NASDAQ : $HSDT)のような先も出てきています。将来的には、各国を代表するSolana企業同士でAPACにおけるSolanaの価値を上げていく。そうした動きが出てくれば、APACにおけるSolanaの拠点としてのWIZEの価値向上にもつながる。大きな目線では、そこを目指していけばいい立ち位置が築けると思っています。 藪 : Solana事業部単体の目的は、「1株あたりの資産価値を上げていくこと」です。今後は南雲さんを中心とするチームで、他の大企業との提携なども見据えながら、Solanaの価値そのものを我々の手で引き上げていきます。 そのうえで、本業のエンターテインメント事業との接続が実現できれば、社会課題だらけの世の中を大きく変えられると信じています。 先ほどの「50年前の港区の土地」の例で言えば、当時は一部の人が利益を独占しましたが、我々が目指すのは価値が広く分散される仕組みです。クリエイターが純粋に「課題解決」に向き合えば、無理なビジネス化をしなくても、応援するファンに価値が還元されていく。そんな理想の形を実現したいです。 長期的にはこの大きな野望に挑戦しつつ、中期的には日本最大かつ世界上位のSolana保有企業として、上場企業としての成功を確実に見据えています。今後も新しい取り組みを次々と発表していきますので、ぜひご期待いただき、応援していただければと思っています。 ※ 本記事中の数値は、特記なき限り2026年8月12日時点のものです。 ※ 記載のステーキング利回りは過去の運用実績であり、将来の利回りを保証するものではありません。 ※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄・株式の取得を勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。 ※ 本記事の取材・執筆・編集は、編集部が独立して行っています。なお、Crypto Timesを運営する株式会社ロクブンノニは、株式会社WIZEに対しIRアドバイザリー業務を提供しています。また本記事のインタビュアーは、同社が2026年8月に組成したアナリストチーム「SOL MAN'S」に社外メンバーとして参画しています。こうした関係にかかわらず、質問内容および記事の構成は編集部の判断によるものであり、株式会社WIZEによる内容の指示・承認を受けたものではありません。 [ad]















