署名しても損失を防げる?イーサリアムに取引「検証」の新提案
よきょい
イーサリアム財団は10月5日、取引の結果にルールを課す「トランザクション・アサーション」に関する研究を公表しました。正しく署名された取引でも、利用者が想定しない損失を招く場合があるという問題意識が出発点です。
対象となる提案EIP-7906は10月10日時点で草案の段階にあります。アップグレード「Hegotá」では採用を検討する候補とされ、前提となるEIP-8141は採用予定に位置づけられています。
提案では取引の最後に読み取り専用の検証工程を追加します。この工程が残高やストレージの変化を確認し、ルールに反する結果であれば実行を取り消す仕組みです。現在もユニスワップv3には受取額が最低値を下回るスワップ(交換取引)を拒否する機能があります。新提案は検証できる範囲を承認の制限やアカウント設定の保護などに広げる可能性があります。
ただし、検証の仕組みがあっても基準値が甘ければ保護として機能しにくくなります。取引を組み立てるアプリ自身が緩い下限を設定できる場合、不利な取引も条件を満たしてしまいます。提案の安全指針は変更できない検証コードと、署名時点で固定した参照値などの利用を求めています。また検証に失敗しても消費したガス代は請求され、初期の検証段階で行われた変更は残ります。
財団はAIエージェントへの権限委任やソルバー(取引の執行経路を選ぶ事業者)による決済での活用を想定しています。実効性のある保護には取引を組み立てる側が弱められない基準が欠かせません。安全条件を正確に執行できても、条件そのものが不適切であれば不利な取引は通ってしまうという指摘です。
提案が正式採用に進むかどうかとあわせ、基準を誰が定めるのかが議論の中心になりそうです。
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