Visa、銀行向け仮想通貨プラットフォーム「VTAP」を発表

Visa、銀行向け仮想通貨プラットフォーム「VTAP」を発表

引用元: varandah / Shutterstock.com

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世界最大の決済ネットワークを運営するVisaは、金融機関向けにブロックチェーン上で法定通貨を担保としトークンを発行・管理できる新製品「Visa Tokenized Asset Platform(VTAP)」を発表しました。

このプラットフォームは現在流通量が1700億ドルを超えるステーブルコイン市場の成長を受け、銀行からの需要の高まりに応える形で開発されました。Visaで暗号資産部門責任者を務めるカイ・シェフィールド氏はCNBCのインタビューに対し「世界中の銀行と対話する中で彼らはどのように自前の法定通貨担保型の製品を発行できるかを模索しており、その中で生まれたのがこのプラットフォームである」と語っています。

VTAPはVisaの開発者プラットフォームを通じて参加金融機関に提供され、独自の法定通貨担保トークンの作成や実験を行うことができるサンドボックス環境も用意されています。

銀行はVTAPを利用することで、トークン化された預金やステーブルコインなどの発行、償却、移動を行いユースケースの模索が可能。将来的に許可型のブロックチェーンとパブリックブロックチェーンの両方で銀行が複数のユースケースを有効化し、パートナーや顧客と連携できるように設計されています。銀行はVTAPを通じて24時間365日体制の銀行間決済、証券や不動産のトークン化、スマートコントラクトを活用した新たな融資など様々なユースケースに対応できる可能性があります。

シェフィールド氏は多くの銀行がブロックチェーン技術の導入を検討しているものの、実際に製品を開発・公開するまでには至っていない現状を指摘し、VTAPのサンドボックス環境がそのハードルを下げるとの見方を示しました。

スペインに本拠を置く国際的な金融グループBanco Bilbao Vizcaya Argentaria SA (以下:BBVA) はVTAPを使用してEthereum上でトークンを作成し、2025年にパイロット版として始動させる計画を発表しています。

ソリューションの発展が進むなかで懸念されるのが各国の規制です。

Visaは規制当局と協力しステーブルコインやトークン化された預金発行に関するルールを明確化していく方針を示しています。銀行がVTAPを通じて発行するトークン化された預金やステーブルコインはVisaのグローバルスタンダードに基づいて構築されるため、相互運用性の確保にも貢献することが期待されています。

Visaは既に50以上の暗号資産ウォレットや取引所と提携し、ステーブルコインでのVisaカード決済を可能にするなど暗号資産分野への取り組みを積極的に進めています。

シェフィールド氏は「ステーブルコインによる決済の普及には加盟店の受け入れ体制の整備が不可欠」であるとの認識を示し、Visaがその役割を担っていくとの意気込みを示しています。

記事ソース:VisaCNBC

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