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2018/05/25GMOが世界初7nmプロセスを採用したビットコインマイニング機器を発売
この記事の3つのポイント!1.GMOインターネットが来月にも新型のマイニング機器を発表へ 2.7nmプロセス採用のマイニング機器は世界初 3.同社は新型のマイニング機器を自社マイニングファームでも使用する予定 記事ソース:GMO Internet 日本国内に拠点を構えるIT企業のGMOインターネットが今年中に世界で初の7nmプロセスチップを採用したビットコインマイニング機器を発売すると発表しました。 今週水曜日のGMOの発表によると、新たなB2マイナーは6月に正式に発表され、今年10月には発送を開始する計画です。 今回の発表に発表に際しGMOは、昨年9月にニュースになった時点から数ヶ月にも渡るテストや改善を繰り返し完成へと至りました。GMOは同デバイスは少ない電力で高いレベルのハッシュパワーを誇るとし、さらに詳しい情報や価格は来月の正式発表の際に公表するとしました。 発表によると、GMOは新たなマイニング機器を他社に販売するだけでなく、自社の既存のマイニングファームでも使用する考えであることを明かしました。 昨年一年間で日本の上場企業がマイニングに投資した金額はおよそ100億円と推測されており、GMOも自社のマイニングファームを2017年末から運営しています。 GMOが今月はじめに公開したレポートによると、同マイニングファームは先月末までの時点で、906BTCと537BCHを採掘しています。 マイニング業界は仮想通貨の普及に伴って競争が激化してきています。GMOが来月に新型マイニング機器を発表する一方でSamsungも今年中に7nmプロセスを採用したマイニング機器をリリースすると報じられています。 kaz ぜひ国内の仮想通貨およびブロックチェーン産業を盛り上げて欲しい!
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2018/05/25アメリカン・エキスプレスが会員リワードプログラムにブロックチェーンを導入へ
この記事の3つのポイント!1.アメリカン・エキスプレスは会員リワードプログラムにブロックチェーンを導入へ 2.加盟店は顧客一人一人に合わせたリワードの付与が可能に 3.新たなサービスの提供は早ければ今後数ヶ月以内に開始される 記事ソース:AP通信 AP通信によると、クレジットカードサービスを提供するアメリカン・エキスプレス(アメックス)はオンライン小売業者のBoxed社と提携し、会員リワードプログラムにブロックチェーンを導入すると発表しました。 アメックスの発表したところによると、同社が採用するのはLinux財団が中心となっているオープンソースプロジェクト「ハイパーレジャー」が開発したブロックチェーン技術で、加盟店がカード保有者に対して個別のサービスを提供できるようになると言います。 これによりアメックスは顧客にさらなるアドバンテージを付与することが可能になります。 同社はBoxed社と提携し、特定の商品を購入した顧客に対してリワードを付与できるようにする予定です。このプログラムは早ければ今後数ヶ月以内に全ての加盟店で開始される予定です。 アメックスの会員リワードプログラムの責任者であるクリス・クラッチオロ氏は以下のようにコメントしました。 「加盟店は顧客に自社アプリをダウンロードしてもらうことで、時間や曜日に基づいたプログラムの作成が可能になる。加盟店が顧客にリワードを付与するアプローチは飛躍的に増えるだろう」 アメックスの子会社であるアメリカン・エキスプレス・トラベル・リレーテッド・サービシーズ社は昨年10月にブロックチェーンを活用した個人がカスタム可能なリワードシステムの特許を提出しており、この特許が今回のシステムにも生かされる予定です。 kaz やっぱりクレジットカードとブロックチェーンっていろんなところで関係しているんだな
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2018/05/25モナコイン、バージ、ビットコインゴールドのハッキング情報まとめ
特にメジャーなハッキング事件が起こらなかった四月・五月上旬でしたが、ここにきてモナコイン(MONA)、バージ(XVG)、ビットコインゴールド(BTG)のハッキングが次々と発覚しました。 この記事では、それぞれの通貨への攻撃の手口や被害状況、公式の対応などについてまとめたいと思います。 攻撃の手口 今回のハッキングを受けた通貨は全てProof of Workを採用した通貨で、51%攻撃と呼ばれる手口によって被害に遭いました。 Proof of Workでは、マイニングにより承認されたブロック(トランザクションの集まり)は他のネットワーク参加者全員に共有されることになっています。 同時にいくつか異なるブロックが承認されてしまった場合、様子を見て、その後により多くのブロックが繋がった方が正しいブロックのチェーンとして採用されます。 51%攻撃とは、ネットワーク全体の50%以上のマイニング能力を保持するハッカーが非公開で自分に都合の良いブロックのチェーンを作り上げ、タイミング良く公開するという手口です。 これを悪用すると、現在公開されているチェーン上で送金を行い、その後に送金を行なっていないチェーンを公開し、それが採用されることで送金をなかったことにできます(ダブルスペンディング)。 この攻撃が成功する確率は、ネットワーク全体の50%以上の処理能力を得ることによりほぼ100%成功すると言われています。これが「51%攻撃」と呼ばれる理由です。 モナコイン(MONA) 2013年に誕生した日本初の仮想通貨ですが、今月13日から15日にかけて51%攻撃を受け、約9万ドル相当の被害が生み出されたもようです。 今回の攻撃では、モナコインをLivecoinなどの取引所を通して別の通貨に両替し、非公開チェーンを公開して取引を無かったことにするという手口であったようです。 犯人は未だ特定されておらず、全ハッシュレート(マイニング能力)の約57%を保持していたと推定されています。 また、犯人は同様の手口でのハッキングを半年ほど試みていたと考えられおり、モナコインのマイニング難易度調整システムを悪用しようとしたものとみられます。 モナコイン公式は、攻撃の存在を公式に認めたのち、51%攻撃が既存のProof of Workではどうしても解決できないものであるとコメントしています。 現状ではサービス提供側で入金の承認数を上げる以外に有効な手段はありません。 PoWコインである以上は避けられない問題でもあるので、PoS等への移行も視野に入れていく必要があると考えています。 — monacoinproject (@tcejorpniocanom) May 17, 2018 バージ(XVG) 4月に2千万XVG(時価約1億2千万円相当)の不正獲得事件が起こって間もないバージですが、今月22日、システムのバグを悪用した51%攻撃の被害に遭ったもようです。 今回のハッキングは、同通貨のマイニングプロトコルの欠陥性が悪用されたもので、ブロックの順番を表すタイムスタンプと呼ばれるものが偽装されたことが原因とされています。 これにより、ハッカーは短時間で3500万XVG(約2億円相当)を不正に獲得したと推定されています。 今回のハッキングはBitcointalkのユーザーが指摘したものですが、バージ公式はこれを認めておらず、攻撃は他の原因により生じたと言及しています。 同通貨は大手アダルトサイトの支払い手段として導入されるなど実用化に力を入れていますが、今回の二度目のハッキング事件によって信頼性が大きく疑われています。 ビットコインゴールド(BTG) ビットコインのGPUハードフォークとして登場したビットコインゴールドですが、今月16日から18日にかけて51%攻撃を受け、その被害額は約39万BTG(約2億円相当)に登るとされています。 モナコインと同様、不正にコントロールされたBTGは仮想通貨取引所と犯人のものと思われるウォレットに両方に送金されたことになっているとのことです。 ビットコインゴールドのデベロッパーは、今回の不正なチェーンのサイズが最大22ブロックにも及んだことから、採用を決定するチェーンの長さを50まで延長するようにと助言しています。 まとめ 以上がモナコイン、バージ、ビットコインゴールドのハッキング事件のまとめとなります。 5月24日現時点での情報ですので、追加・変更等あれば随時更新していきたいと思います。
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2018/05/25英国唯一のトルコ人所有モスクが仮想通貨で寄付を受け入れへ
この記事の3つのポイント! 1.英国唯一のトルコ人所有モスクが仮想通貨で寄付を募集 2.寄付には地元のスタートアップ企業が協力 3.同モスクは建物の修繕費用として1万ポンドの寄付を希望している 記事ソース:Hackney Gazette イギリスの地元メディアHackney Gazetteは今月22日に、イギリスのモスクがラマダン期間中の寄付を仮想通貨で受け付けると報じました。 ロンドン郊外のダルストンにあるShacklewell Lane Mosqueは地元のブロックチェーンスタートアップ企業コンボ・イノベーションと提携し、ラマダン中の行事である喜捨(施し)を受けるべく、ビットコインとイーサリアムのアドレスを公開しました。 喜捨とは? イスラム教では経済的に可能な教徒はラマダン期間中に富の2.5%を寄付することが義務付けられています。 英国内では唯一のトルコ人所有のモスクであるShacklewell Lane Mosqueの決断は仮想通貨をイスラム教とは相容れない存在と断定したイスラム教学者やトルコ政府の方針に逆らう結果となりました。 しかし、トルコ政府およびイスラム教学者らの見解は誰しもに認められている訳ではなく、イスラム教徒の中でもそのグローバルな特性に賛成する意見も上がっています。 コンボ社のCEOを務めるガーミット・シン氏は、仮想通貨をイスラム教内で使うことに賛成の意見を持っており、以下のようにコメントしました。 「もし世界の人口の四分の一を占めるイスラム教徒が、ビットコインの1%を保有すれば、喜捨による寄付は26000万ポンドになる。現在は仮想通貨で喜捨を受け入れているイスラム関係の団体はほとんどない。彼らは何百万ポンドもの寄付のチャンスを失っている可能性がある。」 同モスクは現在建物の修繕を計画しており、合計で1万ポンド(約150万円)の調達を望んでいると言います。公開されたビットコインアドレスには記事執筆時点で2,000ドルの寄付が集まっています。 kaz 修繕費ってこんなに高いの?
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2018/05/25米大手取引所Coinbaseが分散型の取引プラットフォームであるParadexを買収
この記事の3つのポイント! Coinbaseが分散型取引プラットフォームのParadexを買収 ユーザーはウォレットから直接ERC20系のトークンを取引できるようになる アメリカ国内の規制やコンプライアンスに対応でき次第国内向けにサービスを展開 記事ソース:Coinbase Acquires Decentralized Crypto Trading Platform Paradex 現地時間で水曜日に、アメリカ・サンフランシスコを拠点とする大手取引所であるCoinbaseが、分散型の取引プラットフォームであるParadexを買収するとの発表がありました。 Paradexは、ERC20系のトークンをユーザーのウォレットから直接取引できるようにするための分散型のリレーを行うプラットフォームを目指しています。 この買収により、Coinbaseのユーザーは現在対応していた『Bitcoin, Ethereum, Bitcoin Cash, Litecoin』の4種類の取引に加えて、様々な通貨が取引できるようになります。 更に、ParadexがCoinbaseのウォレットと統合されることで、ユーザーは取引ペアの追加だけでなくウォレットからParadexを通して直接取引をすることができるようになります。 CoinbaseのCEOであり共同創設者でもあるBrian Armstrong氏はこれに関して、『分散型のインフラへの投資はアメリカ国外からの顧客獲得に狙いがある』と語ります。 今回のParadex買収の発表はCoinbaseの取引プラットフォームの一つであるGDAXのサービス刷新の渦中で行われました。 彼はまた、アメリカ国内の規制やコンプライアンスに関して『ローンチ当初は国外の顧客向けにサービスを展開していくが、これが透明になればアメリカ国内の顧客に対しても提供することが可能となる。Coinbaseは現在これに向けて動いている』と話しました。 shota 分散型のプラットフォームとの統合で更なる流動性を確保できるようになるかもしれないですね。注目です。
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2018/05/24スペイン中銀総裁が「仮想通貨はリスクの方が多い」と発言
この記事の3つのポイント!1.スペイン中銀総裁が仮想通貨は現時点ではメリットよりもリスクの方が多いと指摘 2.理由としては、十分に成熟しておらず、リスクに対処する方法が不十分なため 3.一方ビットコインはスペイン国内では法的に通貨とは見なされていないものの、取引は可能 記事ソース:europa press スペイン銀行の総裁を務めるルイス・マリーア・リンデ氏はブロックチェーンの可能性を認めつつも、現時点ではメリットよりもリスクの方が大きいとするコメントを発表しました。地元メディアのヨーロッパ・プレス・ファイナンシャルが今月23日に報じました。 金融セクターのリーダーが出席する会議において、中銀総裁を務めるリンデ氏はブロックチェーンに対して、「興味深い可能性を秘めた技術」とコメントしつつ、十分に成熟していないとの見解を示しました。同氏は世界がデジタル経済へ移行するには合理的限界を超えない範囲のリスクで、イノベーションを促進する規制が必要だと述べました。 「デジタル経済への移行を推進するには、より大きなサイバー攻撃の可能性を伴うこととなる。手段、資産、さらには顧客のデータを守るための新しい仕組みが開発されることが必要だ。」 仮想通貨のリスクについては、重要な改善が未だ提供されていないとしました。 「仮想通貨は決済手段としての受容性が低く、極端なボラリティに苦しめられている。多くの場合は、複数の脆弱性が発覚し、詐欺や違法行為に関連がある。」 米国議会図書館は、ビットコインはスペイン国内においては合法の通貨として認められていないものの、デジタル商品として扱うことは可能で、そのトランザクションはスペインの民法で定められている物々交換のルールを適用できる可能性があると言います。 kaz スペインもスイスに負けじと頑張って欲しいですねぇ
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2018/05/24エイベックス、子会社「エンタメコイン」設立へ – 事業目的に仮想通貨交換業も追加
エンターテイメント業界大手のエイベックスが今月24日、子会社の「エンタメコイン」を6月に設立すると発表しました。 エンタメコインは2019年からエイベックスグループ及び関連する芸能事業関連者向けにブロックチェーンを用いた決済システムを提供するとされています。 同サービスでは、チケットやグッズの購入、ファンクラブの会員制度などの決済をブロックチェーン・プラットフォームを用いて管理していくものとみられます。 同社は電子マネーの発行及び決済システムの提供、及び仮想通貨交換業の3つを加えた新たな定款案も発表しており、6月下旬の株主総会で承認を得るとされています。 海外では、今回のエンタメコインに類似した映画・音楽業界向けのプロジェクトがすでにたくさん出てきています。 このようなプロジェクトでは、クリエイターが収益を受領したり、ファンがサービスを享受したりするプロセスをより容易にすることが追求されています。 エイベックスのような大手企業が参入することにより、このジャンルのプロジェクトはさらに競争が強まるものと考えられます。
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2018/05/24インド政府が仮想通貨の税率を18%で検討中と報じられる
この記事の3つのポイント!1.インド政府が仮想通貨取引に18%の税金をかけるべく議論を進めていると報じられる 2.インド政府は仮想通貨取引をソフトウェアの提供とみなし、課税する方針 3.インドでは現状仮想通貨関連の規制がなく、今後の仮想通貨に対する姿勢を決める一手となるか 記事ソース:Bloomberg インド政府が仮想通貨のトランザクションにかかる税金を設定しようと検討しているとBloombergが23日に報じました。 その筋に詳しい匿名の情報源によると、間接税を取り仕切る政府中央委員会は18%の税率を仮想通貨取引に無形財として適用するべく議論を進めていると言います。 発表によると、仮想通貨の購入および売却は商品の提供と捉えられるべきであり、商品の受け渡し、会計、ストレージ管理などを容易にするこれらはサービスとして扱われるべきであるとしています。 インド中央銀行はこれまで国民や企業が仮想通貨と関わらないような対策を進めてきましたが、一方のインド政府はこれまで一切の仮想通貨規制を発表していません。もし仮想通貨に対する税制が施行されれば国として仮想通貨産業を受け入れることになります。 Bloombergは記事中で「もし購入者と売却者の双方がインド国内にいる場合、トランザクションはソフトウェアの提供と見なされ、売却者のロケーションが提供元として扱われる」としました。 kaz タックスヘイブンではないものの、日本と比べれば格安か、
特集・コラム
2018/05/24行動経済学から見る仮想通貨【第5回】- ポートフォリオ・マネジメントをめぐるバイアス
Crypto Times公式ライターのYuya(@yuyayuyayayu)です。 「行動経済学から見る仮想通貨」シリーズ第5回となる今回は、ポートフォリオ・マネジメントをめぐるバイアスについてお話したいと思います。 リスク分散に役立つポートフォリオの構築ですが、これを実践するにあたり複数の心理的な壁が立ちはだかります。 今回は、それがいったい何なのかを詳しく掘り下げて解説したいと思います。 なお、今回の記事は中長期のリターンを狙って仮想通貨を保有している人向けの内容です。 行動経済学から見る仮想通貨【第1回】 -仮想通貨を買う人とその動機- - CRYPTO TIMES 行動経済学から見る仮想通貨【第2回】- 仮想通貨ブームとバイアス- - CRYPTO TIMES 行動経済学から見る仮想通貨【第3回】- ハイマン・ミンスキーとビットコインバブル- - CRYPTO TIMES 行動経済学から見る仮想通貨【第4回】- ブロックチェーンの価値をめぐるバブル - CRYPTO TIMES ポートフォリオ・マネジメント ポートフォリオを構築する上で基本となってくるのがアセットの多様化(ディバーシフィケーション)です。 これは、投資資金全てを一つの銘柄やアセットクラスに費やすのではなく、多数のものに分散するというものです。 こうすることにより、一つの銘柄や市場が暴落を起こしても、他でカバーすることができるため、全体的にはリスクが軽減されます。 仮想通貨と他のアセットの相関関係をわかりやすく解説! - CRYPTO TIMES 具体的に、ポートフォリオを数学的に構築したり、インデックス投資(ETFなど)をするなどといった様々なアプローチがあります。 しかし、特に個人投資家にとって、これはわかっていても中々実践する気になれないものだと思います。また、分散していると思っていても、実はできていない場合もあるでしょう。 無意識のうちに特定のアセットを偏って購入してしまう心理にはどのような要素が関係しているのでしょうか。深くみてみましょう。 ファミリアリティ・バイアス ファミリアリティ・バイアスとは、馴染みのある銘柄やアセットクラスを無意識のうちに選り好みしてしまう傾向のことをいいます。 このバイアスを受けてしまうと、特定のアセットばかり偏って購入してしまうせいで、ポートフォリオのリスク分散がうまくいかなくなってしまうという問題があります。 例えば、以下のようなケースでは、ファミリアリティ・バイアスが生まれやすいです。 プロジェクトが日本発だ [カントリー・バイアス] または、同じ地域発だ(アジア圏内など) [ホーム・バイアス] SNSでよく見る [ハーディング] あるいは単純に、有名な企業だ [代表性・可用性ヒューリスティクス] ファミリアリティ・バイアス下では、無意識のうちにこういった馴染みのある銘柄の価格変動に関する情報を掴めているような錯覚に陥ってしまうのです。 しかし、本当に価格に関係する情報は既にリターンやリスク指標に現れています( ※1 )。 従って、中長期投資を行うときは銘柄の名前ではなく数字を見てポートフォリオを組む方が良いといえます。 (※1) 冒頭にある通り、これは中長期型の指標投資に関するもので、効率的市場仮説(EMH)という理論に基づいています。従って、ここでいう「情報」のうち、アービトラージやプライスアクション取引に関するものはリターンやリスク指標には現れていません。 投資家と「慣性の法則」 投資家には「慣性の法則」が働くと言われています。これは、一度静止した物体が静止し続けるように、一度構築したポートフォリオがそのまま触られないことを指します。 しかし、ポートフォリオは資金を一度分散すれば終わりというわけではなく、それぞれのアセットの値動きに応じて定期的に再分散(リバランス)も行わなければなりません。 確定拠出年金利用者などを対象にこの慣性の法則を検証する研究が多数行われており、「買って保有しておく」タイプの個人投資家の多くはリバランスを行わない傾向にあることがわかっています。 慣性が働く理由として、値上がりするまで待ちたい(ディスポジション効果)ですとか、単純に面倒臭い、必要知識がないなどといったものがあります。 このような要素が絡まり合うと、リスク分散をつい怠りがちになってしまいます。機関投資家であれば顧客の資金を扱うのでよりリスクに気をつけますが、個人投資家だと特に放置しがちです。 仮想通貨取引との関連 リスク分散を妨げる心理的な要素をいくつか挙げましたが、これは仮想通貨取引においてどのような関連性があるのでしょうか。 これには、ポートフォリオレベル(全資金)と、アセットクラスレベル(仮想通貨に充てる資金)で別々の解釈ができると考えています。 ポートフォリオレベルでの問題 中長期型の投資をしている人、いわゆるHodler(ホドラー)の多くに当てはまるのがそもそも仮想通貨以外に投資をしていないケースでしょう。 ある機関投資家の意見では、仮想通貨はポートフォリオの1~2%ほどが良いとされています(あくまで機関投資家向けの提案です)。 仮想通貨はリターンも非常に高いため、これをきっかけに投資を始めた人は資金の大部分を株式や債券に移すことに大きな抵抗を感じてるものと考えられます。 ファミリアリティの観点から見れば、仮想通貨市場では個人が徹底してICO精査を行うので、より多くの資金を優良ICOにつぎ込みたくなるものだと思います。 また、市場のリサーチをやり直したくないという理由で別のアセットクラスには手を出していないという投資家も多いと考えられます。 他にもFOMO(投機を見逃す恐怖)や損失を埋め合わせるために価格が上昇するまで資金を動かしたくないという考えもあるでしょう。 アセットクラスレベルでの問題 次に考えられるのが、仮に資金をポートフォリオで管理していたとしても、仮想通貨に充てる資金を少数の銘柄のみにしか投資していないケースです。 リスク分散は、アセットクラス間とアセットクラス内両方で行わなければなりません。ですから、他との割合を考慮して仮想通貨用の資金を準備したら、これもうまく分散しなければならないのです。 しかし、仮想通貨界はSNSやニュースをひときわ強く受けるため、これにつられて少数の通貨にたくさん資金をつぎ込む投資が主流になっているのではと考えられます。 もちろんですが、そもそも優良ICOなどを拾っていく投資をしている場合は話は別です。 しかし、中長期の成長を見込んだ保有もしたい場合は、まず資金の大部分を分散し、一部のみをアクティブ投資するのが安全策と考えられます。 まだ派生商品が少ないという問題はありますが、参考になるインデックスはMVISやCoinbaseなどから出ています。 また、バイナンスにある資金をトップ20に分散、自動で再配分してくれるボットなども存在します。 まとめ リターンとリスクの関係を最適化するこの方法を実践するにあたり様々な心理的な壁が立ちはだかると言うものでした。 仮想通貨投資において、リスク分散をすると言うのは特に難しいことだと思います。市場自体も生まれたてで、有望はプロジェクトもたくさん出てきているからです。 しかし、この先万が一大きな価格の適正化が起こった時のために、できるだけ資金分散を心がけるべきでしょう。 行動経済学からみる仮想通貨シリーズ: 第1回・第2回・第3回・第4回
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2018/05/24ビットコインが下落し、一ヶ月ぶりに8000ドルを割り込む
Coin360のデータによると、ビットコインを含む上位10通貨の仮想通貨相場は大幅な下落を記録し、ビットコインは8000ドルを割り込みました。 主要通貨は軒並み下落 ビットコイン(BTC)は記事執筆時点では7590ドル前後で取引されており、過去24時間で7%の下落となりました。取引高は50から60億ドルに止まり、今月初頭の取引高を大きく下回りました。 一方のイーサリアム(ETH)は過去24時間で11%以上下落しており、記事執筆時点では587ドルで取引されています。イーサリアムの大幅な下落はアルトコインの今月の指標をマイナスまで下げる結果となり、市場は5月初頭の高騰をひっくり返す結果になるのではないかという緊張感が漂っています。 CardanoやIOTA、TRON、EOSなどといった他のメジャーな通貨もCoin360のデータによると、過去24時間で10%近い下落を記録しています。 5月初頭には1800ドルを記録したビットコインキャッシュ(BCH)も9%近い下落を記録し、現在は1026ドル付近で取引されています。ビットコインキャッシュは先週にハードフォークを行い、ブロックサイズの拡張や新たなオペコードの追加を行なったばかりですが、市場の流れにひきづられ大幅な下落となりました。 多数の金融機関が仮想通貨業界への興味を示すも法整備が追いつかず 仮想通貨市場へメインストリームからの資金流入を促進すべくカストディアンサービスを複数の金融機関が発表しましたが、それに反して市場は全体的に下落という結果となりました。 界隈では多くの金融機関が参入するには、さらに堅牢な規制やガイドラインを明確にする必要があり、これを達成しないことには伝統的な金融セクターからの資金流入は難しいとする意見が散見されます。 米商品先物取引委員会(CFTC)は今週初めにより厳しい仮想通貨市場におけるガイダンスを発表しています。シカゴマーカンタイル取引所(CME)とシカゴオプション取引所(CBOE)のビットコイン先物はどちらも下落を記録しており、CMEのCME Bitcoin May(BTCK8)では4.1%、CBOEのCBOE Bitcoin June(XBTM8)では3.70%の下落をそれぞれ記録しました。 一方で、中国の産業情報化部は今週ブロックチェーン産業白書を公開し、中国政府が仮想通貨業界に置けるICO詐欺やピラミッドスキームなどのリスクを懸念しており、政府関連機関はすでに421の偽の仮想通貨プロジェクトを検知しているとしました。