行動経済学から見る仮想通貨【第3回】- ハイマン・ミンスキーとビットコインバブル-
2018/03/29

行動経済学から見る仮想通貨【第3回】- ハイマン・ミンスキーとビットコインバブル-

Yuya【CRYPTO TIMES公式ライター】

YuyaCRYPTO TIMES公式ライター

分散型台帳技術の技術・応用両側面を幅広く学んでいます。

Crypto Times公式ライターのYuyaです。

「行動経済学から見る仮想通貨」シリーズ第二回では、人々が仮想通貨ブームに乗りたがる理由を心理学的な定義から解説しました。

第三回となる今回では、こういったブームがなぜ仮想通貨の価格を激しく上下させるのかを解説し、そして究極の「仮想通貨市場ではバブルが起こっているのか?」という質問にお答えしたいと思います。

ハイマン・ミンスキーのバブル理論


ハイマン・ミンスキー(1919-1996)はアメリカ出身の経済学者で、「バブルを組み込んだ」景気変動の理論を提唱し世界中から注目を集めました。

経済景気にはバブルの発生・崩壊が大きく関わっているとし、バブルには決まったサイクルがあると主張したのです。

上の画像はミンスキーの功績を元にしたバブルのチャートパターンの典型的なものです。

仮想通貨の価格チャートがミンスキーのバブルサイクルチャートに一致していれば、仮想通貨市場もバブルである、と言えるかもしれません。

青字でナンバリングされている部分がバブルの段階と言われています。それぞれ詳しく見てみましょう。

1. きっかけ

バブルの始まりには必ずきっかけがあります。

新たなテクノロジーや低金利などがきっかけとなり景気が刺激されます。これがバブルの種となるわけですね。仮想通貨の場合はもちろんビットコインとブロックチェーンのことを指します。

2. ブーム

きっかけが起こってすぐは価格も低いものですが、いずれメディアからの注目と共にブームが起こります。

市場参入者が毎日のように増え、価格がプラス方向にモメンタムを持ちます第二回でも解説したように、「チャンスを逃したくない」と恐れて市場になだれ込む人々も増え、市場の熱はドンドン上がります。

3. ユーフォリア

チャートの一番大きい山の周辺をユーフォリア(景気の繁栄局面)と呼びます。

価格はまだまだ上がる」「仮にバブルだったとしても、明日崩れることはないだろう」と言って市場のリスクを軽視し、買い上げ続ける人々が後を絶たない場面です(グレーターフール理論)。

4. インサイダーによる利益搾取

資本のもうけが最高水準に達した時、銀行やファンドなど情報・知識のある機関から商品を手放して行きます。

価格が下向きになり、人々はバブルが崩壊し始めたのではと憶測します。

5. パニック

バブルの崩壊が目に見えてわかり始めると、投資家・投機家たちはパニックに陥ります。

取引にはマージンの絡みもあるため、人々はあまり損益のことを考えず、今すぐに商品を手放すことを最優先します。

その結果、商品の価格は急降下します。

6. 後悔と分析

バブルの最大の特徴は弾けるまでわからないというところです。人々はこの段階でようやくバブルの存在を認知します。

中には「このバブルが起こることはわかっていた」と錯覚する(ハインドサイト・バイアス)者も出てきます。

経済は次第に回復し、バブルの起こった商品はより厳しく規制・監視される傾向にあります。

しかし、経済の回復、または相対的に規制の緩い商品の登場などが新たなバブルのきっかけとなる場合があります。

(6)の後(1)に戻るからバブル「サイクル」なんですね!

ビットコインバブルは起こっているのか?

何やら長々と理論を書いてるけど、結局ビットコイン市場はバブルなの?

実際にビットコインの価格チャートを分析してみましょう。

うーん、右端の部分、ミンスキーのバブルチャートにそっくりですね。

バブルなの?」という質問には、「バブルでした」とお答えするのが最適かもしれません。

赤色の丸が付いている部分はなんだか小さい版のバブルチャートに見えますね。小さいバブルをいくつか経験した後に、大きなバブルが弾けた後という感じでしょうか。

今後の展開

バブルが弾けた後なのはわかったけど、じゃあこの後はどうなるの

「バブル」という言葉はその商品の価値が過大評価されているということを示唆します。

土地の価値(日本)や住宅ローンの信用(アメリカ)が過大評価されてバブルになる、と言うのはわかります。過去、あるいは他国の価格・需要・信用を見て相場が出せるからです。

しかし、仮想通貨の場合はどうでしょうか?仮想通貨の本当の価値というのは誰にもわかりません

将来に今回のスケールを遥かに超えるような「バブル」がおこるかもしれませんし、価格が安定して、不換紙幣に取って代わる通貨になるのかもしれません。

逆に、政治的観点やハッキングのリスク等から見捨てられ、高ボラティリティー系金融商品となり続けるかもしれません。

そもそも、分権性や匿名性といった特徴はどのように価格に反映されているのでしょうか。このように仮想通貨のバブルは他の商品のバブルと状況が大きく違うということがわかります。

では、こういった仮想通貨特有のバブルというものを仮想通貨界・金融界の専門家たちはどう見ているのでしょうか。ここからはまた次回解説したいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

参考記事: 5 Steps Of A Bubble

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