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2022/11/05仮想通貨のステーブルコインとは?種類や今後について解説
仮想通貨ユーザーにとって必要不可欠な存在とも言えるステーブルコイン。 先日、EUやシンガポールでステーブルコインに関する制度をより明確化していくことが発表されるなど、その注目度はこれまで以上に増しています。 本記事ではそんなステーブルコインについて解説していくので是非最後までご覧ください。 この記事のポイント ・ステーブルコイン = 価格変動を抑えた仮想通貨 ・ステーブルコインは実用性を持っている ・ステーブルコインの種類は4種類 ・ステーブルコインにはメリットとデメリットがある ・今後の発展には法整備が重要 CRYPTO TIMESの公式Youtubeチャンネルでも、ステーブルコインについて取り上げているのでこちらも併せてご覧ください。 ステーブルコインとは?=価格変動を抑えた仮想通貨 ステーブルコインとは、他の資産にペッグ(=紐付け/連動)されることでボラティリティ(=価格変動)が抑えられた仮想通貨です。 名前にもある「ステーブル(stable)」とは「安定した」という意味なので、まさにその意味する通りの特徴というわけですね。 ステーブルコインの発行者は、基本的にその価値と同額の資産(米ドルや金など)を担保として保有しなければなりません。 ステーブルコインの価格はその担保を裏付けに決定される仕組みであるため、価格の暴落などが起きにくく、より安定性に優れた設計となっています。 なぜステーブルコインが注目されるのか? 従来の仮想通貨の課題 ビットコインをはじめとする従来の仮想通貨は、その価値を裏付ける担保がないため価格変動が激しい(=ボラティリティが高い)という特徴があります。 仮想通貨の価格の暴落などがニュースに取り上げられることも少なくないので、なんとなく不安定なイメージを持つ方も多いことでしょう。 こうした不安定な特徴により、従来の仮想通貨は投機的な保有の傾向が強くなり、決済手段としてなどの「実用性」に欠けていると考えられてきました。 そこで考え出されたのが、より安定的かつ実用的な仮想通貨としてのステーブルコインだったのです。 ステーブルコインの「実用性」 従来の仮想通貨の不安定さという課題に対し、ステーブルコインは安定性に優れているという点は先にも簡単に触れました。 この安定性こそが、通貨としての「実用性」につながると考えられています。 価格の変動が激しくない(=ボラティリティが低い)通貨であれば、資産として長期保有もしやすく、決済手段としても利用しやすいと考えられます。 日常生活でも利用される米ドルや金を担保とすることで価格変動が抑えられるため、ステーブルコインはより安定性と実用性に優れた仮想通貨と考えられているのです。 4種類のステーブルコイン ここからはステーブルコインの種類について解説します。 ステーブルコインは下記の2つの観点で、4つの種類に分類されます。 資産を担保にしているか どのような資産を担保にしているか ① 法定通貨担保型 引用:Tether 法定通貨担保型はその名の通り、実際に利用されている法定通貨(ドル、ユーロ、円など)を担保に発行されるステーブルコインです。 発行者はステーブルコインと同額の法定通貨を保有することが求められ、それによってステーブルコインの信頼性を維持しています。 一点、USDTを発行するTether社の準備金に関して、米国財務省短期証券がその多くを占めていることが分かっている点は留意しておく必要があります。 しかし、後述のステーブルコインと比較しその安定性から現在最も主流なステーブルコインとも言えます。 法定通貨担保型の代表的な例 Tether(USDT) TrueUSD(TUSD) USD Coin(USDC) JPY Coin(JPYC)・・・1JPYC=1円として利用できる日本円ステーブルコイン ② 仮想通貨担保型 引用:MakerDAO 仮想通貨担保型もその名の通り、仮想通貨(ビットコインやイーサリアム)を担保に発行されるステーブルコインです。 仮想通貨はボラティリティ(価格変動性)が高いため、法定通貨担保型と比べると安定性や信頼性に欠けてしまいます。 仮想通貨担保型の代表的な例 DAI ③ 商品担保型(コモディティ型) 引用:Tether Gold 商品担保型(コモディティ型)は、金や原油などの現物の商品の価値を担保に発行されるステーブルコインです。 とくに金は経済が不安定な状況においてもその影響を受けにくく、価値が安定している資産のひとつとして知られています。 代表的なステーブルコインはTether Gold(XAUT)、Digix Gold(DGX)があります。 商品担保型の代表的な例 Tether Gold(XAUT) Digix Gold(DGX) ④ 無担保型(アルゴリズム型) 引用:Terra 無担保型(アルゴリズム型)は、通貨や商品による担保は行われず、アルゴリズムによって価格の安定を図る手法です。 この手法では、別途用意されたトークンの供給量をアルゴリズムによって自動調整することで、価格の変動を抑える仕組みとなっています。 仮想通貨担保型の代表的な例 TerraUSD(UST) TerraUSD(UST)は2022年5月のディペッグ騒動(後述)による価格暴落でも知られており、この一件で無担保型の信頼性に対する懸念は強まる傾向にあります。 【ステーブルコイン崩壊】今回のUST暴落は一体何だったのか?今後を考察 ステーブルコインの3つのメリット ステーブルコインの特徴についてはすでに触れましたが、ここではステーブルコインのメリットをさらに細かく見ていきます。 ボラティリティが低く価格が安定する ステーブルコインは法定通貨などの比較的安定した資産を裏付けに発行されるため、ボラティリティ(価格変動性)が低く、通貨の価格が安定しやすいという特徴があります。 そのため、決済手段など、日常的な実用性に優れると考えられます。 このような普及例はまだあまりないのが現状ですが、仮想通貨を法定通貨とする国の事例が増えてきているように、今後の発展次第では実現の可能性もあると言えるでしょう。 比較的安全な資産保有手段になる 前述の通り、ステーブルコインは暴落リスクが低いという特徴があります。 そのため、従来の仮想通貨に比べ、資産の保有手段としてもより安全性が高いと言えます。 また、資産保護・運用の観点からもポートフォリオに積極的に組み込むことを考えられるでしょう。 資産の一部が暴落した場合のリスクヘッジや、資産の避難先としても活用可能です。 また、今後の発展次第では、外貨預金に代わってステーブルコインによる預金などが普及する可能性もあるかもしれません。 低コストかつスピーディーな送金が可能 ステーブルコインは法定通貨に紐付いていますが、ブロックチェーン上で送金できます。 そのため、より低コストかつスピーディーな送金が可能です。 一方、クロスボーダー取引など国境を越える法定通貨の国際送金の場合、各国の決済システムの違いなどからより多くの時間や手数料を要してしまいます。 ステーブルコインを活用することで、より安価で迅速な国際送金が可能になります。 ステーブルコインの3つのデメリット 価格の安定性が注目されがちなステーブルコインですが、理解しておかなければいけないリスクも存在します。 セキュリティや詐欺のリスクはゼロではない 法定通貨などとの紐付けによって安心・安全のイメージが先行しがちなステーブルコインですが、ブロックチェーン上の仮想通貨であるという点では他と変わりはありません。 そのため、ハッキングなどのセキュリティリスクもあります。 また、担保となる資産の存在を謳いながらも、実際にはそのようなものはないという詐欺の可能性も考えられます。 セキュリティや詐欺に対しては他の仮想通貨と同じく対策・注意が必要です。 暴落するリスクがある(実例あり) 引用:CoinMarketCap ステーブルコインは価格の安定性に定評があるとはいえ、暴落するリスクもゼロではありません。 上の画像は、2022年5月に米ドルに連動するステーブルコインであるUST(TerraUSD)の価格がディペッグ(=連動通貨との価格レートが乖離)する事態となり、結果的に暴落してしまった際のチャートです。 【ステーブルコイン崩壊】今回のUST暴落は一体何だったのか?今後を考察 ステーブルコインといえども暴落リスクはあると理解しておくことが必要であり、過信は禁物です。 各国当局による規制の可能性がある 前述の2022年5月のUST暴落などをふまえ、ステーブルコインの規制強化に関する議論が高まっています。 ステーブルコインはマネーロンダリングなどの犯罪に使用されるリスクも指摘されており、日本では2022年6月に世界に先駆けてステーブルコインを規制する法律が初めて成立しています。 2022年10月には金融安定理事会(FSB)がステーブルコインの脆弱性を指摘しつつ、規制指針の見直しを行うことを提案しました。 このように、現在世界中でステーブルコインの規制強化が進められていると言えます。 今後もし国際的に規制が強化された場合、ステーブルコインの新規上場の減少、ビジネスの撤退なども懸念されます。 もしそうなってしまえば、ステーブルコインの価値そのものが大きく下落してしまう可能性もあるでしょう。 ステーブルコインの今後 最後にステーブルコインの今後の将来性とリスクについて整理してみたいと思います。 将来性:法定通貨担保型を中心に決済手段として普及するか ステーブルコインはボラティリティ(=価格変動性)が低く、価格が安定しやすいことから、投機的な側面が強い現在の仮想通貨市場において特徴的な存在だと言えます。 また、仮想通貨の特性上、低コストかつスピーディーな送金が可能であるため、とくに日常生活における決済手段としての普及が期待されます。 ただし、無担保型はUST暴落によりその信頼性が疑問視されているため、もし普及するとすればやはり法定通貨型が中心となると考えられます。 とはいえ、ステーブルコイン全体に対する規制強化の動きがあるため、普及が期待できるとすればその法整備の先となるのではないでしょうか。 リスク:進む規制強化の波で停滞か、はたまた衰退か 普及が期待される利点がありながらも、UST暴落などによって世界中でステーブルコインに対する規制強化の波があることを説明しました。 ステーブルコインの実用化には期待したいところですが、とはいえ実用化のためには先に法整備が必須となるでしょう。 今後は各国当局の監視も強化されるとすれば、新規上場などの停滞も考えられます。 また、規制強化や法整備の結果によっては市場からのビジネスの撤退を招く可能性もあり、そうなれば市場の停滞に留まらず、衰退につながってしまう恐れもあります。 いずれにせよ、今後のステーブルコインを取り巻く規制の動向に注目する必要があるでしょう。 まとめ ステーブルコインには従来の仮想通貨の課題を克服する可能性があるものの、まだまだ発展途上のためその脆弱性が浮き彫りになることもあり、直近のUSTディペッグ騒動もそのひとつと言えます。 仮想通貨への規制が進められる中で、日本では世界に先駆けて初めての法整備が行われました。 実用化にはまだ遠いかもしれませんが、今後の国内外の法整備も含め、ステーブルコインの未来に注目していきましょう。 CT Analysis第20回レポート『ステーブルコインの概要と現状 動向調査レポート』 Daichi ステーブルコインの実用性には可能性を感じる一方、その普及のためにはやはり法整備は避けては通れない道だと感じます。
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2022/10/29仮想通貨のハッキングとは?手口や実際の事件、対策方法を紹介
全体の時価総額が1兆円を超えるなど成長を続ける仮想通貨市場では日々様々なイノベーションが起きています。 その一方でハッキング事件も多発しており、2022年に発生したRonin Networkの事件では約700億円超が盗難されました。 仮想通貨や関連サービスを使う上で、あなたの資産を守るための知識は必要不可欠となります。 本記事では、仮想通貨のハッキングについて下記観点で解説していくので是非最後までご覧ください。 この記事のポイント 仮想通貨のハッキングとはどのようなものか? どのような手口があるのか? 実際にあったハッキング事件は? ハッキング被害から身を守るための対策は? 仮想通貨のハッキングは資産の流出を招く 仮想通貨のハッキングとは、主にハッカーによって取引所や個人ウォレットなどに不正にアクセスされる行為を指します。 不正にアクセスされるとその取引所や個人ウォレットの資産を自由に送金できることになるので、結果的に資産の盗難・流出に発展します。 また、昨今ではブリッジやDeFiのシステムの穴をついた資金流出も多く発生しており、その方法も多岐にわたるため注意が必要です。 仮想通貨には銀行のような中央管理者はいませんので、誰かが資産を守ってくれるということは基本的にありません。 「ここに預けておけば絶対安心」ということはなく、常にハッキングのリスクと隣合わせであると考えたほうがいいでしょう。 ハッキングの主な手口 では、具体的にどのようなハッキングの手口があるのでしょうか。 ここでは、ハッキングの対象別に3つに分けて説明します。 取引所に対するクラッキング 仮想通貨のハッキングと聞いて真っ先に思い浮かぶのはこのタイプではないでしょうか。 従来の「中央集権型取引所(CEX)」では、取引所内に自分のウォレットを作成する必要があったため、取引所がハッキング(クラッキング)に遭った場合は自分の資産も流出してしまうリスクがありました。 クラッキングとは? コンピュータネットワークに繋がれたシステムへ不正に侵入したり、コンピュータシステムを破壊・改竄するなど、コンピュータを不正に利用すること(引用:Wikipedia) 国内でも取引所のハッキングによる資産流出事件が相次ぎ、金融庁による規制や法整備が進むこととなりました。 また、現在ではCEXの課題の克服を目指した「分散型取引所(DEX)」も主流となっています。 ブリッジやDeFiに対するハッキング 近年増加傾向にあるのがブリッジプロトコルやDEXなどのDeFiで発生するハッキングです。 2022年には、バイナンスのブリッジが攻撃を受け約830億円(当時)が引き出されました。 Solana上のDEX「Mango Markets」では、不正な価格操作が行われ約146億円(当時)の資金が流出しています。 ブリッジやDeFiに対するハッキングはそれぞれ方法が異なり、ユーザーが事前に対処できる点が少ないため、対策をとるのが難しい領域でもあります。 一般的な投資や運用と比較して、多くの利益が望める仮想通貨ですが、その分多くのリスクを孕んでいることを忘れないようにしましょう。 個人資産の盗難 取引所から大規模な資産が流出するのとは対照的に、個人のウォレットにある資産の盗難を目的とするものもあります。 とくに気をつけたいものとして、フィッシングとマルウェアの2つを取り上げます。 フィッシング 仮想通貨だけには限りませんが、フィッシングによる個人情報の抜き取りには要注意です。 フィッシングとは? インターネットのユーザから経済的価値がある情報を奪うために行われる詐欺行為(引用:Wikipedia) フィッシングの手口は実に様々ですが、一例として以下のような手口が考えられます。 利用中のサービスを名乗るアドレスからメールを送信し、本文に記載のURLから偽サイトに誘導、ログインを促してログイン情報を詐取する。 ある企業の公式SNSアカウントを乗っ取り、偽サイトへ誘導するURLを投稿、偽サイト上でパスワード入力を促して詐取する。 実在のウェブウォレットにそっくりな偽サイトを作成し、Google検索のリスティング広告として表示させ、検索によって誤って流入するユーザーに対してシードフレーズ入力を促して搾取する。 マルウェア また、マルウェアなどによる脅威も見逃せません。 マルウェアとは? 不正かつ有害に動作させる意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称(引用:Wikipedia) 仮想通貨関連のアプリやサイトなどにはマルウェアが仕込まれている危険性があり、PCやスマートフォンなどのデバイスが感染してしまう恐れがあります。 また、メールなどで送信されてきたURLにアクセスしたり、添付ファイルを展開したりすることで感染してしまうパターンもあります。 マルウェアに感染してしまうことで、個人情報窃取や、端末の遠隔操作など、様々な被害に遭うリスクが考えられます。 実際に起きた有名なハッキング事件 ハッキングの手口をご紹介したところで、取引所を標的としたハッキング被害の実例として過去にあったとくに有名な事件についてご紹介します。 Mt.Gox(マウントゴックス)事件 2014年3月、日本に拠点を置く仮想通貨取引所であったMt.Gox(マウントゴックス)がハッキングを受け、大量のビットコインが流出しました。 これが取引所に対する初の大規模ハッキングであり、その被害額はおよそ4億7000万ドル、ビットコインを対象とした被害額では現在も最大規模となっています。 この事件は当時国内でも大きく報道され、これによって「仮想通貨=危ない」というイメージを植え付ける要因となったのではないでしょうか。 Coincheck(コインチェック)のNEM流出事件 2018年1月、同じく日本に拠点を置く大手取引所であるCoincheck(コインチェック)がハッキングを受け、5億3200万ドル相当ものNEM(XEM)が流出しました。 ハッキングによる被害額としては、国内に拠点を置く取引所では最高額となっています。 そこから約1年後の2019年にはコインチェックは仮想通貨交換業者として認可登録されています。 金融庁がCoincheck(コインチェック)を仮想通貨交換業者として正式登録!ハッキング事件から実に約1年 Roninブリッジの流出事件 2022年3月、人気ブロックチェーンゲーム「アクシーインフィニティ」のサイドチェーンを開発するRonin Networkが手掛けるRoninブリッジで、700億円超の仮想通貨が流出しました。 上記事件では、約17万ETHと約2500万USDCが流出し、額が大きいことから記録的なハッキング事件として話題となりました。 アクシーインフィニティの開発会社であるSky Mavisはハッキングの被害を受けたユーザーに対して全額償還を行うと約束しています。 ハッキングから資産を守るための6つの対策 では、ハッキングから身を守るためには何が必要なのでしょうか。 ここからは具体的に実行できる対策を6つ紹介します。 個人情報の管理を徹底する パスワードや秘密の質問の答え、シードフレーズなどの管理は、以下のような点に注意して徹底しましょう。 個人情報管理のポイント 他人が予想しにくい文字列にする 複数サービス/サイトで使い回さない オンラインで保管しない 二段階認証を利用する 個人情報をネットワーク接続のあるデバイス内やクラウドメモなどに保管することは、常にハッキングの標的になり得るということですので、絶対にやめましょう。 紙に書くなどのオフラインでの保管を行い、金庫を活用するなど紛失対策も工夫しましょう。 また、二段階認証を利用することで不正アクセスのリスクを一定引き下げることができます。 二段階認証の詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。 二段階認証アプリのメリットから設定方法まで詳しく解説! ハードウェアウォレットを利用する 仮想通貨をオンラインの取引所やウォレットに預けておくことは、ハッキングのリスクと隣り合わせであることを意味します。 そのため、資産をオフラインで保管できるハードウェアウォレットを利用しましょう。 ハードウェアウォレットについての詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。 【ハードウェアウォレットの特徴・メリット】仕組みから簡単に解説 また、CRYPTO TIMESでは他にも様々なウォレットの使い方解説やレビュー記事を用意していますので、ぜひご覧ください。 資産を分散して保管する ひとつのウォレットで資産を一括管理していた場合、もしそこがハッキング被害に遭ってしまうと資産をすべて失いかねません。 そのため、資産を複数のウォレットに分散して保管しましょう。 資産の保管場所を分散させることで、ハッキングによるリスクも同様に分散させることができます。 セキュリティが充実している取引所を選ぶ 強固なセキュリティ対策が充実している取引所を選ぶことも、ハッキング対策のひとつです。 様々な取引所が存在しますが、そのなかから選択するうえでひとつの基準になるポイントを一例としてご紹介します。 取引所選びのポイント 金融庁に認可登録されている・・・金融庁HP 暗号資産関係の「暗号資産交換業者登録一覧」から確認できる コールドウォレットを採用している・・・インターネット接続から切り離されたウォレットに保管することで、ハッキングリスクを一定引き下げる 二段階認証を採用している・・・不正アクセスのリスクを一定引き下げる 怪しいURLや添付ファイルには触れない 怪しいメールアドレスや、SNSの投稿、SMSやDMなどのメッセージから送信されたURLや添付ファイルには決して触れないようにしましょう。 これらのURLや添付ファイルにはフィッシングやマルウェア感染のリスクが潜んでいることがあります。 また、実在のサービスやサイトを模倣したウェブサイトが、Google検索のリスティング広告に紛れ込んでいることもあります。 そのため、よくアクセスするウォレットや取引所などはブックマーク登録し、ブックマークからアクセスすることで、リスクを回避するようにしましょう。 おいしい投資案件は警戒する(もしくは乗らない) おいしい話には何か裏がある、ということはよく言われますが、これは仮想通貨の世界でも同じことです。 高配当を謳う投資案件や、買いを煽るような文言にはまず警戒しましょう。 また、相当な経験や知識がない限り、そのような話には乗らないのが得策でしょう。 絶対的な対策はないからこそ、自分の資産は自分で守る意識を 仮想通貨のハッキングについて解説してきましたが、残念ながら絶対に安心できる対策というものは存在しません。 ハッキングやその他の被害のリスクは常にそこにあり、ゼロになることはないでしょう。 だからこそ、自分の資産は自分で守るという意識を持つことが大切です。 Daichi 自分の利用状況やスタイルにあった対策を見つけられると良いですね!
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2022/10/23シードフレーズとは? | 管理方法、秘密鍵との違いを解説
この記事ではシードフレーズの概要や重要性、保管方法やその注意点について解説していきます。 シードフレーズについて以下のような疑問をお持ちの方はぜひ最後まで御覧ください。 この記事のポイント シードフレーズってなに?なぜ大切なの? シードフレーズはどうやって保管する?注意するべきことは? シードフレーズとは? シードフレーズとはウォレットが生成する12〜24個の単語からなる文字列のことで、ひとつのウォレットに対してひとつのシードフレーズが生成されます。 また、シードフレーズは使用するウォレットによって「リカバリーフレーズ」や「ニーモニックフレーズ」などと呼び方が変わることもあります。 このシードフレーズを使用することで、そのウォレットに関連付けられた暗号資産の「秘密鍵」にアクセスすることができます。 秘密鍵とは、暗号資産の所有者証明、管理するための鍵(機密データ)のことです。 秘密鍵はシードフレーズとは違って、BTCやETHなどの個々のブロックチェーン規格ごとに違うものが生成されます。 シードフレーズと秘密鍵 シードフレーズ・・・ウォレットに保管されている秘密鍵にアクセスするための文字列 秘密鍵・・・所有している個々の暗号資産(NFT含む)の所有者証明、管理に必要な鍵 つまり、暗号資産の送金に必要な秘密鍵を一元管理しているウォレットへのアクセスを可能にするものがシードフレーズということになります。 シードフレーズ、秘密鍵ともに漏洩、紛失は厳禁なものとなっていますので、しっかりと管理をしてください。 ここまでの内容をふまえて、シードフレーズとそれに関連するものを以下のようなイメージで捉えるとわかりやすいかもしれません。 POINT・秘密鍵・・・個々の暗号資産の所有者証明、管理に必要なパスワード ・ウォレット・・・秘密鍵を保管する金庫 ・シードフレーズ・・・金庫そのもののパスワード(=マスターパスワード) シードフレーズはなぜ重要なのか? 秘密鍵は個々の暗号資産の送金に必要なパスワードであり、シードフレーズは秘密鍵を保管するウォレットのマスターパスワードのようなものだと説明しました。 では、もしもシードフレーズが他者に知られてしまうとどうなるでしょうか? シードフレーズを知り得た他者は、あなたのウォレットに保管されている個々の暗号資産の秘密鍵を見ることができるようになります。それはつまり、他者があなたの暗号資産を自由に送金できることを意味します。 そのため、シードフレーズを盗まれることは、すべての暗号資産を盗まれることとほぼ同義だということです。 仮想通貨(ビットコイン)における秘密鍵とは?|Crypto Times また、仮に他者に知られていないとしても、シードフレーズを紛失してしまった場合はどうでしょうか? シードフレーズは紛失してしまうと再発行はできません。そのため、ウォレットの復元ができなくなってしまいます。 ハードウェアウォレットが故障してしまった場合でもシードフレーズさえわかれば復元が可能ですが、シードフレーズがわからないとなると復元する方法はありません。 そのため、シードフレーズの紛失は、すべての資産を失うことにつながる危険性があります。 以上のように、シードフレーズの漏洩・紛失は資産を守るうえでは死活問題であり、シードフレーズはすべてのユーザーにとって非常に重要なものなのです。 POINTシードフレーズの漏洩・紛失により、すべての暗号資産を失う危険性がある! シードフレーズの保管方法は? ここまではシードフレーズの概要を説明しながら、その保管の重要性をお伝えしてきました。 では、具体的にどのように保管するのが良いのでしょうか。 シードフレーズの保管において注意すべき点について解説します。 紙に書き写して保管する シードフレーズは流出やハッキングのリスクを避ける観点では、オフラインで保管するのが最も安全といえます。 そして、オフラインでの保管方法として最も簡単な方法が、紙に書き写すことでしょう。 この方法は手軽ですぐに実践できるという点で良いですが、物理的に紛失・盗難・損傷・劣化するリスクは高いため保管場所に要注意です。 すこし手間がかかりますが、保管場所は自宅の金庫や外部の貸金庫などを検討したほうが良いかもしれません。 どこに置いたか忘れてしまった、家族が誤って捨ててしまった、うっかり濡らしてしまった、火事で焼失してしまった…などなど、様々なリスクが考えられるためです。 また、シードフレーズを分割して複数に分けて保管することも、セキュリティの観点では一定の効果がありそうです。 紙に書き写す方法はハッキングからの保護としてはより安全ですが、一方で保管に手間がかかるものでもあります。 紙に書き写して保管する ▼メリット ・手軽ですぐに実践できる。 ・ハッキングなどのオンラインでの流出の心配がない。 ▼デメリット ・紛失・盗難・損傷・劣化などのリスクがつきまとう。 ・金庫などに保管すればより安心だが、手間がかかる。 暗号化されたハードウェアに保管する デジタルかつオフラインで保管する方法としては、暗号化されたハードウェアでの保管が挙げられます。 最近では、情報漏洩対策として自動で暗号化する機能や、耐衝撃性を有するハードウェアなども販売されています。 ハードウェアの場合でも紛失・盗難のリスクはありますが、暗号化されていればシードフレーズが流出する心配は一定軽減されそうです。 また、ハードウェアの場合は紙と違って、紛失・盗難に加えて故障するリスクもありますので、複数のバックアップを用意しておくことがより重要になるかもしれません。 紙と同じく紛失・盗難や故障のリスクもあることから、こちらも金庫に保管することも考えられます。 デジタルで保管できる点は紙よりも利便性に優れるかもしれませんが、紙と同じく保管に一定の手間がかかってしまうかもしれません。 暗号化されたハードウェアに保管する ▼メリット ・デジタルで保管できて手軽。 ・暗号化されているため紛失・盗難の場合も流出を一定阻止できる。 ▼デメリット ・紛失・盗難に加えて故障のリスクがある。 ・複数のバックアップを用意しておくとより安心だが、手間がかかる。 ・金庫などに保管すればより安心だが、手間がかかる。 シードフレーズ保管専用アイテムを購入する シードフレーズを打ち込んで保護するチタンケースや、シードフレーズを簡易的に暗号化して格納するスチールカプセルなど、様々なシードフレーズ保管専用アイテムが販売されています。 CRYPTOTAG Cryptosteel 最強のコールドウォレットと名高いCryptosteel(クリプトスティール)とは? こうしたアイテムを使用すれば、損傷・劣化などのリスクを避け、長期的な保管が可能になりそうです。 さらに、金庫などでの保管と組み合わせることで、さらに強固な保管体制を実現できそうです。 一方、他の保管方法と比べると費用がかさんでしまうでしょう。 シードフレーズ保管専用アイテムを購入する ▼メリット ・損傷・劣化などのリスクを避け、長期保管がしやすい。 ・金庫などでの保管と組み合わせることで、さらに強固に。 ▼デメリット ・費用がかさんでしまう。 完璧な保管方法は存在しない!自分に合った方法を検討しよう 絶対に安全な保管方法というものは存在しません。 先に述べた4つの保管方法でもわかるように、セキュリティ(安全性)とユーザビリティ(利便性)はトレードオフの関係にあります。 これまで挙げたもの以外にも様々な保管方法がありますが、どのような方法にもメリットとデメリットが存在し、リスクはゼロになることはないでしょう。 そのため、扱う資産額、必要になる費用、手間と利便性などを考え、自分にあった保管方法を検討しましょう。 また、ひとつの保管方法だけを試すのではなく、いくつかの異なる保管方法を併用することでリスクヘッジするのもひとつの方法かもしれません。 初心者がやりがちな失敗!保管の注意点は? シードフレーズの保管に際して、とくに気をつけるべき点について説明します。 保管場所は明確に! いくら堅牢堅固な保管方法を採用したとしても、その保管場所を忘れてしまっては万事休すです。 どこかに大切に保存したことは覚えているけど、どこに保存したんだっけ…?なんてこと、日常ではしばしば起きることではないでしょうか。 書き写しておいたのにどこにしまったのか忘れてしまったというケースは多く、とくに世界的に有名なものにステファン・トーマス氏の悲劇があります。 Stefan Thomas has two guesses left to figure out a password that is worth about $220 million. He is one of the many people who are locked out of their Bitcoin fortunes, with an estimated $140 billion in lost or otherwise stranded digital wallets.https://t.co/thdHaixBq8 — The New York Times (@nytimes) January 12, 2021 米国サンフランシスコ在住のプログラマーであるトーマス氏は10年ほど前に仕事の報酬をビットコインで受け取っており、そのビットコインはデジタルウォレットに保管し、そのプライベートキーを別のハードディスクに保存したとのこと。 その後ビットコインの価値は高騰し、トーマス氏の保有していたビットコインはいつの間にか2億ドル以上(報道当時)にまでなっていたそう。 ところがなんとトーマス氏、大切なプライベートキーを保存したハードディスクのパスワードを書いた紙を紛失してしまったのです…! このような悲劇に見舞われないよう、保管場所については自分ならばわかるような明確な場所にしておきましょう。 オンラインでの保管はNG! 先にも述べたように、シードフレーズの保管はオフラインで行うというのが基本です。 ついつい手軽なスマホやPC、暗号化されていないドライブやクラウドなどに保管してしまいがちですが、それでは流出やハッキングのリスクと常に隣り合わせの状態です。 また、ソフトウェアウォレットMetaMaskの公式ツイッターでも、iPhoneユーザーに対してiCloudによるバックアップをオフにするよう注意喚起をしています。 🔒 If you have enabled iCloud backup for app data, this will include your password-encrypted MetaMask vault. If your password isn’t strong enough, and someone phishes your iCloud credentials, this can mean stolen funds. (Read on 👇) 1/3 — MetaMask 🦊💙 (@MetaMask) April 17, 2022 その他にも、オンラインで保管していたことが一因となって資産を失ってしまった事例がSNSで数多く報告されています。 「まさか自分が…」と油断せずに、必ずオフラインでの保管を徹底しましょう。 入力を求められたら要注意! 暗号資産を取り扱っていると、シードフレーズの入力を求められる場面も出てくるでしょう。 そんなときは入力する前に一呼吸置いて、安全なサイトやサービスであるかどうか必ず確認するようにしましょう。 ネット上ではシードフレーズやその他の情報を抜き取ろうとする詐欺が横行しています。 その手口は実に様々で、他のサービスを名乗ってシードフレーズを求める偽物のサイトや、アンケートと称して入力を促すもの、公式アカウントに似せた偽アカウントを使用してDMでアプローチしてくるものなどがあり、今後も新たな手口が増えていくことでしょう。 MetaMaskの公式ツイッターでも、MetaMaskを模倣した偽サイトへの注意喚起を行っています。 🎣🚨 Phishing warning? 🎣🚨@Google is allowing a phisher to buy sponsored ads on their search results. When using crypto, try to use direct links, and if you need to use search, watch out for sponsored links! pic.twitter.com/Fx4WArcH80 — MetaMask 🦊💙 (@MetaMask) December 2, 2020 その内容としては、Google検索のリスティング広告のなかにも詐欺サイトが含まれる事例があるとのことで、対策としてダイレクトリンクからのアクセスを推奨しています。 このように、シードフレーズを抜き取る詐欺の手口は日々巧妙化しています。 慣れてきてからが一番危ないと言いますが、シードフレーズの入力を求められたらサイトの安全性をしっかりと確認するクセをつけましょう。 まとめ シードフレーズの概要とその重要性、保管方法とその注意点について解説してきました。 暗号資産の世界はまさに日進月歩ですので、常に情報収集を行い、保管方法をアップデートしていくことも大切です。 安心・安全な暗号資産管理のためにも、シードフレーズの重要性を理解し、適切な保管を徹底しましょう。 シードフレーズ、秘密鍵の管理は完全に自己責任になります。ご自身の資産状況に合わせて管理方法を検討してください。
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2022/10/19PolygonScan(ポリゴンスキャン)とは?概要や使い方を解説
PolygonScanは、Polygonのブロックチェーンで発生したさまざまなイベントをチェックできるツールです。 トークンの追加や、トランザクションの状況をチェックするといった用途はもちろん、リサーチにも応用できるツールになっています。 Polygon利用者なら一度は、チェックしてみたい存在であると言えるでしょう。 この記事では、そんなPolygonScanの概要から利用例、使い方について解説しています。 PolygonScanとは?=Polygonチェーンの中身が見れるツール PolygonScanは、Polygonのさまざまな情報を閲覧できるツールです。 具体的には、Polygonのブロックチェーン上の情報を閲覧・確認できるツールとなっており、さまざまなリサーチや自身のウォレットの状況を確認する際などに利用できます。 トランザクションの内容などを詳細に確認できるので、DeFiの利用に伴い重宝する存在です。 送金やDeFiを活用した運用など、何らかの形でPolygonScanのブロックチェーンを利用する方であれば、利用する機会が多いでしょう。 PolygonScanを利用するメリット・利用例 PolygonScanを利用するメリット・利用例について、以下の観点から解説していきます。 ・ブロックチェーンの状態を観察する ・ウォレットやトランザクションの内容を確認する ・何らかのアクションを加える ・プロジェクトのリサーチに活用する PolygonScanの利用例などから、PolygonScanの活用方法をご紹介していきます。 ブロックチェーンの状態を観察する PolygonScanは、Polygonのブロックチェーンのトランザクション、コントラクト、トークンなどの情報を網羅的に閲覧できます。 また、PolygonScan上の情報は、PolygonScanの利用状況に応じてリアルタイムに更新されており「現在/過去にPolygonで何が起こっているのか?」をチェックできます。 ブロック・トランザクションに関するトピックだけでも、例としてPolygonScanでは以下の点が確認できます。 Polygonの過去のトランザクション、ブロックの総量や直近の動向 ガス代の状況と直近でガスを消費しているアカウントや契約 最新のブロックとバリデーター 最新のトランザクションとそれに伴うガス代や使用されたブロック 上記はあくまで一例で、同様の情報がトークンやコントラクトに関してもチェック可能です。 また、上記のような情報は、PolygonScan以外のブロックチェーンのエクスプローラーでも応用できるポイントです。 上記のような点をチェックすることで「ブロックチェーンがどのくらい利用されているのか?どのくらいの需要があるのか?」といった点もチェック可能ですので覚えておきましょう。 Polygonは比較的普及しているブロックチェーンのため、直近の数分間だけでも多数のトランザクションが確認できます。 一方で、利用されていない・普及していないエクスプローラーの場合は、Polygonのようにアクティブなトランザクションが確認できないケースも少なくありません。 ウォレットやトランザクションの内容を確認する PolygonScanでは、前述したような情報が閲覧可能なため、自身のウォレットやそのトランザクションなども閲覧できます。 つまり「自身のウォレットの利用状況・履歴」が全て閲覧可能になるのです。 具体的には、以下のような点がチェックできます。 アドレスの保有しているMATIC 保有しているMATIC以外のトークンと価格 過去の全てのトランザクション履歴 各トークンごとのトランザクション トランザクションで実行した内容やコントラクト 送付先のアドレス トランザクションに対するガス代 また、上記のような情報は、自身のウォレット・アドレス以外でも閲覧できます。アドレスを入力する or トランザクションの履歴から辿ることによって、他のアドレスにおいても同様の情報が閲覧可能です。 上記は自身のアドレスに関する情報も、PolygonScanを通して第三者から閲覧できることを意味するので覚えておきましょう。 何らかのアクションを加える PolygonScanでは、ブロックチェーンやウォレットに関する情報のみならず、何らかのアクションを加える場合や、PolygonScanをソースに何らかのアクションを行う際のツールとしても応用できます。 例えば、「トークンに対する承認を削除する」、「トークンを追加する際のアドレスをチェックする」といった利用方法です。 上記のようなアクションは、Polygon上に構築されたプロダクトの利用などに伴って必要となることが多いです。 プロジェクトのリサーチに活用する PolygonScanは、前述したような情報を閲覧できるため、プロジェクトのリサーチにも活用できます。 例えば、PolygonScanでは各トークンの上位保有者(アドレス)が保有しているトークンの金額や転送履歴などがチェック可能です。 そのため、上位保有者の動向(例えば、運営・財団など)などをチェックすることで、詐欺のリスク下げられる可能性もあります。 もしも、購入を検討しているトークンに、保有者が著しく偏っている状況や怪しい取引履歴などが観測できた場合、リスクが高い可能性があるかもしれません。 *上記はあくまで仮説なので各プロジェクト・トークンに対しては別途詳細なリサーチを推奨します。 PolygonScanの使い方 PolygonScanの使い方について、以下の観点から解説していきます。 ・Polygon全体の状態を確認する ・PolygonScanでウォレットの履歴などを閲覧 ・PolygonScanを利用してトークンを追加 PolygonScanの使い方をマスターしていきましょう。 Polygon(ポリゴン)・Matic Networkとは?概要や特徴、使い方を解説 Polygon全体の状態を確認する Polygonチェーンの全体の状況を、PolygonScanからチェックする方法をご紹介していきます。 PolygonScanへ 「Resources」から「Charts & Stats」へ 各チャートを確認する (クリックで詳細を確認可能) 各チャートはトランザクションの動向やアドレスの総数など、Polygon全体の利用状況が表示されています。 注目したいチャートのそれぞれの意味は、以下のとおりです。 「Daily Transaction Chart」= デイリーのトランザクション数 「ERC-20 Daily Token Transfer Chart」= ERCトークンが転送数 「Unique Addresses Chart」= ユニークなアドレス数 「Average Block Size Chart」= 平均的なブロックサイズ (ブロックのデータの大きさ) 「Average Block Size Chart」= 平均的なブロックタイム (ブロックがブロックチェーンに追加されるまでの時間) 「Average Gas Price Chart」= ガス代の平均 上記チャートを確認して「Polygonの全体の利用状況はどうなっているのか?」といった点をチェックしていきましょう。 PolygonScanでトランザクションの履歴を閲覧・ダウンロードする方法 次に、PolygonScanで自身のウォレット(アドレス)の履歴を、閲覧・ダウンロードする方法をご紹介していきます。 PolygonScanでアドレスを入力 (自身のアドレスはMetaMaskなどのウォレットからチェック可能) 過去のトランザクションなどをチェック スクロールして「CSV Export」からダウンロード可能 「Txn Hash」からトランザクションの詳細もチェック可能 前述したとおり、入力したアドレスの履歴をチェック可能なので、自身のウォレットのみならず、リサーチしたいアドレスを入力することで各情報を閲覧可能です。 また、トランザクションの詳細を表示した際の項目は、以下のような意味を表しています。(チェックしたい項目から抜粋) 「Transaction Hash」 : トランザクションのハッシュ 「Status」:トランザクションの状況 「From」:転送元などのアドレス 「To」:コントラクトと転送先のアドレス 「Value」:トランザクションで動いた価値 特にトランザクションが上手く通らないときなどに、チェックしたいのが「Status」です。 「Status」にて「Success」と表示されていない場合は、トランザクションが保留・待機中か、失敗している可能性があるので注意しましょう。 PolygonScanを利用してトークンを追加する ウォレットにてトークンが表示されない場合は、トークンのコントラクトアドレスを取得してウォレットに追加する必要があります。 以下の手順で、PolygonScanからアドレスを取得し、ウォレットにトークンを追加していきましょう。 PolygonScanで追加したいトークン調べる 「Contract」からアドレスをコピー MetaMaskを開いて「トークンをインポート」へ アドレスをペースト 「カスタムトークンを追加」から「トークンをインポート」へ また、トークン追加の際に調べたPolygonScanの画面から、以下のような項目でさまざまな情報が閲覧可能です。 「Transfer」:過去の転送履歴 「Holders」:アドレスごとの保有数と% 「Info」:トークンに関する簡易的な情報 上記のようなトークン周りの情報を活用して、リサーチも行っていきましょう。 まとめ この記事では、PolygonScanについてさまざまな観点から解説しました。 PolygonScanのようなエクスプローラーは、トランザクションの履歴を取得したりトークンの追加で重宝しますが、そのような用途に限りません。 リサーチなどにも応用できる便利なツールなので、Polygonのブロックチェーンを何らかの形で利用している方は、是非積極的に利用してみてください。 最後まで読んでいただきありがとうございました。 CT Analysis 『PolygonによるzkRollup Polygon zkEVM解説レポート』を無料公開
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2022/10/18メタマスク(MetaMask)でのBNBチェーン(BSC)への接続方法を解説
代表的なウォレットであるMetaMaskでは、イーサリアムはもちろん、BNBチェーン(BSC)上のプロダクトを利用できます。 しかし、デフォルトのネットワーク設定ではイーサリアム関連のプロダクトやトークンしか扱えません。 MetaMaskでBSC上に構築されたプロダクトを利用するには、予めネットワーク設定を行って、BSCと接続できる状態にしておく必要があります。 本記事では、そんなMetaMaskでBSCと接続するための設定方法や手順について解説しています。 MetaMaskでBSCへ接続する方法 MetaMaskを利用して、BSCに構築されたプロジェクトに接続することは可能なものの、イーサリアムと違ってデフォルトの状態での利用はできません。 BSCに接続する前の段階で、BSCのネットワークを予め追加しておく必要があります。 その際に必要となるBSCへ接続する手順について解説していきます。 接続する前に必要となる準備や、手順などについてチェックしていきましょう。 MetaMaskなどウォレットの事前準備 まず、はじめにMetaMaskなどのウォレットを予め作成しておきましょう。 BSCの利用には複数のウォレットを利用可能ですが、最も代表的なのがMetaMaskです。 ウォレットの作成する自体は数分もあれば完了可能で、PC・スマホのどちらからでも利用可能です。 下記2つの記事で、スマホ or PCのMetaMaskウォレットの作成手順や利用方法を解説しています。 PC MetaMask(メタマスク)の使い方まとめ!入出金・トークン追加も超簡単 スマホ MetaMask(メタマスク)モバイル・スマホの使い方を解説! MetaMaskにBSCの設定を追加する手順 次に、MetaMaskでBSCのネットワーク設定を追加する手順について解説していきます。 以下の手順で、MetaMaskからBSCへ接続できるようにしていきましょう。 MetaMaskを開く 画面上部へ 「ネットワークを追加」へ 必要な情報を入力(*後述) 「保存」へ BSCの接続に伴って必要な情報は以下のとおりです。 ネットワーク名:Smart Chain 新たしいRPC URL :https://bsc-dataseed.binance.org/ チェーンID:56 通貨記号:BNB ブロックエクスプローラーのURL:https://bscscan.com 上記の手順を完了することで、BSC上に構築された各プロジェクトとの接続が可能です。 BSCで利用する仮想通貨の準備 最後に、BSC上に構築されたDeFiなどの利用を検討している方は、予め仮想通貨を準備しておきましょう。 特に準備しておきたいのは、BNBです。 というのも、BSCで取引を行う際はガス代(手数料)の支払いにBNBが必要です。 まだ、BNBを利用していない方は、Binanceなどから購入しておきましょう。 BSCで構築されたプロジェクト例 BSC上に構築された代表的なプロジェクトには、以下のようなものが挙げられます。 PancakeSwap (DEX) Venus (レンディング) Alpaca Finance (Yield) BiSwap (DEX) PinkSale (ローンチパッド) (DeFiLlamaを参考にした2022年10月時点でのTVL上位TOP5) 各プロジェクトは、予めBSCのネットワークを追加したMetaMaskを接続することで、利用することができます。 上記の中でも、TVLランキング2位であるレンディングのVenusについては、以下の記事で解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。 DeFiレンディングプロトコル「Venus Protocol」の基本的な使い方・リスクを徹底解説! BSCとMetaMaskの接続についてまとめ 本記事では、MetaMaskのBSCの接続方法について解説しました。 BSCはTVLが高いブロックチェーンの1つであり(イーサリアムに次いで2位)、今後も魅力的なプロジェクトが出てくると考えられます。 予め、MetaMaskにBSCを追加しておいて、気になるプロジェクトが出たときにスムーズに利用できる状態にしておきましょう。 メタマスク(MetaMask)の「Portfolio(ポートフォリオ) Dapp」とは?機能や使い方を解説 【安全対策】メタマスク Revoke(リボーク)の概要と方法
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2022/08/18sudoswapの使い方 – NFTをボンディングカーブ上で効率的にスワップできるAMMプロトコル
sudoswap AMMは、2022年7月にローンチされたNFT向けのAMM(自動マーケットメイカー)です。 ETH/ERC20<>とERC721(NFT)の取引を円滑にするプロトコルで、高いガス効率, 流動性効率を実現し、NFTの取引をより円滑に行うことができます。 リリースから1ヶ月強となる現時点でも、ユーザー数・取引高ともに右肩上がりで増加しており、今後ますます注目を集めることが期待されます。 本記事では、sudoswap AMMの概要や特徴, そしてsudoswap AMMの使い方を解説していきます。 また、CT Analysisでも、より詳細にETHとNFTのAMMプロトコルである sudoswapをまとめたレポートをご覧いただけるので、下記リンクよりご確認ください。 CT Analysis 第34回レポート 概要・基本情報 プロダクト名称 sudoswap AMM ローンチ 2022年7月 ウェブサイト sudoswap.xyz/#/ Twitter twitter.com/sudoswap Discord discord.gg/KWHFhVnfue sudoswap AMMは、2022年7月にローンチされたNFTのトレードをより効率的に行うためのプロトコルです。 プロダクト自体は、@0xmons氏, @boredGenius氏, @0xhamachi氏の3名により開発が行われています。 基本的なアイデアとしては、NFTに流動性プールという概念を導入するというもので、カスタマイズ可能なボンディングカーブ上でNFT<>ETHの自動マーケットメイクを実現します。 OpenSeaやLooksRare, Magic Edenなどのプロダクトと比較して、複数のNFTの流動性を予測可能なボンディングカーブ上で管理するため、トレーダーに対してより高い柔軟性を提供します。 一方で、NFTの絵柄等は意識せず、流動性プール内のNFTは全て同等のものとして扱われる点には注意が必要です。 以下では、sudoswap AMMの主な特徴について解説します。 特徴① カスタマイズ可能なボンディングカーブ sudoswap AMMでは、Uniswapのようなボンディングカーブを利用して、NFTの流動性プールが作成されます。 NFTの購入者は、作成された流動性プールのパラメータに基づき、ボンディングカーブ上の価格でETHをNFTとスワップすることができます。 [caption id="attachment_78318" align="aligncenter" width="800"] 筆者作成[/caption] 上記グラフは、Alice, Bobの2人のユーザーが流動性プールの作成時に設定したボンディングカーブの例になります。 カーブは直線・指数曲線から指定することができ、流動性プール内のNFTの価格は、x*y=kのプール内の在庫に応じた価格モデルではなく、あらかじめ指定した価格レンジで推移します。 ボンディングカーブ上の各ポイントは、スワップ時には売り板となるため、実質的にこのボンディングカーブはオンチェーン上のオーダーブックとして機能します。 この仕組みにおいては、レンジを無限に設定するAMMと比較し、一定の価格帯に流動性を集中させることができ、これが流動性効率やガス効率の改善につながっています。 特徴② 取引手数料 sudoswap AMMの手数料は0.5 %に設定されており、これは他のマーケットプレイスと比較しても大幅に低い水準となっています。 sudoswap AMM 0.5%がプロトコルに OpenSea 2.5%がOpenSeaに Magic Eden 2%がMagic Edenに LooksRare 2%がLOOKSステーカーに分配 その他のプラットフォームの手数料スキームに注目すると、LooksRareでは、手数料の分配先に関して透明性がある形でLOOKSステーカーに対して分配が行われますが、OpenSea, Magic Edenでは、プラットフォームに吸収される形となっています。 sudoswapでは、現在はプロトコルに手数料が蓄積される形となっていますが、コントラクト上で透明な形で管理されており、今後sudoswapのトークンがローンチされると、LooksRareのようにインセンティブが付与される可能性も考えられます。 sudoswap AMMの使い方 続いて、sudoswap AMMの使い方に関して解説していきます。 sudoswap AMMでは、NFTを購入するユーザーと流動性プールを作成するユーザーの2種類の参加者が存在します。 まずは、基本的なNFTの購入の方法について解説します。 sudoswap AMMでNFTを購入する方法 sudoswap AMMのトップページに行くと、以下のような画面に遷移します。 画面中央の"View All Collection->(全てのコレクションを見る)"をクリックすると、sudoswap AMM上に作成された流動性プールのコレクション一覧画面に遷移します。 次に、Collections画面から、購入したいNFTのコレクションを選択します。 ここでは、最もリスティング枚数の多いZorbsと呼ばれるコレクションを選択しています。 コレクションを選択すると、以下のように現在作成されている流動性プール内に存在するNFTが価格の一覧で表示されます。 この画面で、購入したいNFTを複数(一つでも可)を選択することで、画面右側のカートにNFTが追加され、購入価格の見積もりが表示されます。 最後に、画面右下の"> sudo swap"をクリックし、Metamaskからトランザクションを承認することで、NFTの購入が完了します。 画像では、5枚のNFTを合計0.166ETHで購入(スワップ)するトランザクションを作成しています。 流動性プールを作成する方法 続いて、流動性プールの作成方法について解説していきます。 sudoswap AMMでは、NFTを出品する際には、個別の出品ではなく流動性プールを作成することで任意の価格を指定するため、出品は流動性プールの作成により行うことができます。 まずは、NFTの購入同様にsudoswap AMMのトップページへと遷移します。 トップページ右上、"Your Pools"をクリックし、その先の画面中央にある"+ Create New Pool"から先に進みます。 NFT側の流動性を作成 "+ Create New Pool"画面に移動すると、以下のような3つの選択肢が表示されます。 ここでは、NFTのコレクションをsudoswapで出品し、流動性プールを作成するため、画面中央の"Sell NFT for tokens"を選択します。 次の画面では、実際にプールにデポジットするNFTのコレクション、そして販売するトークンを選択します。 NFTの選択とETHの選択が完了したら、右下の赤枠から次の画面に進みます。 続いて、特徴①でも紹介したボンディングカーブや、出品価格の選択を行います。 画面は以上のようになっているはずです。 ここでは、以下の4つのパラメーターを、画像赤枠部分で左上から設定していきます。 カーブの最低価格 カーブの種類 Delta(デルタ) NFTの販売数量 今回は、0.02ETHのスタート価格、直線カーブ(Linear Curve)、Delta(デルタ)を0.005ETH、販売数量を10枚で設定していますので、以上の画像赤枠部分と照らし合わせてご確認ください。 Delta(デルタ)は、カーブの傾きであり、直線カーブを選択した場合、流動性プール内のNFTが売れた際、次のNFT価格に付加する金額を指定できます。 このケースでは、画面下のグラフにあるように、NFTがスワップされるごとにプール内のNFT価格は0.02ETHから0.005ETHずつ上昇していきます。 指数曲線のカーブ(Exponential Curve)を選択した場合、Deltaは金額ではなく、販売あたりの価格上昇の%を指定します。 パラメーターの入力方法が若干異なる点に注意しつつ、画面内でさまざまな条件をシミュレートして、条件を比較していくと理解しやすいかもしれません。 ここまで、設定が完了したら、画面右下の"Next Step >"から次の画面に進みます。 ここが最後の画面となります。 画像中央の赤枠で示されている"Select Your NFTs"から、流動性プールに追加するNFTを選択し、最後に"Approve(承認)"を押します。 Approveが完了すると、画像内"Approve"ボタンが"Create Pool(プールを作成する)"に変化するので、ここからトランザクションを作成し、Metamaskで承認することで、流動性プールの作成は完了となります。 画像のケースでは、10枚のNFTをデポジットし、合計0.425ETHで販売するボンディングカーブを設定した流動性プールを作成するトランザクションとなっています。 ETH側の流動性を作成 ETH側の流動性、つまりボンディングカーブ上で買い指値を作る際は、NFTの流動性プール同様に"+ Create New Pool"画面に移動します。 先ほどと同じ画面に遷移するので、ここでは"Buy NFTs with tokens(トークンでNFTを購入)"をクリックし、次の画面へ進みます。 次の画面では、ETH側の流動性を作成するため、"Select Token(トークンを選択)"でNFTの購入に利用するためのETHを選択、"Select NFT(NFTを選択)"で購入したいNFTのコレクションを選択します。 "Select NFT"のドロップダウンに希望のNFTが表示されないケースもありますので、その場合はコントラクトアドレスを直接入力することで、コレクションを特定することができます。 選択が完了したら、次へ進みます。 ここでは、以下の4つのパラメーターを、画面赤枠左上から設定していきます。 カーブの開始価格 カーブの種類 Delta(デルタ) NFTの購入数量 画像では、0.008ETHの開始価格、指数曲線(Exponential Curve)、Delta(デルタ)を5%、NFTの購入数量を10枚として設定しています。 今回は指数曲線を選択しており、このケースにおけるDelta(デルタ)の数値は、1つのNFTを購入するごとに減少する価格の%を表しています。 直線で選択した場合、Delta(デルタ)は増加する価格の値幅を絶対値として指定する一方で、指数曲線におけるDelta(デルタ)はプール内の在庫の変動ごとに%で変動する値幅を指定している点に注意してください。 設定が完了したら次に進みます。 最後に"Create Pool(プール作成)"をクリックし、MetaMaskを通じてトランザクションを作成することで、流動性プールの作成が完了します。 画像のトランザクションでは、ボンディングカーブ上でNFTを購入する10ヶ所の価格を合算した数値である、0.064ETHをデポジットしています。 両サイドの流動性を作成 これまで、NFTをデポジットし流動性プールを作成する方法と、ETHをデポジットして流動性プールを作成する二種類の方法を解説しました。 最後に、これを同時に実施することで、買いと売りのスプレッドから収益を獲得する、両サイドの流動性プール作成方法を解説します。 まず始めに、プール作成画面で、一番右の"Do both and earn trading fees"を選択します。 続いて、流動性プールに追加するNFTコレクションとETHを選択します。選択が完了したら次の画面に進みます。 この画面では、プールの詳細なパラメーターを設定していきます。画像左の赤枠内から見ていきます。 基本的にはこれまで説明してきた内容と同様となりますが、手数料(Fee Amount)の項目が追加されています。 両サイドの流動性を同時に作成することで、開始価格を基準として売りと買いの間にスプレッドを設定し、sudo上でのスワップから収益を獲得することができます。 設定内容は画像の通り下記4点になります。 手数料(スプレッド)の設定 開始価格の設定 カーブの種類の選択 デルタの指定 画像では、開始価格0.01ETH、直線カーブ、デルタ0.0005ETH、スプレッドを2%に設定しています。 ここでの注意点として、購入価格がマイナスに達するようなデルタは設定することができません。 例えば、0.01ETHの開始価格に対して、0.004ETHのデルタを設定すると、3枚購入した時点で購入価格はマイナスとなるため、この条件では2枚までしか買い側の流動性を追加できないことが分かります。 この場合、デルタを小さくするか、ETH側の流動性(購入するNFTの数量)を小さくして、枚数と価格を調整する必要があります。 画面右側では、流動性プールの作成に際して、何枚のNFTの購入/売却を行うかを決定していきます。 全てのパラメーターの設定が終わると、スライダーを利用して、このカーブを採用する流動性プールの作成に必要なコストが自動で算出されます。 画像のケースでは、最大10枚のNFTを合計0.069ETHで購し、最大10枚のNFTを0.122ETHで売却するようなカーブを採用した流動性プールを設定しています。 設定が完了したら次に進みます。 最後に、"Select Your NFTs +(NFTを追加)"から、実際に流動性プールに追加するNFTを選択します。 その後、"Approve(承認)"をクリックし、MetaMaskからトランザクションを作成することで、流動性プールの作成が完了します。 まとめ この記事では、sudoswap AMMの具体的な使い方を紹介しました。 OpenSeaなどのこれまでのマーケットプレイスと異なり、プールを作成してNFTを売却するため、操作に不安を感じられた方もいるかと思いますが、この記事を読んで使い方を理解することができたのではないでしょうか。 ボンディングカーブを採用するNFTの売買のインフラとしてsudoswap AMMは今後一定の地位を獲得する可能性があります。 また、トークン発行の可能性もないとは言い切れず、プロダクトを早い段階で利用しておくことも決して期待値の低くないアクションであると言えます。 新規のプロダクトであり、ハッキング等のリスクもないとは言い切れないため、利用の際はこれらのリスクを十分にご理解の上、少額で行うことをおすすめします。 また、CT Analysisでも、より詳細にETHとNFTのAMMプロトコルである sudoswapをまとめたレポートをご覧いただけるので、下記リンクよりご確認ください。 CT Analysis 第34回レポート
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2022/07/20DeFiとは?ジャンル別に徹底解説 | 代表プロジェクトも紹介
TVL(Total Value Locked)が2022年のピーク時では約$210b(約29兆円)にのぼるなど、金融分野に革命を起こしているDeFi。 しかしDeFiにはさまざまなプロダクト・ジャンルが存在しており「正直よく分からない」という方も多いかと思います。 本記事ではそのような方に向けて、DeFiの概要から注目したい代表的なさまざまなプロダクトをジャンル別にご紹介していきます。 混沌としているDeFiについて、本記事を参考に把握し数十年に一度の時代の変化について押さえていきましょう。 成熟しつつあるDeFi DeFiは「Decentralized Finance」の略で、日本語では分散型金融と訳されます。 DeFiとは、既存の古い金融サービス・エコシステムに取って代わるよう仕組みを、イーサリアムといった分散型のチェーンを活用することで、非中央集権的な金融サービスを実現する仕組みや枠組みの総称です。 DeFiは、既存の金融システムと比較して以下のような特徴を持っています。 既存の金融システム DeFi センサーシップ データは自分だけのもの 一部の人々しかアクセスできない オープンで誰もがアクセス可能 ブラックボックス 高い透明性を持つ カウンターパーティーリスク 検証可能なコード CT analysisの「2022年5月度版DeFi市場レポート」のデータでは、代表的なイーサリアムにおける*TVLは12兆円を超えています。 *TVL = Tatal Vallue Lockedのことで、ここではチェーンにロックされている金額を指す これはあくまでイーサリアムのみの数字であって、BSCやAvalancheといった他のチェーンを含めると、DeFiにロックされている金額はより多くなります。 記事執筆時点では、市場全体でロック総額が落ち込み気味ではあるものの、すでに非常に大きな規模になっていることが分かるでしょう。 CT analysisでは、各チェーンのTVLやDEX出来高、各月で発生したDeFi関連の注目ニュースなど、DeFi市場に関するレポートを毎月無料で公開しています。 毎月のDeFi市場をまとめて無料でチェック可能となっているので、DeFiに少しでも興味がある方はぜひレポートをご覧ください。 CT Analysisのレポートへ DeFiの3つのジャンル「DEX」「レンディング」「デリバティブ」 「具体的に分散型金融と言ってもどんなものか分からないし想像できない・・・」という方も多いはずです。 そのため、これから多数のプロダクトがローンチされているDeFi領域において、人気の高いジャンルを以下の3つから解説していきます。 ・DEX ・レンディング ・デリバティブ DeFi市場において人気の高いジャンルをチェックしていきましょう。 DEX おそらく、最もイメージしやすく分かりやすいDeFiのジャンルが「DEX」です。 DEX(Decentralized Exchange)は、日本語で「分散型金融所」を指します。 ブロックチェーンの技術を活用して構築された分散的な取引所のことで、DEXを活用すれば企業や業者などの仲介者を挟まずとも、コントラクトを通して仮想通貨の取引が可能です。 2022年5月におけるDEXの出来高は16兆円を超えており、これはCEX(中央集権的な取引所)における出来高の10%以上に相当します。 数ヶ月単位で見て、対CEXとの%が伸びていることが分かるでしょう。 レンディング レンディングは「資産の貸し借り」が可能なプロダクトのことです。 レンディングでは、DEXと同じく企業や業者などの仲介者を必要とせずに、仮想通貨を貸したり借りたりすることができます。 レンディングを活用すれば、自身が保有している仮想通貨を貸し出して利息を得たり、貸し出したものを担保に借り入れを行うことができます。 デリバティブ 最後のジャンルが「デリバティブ」です。 DeFiにおけるデリバティブでは原資産を元にした取引はもちろん、既存の金融システムにもあるようなさまざまなデリバティブ取引を、仲介者不在で実現しています。 DeFiにおけるデリバティブで扱われている商品や取引は多種多様ですが、各資産などをトークン化しブロックチェーン上に実装していることが多いです。 DEXやレンディングと比較して規模は小さいものの、運用上のリスクヘッジとしての活用が期待されており、今後DeFiがより成熟していく上で、重要になっていくと見られています。 DeFiのジャンル別の代表的なプロダクト これから、前述した「DEX」「レンディング」「デリバティブ」の中で、代表的なものや知名度の高いプロトコルやプロダクトをご紹介していきます。 各ジャンルの代表的なプロダクトをチェックして、DeFiの実例や提供されているサービス、特徴の違いなどをチェックしていきましょう。 DEX系プロダクト3選 DEX系の代表的なプロダクトには、以下の3が挙げられます。 ・Uniswap ・PancakeSwap ・Curve Uniswap チェーン イーサリアム、Polygon、Arbitrum、Optimism ティッカー UNI 1日あたりの取引高(2022年7月3日時点時点) 約710億円(V3) TVL(2022年7月3日時点時点) 約6,000億円 Uniswapは、記事執筆時点で取引高No.1のDEXです。(DEX間での取引高) Uniswapを模倣したプロジェクトは多数見られますが、依然としてDeFiやAMMの領域において代表的な存在となっています。 2022年6月には、NFTアグリゲーターであるGenieを買収したことを発表し、今後Uniswap関連のプロダクトとの統合される旨も発表されました。 今後も注目していきたいDeFi領域におけるプロダクト・プラットフォームに挙げられます。 分散型取引所プロトコル「Uniswap」の登録方法と使い方を徹底解説 PancakeSwap チェーン BSC ティッカー CAKE 1日あたりの取引高(2022年7月3日時点時点) 約200億円(V2) TVL(2022年7月3日時点時点) 約4,000億円 PancakeSwapは、BSCで最も高い取引高・TVLを持つDEXです。 基本的な仕様はUniswap・Sushiswapといったイーサリアムに展開している代表的なDEXと大きな違いはありません。 BSCで最も取引高の高いDEXという点から、BSC版のUniswapに近しい存在であると言えるでしょう。 PancakeSwapがNFTマーケットプレイスを開発していることを発表 Curve チェーン イーサリアム、Polygon、Avalanche、Fantom、Arbitrum、Gnosis、Optimismなど ティッカー CRV 1日あたりの取引高(2022年7月3日時点時点) 約160億円 TVL(2022年7月3日時点時点) 約7,000億円 Curveは、何らかの資産と価格が連動しているペッグ系のトークンのみを専門に扱っているDEXです。 USDT・USDC間や、wBTC・sBTC間などを取引可能になっています。(Synthetixの枠組みを活用することで異なる資産間の取引も対応) スリップページが発生しにくいなど、さまざまなメリットが見られます。 ソフトペッグトークン専用AMM DEX「Curve」の基本的な使い方・リスクを徹底解説! レンディング系プロダクト3選 次に、レンディング系の代表的なプロダクトを以下の3つからご紹介していきます。 ・AAVE ・Compound ・Venus AAVE チェーン イーサリアム、Polygon、Avalancheなど ティッカー AAVE TVL(2022年7月3日時点時点) 約9,000億円 AAVEは、記事執筆時点で最もTVLの高いレンディング系のプロダクト、プラットフォームです。 多数のチェーン・トークンに対応しており、選択肢が非常に多いです。 また、通常のレンディング系のプラットフォームでは需要と供給に応じて金利が変動するのが一般的ですが、AAVEでは設定時には不利な金利となるものの、固定金利が設定できるといった特徴を持っています。 DeFi市場におけるレンディングプロトコル「Aave」の基本的な使い方・リスクを徹底解説! Compound チェーン イーサリアム ティッカー COMP TVL(2022年7月3日時点時点) 約4,000億ドル Compoundは、記事執筆時点でTVL第2位に位置しているレンディングプラットフォームです。 他のレンディンと比較するとトークンのバリエーションが少ないものの、大きな規模を持っているレンディングプラットフォームであると言えるでしょう。 DeFiレンディング「Compound」の基本的な使い方を徹底解説!金利を稼ぐ手段まとめ Venus チェーン BSC ティッカー XVS TVL(2022年7月3日時点時点) 約1,000億円 Venusは、BSCのレンディング系のプロダクトです。 BSCにおいて最も高いTVLを持っており、BSCにおける代表的なレンディングプロダクトに挙げられます。 基本的なレンディングとしての機能を持っているのはもちろん、貸し付けた資産を元にVAIというドルと価格が連動しているトークンを発行できるといった特徴を持っています。 DeFiレンディングプロトコル「Venus Protocol」の基本的な使い方・リスクを徹底解説! デリバティブ系の代表格・Synthetix チェーン イーサリアム ティッカー SNX TVL(2022年7月3日時点時点) 約500億円 Synthetixは、デリバティブ系のプラットフォーム・プロダクトの代表格の1つに挙げられます。 Synthetixは、合成資産と呼ばれるデリバティブの金融商品をトークン化したものを扱っています。 利用者はSynthetixのSNXを担保にして、合成資産を発行可能です。 Synthetixの登場によって、今後オンチェーンに存在しないような商品も、チェーン上で取引できるようになるかもしれません。 【収益トップクラス】合成資産プロトコル「Synthetix」の概要や使い方を解説 【知っておきたい】L2ソリューションについて これまで、レンディングやDEXなどをご紹介してきましたが、「Layer2(以下L2)」のソリューションを活用するとDeFiはさらに便利になる可能性を秘めています。 L1のチェーン(イーサリアムであればイーサリアムメインネット)で処理しきれない計算を、L2のソリューションで代替することで、ガス代軽減や処理速度の向上が期待できます。 前述したようなプロダクトの中にも、トランザクションが集中してくるとガス代が高騰するケースも多いです。 DeFiを利用する過程で、ガス代や処理速度にストレスを感じたら利用を検討するのがおすすめです。 L2の中でもロールアップ系のものは、以下の2点をすでに詳細に解説していますので、ぜひご覧ください。 ・L2ネットワーク「Arbitrum One」の概要や設定方法、基本的な使い方からリスクまで徹底解説! ・L2ネットワーク「Optimistic Ethereum」| 概要・使い方・リスクまで徹底解説! まとめ 本記事では、さまざまなDeFiについてご紹介しました。 クリプトの業界では日々新たなDeFiプロダクトが登場するだけでなく、既出のプロダクトであっても魅力的なアップデートが日々実装されています。 DeFiの領域は、今後も注目していきたいトピックの1つであると言えるでしょう。 是非本記事を参考に、DeFi情報のピックアップにご活用ください。 最後まで読んでいただきありがとうございました。
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2022/02/08「ゼロ知識証明とzk-SNARKs」を初心者にもわかりやすく解説!
ビットコインなどの一般的なパブリックチェーンは、ブロックエクスプローラを利用することで、他人のものも含め全てのトランザクションの内容を自由に閲覧することができます。 トランザクションの内容には送金者と受取人のパブリックキー(ウォレットアドレス)や送金額なども載っているため、特定のウォレットの資産の行き先などを追跡することができてしまいます。 こういった特徴は分散型台帳の大事な要素である一方、「誰がどこにいくら送ったか」がわかってしまうことに不便さを感じることも確かです。 そこで昨年から注目されているのが、「ゼロ知識証明」というコンセプトを基にしたzk-SNARKsというテクノロジーです。 同テクノロジーを利用したブロックチェーンでは、「トランザクションが正当に行われた」という情報を一般に開示する代わりに、上記のような取引内容を完璧に隠すことができます。 こちらのページでは、そのゼロ知識証明とzk-SNARKsとはいったいどのような仕組みなのかを、初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきたいと思います。 ゼロ知識証明とは ゼロ知識証明とは1985年に初めて定式化されたコンセプトで、証明者(prover)と検証者(verifier)の二者間で行われるある「対話」を意味します。 この対話では、証明者がある秘密を知っていることをその秘密の内容を明かさずに検証者に証明します。 数学的には「命題が真であることを、それ以外の情報を与えずに証明する」といいます。 このコンセプトは、分散型ネットワークのプライバシーを保つ上でとても役立つもので、zk-SNARKsと呼ばれる応用型がZCashやQuorumなどのブロックチェーンで利用されています。 ジャン=ジャックの洞窟 ゼロ知識証明を簡潔に説明できる例として、ベルギーの暗号学者・ジャン=ジャック・キスケタが提案した「洞窟の問題」があります。 [caption id="" align="aligncenter" width="274"] ウィキペディアより[/caption] この例では、ピンク色の服を着た証明者Pさんが、緑色の服を着た検証者Qさんに、 上図のような洞窟の最奥部にある扉を開けるパスワードを知っていることを証明します。 Pさんは洞窟の入り口で、最奥部に到達するルートAまたはBをランダムに選んで進んでいきます。ここでは、PさんはルートAを選んだものと仮定します。 Pさんが最奥部に到達するまで充分な時間が経過した時点で、洞窟の外で待機していたQさんがルートAまたはBをランダムに選び(中へは進まない)、Pさんに選ばれたルートから戻ってくるように叫びます。 ルートAとBを仕切る扉のパスワードを知っているPさんは、ルートAから戻るように言われれば来た道を戻ることができ、ルートBが選ばれたケースでは扉を解錠してBから戻ることができます。 この作業を何度か繰り返して、Pさんが毎回正しいルートから帰ってくれば、QさんはPさんが本当にパスワードを知っているということを、パスワード自体を知ることなく確認できます。 ノンインタラクティブ型 ゼロ知識証明の例をもう一つ挙げます。こちらは、「ノンインタラクティブ型」と言われるタイプの証明になります。 証明者Xさんは、5点満点のテストで「Yさんと同点ではないこと」を検証者Yさんに証明します。ここでは、Xさんは5点、Yさんは3点を取ったと仮定します。 まずXさんは、5つの施錠された箱を用意します。それぞれの箱には1点、2点、3点、4点、5点と点数がふられています。 Xさんはそれぞれの箱の鍵をYさんに渡し、部屋を退出します。退出を確認したYさん(検証者)は、自分の点数(3点)以外の箱の鍵(1, 2, 4, 5点)をその場で捨てます。作業が終わると、Yさんは退出します。 今度はXさんが、自分の点数が書かれた箱(5点)の蓋の隙間から丸印のついた紙切れを入れ、それ以外の箱(1, 2, 3, 4点)にバツ印のついた紙切れ滑り込ませます。 再度XさんとYさんが部屋を入れ替わり、Yさんは鍵を使って3点の箱を開けます。中に入っている紙切れは必然的にバツ印であることから、YさんはXさんと同点ではないことがわかります。 しかし、Yさんは、Xさんの点数が自分より良かったのか、悪かったのかはわかりません。 この例は、洞窟の問題と違い、XさんとYさんの直接のやり取りを必要としません。このようなゼロ知識証明を「ノンインタラクティブ型」と呼びます。 ゼロ知識証明のルール ゼロ知識証明には、証明者による不正を最小限に抑えるために守るべきルールが定義されています。 ひとつめは、完全性(completeness)と呼ばれるものです。これは「証明者が秘密を持っていることが本当ならば、検証者はそれが本当であることが必ずわかること」を意味します。 例えば、洞窟の問題では、証明者Pさんがパスワードを知っているなら、検証者QさんはルートA、Bをランダムに選ぶ作業を繰り返すことででPさんが本当にパスワードを知っていることを確認できます。 ふたつめは、健全性(soundness)と呼ばれ、「証明者が秘密を持っているという嘘をついている場合、検証者は高確率でその嘘を見抜ける」というものです。 洞窟の問題で証明者Pさんが嘘をついていた場合、Pさんは最奥部の扉を解錠できないため、来た道(上記の例ではルートA)から戻るほかに選択肢がありません。 検証者Qさんがランダムに選ぶルートがAである確率は50%であることから、この作業を繰り返していけば、Qさんが毎回Pさんによって選ばれたルートから戻ってくる確率は極端に低くなります。 証明の回数を重ねるごとに証明者Pさんが不正を働ける確率が低くなるため、QさんはPさんが嘘をついていることを高確率で見抜ける、ということになります。 最後に、ゼロ知識証明はゼロ知識性(zero-knowledge)というものを満たさなければなりません。これは、検証者が証明の結果得られる知識は、証明者の命題が真であることのみであるという意味です。 洞窟の例では、検証者は証明者がパスワードを知っていること(命題)が本当であることは確認できますが、そのパスワード自体を知ることはできません。 zk-SNARKsとは? 匿名性の高いことで有名な暗号通貨・ZCashなどは、zk-SNARKs(ゼットケー・スナーク)と呼ばれるゼロ知識証明の応用型をトランザクションの記録に利用しています。 ZCashでは、第三者が得られる情報は「トランザクションが正当に行われた」という命題が真であることのみで、送金者や受取人、送金額などといった情報は確認できません。 zk-SNARKsのzkはZero-Knowledge(ゼロ知識)を意味し、SNARKはそれぞれ以下の略称となっています。 Succinct (簡潔) - 証明結果は証明のプロセス(計算)に比べサイズが軽い。証明プロセスをノンインタラクティブ型にすることで、証明結果の容量を節約できる。 Non-interactive (ノンインタラクティブ) - トランザクションの正当性を確認したい検証者が、証明者と直接やり取りせずに証明を確認できる。 ARgument - 証明者の計算能力には限りがある。並外れた計算能力を持つ証明者は、力づくで暗号を解き、虚偽の証明を提出できてしまう。 of Knowledge - 証明者は、取引に関与するウォレットのアドレスなどといった知識を前もって知っていない限り、証明を作成することはできない。 証明が簡潔かつノンインタラクティブ(証明者から検証者へメッセージを送るだけ)であることで、ブロックチェーン上に記録する内容を少なく抑えることができる、ということになります。 Argument of Knowledgeは、zk-SNARKsが満たすべき仮定、と考えることができます。 zk-SNARKsはZCash以外にも、米JPモーガンのQuorumでも実装されているほか、イーサリアムでも実装を検討していることがわかっています。 【ゼロ知識証明】プライバシー銘柄「zCloak Network」とは?テストネットのやり方も解説 まとめ ゼロ知識証明とzk-SNARKsについて、大事な点をもう一度確認しておきましょう。 おさらい ゼロ知識証明とは「命題が真であることを、それ以外の情報を与えずに証明する」ということ。 ブロックチェーンに応用すると、「トランザクションが正当であること」を証明することで、送金者や受取人、送金額などといった他の情報を一切提供しなくて済む→プライバシーの保護 zk-SNARKsは、ブロックチェーン技術と組み合わせて利用できるタイプのゼロ知識証明。証明結果の容量の小ささや、計算における仮定が特徴。 ZCashによるzk-SNARKsの解説はコチラからアクセスできます。また、ゼロ知識証明のより数学的な解説はコチラに載っています。
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2021/10/02DeFi市場におけるAMM DEX「Sushiswap」の基本的な使い方・リスクを徹底解説!
この記事では、Sushiswapの概要から使い方について解説しています。代表的なDEXの一つである「Sushiswap」。 近年では、単純なDEXとしての取引機能のみならず、「KASHI(貸し借りのサービス)」「Miso(IDO)」といった機能・プラットフォームを実装しています。 しかし、機能が増えすぎており、逆に分かりにくい・・・という声も。 この記事では、そんなSushiswapの概要から特徴、基本的な使い方はもちろん「KASHI」「MISO」といった新機能についても解説しています。 Sushiswapとは?基本的な部分について まず、はじめにSushiswapの概要から、実装されている機能・サービスをいくつかご紹介していきます。 一つ一つチェックしていきましょう。 Sushiswapの概要 Sushiswapは、AMMを実装したDEXとしてスタートし、現在では幅広いサービスを提供しているDeFiの1つです。 [caption id="attachment_65008" align="aligncenter" width="800"] (AMMの概要)[/caption] 元々はDEXとしてスタートしていることから、基本的な機能はDEXという認識で問題ありません。 AMMとは?DEXとは?という方は、コチラの記事をチェック。(別のDEXの記事ですが、基本的な仕組みは変わりません) Sushiswapがスタートした際に、持っていた機能・用途は基本的にUniswapと大きく変わりませんが、いくつかの相違点がありました。 その最も大きな特徴は、SUSHIトークンという独自のトークンを導入したことです。 現在では、DeFi関連のサービスがインセンティブやガバナンスにおいて、独自トークンを用いることは少なくありません。 しかし、AMMを実装したDEXにおいて、はじめて独自トークンを実装したのがSushiswapで、大きく人気を勝ち取った要因になりました。 Sushiswapの人気・シェアはどのくらいなのか Sushiswapは、一時期と比べると人気が落ちたと言われることが少なくありません。 ただし、現時点でも十分にSushiswapは大きなシェアを持っていると言えます。 CT Analysisによると、DEXにおけるプラットフォーム別の出来高は、Uniswapが上位を独占しています。 その次に、BSCのPancakeswapと続いているものの、Sushiwapも2021年8月における出来高では4位にランクインしています。 このことから、SushiswapはUniswapほどの人気ではないものの、3~4番手程度のシェアを持っていると言えるでしょう。 データの引用元であるCT Analysisでは、WEB・Youtubeでは提供できない中上級者向けの詳細なレポートを「無料で公開」しています。 「仮想通貨にもっと詳しくなりたい!」「クリプトオタクになりたい!」という方は、ぜひ一度CT Analysisをチェックしてみてください。 CT Analysis Sushiswapの各機能 Sushiswapの概要が分かったところで、Sushiswapが持っている主要な機能を押さえていきましょう。 Sushiswapを機能面から理解していきます。 取引(swap) 一般的なDEXと同じように、Sushiswapでも仮想通貨の交換、つまり取引を行うことが可能です。 取引はAMMを利用しているため、他のDEX同様にレートは自動的に決められたもので取引することになります。 流動性の提供(Liquidity) この画面から、Sushiswapの流動性プールへ流動性を提供することが可能です。 もちろん、流動性を提供することによって手数料がLPに分配され、かつLPをPoolにステークすることでSUSHIによるインセンティブを受けることができます。 貸し借り(KASHI) KASHIは、アップデートによって登場したSushiswapのレンディングサービスです。 他のレンディングとは異なり、通貨別にマーケットが形成されている少々特色が異なったものとなっています。(後に詳しく解説) ステーキング(Stake) この画面では、SUSHIトークンを預けることで、報酬を得ることができる画面になります。 いわゆるステーキングが可能な画面となっており、保有しているSUSHIを預けることで効果的な運用が期待できます。 IDO(MISO) Sushiswapにアクセスすると「Miso」という名前のタブがあることが分かります。Misoとは、IDOを行うプラットフォームのことです。 IDOとは、分散型取引所が介入するタイプのトークンセールのことで「Sushiswapで上場前の仮想通貨が購入できる」ということです。 過去には、以下のようなトークンセールが行われました。(Misoの「Marketplace」内の「Past Sales」でチェック可能) プロジェクトごとに支払い方法として設定されている仮想通貨を保有しておけば、誰でも参加可能です。 Sushiswapの3つの特徴 Sushiswapの大きな特徴をいくつかご紹介していきます。 Sushiswapの強みを把握していきましょう。 FTXが運用を主導 後に注意点・リスクの観点から詳しく解説しますが、Sushiswapは初めに開発を主導していた人物から、FTXのCEOの元に開発の主導権が譲渡されています。 経緯などは省きますが、このことによりSushiswapの開発にはFTXの後ろ盾がある状態といえ、大きな信頼感に繋がると言って良いでしょう。 というのも、FTXは大手海外仮想通貨取引所だからです。 しっかりとした知名度・信頼感のある存在が、Sushiswapの権限を持っている状態であると言えます。 なんでもアリなサービス Sushiswapはローンチされて数ヶ月程度は、Uniswapに独自トークンである$SUSHIを足したようなものに収まっていました。 しかし、現在ではSushiswapの提供している機能はDEXだけに留まらず、レンディング、ステーキング、IDOプラットフォームなどのような多岐にわたっています。 ロードマップなども公開されており、積極的に開発が行われているので、今後のアップデートによる利便性の向上も期待できます。 複数のブロックチェーンに対応 Sushiswapは、複数のブロックチェーンに対応しており、イーサリアムのみならず、以下のようなブロックチェーンを利用することができます。 著名なブロックチェーンは揃っていると言えるでしょう。 利便性は高いですが、ブロックチェーンによって利用できる機能には制限があり、注意が必要です。 しかし、開発が積極的に行われており、アップデートも行われていることを考慮すると、今後どのブロックチェーンでもさまざまな機能を利用できるようになる可能性があるでしょう。 スワップからステーキングまで!Sushiswapの使い方を徹底解説 これから、Sushiswapを実際に利用するまでの手順を、仮想通貨を購入するという基本的な部分から解説していきます。 初心者の方であっても、利用できるように解説しているので、ハードルを感じている方もぜひチェックしてみてください。 Sushiswapを利用するための準備 前提として、ゼロからSushiswapを利用するには、以下のような下準備が必要になります。 仮想通貨を購入 ウォレットを作成 ウォレットへ送金 ウォレットとSushiswapの接続 1つ1つチェックしていきましょう。 仮想通貨を購入 まず、はじめにSushiswapで利用する仮想通貨を用意しましょう。 これからご紹介するSushiswapの手順は、イーサリアムのものになりますので、イーサリアムを入手するのがおすすめです。 しかし、日本円から仮想通貨を購入するには、国内仮想通貨取引所での口座開設が必要になります。 まだ、国内仮想通貨取引所の口座を持っていないという方は、Coincheckでの口座開設がおすすめです。 全17種類の通貨を取扱っており国内最多 国内仮想通貨取引アプリダウンロード数1位 取引所なら取引手数料無料 500円からビットコインを買える Coincheckは、国内仮想通貨取引アプリのダウンロード数1位であることから、スマホアプリが非常に使いやすいです。 PCにおける取引画面でも同様のことが言えるため、特にこだわりがない仮想通貨初心者の方は、Coincheckで仮想通貨デビューしましょう。 Coincheckの口座開設・登録についてはコチラ。 ウォレットを作成 次に、ウォレットを作成しましょう。 Sushiswapの利用するには、ウォレット(仮想通貨を保存する場所のようなもの)を、自ら用意する必要があります。 特にこだわりがなければ、最もポピュラーな「MetaMask」を利用するのがおすすめです。 MetaMaskであれば、Sushiswap以外でも利用可能なところが多く、DeFiを利用する上での汎用性が高いです。 MetaMaskの登録・使い方はコチラ。 MetaMaskの利用方法については、動画でも詳しく解説しています。 ウォレットへ送金 次に、先程紹介したMetaMaskのようなウォレットに、国内仮想通貨取引所で購入したイーサリアムを送金していきましょう。 送金手順は、各取引所によって異なっており、各自チェックする必要があります。 Coincheckの送金手順などはコチラ。 ウォレットとSushiswapの接続 最後に、Sushiswapとウォレットを接続していきましょう。 Sushiswapへアクセス 「Connect to a wallet」へ ウォレットを選択(記事内ではMetaMask) ウォレットでの処理を済ませる 文字列が表示されたことを確認 ウォレットとSushiswapの接続が完了すれば、Sushiswapを利用するための下準備は完了です。 Sushiswapの主要な使い方を機能別に解説 次に、Sushiswapを利用するための下準備が済んだところで、実際にSushiswapの主要な機能の使い方をいくつか解説していきます。 Sushiswapを使いこなせるようになっていきましょう。 Sushiswapで取引する まず、はじめに最も標準的な機能である「Swap(取引)」する方法をチェックしていきます。 Sushiswapへアクセス 「Swap」へ 元となる通貨を選択 交換したい通貨を選択 数量などを入力 「Swap」を選択 「Confirm Swap」を選択 Sushiswap内で何らかの通貨が必要になったときは、こちらで取引を行うと便利です。 Sushiswapで流動性を提供する Sushiswapにて、流動性を提供する手順は以下のとおりです。 Swapへ Liquidityへ 流動性を提供する通貨を選択(2つの通貨を選択する必要アリ) 金額を入力 初めて利用する場合は、Approveなどを行う 「Supply」で流動性を提供 また、流動性の提供を行う際は、必ず提供する通貨ペア間の価値が等価でないといけないため注意が必要です。 Sushiswapで貸し借りを行う 次に、Sushiswapで貸し借りを行う方法をご紹介していきます。 貸す場合 Lendへ 任意の通貨ペアを選択 利率などを確認(Borrowedは貸された割合、APYがリターン) デポジットを選択 はじめての場合はApproveなどの処理を行う 借りる場合 Borrowへ(画面上部のBorrowでもOK) 任意の通貨ペアを選択 利息の利率などをチェック(右側のMarketでも確認可能) 担保を入力(指定された通貨以外不可) 借りる通貨の金額を入力(Maxに表示されている金額が限度額) はじめての場合はApproveなどを行う (貸し手の場合は、デポジットする際の画面のWithraw、借り手の場合は借りる際の画面のRepayから回収・返済可能です。) DeFiのレンディングを利用したことがある方だと、色々と違和感を感じるかもしれません。 というのも、Sushiswapの「KASHI」は、各通貨ペアにおけるマーケットが独立しており、特定の通貨でしか貸し借りを行えません。 これにより、他のレンディングサービスのように、貸している通貨の総額を担保として利用するといった利用方法ができません。 また、誰でもレンディングのマーケットを簡単に作ることができるものの(つまり、貸し借りの通貨ペアを誰でも作れる)、この仕様から中にはリスクの高いマーケットも存在しています。 例えば、マーケット内において十分な資金が貸し出されていない場合では、マーケットに貸し出した資金が引き上げられない可能性などが挙げられます。(マーケット内に資金が無いため) 少し癖のあるレンディングになっているので、注意が必要です。 Sushiswapでステーキングを行う Sushiswapでステーキングを行う(SUSHIトークンを預ける)手順は以下のとおりです。 Stakeへ 金額を入力 Approveなどをクリック SUSHIトークンをステーキングすることによって「xSUSHI」が得られます。 このxSUSHIを「Unstake(Stake SUSHIの横)」から返却することによって、預けたSUSHIトークンを回収することが可能です。 SushiswapでIDOに参加する Sushiswapで、IDOに参加する方法は以下の通りです。 Misoへ View Auction もしくはコチラ ウォレットを接続(Sushiswapへの接続とほぼ同じ) Live Salesへ(「Marketplace」の欄から) 表示されたセールを選択 過去に何度もIDOは実施されているものの、常時行われている訳ではありません。 そのため、もしも確実に参加したいIDOがある場合は、常時最新情報をチェックしておきましょう。 また、前述の通り、SushiswapのMisoではIDOに利用できる仮想通貨が、各セールごとに異なっています。 そのため、各セールに合う仮想通貨を予め用意しておきましょう。 過去には、以下のような仮想通貨が利用されました。 各セール名(トークンのティッカー) 支払いに設定された通貨 SAK3 SUSHI FOlD ETH Sunder USDC LSD SUSHI ガス代を許容できれば、Sushiswapで上記した手順でSwapすれば、用意できるものが殆どでしょう。 BSC・Polygonなど他のチェーンで利用したい場合 Sushiswapでは、イーサリアム以外でもさまざまなブロックチェーンを利用することが可能です。 ブロックチェーンによって、利用できる機能に制限はあるものの、基本的な使い方は大きく異なりません。 以下の項目から、好みのブロックチェーンをクリックすると、自動的にネットワーク設定を済ませて、すぐに利用を開始することもできます。 (すでにネットワーク設定を行っている場合は、ネットワークの切り替えが行われる) Sushiswapにはどんなリスクがあるのか?注意点解説 これまで、Sushiswapについてさまざまな点をご紹介してきましたが、注意点が無いわけではありません。 これから、Sushiswapのリスクや気をつけたいことをご紹介していきます。 開発・運営に関するリスク Sushiswapは、DeFiにおける開発・運営に関するリスクの典型例であると言えます。 Sushiswapは、前述の通り開発・運営サイドでトラブルが発生したことで、創設者とは異なる代表が、現在Sushiswapの主導権を持っています。 そのトラブルというのが、Sushiswapの創設者である「Chef Nomi」という人物による大量のSUSHIトークン売却騒動です。 Sushiswapは、ローンチされてすぐに注目され、わずか数日で数千億円規模の仮想通貨がロックされました。 このことから、SushiswapのSUSHIトークンの価格も大きく上昇したのですが、開発者が大規模な売却を行ったことから、大暴落しました。 一時期、12ドルを超えていたSUSHIトークンは1ドルまで下落、SushiswapのみならずDeFi関連のコミュニティで大きな話題に。 最終的にこの件は、自身もSushiswapへ仮想通貨をロックしており、Chef Nomiの行動に批判的だったFTXのCEOであるSBFが運営の交代を申し出て、落ち着きをみせました。 I'm transferring control to @SBF_Alameda now. https://t.co/4Ih16CYCEo — Chef Nomi #SushiSwap (@NomiChef) September 6, 2020 Sushiswapに限らず、DeFiにおける開発・運営サイドのリスクは、このような事例から軽視できません。 運用に関するリスク Sushiswapは提供しているサービスが多い分、流動性の提供に伴うインパーマネントロスや、Sushiswap特有のレンディングマーケットのリスクなど押さえないといけない点が多いです。 端的にまとめると、Sushiswapで仮想通貨を運用する際のリスクです。 一例ではありますが、Sushiswapを利用した仮想通貨の運用には以下のようなものが挙げられます。 流動性の提供に伴うインパーマネントロス レンディングのマーケットにおいて資金が不足し引き出せないなど 仮想通貨を借りる際に担保が清算されるリスク インパーマネントロスなど、流動性の提供に伴うリスクについてはコチラ。 貸し借りに関するリスクに関しては、コチラ。 基本的に、Sushiswap内で仮想通貨を何らかの形で運用するものには、リスクがつきものなので注意しましょう。 独自トークンなどの価格に関するリスク 前述したような明確な理由(Chef Nomiによる売却)で、SUSHIトークンの価格が大きく下がってしまうこともあれば、仮想通貨はボラティリティが激しいことから、SUSHIトークンが理由もなく大きく下落することがあります。 SUSHIトークンはSushiswapありきの仮想通貨なので、基本的にSushiswapにネガティブな要素があれば下がる可能性が高いと言えます。 Sushiswapに限った話ではありませんが、基本的にDeFiが発行しているトークンというのは、ほとんど実質的な価値を持ちません。 Sushiswapのおさらい この記事では、Sushiswapの概要から各機能の使い方まで詳しく解説しました。 Sushiswapは年々進化を重ねており、どんどん便利になっています。 Uniswapと比較すると、シェア率は低いものの、引き続き注目したいDEXの一つであると言えるでしょう。 この記事では、Sushiswapについて解説しましたが、Sushiswapの内容を知って 「準備がめんどくさい・・・」 「ガス代が高そう・・・」 「色々と難しそう・・・」 と感じた方は少なくないはずです。 「でも、ガチホしてる仮想通貨の運用はしたい!」という方には「Coincheckの貸仮想通貨」がおすすめです。 仮想通貨を預けるだけで年間最大5%リターン Coincheckが扱っている17種類の通貨ならどれでもOK 口座開設と簡単な手続きで利用可能! Coincheckの貸仮想通貨は、Coincheckに「仮想通貨を貸すだけ」で「年間最大5%のリターン」がもらえるサービスです。 SushiswapやUniswapといったDeFiを用いた運用にハードルを感じている方は、Coincheckの貸仮想通貨の利用を検討しましょう。
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2021/09/28DeFiウォレットを一元管理できるZapperの基本的な使い方を解説!
複数のDeFiを使っていると、いくら儲かっているのか損益計算が難しいと思います。 Zapperを使うと、DeFiのウォレットを一括してポートフォリオ管理することが可能です。 今回は、Zapperの機能紹介や基本的な使い方を解説します。 最後まで読めば、LP提供やファーミング、独自NFT獲得など、Zapperの高機能ツールを使いこなせるようになります! Zapperの使い方は、公式Youtubeチャンネルでも配信しているのでぜひチェックしてください。 Zapperとは?DeFiウォレットを一括管理できるポートフォリオツールの特徴を解説! 最初に、Zapperの主な特徴について解説します。 類似ツールであるDeBankやZERIONとの比較も交えて紹介するので、重視するポイントをチェックしておきましょう。 シンプルかつ多機能なのが理解できます。 Zapperの特徴 シンプルなインターフェースで使いやすい 5つのチェーンに対応している 搭載機能が豊富 1クリックでLP提供可能 確認できる履歴の日数制限なし シンプルなインターフェースで使いやすい 上の画像のとおり、Zapperはシンプルなインターフェースが特徴です。 左側のメニューも簡易的で見やすく、「Pool」「Farm」「Bridge」などワンクリックで切り替えできるのがわかりますね。 直感的に操作できるので、使いやすいツールといえます。 5つのチェーンに対応している Zapperの対応チェーンは、Ethereum、BSC、Polygon、Fantom、Optimismの5つです。 短期間で対応チェーンがよく変わるので、FantomやOptimismが表示されない場合もあり注意してください。 主要チェーンは対応しており、サポートするプラットフォームも網羅されています。 ただし、OKExチェーンやHECOチェーンは未対応なので、それらを利用するならDeBankがおすすめです。 DeFiのウォレットを一括ポートフォリオ管理ができるDeBankの使い方を解説 【Zerionの基本的な使い方】DeFiウォレットを一括管理しよう! 搭載機能が豊富 類似ツールとの比較 対応チェーン数 搭載機能 特徴 Zapper 5 TokenSwap、LP提供、ファーミング、ブリッジ 1クリックでLP提供 Debank 7 TokenSwap DeFiの統計データが見やすい Zerion 3 TokenSwap、LP提供、レンディング 取引履歴をCSV出力できる Zapperの搭載機能は、類似ツールに比べて多いです。 TokenSwapはもちろんのこと、LP提供、ファーミング、ブリッジも対応しています。 類似ツールのDeBankはLP提供を行っておらず、Zerionは対応チェーン数が少ないため、ここでZapperの使い勝手の良さがわかりますね。 1クリックでLP提供可能 Zapperなら、流動性提供まで1クリックとスムーズに行うことができます。 各プラットフォームを立ち上げずに、トークンを半分Swapすることもなく、Zapperのみで完結する仕組みです。 例えば、流動性提供したいPoolがあれば、ETHやBNBを持っているだけでOKということになります。 1クリックLP提供の手順をすぐに確認する 確認できる履歴の日数制限なし Zapperで確認できるトランザクション履歴に期限はありません。 過去の履歴があればすべて確認できます。 DeBankは過去30日間のみ表示されていたので、それに比べるとZapperは優れていますね。 Zapperの導入方法・ポートフォリオ管理の手順を解説! 実際に、ZapperとDeFiのウォレットを連携してポートフォリオを管理する方法を解説します。 いくつかDeFiを回していて損益がわからないときは、まずトランザクションを確認しましょう。 基本的に英語ですが、ZapperはDeFiの解説や使い方、FAQなどのサポートが充実していますよ。 Zapperの導入方法 DeFiウォレットとの連携方法 複数ウォレットの接続も可能 他ユーザーのポートフォリオ・履歴も確認できる トランザクション履歴の確認方法 DeFiウォレットとの連携方法 まず、Zapperの公式サイトにアクセスして、DeFiウォレットと連携します。 画像のように「Connect Wallet」から進んでください。 次の画面で使用ウォレットを選択しましょう。 多くの方はMetaMaskかと思いますが、Ledgerなども使えますよ。 MetaMaskが開き、接続の許可を求められるのでOKで進みます。 これでZapperとウォレットの連携は完了です。 連携すると、ウォレットの中身をトークンごとに確認できます。 ステーキングやファーミングのBalanceなども一目瞭然です。 Ethereum、BSCのチェーンネットワークごと、Compound、PancakeSwapのプラットフォームごとの内訳も表示されます。 ZapperだけでDeFi関連のウォレットをすべて管理・確認できるため損益もすぐに把握できますね。 複数ウォレットの接続も可能 複数ウォレットを持っている場合でも接続可能です。 MetaMaskなら別のアカウントを選択して「接続」をクリックすれば切り替えされます。 今後切り替えるときは、Zapper画面の左側にある自分のアドレスをクリックすれば、接続されているアカウントがすべて表示されるので選択すればOKです。 他ユーザーのポートフォリオ・履歴も確認できる DeBankやZerionでも可能ですが、他ユーザーのポートフォリオや履歴を閲覧できます。 画像のように、まず自分のアドレスをクリックして、「Manage Addresses」を選択するとアドレス入力画面になります。 チェックしたいアドレスを入力すればOKです。 儲かっているユーザーの履歴を見て期待できそうなDeFiを探す手段にもなります! トランザクション履歴の確認方法 Zapperでトランザクションを確認するには、左側の「History」をクリックしてください。 トランザクションの詳細が一覧で表示されます。 BSCやEthreumなどのネットワークは中央のアイコンクリックで変更可能です。 履歴があるだけ表示されるので、古いトランザクションも見ることができますよ。 YoutubeでZapperの使い方をみる Zapperの基本的な使い方を解説! Zapperは搭載機能が豊富なので、LP提供やファーミング、ブリッジも可能です。 ここでは、Zapperの基本的な使い方を解説します。 マルチ機能をすべて使いこなしましょう! Zapperの基本的な使い方 TokenSwapする方法 1クリックでLP提供する方法 ファーミング方法・統計データの確認手順 ブロックチェーンブリッジでトークンを移動する方法 クエストクリアしてNFT発行する方法 TokenSwapする方法 ZapperでTokenSwapするには、まず左側メニューの「Exchange」をクリックしてください。 EthereumやBSC、Polygonのネットワークで対応しているトークン数が表示されていますね。 右側でSwapするトークンを選択すると、自動的に高レートのDEXサービスが選出されます(画像ではApeSwap)。 ExchangeをクリックすればSwap完了です。 1クリックでLP提供する方法 Zapperで流動性提供する方法です。 左側メニューのPoolを選択してください。 LP提供するPoolを選ぶのですが、このとき半分TokenSwapしていない状態でもスマートコントラクトで処理するのでそのままでOKです。 数量を入力して、「Confirm」をクリックすればLP提供完了です。 初めてのペアであれば「Approve」で承認する必要があります。 ガス代が高くなりますが、手間なくLP提供完了できるZapperの大きなメリットです。 ファーミング方法・統計データの確認手順 Zapperでファーミングデータも確認できます。 左側メニューの「Farm」をクリックすると、現在ファーミング中のアセットが表示されるので、複数あれば統計データの確認が可能です。 例えば、LP提供後にファーミングできるリストも表示されます。 画像のように、右側に「Stake」が表示されていれば、クリックしてステーキング可能です。 このように、「Farm」の画面でデータ確認とファーミングを合わせて実行できます。 ブロックチェーンブリッジでトークンを移動する方法 Zapperではブロックチェーンのネットワークをブリッジしてトークン移動できます。 しかも、移動時に別のトークンを選択すれば同時にSwapも可能です。 左側メニューの「Bridge」をクリックします。 ネットワークとトークンを選択して「Confirm」へ進むだけでOKです。 画像ではEthereumネットワークのETHを、PolygonネットワークのAAVEへ、Swapしながらブリッジしています。 ETH→ETHといった同トークンだけではないので、幅広く使えますね。 ※2021年7月現在Ethereum→Polygonのみブリッジ可能 ブリッジのメリット 通常、別のネットワークへトークンを移動する場合、取引所を経由してネットワークを変更する必要があります。ブリッジを利用すればZapperのみで完結できます。 クエストクリアしてNFT発行する方法 クエストをクリアすればZapperが発行するNFTの獲得が可能です。 Zapperの左側メニュー「Rewards」をクリックすると、画像のようなNFTが表示されます。 クエストとは、Zapperを開いたりTokenSwapするといった基本的な操作です。 Zapperを使ってポイントを貯めるようなイメージですね。 詳しい獲得条件やおすすめの方法は以下の記事を参考にしてください。 ZapperのNFT獲得クエストの参加方法を解説 Zapperの使い方をYoutubeでみる Zapperを使うときの3つの注意点を解説 ZapperはDeFiのウォレットを一括管理できるため便利ですが、機能面や手数料面でデメリットもあるので注意してください。 ここでは、Zapperを使うときの3つの注意点をまとめています。 すべて重要な内容なのでしっかり目を通しておきましょう! Zapperの注意点 CSV出力不可のため税金計算には向いていない 1クリック提供できるがその分ガス代が高い DeBankのようにDeclineできない CSV出力不可のため税金計算には向いていない Zapperは過去の履歴をすべて確認できますが、CSV出力には非対応です。 履歴一つ一つを見てコピーするしかなく、DeFiの税金計算には不向きです。 類似ツールのZerionであればCSV出力できるので、税金計算するならおすすめですよ。 Zerionの使い方をYoutubeでみる 1クリック提供できるがその分ガス代が高い Zapperの流動性提供では、スマートコントラクト側でさまざまな処理を代わりに行うことで1クリック提供が可能となっています。 処理をまかせる分、ガス代(手数料)が割高です。 例えば、EthereumネットワークでLP提供するとき、0.01ETHのガス代が発生することもあり、かなり高いといえます。 手間は省ける ガス代が割高ですが、その分最小限の操作で済みます。トークンのSwapや承認など一つ一つの作業がなくなるのでその点はメリットです。 DeBankのようにDeclineできない PancakeSwapなどのプラットフォームで初めてLP提供やファーミングなどをするとき、必ず「Approve(承認)」を求められます。 承認のままにしておくと、悪用されたコントラクトによりトークンを盗まれる可能性があるため、承認を取り消す作業(Decline)をすると安全です。 しかし、DeBankにはDecline機能がありますが、Zapperにはありません。 魔界と呼ばれる超高金利のDeFiを利用するならDeclineは必須なので、DeBankもうまく活用すべきです。 DeBankでApprove履歴のDeclineする方法 まとめ Zapperの基本的な使い方について解説しました。 搭載機能が多く、ZapperだけでLP提供やファーミング、ブリッジが可能となり利便性が高いです。 1クリックLP提供は、Ethereumネットワークを使うと手数料が高いので、BSCやPolygonネットワークをおすすめします。 また、Zapperでは過去の履歴をすべて確認できるため、期間に縛られることなく活用できます。 複数のDeFiを運用しているならZapperは必ず利用すべきといえますよ! Zapperの公式HPはこちら Zapperの使い方をYoutubeで見る