SamsungがGalaxyにウォレットを搭載する事で仮想通貨市場に与える影響とは?
2019/03/12

SamsungがGalaxyにウォレットを搭載する事で仮想通貨市場に与える影響とは?

kaz【CRYPTO TIMES公式ライター】

kazCRYPTO TIMES公式ライター

スイスの高校を卒業し、アメリカの大学に通う大学生。去年の6月に仮想通貨に参戦し、その面白さと魅力にハマり投資を始めました。

Samsungが2月に発表した最新フラッグシップモデルのGalaxy S10に仮想通貨ウォレット機能が搭載されたというニュースは記憶に新しいと思いますが、スマートフォンに仮想通貨ウォレット機能が搭載されるのはGalaxyが初ではありません。

しかし、なぜGalaxyのニュースばかりがこんなにも大体的に取り上げられているのでしょうか?今回はGalaxyが仮想通貨ウォレット機能を搭載する事の意義について考えていきたいと思います。

Samsungってどんな企業?

韓国に拠点を置くSamsung(サムスン)はスマートフォンメーカーとして世界トップクラスの知名度を誇る企業です。

日本でもAndroid端末を利用しているユーザーで、Samsungのスマートフォンを利用している人をよく見かけるのではないでしょうか?

IDCが出したレポートによると、2018年第一四半期(Q1)ではSamsungが最も多くのスマートフォンを販売しました。

また、同社は仮想通貨やブロックチェーンとも関連の深い企業で、CryptoKittiesやAERGOなどといったプロジェクトを支援している事でも知られています

さらに、Squire Miningと提携してASICマイニングチップの開発も手がけています。

仮想通貨に興味がない人の手に仮想通貨ウォレットが行き渡る

仮想通貨業界は2017年から2018年にかけて、より多くの仮想通貨普及に繋がるきっかけを求めていました。これは、一部の投資家らがビットコインの放物線的上昇が続く事に期待していたためでもあります。

しかし、その後市場は「仮想通貨の冬」に突入し、ビットコインの価格は右肩下がりで下落していきました。

今回のSamsungの発表はこのトレンドを終わらせるきっかけになるかもしれません。

Samsungは仮想通貨ウォレットの普及を大きく増加させられる

Mashableによると、Samsungは2018年Q1で3,000万台以上のGalaxy S9シリーズを販売しています。同モデルはGalaxy SⅢ以降最低最も販売台数が少なかったGalaxyにも関わらず、3,000万人の手に行き渡っていると考えるとその数字は偉大だと言えるでしょう。

もしこれだけの人数が仮想通貨ウォレットを自身のスマートフォン内に持つとしたら、と想像してみてください。

Statistaのデータによると、2018年末時点での仮想通貨ウォレットユーザーは3,200万人とされています。Galaxy S10が発売されればこの利用ユーザー数は大きく増加する要因になります。

もちろんGalaxy S10を手にした全てのユーザーがプリインストールされているウォレットを使うとは限りません。しかし、そこに仮想通貨ウォレットがインストールされているというだけで興味を掻き立てるでしょう。

そして、仮想通貨は2018年に数多くの大手メディアによって取り上げられており、消費者の多くは仮想通貨やブロックチェーンに関する知識を、多少なりとも有しているのではないでしょうか。

圧倒的なアクセシビリティ

仮想通貨ウォレットがビルトインされたスマートフォンはユーザーにとって仮想通貨関連のタスクをこなすのに最適だと言えます。特にスマートフォンは日常生活の中で肌身離さず身につけているものなので、いつでもウォレットへのアクセスが可能です。

仮想通貨に関連したタスクの主な例としてはトランザクションの生成や仮想通貨の保管が挙げられます。

ここで注意するべきとして、保有している仮想通貨資産の全てをスマートフォン上のウォレットに保管するのはベストな方法ではないかもしれません。資産を安全に保管するにはハードウェアウォレットの併用を検討した方が良いです。

しかし、仮想通貨に新たに参入してくるユーザーは高度なテクノロジーを使ったウォレットよりも、簡単にアクセスできるウォレットを好む事でしょう。

例としては自作PCが挙げられます。自分のニーズに合わせて組む事で、用途にあった安価なPCが作れますが、消費者の大半は簡単に購入できる市販のPCを購入します。

また、ランダムに生成されるパスワードの代わりに指紋を使ってウォレットにアクセスするという事も考えられます。この場合、ペーパーウォレットをなくすリスクは無くなるため、より使い勝手がよくなることでしょう。

同業他社が参入しやすい環境の整備

パイオニアとして市場に最初に参入する企業は度々不利な状況に悩まされるものです。彼らは後から市場に参入してくる企業のために、経済的負担を背負って市場を開拓しなければなりません。

しかし、今日の市場は仮想通貨支持者である事を意義あるものにしてくれます。Samsungが参入した今、多くの企業が彼らの後を追う事になるでしょう。

台湾のテック企業HTCは世界で初めてのブロックチェーンスマートフォン「HTC Exodus」を開発しました。一方でSirin Labsもコールドストレージが搭載されたブロックチェーンスマホを開発しています。

つまり、Samsungはブロックチェーンスマホを開発した最初の企業ではありませんが、彼らは紛れもなく最大の企業です。

かのAppleですらSECに提出した書類からブロックチェーン産業に参入してくると噂されています。Appleがウォレット機能をiPhoneに搭載し、Apple Payと連携できるようになるのは時間の問題なのではとも噂がされています。

Samsungが仮想通貨業界で成功するかどうかはともかく、彼らの動きは今後数ヶ月もしくは数年で多くの大企業が仮想通貨産業に参入してくるという事を意味します。

世界第3位のスマートフォンメーカー、Huaweiはビットコインウォレットアプリを使った仮想通貨へのアクセスを可能にしています。今後発売される全てのHuaweiスマートフォンおよびHonorシリーズにはウォレットアプリが搭載される事が発表されています。

仮想通貨ウォレットの導入はより大きな何かの前兆にすぎない

Google PayやApple Pay、そしてSamsung Payなどといった非接触型決済の人気は高まりつつあります。

Statistaによると、NFC(非接触決済の規格)の利用者は2015年から2018年の間に5390万人から1.66億人へと3倍以上増加しています。

NFC決済の普及には多少時間がかかっていますが、2012年の500万人から6年間で1.66億人まで増加した事を考えると大きな進歩だと言えるでしょう。

2018年にはTenX、Crypto.com、BitPayやShiftなど多くの企業が仮想通貨対応カードをローンチしました。

仮想通貨に対応したデビット/プリペイドカードを発行するというアイディアは良いものですが、消費者が彼らの分厚い財布に新たなカードを追加したいかと言われると微妙かもしれません。それであれば、スマートフォンにカードを追加する方を好む事でしょう。

スマートフォン内に仮想通貨ウォレットを持つという事は、利用者にとって日常生活の中で仮想通貨を使えるようになるという事を意味します。

もしSamsungが仮想通貨をSamsung Payに統合すれば、仮想通貨を決済時に自動的に法定通貨に交換し、商品を購入する事ができます。

メインストリームの仮想通貨普及はまだ始まったばかり

Moonwhaleはブロックチェーンテクノロジーを採用している大企業のリストを公開しました。このリストにはFacebookやAlibaba、Amazonなどといった名だたる大企業が並んでいます。

仮想通貨関連の規制は日本だけでなく、世界中において、2018年を通して少しずつ整備されてきた感があります。そして、適切な規制はイノベーションを起こすのに良い環境作りへと繋がります。

2017年から2018年の間、仮想通貨は個人投資家にとって金儲けの道具として扱われてきましたが、仮想通貨の冬を通してその重要性は仮想通貨の根底にあるテクノロジーへと移りつつあります。

今日現在のベアーマーケット(弱気相場)も全体として捉えればそんなに悪くないのかもしれません。

まとめ

僕自身もSamsungのGalaxyシリーズを使っていますが、このスマートフォンに仮想通貨ウォレットがプリインストールされるというのは非常に大きな意味があると思っています。

仮想通貨に親しみのある人にとっては使い勝手の良いウォレットが増えただけかもしれませんが、今まで仮想通貨に親しみのなかった人にとっては初めての仮想通貨との接点となり得ます。

今まで仮想通貨の悪いニュースばかり聞いてきて怪しい印象を持っているという人でも、世界最大手から発売されているスマートフォンに仮想通貨ウォレットが搭載されているとなれば、話は別でしょう。

きっと未知なる仮想通貨ウォレットに興味を抱き、一度は説明を読んだり、実際に使ってみるはずです。

もちろん中には一切ウォレットを起動しないというユーザーもいるかもしれません。しかし、上でも書いたように3,000万人のうちの半分がウォレットを利用するだけでもその影響は計り知れないものになります。

Samsungは仮想通貨の普及をより一層推し進めた企業として認知されるようになる事でしょう。

記事ソース: Moonwhale, Statista, IDC, The Daily Hodl

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