「イーサリアム現物型ETP、18ヶ月で150億ドルが流入」Bitwise CIOが予想
Crypto Times 編集部
暗号資産投資運用会社BitwiseのCIO(最高投資責任者)であるマット・ホーガン氏は、イーサリアム(ETH)の現物型ETPが承認されると、最初の18ヶ月で150億ドルの純流入を集めるとの予想を示しました。
1/ Ethereum ETPs will attract $15 billion in net flows in their first 18 months on the market.
A thread on how I get to this estimate.
— Matt Hougan (@Matt_Hougan) June 26, 2024
ホーガン氏は、予測の根拠として、ビットコイン(BTC)とETHの市場規模の比率に着目。上記予想を公表した時点での市場規模はBTCが1兆2660億ドル (74%) 、ETHが4320億ドル(26%) となっています。
米国で現在、約560億ドルがビットコイン現物ETFに投資されており、モルガン・スタンレーやメリルリンチのようなプラットフォームで取り扱われれば、2025年末までに1000億ドル以上に達すると同氏は推測。この1000億ドルを前述の比率に当てはめると、ETH現物ETFの運用資産残高がBTC現物ETFと同等の水準に達するには、350億ドルの資金が必要な計算になるといいます。
承認直後は、グレースケール社のイーサリアム・トラスト(ETHE)がETH現物ETFに転換され100億ドルの資産が流入するとホーガン氏は予想。そこから必要となる250億ドルに関して、欧州とカナダですでに提供されているビットコインおよびETH現物ETFの運用資産残高の比率からイーサリアムETPの市場シェアは22%となることが予想されるとし、同氏は純流入額を180億ドルに下方修正しました。
「キャリートレード」の影響も考慮
しかし、ホーガン氏は、もう一つ考慮すべき重要な要素があると指摘します。それは、「キャリートレード」と呼ばれる取引戦略の影響です。ビットコイン現物ETFでは、現物ETFの買いと先物契約の売却を組み合わせたキャリートレードが盛んに行われていますが、ETH現物ETFでは同様の動きは限定的だと予想されます。
この点を考慮し、ホーガン氏は最終的な純流入額を150億ドルと試算したといいます。
ホーガン氏は、ステーブルコインの普及、規制の明確化、イーサリアムのアップグレードによるトランザクションコストの低下など、ETHを取り巻く追い風を考慮すれば、150億ドルという数字は控えめな予測であると述べています。
米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は今月25日に、ETH現物ETFのローンチに向けた手続きが順調に進んでいると説明していることが報じられています。
ETH現物ETFの承認は、イーサリアム市場に大きな影響を与える可能性があり、今後の動向が注目されます。