レポート
2023/07/267月20日に福岡市で開催された「Web3.0 Town Hall」の潜入レポート
7月20日17時から福岡市エンジニアカフェ(https://engineercafe.jp/ja/)にて「Web3.0 Town Hall」が行われました。 このイベントは福岡市からの委託を受けたFracton Ventures株式会社(https://fracton.ventures/)によって開催され、「福岡におけるWeb3の機運の醸成及びプレイヤーの創出」を目的として行われました。 この記事は、筆者が当イベントに参加した際のレポとなります。セッションの要約と実際の対談を織り交ぜながら、紹介していきます。(対談形式で引用している登壇者の文言や言い回しに関しては、必ずしも厳密に文字起こししたものではないことをあらかじめご承知おき下さい) ※使用しているイベント会場の写真は全てFracton Venturesからの提供です。快く提供をして下さったこと、この場を借りてお礼申し上げます。 ※登壇者及び関係者に対する敬称は、対談形式の部分では付けず、それ以外では氏をつけさせて頂いています。 高島宗一郎福岡市長からの挨拶 「Web3.0 Town Hall」は特別ゲスト・高島宗一郎福岡市長の直々の挨拶から始まりました。 「Web3.0 Town Hallにようこそおいでくださいました。先着順での申し込みでしたが、速攻で満席になったということでした。最初、Web3が出来た時には、日本は世界的にも注目がされたものの、投機的な目的の人たちも多く入って来ました。しかし、ChatGPTが盛り上がっていく中で、最近Web3に対する投機的な目的の方達が落ち着いてきたように思えます。今後、Web3が世界をどのように作っていくのか、そうした可能性に興味ある皆様が活動出来るようなタイミングになってきたのかなと思います。また、この一年間で、政府の方も平さん(※自民党衆議院議員・平将明氏)を中心にレギュレーションの整備などもして頂いたので、逆に一周回って日本の方がやりやすい良いタイミングになってきたのかなと。そうした時、感度高く(こうしたイベントに)集まってきて下さっている皆様が、まさしくフロンティアの皆様だと思っています。今回色々な実装の事例や、実際に企業の中で世界観を切り開いていく中で見えてくる景色や課題を共有していって、こうした初期の段階で、皆様で一緒に可能性をどう広げていくのかを話せたらいいなと思っています。 週末にはDAO CAMPもあります。いずれにしても、新しい世界を切り開くというのはバズる前は大変ですが、その先にはそれにチャレンジした人にこそ、新しい広い可能性の世界が待っているのだと思います。なので皆様で力を合わせて、行政としても福岡市からも後押ししていきたいと思っていますので、ぜひ一緒になって新しいチャレンジを、皆様が世界のリーダー的存在として世界を切り開いていくような人材になってほしいなと思います。 そのためにも個人個人ではなくて、福岡にはこうしたエンジニアカフェがあって、この秘密基地の中で、我々一緒にどんどん成長していきましょう。ということで、本日はよろしくお願いいたします。」 挨拶が終わった後、市長は業務の都合で退席されました。そして、早速セッション1「ユースケースから学ぶ~Web3.0×JR 九州/アビスパ~」が始まりました。 セッション1「ユースケースから学ぶ~Web3.0×JR 九州/アビスパ~」 [caption id="attachment_95608" align="aligncenter" width="800"] (左から)田中隆一氏、牛島卓二氏、Nanami氏[/caption] 登壇者紹介(敬称略) 田中隆一(https://twitter.com/ryu1):株式会社フィナンシェ 取締役COO 牛島卓二:九州旅客鉄道株式会社 事業開発本部デジタル事業創造部(デジタル・データ分析) 副課長 Nanami(https://twitter.com/grow_mercury):Astar Network CEO Assistant & Marketing Team このセッションでは、Web3を身近に触れてもらうために、福岡でのユースケースの紹介及びその取り組みの背景やビジョンが語られました。 それぞれの取り組みについて まず初めに、それぞれの取り組みについて語られました。そのいずれもが、コミュニティや人とのつながりを重視するものでした。 フィナンシェ フィナンシェの福岡県内における取り組みとして、スポーツと地域創生を挙げました。自分たちの業種を「Web2.5」と称しており、各分野の橋渡しになれればととのことです。フィナンシェは、自身でも暗号資産を発行しており、コインチェックIEO第二弾として、フィナンシェトークン(FNCT)を発行しています。 また、スポーツに対する取り組みとして、スポーツチーム5つと一緒に活動していること、今回のイベントではその中でもアビスパとの協業について語られました。コミュニティ作りに寄与しており、アビスパを応援するファンだけでなく、アビスパ自身もコミュニティ作りに対して一緒に頑張っているとのことでした。トークン保有者は1000人を超えており、その中にはサポーターもいれば、福岡県外の人もいるとのことで、コミュニティから新しいプロジェクトを生み出していくとのことです。 その他フィナンシェの取り組みとして、50ほどのプロジェクトが進んでおり、静岡県のウイスキーや熊本の和牛業者などクラウドファンディングに近いコミュニティを有しています。福岡ではFFGとの資本業務提携を行っており、福岡での地域コミュニティ作りに注力しています。 JR九州 牛島氏は、JR九州の中でも、関連事業や駅ビルなどを取り扱う業種に従事しており、その一環でNFTを取り扱うマーケットプレイスを始めたと語りました。コロナがきっかけで、移動を伴う業務である鉄道業界は打撃を受けましたが、そこでリアルの移動に拘らなくてよく且つ、移動にも繋げることができるリスクヘッジ的な候補として、NFTが挙がったとのことでした。 お客様との繋がりを再構築すること、また、移動に繋げるためにどうすればいいかを考え、それらを達成するために、POAP(Proof of Attendance Protocol)という「実際に行ったことが記録になり、記憶になり、記念になる」という形を選んだとのことでした。昔から記念として切符を保管するなどありますが、切符は感熱紙なのでどうしても薄れていってしまうという問題があり、そこでNFTを活用する方向へ進みました。 これらを背景として、 「配布」という形が重要 そこからのインセンティブ そこからのコミュニティ構築 というようにそれぞれの段階を考え、こうした世界観を実現したいという背景で、NFTの取り組みを開始したとのことです。 [caption id="attachment_95611" align="aligncenter" width="750"] イベントの際に特別に開かれたJR九州NFTのWebページ[/caption] イベントの際、JR九州NFTのサイトはエラーが出てしまっており閉じている状態だったとのことでしたが、特別にこのイベントの一時間半だけ開けてもらったとのことで、来場者たち皆でサイトの見学をしていました。 Aster Network Aster Networkの実際のユースケースが語られ、多くの業務提携やハッカソンを行うなどで、各種分野のサポートに着手していることが紹介されました。 ターゲット層は? 話は次の話題へと移り、フィナンシェ及びJR九州の主要なターゲット層に質問が進みました。 フィナンシェの場合は、基本的には以下の三つの段階があるとのことでした。 基本はコアなファン。そこから広げていく。 サービスを受けるだけでなく、過程を楽しんでいきたい人が入ってくる。 トークンの価値が上がるかもしれないという期待。 投機的というより、長期的な視野で応援してくれている人を見据えているとのことです。 JR九州の場合は、始まり自体はコアなファンからではあるものの、配布となるとライトユーザーが大事であり、NFTということを意識させず、スタンプラリー的にハードルをいかに下げることが出来るかを意識していると述べました。 どうしてWeb3に着目したのか? まずは牛島氏からの説明がされ、「そこにいった証明というのが、現地でQRコードを読み取るだけでなく、実感を持った証明を持たせられるというのがWeb3の魅力であり、そこに着目した」とのことでした。 次に田中氏の場合は、「BTCが流行り始めた時に、海外送金は手数料で20%とかかかっていたりしたのですが、しかし、BTCの価値の交換性に注目しました。また、インセンティブ作りとしてのツールとしても見ています」と語られました。 また、ここでNanami氏から「ブロックチェーンはあくまでも管理方法であって、サービスの提供する道筋作りが大事」との言及がされました。 この道筋づくりに対しては、田中氏も牛島氏も両社同意するところで、両社以下のように語りました。 田中:日本の法律的な話もあるけれども、技術の一つとしてはオープンなインセンティブを作れるということで、プロジェクトを立ち上げてトークンを発行したり、他のトークンを保有することで価値貢献をしていく二つの方法があるのではないか。自分たちのリソースによって最適な方法を選べるというのが良い。エンジニアはエンジニアリング、ファンベースがあるところはそれを活かすなどして、それぞれで価値貢献をしていくことが出来るのではないか。 牛島:すべての駅でNFTを取得できるネットワークを作りたい。鉄道網をもとにした楽しみ方が出来ると、駅は目的地ではなくて経由地でもあるので、そこから観光地だとか自治体と連携して、コラボレーションによる発展をすることが出来るのではないか。 あくまでもWeb3というのは道筋であり、何かしらの目的を実現するための手段であって、目的それ自体ではないという話が印象に残りました。 Web3を導入するまでの過程・経緯 まず最初に、JR九州におけるNFT導入の経緯について牛島氏からの解説がされました。 牛島:デジタルデータ分析に携わってきたのは私だけであり、NFTというのが何かを勉強し始めて、そこからローンチまで一年でした。事業者と話をしてみても、エアドロすら分かりませんでした。そこから一年で事業化へと進んだ感じです。周りがついてこないことをいいことに自分で進んだという感じですね。たまたまNFTでブロックチェーンなだけなのですが、しかしNFTを持つ持たないは財政の話にもなるので、そこには気を付けながらも、ただの通販サイトであると社内を説得しました。 また、プロジェクトの期間についての言及もあり、これに対して田中氏は以下のように答えました。 田中:目指すところが大事ですが、自分たちのプラットフォームで発行するトークンとの兼ね合いを考えながらリリースしていきます。その中で徐々にトークンを持っていただいた人たちが、他のプロジェクトを立ち上げるときに支援していただくというのがWeb3的ではないでしょうか? 最終的には個人の何かをやりたいと実現するかのようなプラットフォームを作りたいですね。 次に、Nanami氏から、「これからWeb3で何かをしたいという抽象的な願望が(多くの企業で)あるが、企業のニーズの焦点はどこに当たっていますか?」という問いが挙げられました。 田中氏は「まだ漠然としたワードであって、とりあえず試してみたいという人がほとんどではないか。その中で、今までだと、何かを渡して収益を上げていたところから、今後一緒に成長していくというように、外部の人たちも巻き込んでという形になっていくのではないでしょうか」と回答しました。 これからの事業者に対するアドバイス 次に、事業者へのアドバイスが語られました。 牛島:DXと同様に、Web3をやりたいというのが目的になっていて、適切な実現ができているかは微妙です。何をするための手段なのかということは間違わないようにしないといけません。そうでないと、何のためにやったんだということになってしまいます。 また、「どういう依頼であれば動きやすいか?」という問いに対しては、田中氏から「クラウドファンディングとかとどう違うかとよく言われるが、(まずは)場を作るということではないか。そうした考え方に腹落ちしていただければ、早めに色々提案することが出来るのではないかと思います」と語られました。 その他、「web3にはどういった企業が参加できるのか、しやすいのか? して欲しいのか?」という質問がNanami氏からされましたが、それぞれ以下のような返答がされました。 田中:いろんな業種が考えられます。テックだけでなく金融など。Web3でもNFTやDEXというようなトレンドがありますし、新しく作っていくのかそれとも既にあるものに乗っかっていくのかをイメージするのが大事ではないでしょうか。 牛島:ファンとの距離を縮めたいと思っている事業者さんは、囲い込み的な意味でも親和性が高いのではないか。 そして最後にNanami氏からの、「どんな業種でも出来るでしょうし、ここにいる色々な事業者さんとも一緒にやっていけたらと思います」とのまとめの言葉で締め括られセッション1が終わり、質疑応答へと移りました。 質疑応答 以下、質疑応答の内容を、箇条書き形式で記述していきます。 Q. 自分はエンジニアであり、最近色々とやり始めたが、ウォレットを使ったりなどやはり難しい。マスアダプションという形でいろんな人に使って欲しい、Web3を意識しないで使って欲しいということであったが、見た目は普通のWebアプリだけど、裏側でブロックチェーンを動かすみたいになるのでしょうか? 田中:そうしていかないと一般の人が使ってくれないものになってしまいます。しかし、UI的なサービスであればWeb2.5的に入って行きやすいですし、セキュリティであればもっと先端に入っていけるのではないでしょうか。 Q. アビスパDAOでもそうですが、(ユーザー)自身がウォレットを持っているということですが、例えば秘密鍵をユーザーが触れるようになっているのですか? 牛島:(Web)2.5よりであり、とはいえweb3に長けた人からの流入ができない。なので、パブリックでAsterを使っています。裏側はWeb3ですが、メタマスクだけだと厳しいので、極力簡単なウォレットを用意しておいて、どちらでも選べるように設定しています。 Q コミュニティやDAOに興味があるのですが、モデレーターでもそうですが、コミニティを自走させるのは難しいのではないですか? (この質問に対しては、実際のアビスパのモデレーターの方が答えられました):クラブとモデレーターだけだと形の上では、今までのファンクラブと近しい形になる。人が増えれば触れるほど自立型になっていくのではないでしょうか。コミュニティの展望はやはり考えなければならないところだと思います。 牛島:ファンがある程度の規模になっていくと、コミュニティの中で色々と案が出てきて、自分たち(事業者)がそれを実現していってというように出来るのではないでしょうか。まだ構想ですが考えてはいます。しかし、それがDAOという形でできるかは分かりません。Discordなどでやっていく形になるかもしれません。いずれにしても、モデレーターの役割は極めて重要ではないでしょうか。 セッション2「Web3.0 にキャリアチェンジした理由と始め方」 [caption id="attachment_95615" align="aligncenter" width="800"] (左から)Crypto Baby氏、ビニール氏。[/caption] 登壇者紹介(敬称略) Crypto Baby(https://twitter.com/crypto___baby):Mask Network Ecosystem Manager、KudasaiJP Head of Growth ビニール(https://twitter.com/vvinyll):Fracton Ventures Operation Lead このセッションでは、異業種からWeb3業界へとキャリアチェンジした経緯について語られました。 Crypto Baby氏は元美容師、ビニール氏は元教師という経歴を有しており、異業種からの転身理由や、転身するとして何から始めたらいいのか、実体験を通して語られました。 前職及びWeb3業界に入った理由 ビニール氏を司会として、話が進められました。まず最初に、それぞれの前職についての話となりました。 ここからは主に対談形式で紹介いたします。 Crypto Baby:(前職は)美容師をしていました。ITでも金融でもなかったので、この業界(Web3)にはどこからでも来れると思います。 ビニール:昨年の3月までは教師をしており、昨年の4月でFractonに入りました。 また、この業界に入った時の話へと移り、その時はまだweb3という言葉ではなく仮想通貨という言葉が使われていたとのことでした。Crypto Baby氏の場合は早めにWeb3という言葉が入ってきていたものの、ビニール氏が業界に入った2017年には仮想通貨という名称だったとのことです。 次に、話は業界に入った理由へと移りました。 Crypto Baby:お金を増やしたかったからこの業界に入ったのが、正直な理由ですね。とはいえ、ちょうどちょうどその頃にコロナが流行り始めた時で、陰謀論だとか色々な話が出てくる中で、(クリプトの)既存金融から離れようだとか、管理者がいない新しい資本主義的なものといったところに対して面白いなとは思いました。 ビニール:自分もお金が欲しいと思ったからですね。副業というわけではないですが、自分の使えるお金が増えると嬉しいなと。でも、株は難しい。ちょうど仮想通貨のCMがあって、CoincheckかbitFlyerあたりで購入したと思います。そこから今に至ります。別にお金増やしたいという気持ちで入ってくるのはまぁおかしくはないかなと。 Crypto Baby:別に恥ずかしがらなくても良いですよね。 仕事を辞めるきっかけは? Crypto Baby:自分は運が良くて。この前のバブルの前から投資始めたので、これくらいお金があれば自分のやりたいことに挑戦できるというくらいにお金が増えたからですね。もし、失敗してたらきっとこの業界には来ていなかったと思います。 ビニール:余剰資金が増えるというのは良いことですが、決断をするというのは結構大きくはありませんでした? 美容師の免許を取るまでの投資を考えると、それを超えてキャリアチェンジをするというのは大きな決断だと思います。 Crypto Baby:2、3年くらいは大丈夫だろうと思いましたし、失敗しても美容師に戻れるという保険はありましたね。 ビニール:それは自分も同じで、6年くらい教師をしていましたが、資格があるから最悪教師に戻れるという思いがありました。そこでリスクヘッジできるというのがありましたね。それに、リスクヘッジ以外にも、それだけこの業界が魅力的に見えました。 現在、どの分野に注目している? ビニール:技術的な部分の話となりますが、人生をベットできるくらいの面白い部分などありましたか? Crypto Baby:全てが自分にとって新しいことだったので、面白かったです。技術の種類もありますし、興味がある部分を一つ見つけてそれを追っていくというのが良いかなと。 ビニール:現在、どういった部分に注目していますか? Crypto Baby:ソーシャルネットワークの変化ですね。 ビニール:どうなったらいいなの未来などありますか? Crypto Baby:最近だとTwitterに対する不満などありますし、慣れ親しんだプラットフォームが中央集権的に変わるなど色々あるのではないでしょうか。自分の言いたいことが制限されるというのもあるし、個人の意見がディスカッション出来るというのはいいかもしれません。 ビニール:デジタルアーティストがこれまで収益化できなかったことがNFTなどで収益化できたりするといったことが出来ます。Web3というのは、自分みたいな自己評価が低い人間でも、これでもいいと肯定的に思わせてくれますね。 異業種からの転身について;個人の発信力やコミュニティの重要性 またここから、異業種の人間がWeb3に来ることへの、きっかけや活動しやすくするための話もされました。 重要なのは「発信力」とのことでした。 ビニール:異業種の人間であっても、web3で何かしらはできる。少なくともこうして登壇して話すことが出来ますよね。 Crypto Baby:個人で発信力を持つというのは人生を変えますね。 ビニール:最初はYouTubeからでしたっけ? Crypto Baby:YouTubeもtwitterも両方やっていますね。 ビニール:具体的にMaskでもKudasaiでも、楽しいことや困ったことなどありますか? まずは面白かったことなど。 Crypto Baby:トレンドの中心地が海外ということもあり、一年のうち半年くらいを海外で過ごしていて、いろんな人たちに会えて意見交換ができるというのは嬉しいし、楽しいですね。 ビニール:私も学校の先生をしていたこともあって、狭いエコシステムの中で動いていました。だからこそ、異業種の人と話すのがとても楽しいです。美容師時代はお客様と色んな話をされてました? Crypto Baby:昔住んでいたのは名古屋で、大企業の方々と話す機会などあり、テンションは上がっていましたね。 ビニール:自分もそうした社長たちとWeb3の話をする時などは非常に楽しいですね。この業界だと大企業のお偉いさんとも親しくなれる。そうした距離の近さっていうのも常に感じていて、日々楽しい。では、困ったところなどはありますか? Crypto Baby:いい点でもあり困った点でもあるのですが、言葉の壁は感じます。プロジェクトの紹介をしたりする時など翻訳が必要ですし、言葉が通じないと心の距離もできるので、そこをどう埋めて相手を理解していくのかで躓いてしまいます。 ビニール:自分も英語はやらないといけないし、会社に入る時もやりますと言っていたのですが、結局出来ていないですね。こないだのIVS京都でも英語で話すとなると困ったりしました。昔、学校にいたこともあり、ビジネス的な話にも苦労してしまいます。 Crypto Baby:自分も苦労しています。交渉ごとなどで胃がキリキリしますが、自分の方が強くなれば相手の方から来てくれるので、そこがアドバンテージかなと。 ビニール:Twitter頑張りましょうってことですよね。 Crypto Baby:いろんな媒体で影響力があると、良いことがありますね。 ビニール:DAOまではいかないかもしれませんが、徐々に交流が広がっていて良いコミュニティが生まれているように思います。 Crypto Baby:福岡でもこうして色んな人が集まっているし、福岡でもコミュニティの拡大をしていると良いことがあるのではないでしょうか。 ビニール:場所にとらわれないというのはweb3の魅力ではないでしょうか。自社の他のメンバーは東京ですが、自分だけは大阪。東京を起点としてweb3は広がっているけど、やはりそこら辺も分散化してもいいのでは。地方という文脈で、Web3をする人が増えたらなと思っています。 ここでセッション2は終わり、質疑応答へと移りました。 質疑応答 以下、質疑応答の内容を、箇条書き形式で記述していきます。 Q. Crypto Babyさんは、Mask NetworkやKudasaiJPそれぞれの役職でどんなことをしているのですか? Crypto Baby:エコシステムマネージャー(Mask Network)では、うちの社長に日本の良いプロジェクトを紹介したり、日本のイベント関連の管理をしています。KudasaiJPの方では、コミニュティのイベントにモデレーターで入ったりや業界の人たちと交流して提携などをしています。最近では、イベントの共催などをしています。 Q. 私も美容師をしています。最初のきっかけは仮想通貨であるとのことでしたが、次のステップに行く時に何を勉強しましたか? Crypto Baby:最初はDeFiに触ったりしたのですがよく分からず、アウトプットをすることを心がけて少しずつ自分の力にしていきました。自分はTwitterやYoutubeを中心に動いてきたのですが、分からないことなどを聞きながらやっていきました。 ビニール:来週にも福岡でDAOキャンプがありますし、そこでもわからないことを教え合うなどできたら良いですね。そこではWeb3だけでなくDAOとは何かなど、初歩的なところから始めますので、興味ある方どうぞという宣伝をさせていただきます。 Q. Crypto Babyさんはどこの国で何をしていたんですか? Crypto Baby:自分はカナダに行っていて語学研修をしていました。そこでエンジニアの人たちを会ったりもしました。 セッション3「福岡で活躍するWeb3.0 プレイヤーに学ぶ」 [caption id="attachment_95621" align="aligncenter" width="800"] (左から)紫竹佑騎氏、みなもとこうき氏、岡崇氏。[/caption] 登壇者紹介(敬称略) 紫竹佑騎(https://twitter.com/79yuuki?s=20):暗号屋 代表社員 みなもとこうき(https://twitter.com/KoukiMinamoto):株式会社Vess Labs Co-founder, CDO 岡崇(https://twitter.com/thin9rypto):OverlayDAO Founder このセッションでは、福岡を中心として活躍するWeb3プレイヤーを招いて、Web3事業を始める上での福岡の強みや、Web3の未来について語られました。 自己紹介 このセッションは、岡氏の司会によって進められました。まずは自己紹介から始まりました。 ここからは主に対談形式で紹介いたします。 岡:生まれも育ちも福岡で、自分の拠点はスイスにあります。 みなもと:企業のインターンシップの証明書などを発行したりしています。福岡には20年もずっと住んでいます。北九州に住んでいて、北九州高専の出身ですね。今やっている業務としてはデザインをしています。 紫竹:暗号をしている会社で社長をしています。ブロックチェーンを活用しています。前の仕事で仮想通貨の取引所のCTOをしていて、サイバーエージェントでもエンジニアをしていました。そのほかにも色んなIOTデータの活用など、福岡市の支援を得ながらやっています。ブロックチェーンが関係していることであれば何でもですね。 ここで、岡氏から、来場者へ職業の質問がされました。挙手形式でしたが、エンジニアの方はあまりおらず、事業家の方が数人、勤め人でブロックチェーンを学びたいという方も数名いました。 ここから早速、Web3への話となりました。 そもそもWeb3とは何なのか? 業界に入った理由は? 岡:では、Web3の可能性について話していきましょうか。 みなもと:web3は何かという逆質問からしてみてもいいですか? 岡:認識としてブロックチェーンを活用して、コミュニティを軸として、かつトークンを活用していく組織作りをすることかなと。DAOなどにも繋がるでしょうし、ユースケースとしてNFTが多いと思います。では、AIなどいろいろありますが業界に入った理由を聞いていきましょうか。 紫竹:サイバーエージェントにいた時の話ですが、上司がビットコインが造詣が深く、ビットコイン論文を勧められたりしていました。GOXにお金を預けていのですが失くなってしまい、GOXの本社が近くだったので直撃してみたら、WBSに取材され被害者として出演したりしました。そこからイーサリアムなど出てきて、色々あって取引所の手伝いなどをしました。最終的にブロックチェーンの技術を生かそうと思い、いざそれを表に出したら、大企業から誘いがあり、中には数千万円の誘いもあったのですが、社員としてやるよりかは、会社としてやった方が良いのではないかと思い、暗号屋を立ち上げました。やっていることはブロックチェーンの社会実装ですね。 みなもと:高専生だったときに仮想通貨に興味を持ちました。友達はNEMに投資していましたね。ブロックチェーン(の世界)に入ってみて、いろいろと面白いことになっている時に創業者と知り合って作ってみたら、その時がブル相場だったこともあって資金調達も決まって、いつの間にかこの場にいます。 岡:アメリカにいた時に、「死んだり生き返ったり通貨」があるとニュースがあり、それがBTCでした。そこから触っていったのですが、BTCがどこの国にも所属しない形で価値を作っているというのが(興味を持った)きっかけ。そしてその価値を成り立たせるための仕組みに衝撃を受けました。 Web3を選んで良かったと思える時 岡:これは市役所の人から聞きたいという質問なのですが、Web3 を選んでよかったという実体験はありますか? みなもと:なーちゃん(Crypto Baby氏)が言っていたことにも繋がりますが、色んな海外の人と触れ合えるというのが大きいですね。サイドイベントもあって、IVSでもWeb3の人たちはサイドイベントがありました。二条城を貸し切ったっていうのは、パリピですよね。それはオープンな文化だからかなと。いろんな人たちと仲良くなって、その人たちに呼ばれるなどあります。 岡:クリプト業界は、カルチャーがそもそもオープンですよね。ヴィタリック(イーサリアム開発者)みたいな人が、半袖半ズボンで歩いてたりする。業界を牽引しているような人たちにすぐ近づくことが出来る。通常の企業であれば出来ないフラットな部分がありますね。 紫竹:出来立ての業界だからというのもあるかもしれません。きっとインターネットの業界もそういった時期はあったでしょうし、今のweb3はそういう時期でしょう。Web3のカルチャーとしていいなと思うのは、NFTアートというのがありますが、「こんなjpeg何なんだよ」と思われながらも、自分が良いと思うから買うといった風になっている。BTCだってみんなが価値があると思うから価値があるのであって、昔の貝殻みたいなものではないでしょうか。価値があるという人もいれば、価値がないという人もいる。自分はブロックチェーンがいいなと思っていて、銀行口座を作ってもらえない時期もあったけど、自分がいいと思っているものをやっているというのが、いざ陽が当たると良いですし、否定されながらも良いと思うからやるのだというようなカウンターカルチャーでもあると思います。 岡:この業界は通名や偽名で活動している人も多いですよね。自分と切り離したアイデンティティで活動している人も多くて、それによって個人的なパーソナルな情報に関係なくいろいろすることもできる。それもカルチャーではないでしょうか。 Web3という言葉すらなかった時代から携わっている人からすると、今の業界はどのようなフェーズに入ってきていると考えているのか? 岡:web3という言葉すらなかった時代から携わっている人からすると、今の業界はどのようなフェーズに入って来ていると思いますか? 紫竹:一回飽きられているという状況だと思います。AIに人が流れているけれど、そうした光景はブロックチェーンをしてきた自分からすると何度も見てきた光景。しかし、BtoBをしていると、一社の基盤に乗っかろうというよりはみんなで一緒にフェアな基盤作ろうという部分でブロックチェーンを使おうというような動きがあって、沢山のところで社会実装され始めている。もしかしたら、皆が思うweb3と自分にとってのweb3は違うかもしれない。例えば、NFTを見ると幻滅期(※ハイプ・サイクル)にあるように思うのですが、しかしそれを乗り越えるときちんと歴史がある人なんだと思われるのではないでしょうか。ブロックチェーンでもそうでした。 岡:自分の時は仮想通貨と言えば怪しいという印象が世の中にありました。これが決定的に変わったタイミングが、エルサルバドルの法定通貨の採用かなと。怪しいものを国が法定通貨として設定するというのが、信頼できるものというラベリングになりました。そこから仮想通貨が信用されるものという入り口になったのではないかなと思います。Web2.5という言葉も今日出てきたが、どのようにしてマスに向けて訴求していくかという動きがあります。その他としてあるのが、仮想通貨に対する規制ですね。このような流れが以前にもあり、株式にだって最初は規制があった。規制を通して健全化していってマスへ向いていった。そういった流れがありました。 みなもと:飽きられつつあるけども、技術を導入したいという企業は増えてきています。自分としては信頼の網が大事であって、信頼できるインターネットでの取引というのが大事だし、分散型IDというのもそこが大事になってくる。証明書の業務をしていく中で、信頼できる情報が少ないことが多いことに気付きます。表に出る情報は表面的なものであって、顔写真とか収入とかも表には出せない。質の高い情報は信頼の網に乗っていかないと、活用ができない。NFTはマーケティングに使われることも多く、属性の判断に使われる。しかし、NFTから得られる情報が信頼できるパーソナルで質の高い情報とも限らない。自分たちはそうした質の高い情報を事業会社さんにベネフィットを示しつつ、信頼できる情報を増やしていけるかという部分が大事ではないでしょうか。 福岡市からweb3を増やしていくという点から、これから福岡市はどのようなところに力を注げばいいのか。現場の声としての提案。 岡:福岡市からweb3を増やしていくという点から、これから福岡市はどのようなところに力を注げばいいかを、現場の声として提案していきましょうか。 紫竹:Web3の人たちに対して有利な規制緩和は大きいと思います。スタートアップ支援という点では日本一といっていいですね。福岡市で起業するという点でも自分は恩恵を得ているし、こうした場を作ってくれるのもとてもありがたい。現時点でもありがたいが、そこに規制の緩さという空白を作ってくれると、もっと良いのではないでしょうか。福岡県レベルではブロックチェーン学習のコミュニティもあるし、そういうイメージもあるし、新しくそういうイメージを作るのもあるし、身近にブロックチェーンを詳しく話せる人が実は身近にいたりもしました。そうしたエンジニアの人たちが集まりやすいようなコミュニティを作るようなのもいいのではないでしょうか。 岡:自分としてもエンジニアを集めるのがとても大変でした。昔そうしたことを企画した時には、人に教えられるレベルの人はいなくて、海外から呼んだりしないといけませんでした。柴竹さんのいうように、福岡はエンジニアがいっぱいいますし、そうした土台はすでに十分あるように思います。 みなもと:本当に仰る通りで、東京の次にということになれば、やはり福岡ではないでしょうか。 岡:人材という点を除くと、今はスイスにいますが、日本に移住するとなると福岡かなと。冗談抜きでご飯が良いです。規制とか物価とか大事ですけど、ご飯はとても大事。スイスも美味しいけど、(福岡は)安いし美味い。他にはやはり規制周りですかね。 ここでセッション3が終わり、質疑応答へと移りました。 質疑応答 以下、質疑応答の内容を、箇条書き形式で記述していきます。 Q. 「人が多い」という言及がされましたが、それはエンジニアが多いということですか? ユーザーが多いということですか? 岡:私が話した「人が多い」というのは、プレイヤーが多い、ソリューションを提供するような人が多いということですね。 みなもと:投資をする人も多い印象です。 Q. 一般の人たちにブロックチェーンが広まるにはどういう風にするのが良いのでしょうか? SUGOCAみたいな多くの人に触れてもらうような機会の提供など、皆さんが考えていることなどありますか? 紫竹:何かの仕組みの裏側に仕込んでおくというのが、マスに向けたという点においては簡単ではないでしょうか。 岡:JR九州の取り組みもそのようなものかと思いますね。 柴竹:コロナワクチンの証明書でも、それ自体はブロックチェーンではないのですが色んな技術があります。結局はインフラであって、裏側にまで目が向くことはありません。こっそり裏側にというのが良いのではないでしょうか。 みなもと:NFTもブロックチェーンも埋もれているものでしょうし、マイナンバーだってある種のウォレットですよね。 柴竹:他には、エルサルバドルでは、皆が自国の通貨を使わない中で強制的にウォレットを渡しているのですが、これもマスへの訴求の一つだと思います。 Q. 福岡のエンジニア状況は足りている状況なのでしょうか? 新しく学びたい人が学べる環境なのでしょうか? 体感でいいので教えて下さい。 紫竹:うちは東京半分、福岡半分ですね。福岡の人である人である必要はないですし、採用したりする場所は特に気にしていません。育てる環境という意味では、学習コミュニティがあるのでそういうところに行くのが良いのではないかと思います。それこそうちに入りたいという人がいれば、人を育てる土壌はあるので門を叩いてもらえればと思います。 終わりに [caption id="attachment_95626" align="aligncenter" width="800"] (一番左・マイクを持った方)Fracton Ventures 亀井聡彦氏(https://twitter.com/tolehico)[/caption] 最後、Fracton Venturesの亀井氏から、イベントの総括が行われました。 「本日は17時という時間から、皆様来て頂いてありがとうございました。ここまできて頂けるとは思いませんでした。これでやる気だとか湧いてもらえればと思いますし、文脈として、福岡市とFracton Venturesを感じていただければと思います。今回の一回で終わるということでもないですし、福岡市は以前よりスタートアップ支援をしています。その中の一環としてweb3が取り上げられていて、コミュニテイ作りの一環となればと思います。」 この締めくくりの後、Fracton Venturesの紹介がされ、イベントはネットワーキングへと移り、閉幕しました。 実は私自身、このようなWeb3イベントを体験することは初めてでした。 イベントでは度々、Web3の現状や展望について語られていましたが、いずれもに共通する事柄として、コミュニティや体験、人との繋がりを重視しているように思われました。 セッション1では、NFTを通じてのコミュニティに所属している人の体験を重視すること。 セッション2では、仕事をより充実させる要素として人との繋がりが大切であること。 セッション3では、福岡をより素晴らしいWeb3の発信源にするには、エンジニアといったプレイヤーが増えることが重要であり、そのためにはエンジニアが気軽に教え合ったり交流したりする場所が必要であること。 Web3分野は、一見するとブロックチェーンという技術的な言葉ばかりで、てっきりパソコンやスマホといったデバイスばかりに目を向けがちかもしれません。しかし、実際にはそれらデバイスに触っている人間こそが重要なプレイヤーであり、インターネットの世界で繋がるからこそ、現実のリアルな体験や、直接交流出来る機会が重要なのかもしれません。 私自身、今後ともWeb3業界を取材していく中で、積極的にイベント参加をしていこうと思える良い機会でした。 締めくくりの中で、亀井氏は「規制が進む中で、規制から逃れるという意味でもDAOは重要」と話しており、それが個人的には印象に残りました。 ちょうど、今週末(7月29日と30日)にも「FUKUOKA DAO CAMP」があります。そちらにも取材し、潜入レポを書かせて頂きますので、ご期待して頂ければ幸いです! (謝辞) 今回のイベントを主催するにあたって尽力して下さった福岡市職員の皆様。私の突然の取材を快く受け入れて下さるだけでなく写真提供もして下さったFracton Venturesの皆様。興味深いお話をして下さった登壇者の皆様。イベントに来て下さった来場者の皆様。その他全ての方々に、この場を借りて改めてお礼を述べさせて頂きます。ありがとうございました。
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2023/06/23『Non Fungible Tokyo 2023』イベントレポート|NFT・Web3と日本の未来
昨日6月22日(木)、東京国際フォーラムでアジア最大規模のNFTカンファレンス『Non Fungible Tokyo 2023』が開催されました。 Today, #NFTokyo2023 is being streamed live on YouTube📺 If you can't come to the venue, please check it out here! 本日、#NFTokyo2023 の模様をYouTubeでも生配信しております📺 ぜひこちらからご覧ください! Main Stagehttps://t.co/VL7q9n87Yf Side Stagehttps://t.co/xmarojx5HX — NonFungibleTokyo2023.06.22 (@NFTokyo2018) June 21, 2023 トークセッションには、大臣や国会議員などの政界やThe SandboxやAstar Network、OasysなどのWeb3業界、SEGAやKONAMI、GREE等の大手企業など多方面から豪華ゲストが登壇。NFTやブロックチェーンゲームをテーマに2会場でトークセッションが行われました。 また、サイドステージ会場では、複数のNFT関連プロジェクトのブースが出典されており、プロジェクトと参加者によるコミュニケーションが行われていました。 [caption id="attachment_94585" align="aligncenter" width="396"] ブースエリアの様子[/caption] トークセッション メイン会場で行われた多くのセッションでは、日本国内のNFTやWeb3に対する規制がテーマに挙げられました。 大規模な取引所の不祥事などを経験してきた日本のクリプト分野に対する厳格な規制への評価は、昨年発生したFTXの経営破綻などをきっかけに見直されつつあります。 大手ブロックチェーンゲーム開発・投資会社Animoca Brandsの子会社(Animoca Brands Japan)のCEOを務める岩瀬 大輔氏は「現在は相場だけではなく規制環境の影響によるクリプトウィンターが来ている。その中で予測可能性と透明性がある日本の安心感のある規制の方向性は事業者側にとって重要」とコメント。 親会社(Animoca Brands)では日本が大事なマーケットとして認識されており、注力していく方針が取られていることを明かしました。 [caption id="attachment_94575" align="aligncenter" width="354"] 岩瀬 大輔氏[/caption] 政官財一体となった規制整備の進行が求めれられるなか、ゲストとして登壇した西村経済産業大臣は「少子高齢化や人口減少などの課題を乗り越えるには、Web3をはじめとするイノベーションしかない」と自身の見解を示しました。 ユースケースの創出や人材育成への取り組みとデジタル空間における模倣品に関する権利の保護など、進行と規制のバランスを取りながら事業環境の整備を政府として進めていくとしています。 [caption id="attachment_94579" align="aligncenter" width="344"] 西村 康稔氏[/caption] 国内のWeb3市場が拡大していくにつれ注目されるのが、日本企業が保有するIPの活用方法です。 東映アニメーション、サンリオ、集英社からゲストが登壇したトークセッションでは、企業が求めるWeb3分野のパートナーに関して、東映アニメーションの植野 良太郎氏は「スピード感が速い世界だが"すぐ儲かる"といったところは求めていない。5年10年かけて作品を伸ばす、作っていくという部分に賛同してもらえる人と関わっていきたい」と同領域での取り組みに関する姿勢を示しました。 [caption id="attachment_94581" align="aligncenter" width="358"] 植野 良太郎氏[/caption] 2017、8年と比較し、従来以上に多方面からWeb3領域への注目が高まるなか、日本は今後どのような方向で進んでいくべきなのか。 経済産業省の板垣 和夏氏は「法律と会計と税が強く紐づいており、適切な規制を敷くには抜本的に法律を変える必要がある」としたうえで、Web3関連技術が多くの人に使われる必要不可欠な存在となり、社会課題を解決するユースケースが多く創出されることが重要であるとしました。 Astar Network CEOの渡辺 創太氏は上記に加えて「世界で勝ち、それを逆輸入することが必要。国際的に強い日本の企業も最初からグローバルに打ち出し、プロダクトを作っていくことが重要」とコメント。 [caption id="attachment_94584" align="aligncenter" width="355"] 渡辺 創太氏[/caption] 自身もトークンベースで現在約300億円の時価総額を記録しているAstarを牽引する渡辺氏は、規制整備など様々な施策を進めるうえで「分かりやすさが重要」であるとし、時価総額や地方での活用事例などの創出に注力していくとしました。 まとめ コロナの影響が収まったこともあってか海外からの参加者も多く、会場では英語と日本語が行き交っていました。 今後日本がWeb3分野においてグローバル規模で存在感を示していくためには、参加者一人一人が自身の分野でのプライドを持ちながら、他業界へのリスペクトを併せ持ち、相互作用を生んでいくことが重要であると今回のイベントに参加してみて感じました。 イベントに参加することで画面上では得られない情報のインプットができるため、今後Web3分野で活動を行うことを考えている方は積極的にイベントに参加してみると良いかもしれません。 6月28日からは、一連のイベント期間Japan Blockchain Weekの一環として、国内最大規模のクリプトカンファレンス「IVS Crypto 2023 KYOTO」が開催されます。こちらも是非チェックしてみてください。 IVS2023 KYOTO / IVS Crypto 2023 KYOTO 開催概要 開催日:2023年6月28日(水)~6月30日(金) 会場:京都市勧業館「みやこめっせ」、ロームシアター京都 他 主催:IVS KYOTO実行委員会(株式会社Headline Japan / IVC、京都府、京都市、一般社団法人京都知恵産業創造の森) 後援:日本経済団体連合会(経団連) / 新経済連盟(新経連) 詳細・お申込み:https://www.ivs.events/crypto 画像参照元:Non Fungible Tokyo 2023
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2023/05/02「ETH Global Tokyo」にCRYPTO TIMESが挑戦|開発の舞台裏とは【イベントレポート】
株式会社ロクブンノニのコンサルティング事業部マネージャーのHenryです。 先日、我々CRYPTO TIMESのチームは、世界中から数百のチーム、何千人のエンジニアやデザイナーが集まるハッカソンイベント「ETH Global Tokyo」に参加し、プロダクト開発を行いました。 We are proud to announce⎯the 11 ETHGlobal Tokyo finalists! 🇯🇵 🤩 POMPoarding 🎙️ ZKVoiceKey 🔥 BAILOUT ➗ AokiApp NFT 🐙 Octoplorer 🌸 Myna 🪧 https://t.co/L5yS0lSEyv 💚 AbswapX 🦝 Tanuki 🤫 YORU 🎮 SuperPlay 👇 / 🧵 — ETHGlobal (@ETHGlobal) April 16, 2023 世界各国の都市で定期的に開催されるETH Globalのハッカソンではこれまで数々の革新的なプロジェクトが誕生しており、今回も上記11個のプロジェクトがファイナリストとして選出されました。 本記事では、実際に自分達がハッカソンに参加したことで得られた経験や会場の様子、実際のプロダクト制作時の裏側などをお伝えしていきます。 ETH Global TOKYO イベント概要 運営 : Ethreum Foundation 場所 : 虎ノ門ヒルズフォーラム 開催日 ; 4月14 ~ 16日 参加費 : 0.06 ETH ( プロジェクト提出後は返却されたため実質無料 ) 登録者数:1500人 参加国:59カ国 参加プロジェクト:311 参加ハッカー:1070人 (71%の参加率) ハッカソンの参加者の内400人以上が日本人であり、70%はアジア圏からの参加となりました。 新規参加者は全体の35%を占めており、開発の途中でメンターやスポンサーへの質問も可能ということもあり初心者も歓迎されるハッカソンとなりました。 また、多数のスポンサーによる総額$375,000ドル (約5,000万円) の賞金も用意されていたこともイベントの大きな特徴のひとつです。 会場 虎ノ門ヒルズフォーラム内の2フロアがイベント会場で、5階が開発エリアとなっており参加者用のテーブルなどが設置、4階ではセッションやスポンサー企業のプレゼンテーション、閉会式が行われていました。 [caption id="attachment_92455" align="aligncenter" width="401"] 虎ノ門ヒルズ[/caption] Nearly a full house! 🏠 pic.twitter.com/E8h3yO2mF2 — ETHGlobal (@ETHGlobal) April 14, 2023 開発エリアの様子 5階に設置された各ブースでは、1inch、AAVE、Gnosis、Taiko、Access Protocolなどのプロジェクトの独自デザイングッズが配布されており、Lens Protocolの可愛いパーカーとスウェットパンツのセットアップが大変評判を集めていました。 [caption id="attachment_92368" align="aligncenter" width="510"] ブースエリアの様子[/caption] [caption id="attachment_92466" align="aligncenter" width="500"] 会場にて配布された各プロジェクトのグッズ[/caption] また、いくつかのブースではPOAP配布が行われおり、専用の読み取り機にスマートフォンをかざすだけでMintが開始され、LensやAAVEでは可愛いPOAPが配られていたのも印象に残っています。 [caption id="attachment_92464" align="aligncenter" width="520"] 会場にて配布されたPOAP[/caption] 会場では、アイスクリームや飲み物が食べ放題・飲み放題で提供。お菓子も常に補充されるだけでなく、朝食から夜食まで全ての食事も提供され、その規模には驚くばかりでした。 [caption id="attachment_92489" align="aligncenter" width="225"] 会場に用意されたおやつ[/caption] セッション イベントの初日と2日目には、カンファレンスルームで各プロジェクトのメンバーが登壇し、多様な話題について語っていました。 [caption id="attachment_92370" align="aligncenter" width="515"] セッションの様子[/caption] セッションでは日本人登壇者も基本的に英語でのスピーチを実施。さらにセッション終了後には登壇後のプロジェクトメンバーに気軽に質問もでき、参加者はグローバルな雰囲気の中で非常に有益な時間を過ごすことが出来ました。 CRYPTO TIMESチームのプロダクト 今回、私たちのチームは4名が以下の役割に分かれてプロジェクトに取り組みました。私Henryは、各メンバー間のコミュニケーションを補佐し、進捗管理を行うプロダクトマネジメントを務めました。 ・プロダクトマネジメント x 1 ・フロントエンドエンジニア x 1 ・バックエンドエンジニア x 2 作成したプロダクトは、こちらの「Mottainai」になります。 「Mottainai」は、"ウォレット内の不要なトークンを一括整理することで、1つのウォレットアドレスを長く使い続ける”というコンセプトで開発したプロダクトです。 SBTの誕生やPOAPの配布などにより、デジタル上における各ユーザーの思い出としての役割を果たしていると我々は考え、ウォレットを綺麗な状態で長く使い続けるためのソリューションとして「Mottainai」を考案しました。 このプロダクトでは、処分したトークンの代わりに現実世界でも活用できるNFTの受け取りが可能で、開発が進めばリサイクルコントラクトに投げたトークンの一部をETHとして受け取れる機能も実装されます。 プロダクトのコンセプトの背景 監査法人に勤めた経験がある私は「Mottainai」が監査の場面において有効活用できると考えました。 現状、監査法人が抱える大きな問題として「人材不足」が挙げられます。 リーマンショック直後の人材カットや採用縮小の影響は今も各監査法人に続いており、企業側の不正問題対応による業務量増加も重なっています。一方で、ワークライフバランスや社会的コンプライアンスの観点から、残業を強制することはできず、物理的に変化が難しい状況が続いています。 そのため、一部の監査法人では新規クライアントを断るケースもあり、Web 2.0時代には上場できない企業も存在しました。そんな中、「仮想通貨」をクライアントが利用することに対しては、既存業務への追加負荷が懸念され、好まれていないのが現状です。しかし、受け入れる必要がある部分も存在するため、外部からの業務削減に貢献できる当該サービスが、業務効率化に大きく貢献できると期待されます。 期末時にウォレット内の評価を行う際、多数の不透明なトークンが存在すると、それらの評価に必要な時間が過剰にかかってしまい、監査を行う側にとっては不必要な時間が消費され、監査される側にとっては余計な費用が発生します。 当該サービスを利用することで、ウォレット内を一括処分処理することで、双方にとって時間と費用の節約が実現できるメリットがあります。 上記に加えて、学生時代からファッション業界を通して馴染みのあった「エコ」「サスティナブル」といったコンセプトもアイディアの元となりました。 開発の舞台裏 ハッカソンのスケジュール ・ハッカソン期間:4/14 (金)~ 4/16 (日) ・ハッカソン開始日時:4/14 (金) 19:00 ・プロダクト提出期限:4/16 (日) 9:00 CRYPTO TIMESの想定スケジュール ・4/15 (土) 17:00 プロダクト完成 ・4/16 (日) 3:00 追加機能実装 ハッカソンは4/14 (金) の夜7時から開始されました。 当初、開発はハッカソンの会場である虎ノ門ヒルズで行う予定でしたが、予想外のWiFiの遅さから、新宿にあるCRYPTO TIMESのオフィスで作業を行うことに。役割分担とタイムスケジュールを確認した後、プロダクトマネジメント担当の私は自宅で仮眠を取ることにし、他の3名の開発メンバーはオフィスで作業を続けました。 翌朝、4/15 (土) にオフィスに到着すると、3名が徹夜で作業を続けており、進捗確認を行った後に3名にはオフィスで仮眠をとってもらいました。(ちなみにCRYPTO TIMESのオフィスは新宿にあるコワーキング&イベントスペース「GOX」の上にあります) gm! 本日もGOX全日オープン☀️ どなたさまも無料でご利用いただけます🙌 ETHGlobal Tokyoが近づいてきましたね! イベント開催のご相談もDiscordにて承っております。 ▶️ https://t.co/nF1LHPmuSc pic.twitter.com/opltjnVdUF — Crypto Lounge GOX (@groove_on_x) March 8, 2023 ハッカソンは、好きなプロダクトをただ開発すれば良いというわけではなく、タイムスケジュールの確認や各自のTo Do、審査対象条件、プレゼン方法、提出物・方法など、開発以外のタスクも多くあり、さらに、私は会場でのセッションを聞く必要があったため、午後には新宿のオフィスから虎ノ門ヒルズへ移動するなどハードなスケジュールだったのをよく覚えています。 当初の予定では、4/15 (土) 夕方の時点で一通りのプロダクトの開発を完了させる予定でしたが、夕方にオフィスに戻り状況確認を行うと、バックエンドでの問題発生により予定より大幅に遅れが生じていました。一旦すべての問題点を洗い出し、妥協する部分と妥協しない部分、メンバー間のフォロー体制を明確にしました。 ちなみにCRYPTO TIMESのバックエンドエンジニアは最近インドから日本に来た若手のエンジニアだったこともあり、チーム内のコミュニケーションは下記の方法で行っていたため、通常より時間のロスがあったのかもしれません。 日本語で話す そこから英語で話す 最後にもう一度日本語でクリアにする 要所要所の問題点を明確にした後、全員が徹夜で作業を行い、急遽45分巻きでアナウンスされたプロダクト提出期限4/16 (日) 8:15の1時間半前の7:30に開発が完了しました。そこから、プレゼン資料を加工し、デモ動画の録画などを急ピッチで準備しました。 [caption id="attachment_92487" align="aligncenter" width="539"] Mottainaiのプロジェクト紹介ページ:https://ethglobal.com/showcase/mottainai-swy8t[/caption] 無事に期限内に提出が完了しましたが、提出直後に09:30に会場集合の連絡があり、フロントエンドエンジニアとしてチームに参加していたCRYPTO TIMES CEOのアラタさんと私は虎ノ門の会場へ向かいました。残りの2人は、徹夜の疲れからオフィスで休むことになりました。 プレゼンテーション ハッカソンはプロダクトを提出して終わりではありません。ここから自分達が作成したプロダクトのプレゼンテーションを会場で行わなければいけないのです。 今回のイベントでは、ファイナリスト賞とスポンサー賞の両方に応募するか、スポンサー賞のみに応募するか選択が可能でした。 私たちはこの貴重な機会を活かすため、両方に応募することにしました。ファイナリスト賞のプレゼンテーションは長蛇の列だったため、まずはスポンサー賞の方へ向かい、最近シードラウンドで6.5億円の資金調達をしたことでも知られる「INTMAX」でプレゼンを行いました。 審査員の皆様からは、各自異なる視点から今後の開発のためになる素敵なフィードバックをいただきました。 その後、ファイナリスト賞の審査員の方の前でプレゼンテーションを行い、私たちのハッカソンは終了しました。( 審査員は2人の方でしたが、1人はCoin BaseのAsset管理の方でした。) 本来であれば、4人全員でプレゼンを行いたかったのが本音でしたが、チームの3名は開発以外の業務が主であり、ほとんどのことが初めての経験でした。 また残り1名のメンバーにもかなりのプレッシャーがかかっていたと思います。しかし、期日までにプロジェクトを完成させ、チームとしてプレゼンができたことは、初参加の初心者チームとしては大きな成果だと思います。 ハッカソンに参加してみて 今回のイベントは、非常に刺激的であり、多くの学びが得られる経験でした。AAVE創業者のStani氏と直接会話できる機会があったり、普段DeFiなどで利用するプロダクトの関係者たちと出会えることは、非常に貴重な体験でした。 次回のイベントはポルトガルのリスボンで開催され、その後パリやニューヨークでも予定されています。観光旅行を兼ねて参加してみるのも良い選択かもしれません。 一つ気になる点として、日本の主要なIT企業からの参加者があまり目立たなかったことが挙げられます。もちろん、個人としての参加があったかもしれませんが、国内で開催されるブロックチェーン関連のイベントに登壇するような方々が当該イベントの登壇スペースで見当たらなかったことから、日本と他国との間に感じられる状況の違いが印象的でした。 公式リンク ETH GLOBAL:https://ethglobal.com/ スポンサー一覧:https://ethglobal.com/events/tokyo/prizes 提出プロジェクト一覧:https://ethglobal.com/showcase?events=tokyo Mottainai:https://ethglobal.com/showcase/mottainai-swy8t
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2022/08/01【現地取材】NFTを活用したホテル「NOT A HOTEL」| 1日単位の別荘の所有権
NOT A HOTELは、2020年2月に創業され、『ホテルにもできる別荘を買おう』をコンセプトに設計された新しい暮らしを提供するスタートアップです。 また、2022年6月21日には、『NOT A HOTEL』の宿泊権、イベント参加も可能な特典を合わせた会員権となる『NOT A HOTEL NFT』が発表されました。 本記事では、『NOT A HOTEL』 / 『NOT A HOTEL NFT 』の特徴、そして、2022年7月23日にNOT A HOTEL AOSHIMAで行われたに関するイベントに触れた記事になります。 NOT A HOTELとは NOT A HOTEL [caption id="attachment_77070" align="aligncenter" width="800"] NOT A HOTEL Websiteより[/caption] NOT A HOTELはアプリ1つで、自宅(別荘)とホテルをアプリで切り替えられる「新しい暮らし」を提供し、下記が特徴となっています。 別荘として利用したい分だけ購入が可能 (年間30日からのシェア購入から物件の一棟購入まで) 購入したものの、使わない際はホテルとして貸し出し、収入を得ることも可能 オーナーであれば、自分が購入していないNOT A HOTELの利用も可能 2021年9月よりには第1段 NOT A HOTELとして販売された宮崎県青島「NOT A HOTEL AOSHIMA」と栃木県那須の「NOT A HOTEL NASU」は約2ヶ月で40億円の売上になったことで、話題にもあがりました。 7月14日にはNOT A HOTEL Fukuoka、そして、8月1日にはNOT A HOTEL石垣島を竣工することが発表されました。 次なるNOT A HOTELは、日本有数のリゾート地石垣島。海沿いの広大な敷地に建つ裏表のない建物は、大地とゆるやかに繋がります。デザインを手がけるのは建築家の藤本壮介氏。自然の景色を眺めながら、心を落ち着かせる唯一無二の南国リゾート。 是非下記リンクもご覧ください。https://t.co/knE4CnoYeu pic.twitter.com/AdcwYOJYoS — NOT A HOTEL inc. (@notahotel_inc) August 1, 2022 今後、2025年までに各地に30箇所のNOT A HOTELをオープンすることを目指しています。 NOT A HOTELの現在時点でのホテル一覧はこちらのページより確認が可能です。 NOT A HOTEL NFT [caption id="attachment_77071" align="aligncenter" width="522"] NOT A HOTEL NFTのページより[/caption] 2022年6月21日に発表された『NOT A HOTEL NFT』は、NFT保有者に対して、NOT A HOTELの宿泊権が付随されたNFTになります。 本NFTは購入後、Revealされてはじめて「毎年旅をする日」がランダムに決まり、宿泊の3カ月前にNFTホルダーに対して、NOT A HOTELの鍵となる「THE KEY」がAirdropされる仕組みとなっています。 「THE KEY」が届くまではどこのNOT A HOTELに宿泊するかもランダム(今後増えていく新たな施設も含まれる)です。 このNFTを保有することで、毎年NOT A HOTELへの宿泊が可能になり、Membership NFTを保有していれば、47年間この仕組が続きます。 発表されている情報によると、二次流通市場(Openseaなど)でMembership NFTの売買や、The Key自体を売買することもできる仕組みとなっていて、保有者のスケジュールが合わなければ、売買やプレゼントなどができるのが従来の会員制ホテルとのちがいとも言えます。 Websiteによると、ウォレットの中にあるTHE KEYを、12月にオープン予定のサイト上で認証、氏名等の個人情報を入力後、予約手続きが完了になる予定です。 予約後から滞在終了までの間に THE KEY を保有していることが、予約・滞在する権利の条件のようです。 2種類のNFT NOT A HOTEL NFTは2種類のNFTが存在します。 MEMBERSHIP SとMEMBERSHIP Xとなっており、これらの違いは、1泊/年, 3泊/年、発行枚数が658枚, 24枚となっています。 販売価格も既に発表されており、MEMBERSHIP Sは6ETH(125万円) , MEMBERSHIP Xは24ETH (475万円)です。 NOT A HOTEL NFTの発売日がついに決定! 8/2の12:00販売開始予定です。 また、ETHだけでなく日本円でも購入可能に! MEMBERSHIP S: 125万円 MEMBERSHIP X: 475万円 (ETH価格は直近価格に応じて決定) 先日発表したFintertechとの提携ローンも利用可能です。 販売開始を楽しみにお待ちください! — NOT A HOTEL inc. (@notahotel_inc) July 19, 2022 2022年7月23日 NOT A HOTEL AOSHIMAイベント 2022年8月2日からNOT A HOTEL NFT 販売前に、AOSHIMA BEACH VILLAGE「LDK」にてMembership NFTのイベントが実施されました。 本イベントは宮崎県青島にて竣工中のNOT A HOTEL AOSHIMAのエリア内で行われました。 NOT A HOTELの各ホテルで提供される部屋は、通常提供されるホテルのスイートルーム以上の広さと利便性を持った部屋であることがNOT A HOTEL CEOの濱渦さんより紹介されました。 また、今回のNOT A HOTEL NFTを話し始めるとき、「提供する皆さんを含んだ誰よりも僕がこのプロジェクトにワクワクして楽しいと思うことをやっているんです」と説明。 今まで提供していたNOT A HOTELは30日から所有ができるものの、金額面などからまだハードルが高いことを感じていて、これらの課題をNFTと掛け合わせることで「1日単位」で利用できる権利として、購入することができる仕組みにしたようです。 「8月2日に販売されるNOT A HOTEL NFTを購入して、Revealするまで、どの日程で泊まることができるようかはわからない。そして、場所も3ヶ月前にTHE KEYのNFTが届くまでわからない。今までの旅行とは違った体験を是非とも経験してほしいという、ワクワク感も体験できます」と濱渦さん。 「因みに私の誕生日は、7月21日となっていますが、この日付のNFTが私の手元に来るかどうかも完全ランダムになっています!手にしたNFTの日付がみなさんにとって特別な日に変わることが僕たちの願いです。」と続けました。 また、当日のイベント参加者向けの特典として、membership NFTのmintが参加者向けに提供されました。CRYPTO TIMESはNOT A HOTELの記念すべきファーストミントをさせていただきました。 NOT A HOTEL NFT @notahotel_inc が宮崎で開催している現地イベントに参加し、イベント参加特典のWhiteList MINTはCRYPTO TIMESとして、第一号ミントさせていただきました。 弊社の福利厚生の一環として利用させていただく予定です。 まだ建設中だったけど、めちゃくちゃ綺麗で期待しか無い感じでした https://t.co/DLh9MSFoqn pic.twitter.com/6P5ODrLENf — arata (@cry_curr_ar) July 23, 2022 現在、竣工中のNOT A HOTEL AOSHIMAは宮崎空港から車で約10分とアクセスもしやすいロケーション、そして、建物の目の前には宮崎のオーシャンビューが見える絶景の場所でした。完成が楽しみです。 NOT A HOTEL NFT Membershipから考えるNFTの未来 2021年BAYCが登場し、NFTは一躍市場のブームとなり、多く存在しています。コレクティブという文脈で語られるNFTですが、投機的な観点からのNFTが多く見受けられており、ユーティリティが存在しないものも多く、需要供給でのみ価格が決まっています。 NOT A HOTEL NFTでは47年間決まった日に利用可能なホテル所有者の宿泊証明としての役割を持っており、明確なユーティリティが存在します。 NFTのRevealやホルダーに対してのエアドロップの仕組み、対象日に利用ができなかったり、NFT自体に価値が無いと考えたらMembership NFTやTHE KEYのNFTをOpenseaなどのセカンダリーマーケットでの売買が可能になっていることも、NFTならではのアイデア性です。 今回のNOT A HOTEL NFTに限らず、リアルな世界と紐づくMembershipタイプのNFTは多く見受けられるようになってきていますが、その多くは特典が購入した値段により異なっている、単なる店舗の会員証であるという側面が強いと感じています。 気になる点としては、47年は建物の耐久年数であるというように書かれていますが、そもそも47年の期間中に建物がなくなってしまった場合はどうなるのか?NFTとして、該当日の所有権自体は個々が有しているものの、NOT A HOTEL という法人自体が仮に無くなってしまったらどうなるかなどの疑問は残りました。 しかし、NOT A HOTEL membership NFTでは、ユーティリティを持たせながら、NFTや暗号通貨の特性をふんだんに取り入れた新しいカタチのNFTであると考えており、これらの新しい取り組みは純粋に今後がどうなるか非常に楽しみでもあるため、動向を注目していきたいです。 NOT A HOTEL Information NOT A HOTEL Website NOT A HOTEL NFT Website Twitter
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2022/07/16Web3の解像度が急上昇した1日 |『Web3 Conference Tokyo Vol2 』CRYPTO TIMES主催イベントレポート
昨日7月15日、CRYPTO TIMES・Mask Networkの共同主催イベント『Web3 Conference Tokyo Vol2』が渋谷で開催された。 本イベントでは国内外から豪華なスピーカーによる、L1、NFT、コミュニティ、ウォレットなどあらゆるテーマでのトークセッションが行われた。 一つのバズワードとしてWeb3が扱われるようになった昨今では、より本質的な知識や思考の必要性が高まってきている。 本記事では、そのきっかけとなるべく『Web3 Conference Tokyo Vol2』の様子を伝えていく。 *イベントの様子はYoutubeで全編公開中です。 会場の様子 [caption id="attachment_76811" align="aligncenter" width="431"] 画像引用元:https://stream-hall.jp/business-plan-view/[/caption] 本イベントは渋谷駅直結の「Shibuya Stream Hall」の4F - 6Fをブースエリア、ネットワーキングエリア、トークセッションエリアの3エリアに分けて開催された。 [caption id="attachment_76808" align="aligncenter" width="373"] ネットワーキングエリアの様子[/caption] 平日昼間からの開催にも関わらず、全てのフロアに常に人がいる状態で、広々とした空間の中、それぞれが落ち着いた状態でネットワーキング活動を行なっていた。 [caption id="attachment_76809" align="aligncenter" width="406"] ブースエリアの様子[/caption] 4Fで行われていたブースでも、出店しているプロジェクトや企業の説明を熱心に聞き、名刺交換などを行なっている来場者の姿が多く見られた。 [caption id="attachment_76810" align="aligncenter" width="368"] トークセッション会場の様子[/caption] トークセッション会場は、ほぼ全てのセッションが満席状態。数十人の来場者が立見で聴いている場面も多くあった。 「日本はトップファンドから相手にされていない」 [caption id="attachment_76778" align="aligncenter" width="532"] Astar NetworkのSota Watanabe氏とあたらしい経済の設楽悠介氏[/caption] 続いてトークセッションの様子を伝えていく。トークセッションの口火を切ったのはAstar Networkの渡辺 創太氏。 PolychainやAlameda Reserchなど大手VCから出資を受けているAstar Networkを牽引する渡辺氏は、世界から見た日本の現状について上記のように語った。 上記の理由として、 VCは創設者の国籍ではなくプロダクトのクオリティで判断している 日本情報を英語で発信している人が少ないため、VCは日本についてよく分かっていない の2点を挙げ、VCの基本的な思想や日本への見解について述べた。 日本の税制に対する問題意識が国内で高まりつつある中、渡辺氏は昨今の市場について「今は次のGoogleが生まれるゴールデンタイム」と表現し、さらなるプロジェクト推進への意気込みを語った。 「海外だとSBT、日本だとNFT」 [caption id="attachment_76779" align="aligncenter" width="445"] LOCK ON CEOの窪田 昌弘氏[/caption] こう語ったのはLOCK ONの窪田 昌弘氏。 海外を中心に活動する窪田氏によると、海外イベントでは*SBTやZK Rollupといったワードが話題となるのに対し、日本ではNFTについて言及する人が多く、ギャップを感じるという。 *SBT = Soulboundトークン。Ethereum創設者ヴィタリック・ブテリン氏が最近提唱した譲渡不可能なNFT モノバンドル株式会社の@y0su1さんも参加して4人でのセッションが行われました。 💫「海外で活動すると飲みニケーションが無くて気楽」 💫「海外だとSBTが取り上げられるが日本はNFTが中心でギャップを感じる」 💫「NFTに関して日本でしか出来ない強みもある」#Web3conferencetokyo pic.twitter.com/MRLDgVJGnB — CRYPTO [email protected] Conference 7/15 (@CryptoTimes_mag) July 15, 2022 日本と海外では捉えてる部分や、中長期的にどんなプロトコルを普及させようと試みているかの部分での思想が全く異なると自身の経験を元に語った。 「NFTを活用して限界集落の復興を」 [caption id="attachment_76780" align="aligncenter" width="485"] NishikigoiNFT、山古志住民会議代表の竹内 春華氏[/caption] NFTが話題の中心となる日本では、実際にどのような取り組みやプロジェクトがあるのか。 人口800人の新潟県山古志村で行われているプロジェクト「Nishikigoi NFT」の竹内春華氏は、錦鯉をモチーフとしたNFTを発行し"デジタル村民"、”山古志DAO”を作成。デジタルアートと電子住民票を掛け合わせ地域の復興に取り組んでいるという。 💫「錦鯉NFTを発行してデジタル村民、山古志DAOなどを作った」 💫「NFT発行に伴い賞賛と批判の両方の声が」 💫「投票を用いてさまざまなプランを実施中」 様々な意見を受けながらも、集落の復興のために取り組みを続けている様子が伝わりました。 pic.twitter.com/X8PvrBrgqq — CRYPTO [email protected] Conference 7/15 (@CryptoTimes_mag) July 15, 2022 日本発のNFTプロジェクト「BOSO TOKYO」のセッションでは、Operation LeadのTOM氏が登壇。 [caption id="attachment_76782" align="aligncenter" width="503"] BOSO TOKYO -暴走東京- のOperation Leadを務めるTOM氏[/caption] 「ARTWORK」「CREATIVE」「MARKETING」の3つの柱でブランドの構築を目指しているとし、今後はホルダーによるコミュニティ形成の部分などで様々な施策を展開してく予定であると述べた。 「Web2は企業、Web3はコミュニティ」 [caption id="attachment_76784" align="aligncenter" width="604"] UNCHAINの志村 侑紀氏(画面)、左からVeryLongAnimalsの河 明宗氏、合同会社ENJOYの西村 太郎氏、SoooN CMOのたぬきち氏[/caption] トークのテーマはコミュニティに移る。 web3開発コミュニティ「UNCHAIN」創設者の志村 侑紀氏は上記のように語った。 Web3では、従来のWeb2での企業体制と異なり、運営とコミュニティメンバーの垣根が無い状態が理想だという。 その理想を実現するために、 コミュニティトークンのユーティリティの構築 税制を整えて企業や個人がトークンを保有できる環境作り の2つの条件が必要になってくると同氏は語った。 「途上国でもモバイルとMetaMaskがあればWeb3に繋がる」 [caption id="attachment_76785" align="aligncenter" width="484"] ConsenSys, DirectorのMasa Kakiy氏[/caption] 「Web3 Wallet in the future 」のトークセッションに登壇したのは、MetaMaskを手がけるConsenSysのMasa Kakiy氏。 同氏によると、昨今のGameFiの成長とともにMetaMaskの利用者は急増。さらに、Infura NFTと呼ばれるSDKや、機能の拡張が可能なMetaMask Snapsと呼ばれるシステムを今後本格的にリリースしていき、さらなる普及を目指していくと語った。 💫「メタマスクのユーザー数は日々増加」 💫「Infura NFT、The Starknet Snap、The Filecoin Snapなど様々なプロダクトが進行中」 💫「途上国でもスマホとメタマスクがあればWeb3に参入できる」 Web3ムーブメントを支えるInfuraの取り組みについて理解できるセッションでした。#Web3conferencetokyo pic.twitter.com/WciGP7L6bP — CRYPTO [email protected] Conference 7/15 (@CryptoTimes_mag) July 15, 2022 Kakiy氏はMetamaskを「Web3のゲートウェイ」と表現し、Web3の実現に向けてコミュニティの共通認識を再確認した。 「特定の成長戦略は無い」 [caption id="attachment_76786" align="aligncenter" width="404"] (画面左から)ビニール氏、Roi Senshi氏、(左から)Yoshitaka Okayama氏、木村 優氏、Leona Hioki氏[/caption] 「How to choose Blockchain」のセッションでは、よりブロックチェーン・暗号資産の技術的な内容によるセッションが行われた。 Polygon、Cosmos、Ethereum、NEAR、Avalancheそれぞれの代表として5人の専門家が登壇した上記セッションでは、各チェーンの成長戦略が語られた。 [caption id="attachment_76788" align="aligncenter" width="384"] Leona Hioki氏[/caption] Ryodan SystemsのLeona Hioki氏は「公共財として次のインターネットのインフラを目指しているEthereumは特定の事柄にフォーカスすることはない」と、パブリックチェーンとして一つの成長戦略を取ることはないと語った。 UnUniFiの木村 優氏は、Cosmosを「放任主義」と表現し、財団が力を持とうしない姿はサトシナカモトの思想と近いものとし、参加者の自主性が尊重されているとした。 [caption id="attachment_76805" align="aligncenter" width="381"] ビニール氏、Roi Senshi氏[/caption] 一方で、Fracton Venturesのビニール氏は「NEARはまだまだ知名度が低い」とし、新たなCMOの採用を行い知名度向上を図る予定と明かす。Avalanche JapanのRoi Senshi氏は、実用性やUXを重視しさまざまなニーズに対応できるようにチェーンを展開しているとAvalancheの成長戦略を語った。 [caption id="attachment_76806" align="aligncenter" width="348"] Polygon Yoshitaka Okayama氏[/caption] PolyognのYoshitaka Okayama氏は、Polygon上の開発者が他の企業と一緒にコラボできるような機会を作る「カルチャーレゴ」がチェーンの利用者の満足度に繋がると述べた。 本セッションは各チェーンによって様々な戦略、思想があることが分かる内容となっていた。 ここまで紹介してきた内容以外にも、複数のプロジェクト・企業のゲストによる興味深いセッションが繰り広げられた。*本イベントの様子はYoutubeで公開中 まとめ CRYPTO TIMESとMask Network主催で行われた「Web3 Conference Tokyo Vol2」。 イベント参加者は各分野の有識者から様々なアングルで現在のクリプト市場についての考えや知識が得られ、よりクリプトに関するモチベーションが向上し、視野が広がったのではないだろうか。 CRYPTO TIMESは、今回のようなイベントと共に、今後もあらゆるアングルで最先端のクリプト情報を読者に届けていくので、是非情報のキャッチアップに利用してほしい。
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2022/07/11【IVS Crypto 2022 NAHA】『スタートアップの挑戦と苦悩:L1・DeFi編』レポート
先日沖縄でカンファレンス『IVS Crypto 2022 NAHA』が開催された。 先日開催された『IVS Crypto 2022 NAHA』のレポート記事が公開されました✨ 「#有意義」といった謎のバズワードが誕生した本イベントの正体が明らかに!? イベントに参加された方もそうでない方も是非ご覧ください!#IVS2022 #IVSCrypto #IVS2022NAHA https://t.co/0cjUTT6b5E — CRYPTO [email protected] Conference 7/15 (@CryptoTimes_mag) July 9, 2022 国内外から数百名のスピーカーが登壇したトークセッションでは、業界有識者達によるディスカッションが実施。 行われた30以上のトークセッションから今回はL1・DeFiプロジェクト代表者によるWeb3とスタートアップに関するセッションを紹介していく。 トークセッション 登壇者 ・竹田 匡宏氏 (司会) - 幻冬舎 あたらしい経済編集者・記者 ・斯波 晃士氏 - InsureDAO Founder ・Neo氏 - Starlay Founder ・石川 駿氏 - Stake Technologies (Astar Network) COO ・徐 楽楽氏 - COINJINJA CEO 「"Web3.0"で出せば良い時代は終わった」 [caption id="attachment_76647" align="aligncenter" width="491"] 石川 駿氏[/caption] セッションは今の市場の状況を事業者側はどのように捉えているのかというテーマから始まった。 「"Web3.0"で出せば良い時代は終わった」 Astar Networkを手がけるStake Technologies COOの石川氏はこう語る。 今回の下落の要因は従来のクリプトの冬の時代とは異なり、規制ではなくマクロ指標の悪化だという。 その中で、これまでのように"Web3"というだけで、一定のエクスポージャーが取れる時代は終了し、マーケットの選定等をさらに戦略的に行わなければならないと同氏は語った。 Astar NetworkはPolychainやAlameda Reserchといった大手VCからの出資を受けている。 石川氏によると、VCから「4年のランウェイを持て」と言われており、成果を出すまでに最長で4年間はかかる前提でファイナンスを組んでいるという。 [caption id="attachment_76648" align="aligncenter" width="418"] 斯波 晃士氏[/caption] 「時間が無くて出来なかったところをじっくり開発できる」 現在の市場のポジティブな面についてInsureDAO 創設者の斯波氏はこう語る。 市場の流れが緩やかになり、テック部分に集中せざるを得なくなることで、これまで手が回らなかった部分にしっかりと取り組めると、ベアマーケットならではの利点を述べた。 「前回の冬は技術がどう消化されていくか見えづらかった」 [caption id="attachment_76649" align="aligncenter" width="474"] Neo氏[/caption] 前回の冬の時代についての話となり、当時の体験をスピーカー達が語った。 「前回の冬は技術がどう消化されていくか見えづらかった」 Starlay 創設者のNeo氏は、前回の冬の時代の最中、こう感じていたという。 当時は、現在のDeFiのようにマーケットにフィットしたプロダクトは存在せず、Solidity(開発言語)の技術が実際どのように利用されていくかが分からなかったと同氏。 実際に周りのデベロッパー達はSolidityで経験を積むのであれば、Rust等の汎用性の高い言語を学んだ方が良いという傾向もあったという。 Neo氏は上記のような状況でも、タフに取り組み続けた人達がUniswapなどのプロダクトを作り上げたと推察していると話した。 では今の相場はどのような状況で今後はどうなっていくのか。 [caption id="attachment_76650" align="aligncenter" width="433"] 徐 楽楽氏[/caption] COINJINJA CEOの徐 楽楽氏は、冬の時代の定義を「とにかく誰もいない状態」とし、昨今のNFT周辺の盛り上がり具合から冬が来るのはもう少し先であると予測した。 また、これまでと違うジャンルとしてNFTが存在してるので、今後の相場に関して正確な予想をするのは困難であると述べた。 マインドセットをグローバル化する [caption id="attachment_76651" align="aligncenter" width="471"] 石川 駿氏[/caption] セッションは「これまでプロジェクトとしてやってよかったことは何か?」という話題に移る。 石川氏によると、Astarのチームでは日本語の話せない人物をチームにいれ、マインドセットを半強制的にグローバル化させたことがチームの成長理由の1つとした。 また、コーポレートスキームを初めからグローバルで組むことで、様々な負担を減らせると同氏は語った。 [caption id="attachment_76655" align="aligncenter" width="496"] 徐 楽楽氏[/caption] 「タイミングがとにかく重要」 COINJINJAの徐氏は過去の経験をこのように振り返った。 月の出来高として2億ドル以上を記録するtofuNFTを手がけるCOINJINJAは、OpenSeaが急成長していた当時、BSCに良いマーケットプレイスがなかったため、プロダクトをBSC上に構築したという。 その後、tofuNFTは特に強いアイテムを持っていないにも関わらず、順調に成長できたと同氏は説明する。 さらに徐氏は、冬を乗り越えられるのは資金調達をしっかり行なっているプロジェクトであるため、今のタイミングで新しいプロジェクトを立ち上げることなおすすめしないと自身の考えを語った。 まとめ レイヤー1やDeFi領域での事業を手がける有識者達によるトークセッションでは、本記事で紹介した以外にネットだけでは集めるのが難しい情報がたくさん話されていた。 筆者の経験上、これまでのカンファレンスではトークセッションよりもネットワーキングに価値を感じることが多かったが、『IVS Crypto 2022 NAHA』では、セッション自体が非常に勉強なるものが多かったように思う。 CRYPTO TIMESでは、引き続きIVSのレポートを公開していく。
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2022/07/09【IVS Crypto 2022 NAHA】ベアマーケットをものともしないイベントの正体とは
7/6-7/8にかけて沖縄県那覇市で大型カンファレンス『IVS Crypto 2022 NAHA』が開催されました。 2017年から様々なクリプトイベントに参加してきた我々CRYPTO TIMESチームも『IVS Crypto 2022 NAHA』に参加してきたので、今回はその様子をお届けしていきます。 【IVS Crypto 2022 NAHA】『スタートアップの挑戦と苦悩:L1・DeFi編』レポート 会場の様子 イベントが行われたのは国際通りに面する「ホテル コレクティブ」。 ホテルの2階全てが貸し切りで行われた今回のイベントでは、各会場を繋ぐ通路に数百人を超える参加者達が常時ネットワーキング活動を行なっており、飲食物を持ちながら歩くのが不安になるほど人が会場に溢れていました。 [caption id="attachment_76569" align="aligncenter" width="610"] イベント会場の廊下の様子[/caption] 午前中の早い時間を除くほぼ全てのセッションは常に満席状態。椅子に座れず立見での参加者がいる場面も多くあり、ほとんどのセッションは開始10分前に着席していないと座ることが出来ませんでした。 [caption id="attachment_76590" align="aligncenter" width="516"] セッション開始前の会場の様子。席は全て埋まり立見スペースも満杯[/caption] 本イベントでは、パスにそれぞれ「GUEST」「INVESTER」「MEDIA」「SPEAKER」など立場を示す表記がされており、会場の至る所で目的に応じた名刺交換やTwitterの交換が行われていたのも印象的でした。 トークセッション IVS Crypto 2022 NAHAでは、約30個のトークセッションに数百名以上のスピーカーが登壇しました。 国内だけでなく、Polygon、Animoca Brands、Coinbase、Huobi、OpenSea、Solana、ConsenSysいった海外プロジェクト・企業からもスピーカーが参加。 扱うテーマとしては、 インフラストラクチャー GameFi ペイメント DeFi SocialFi NFT メタバース 法規制 DAO など、クリプトに関わる全ての人が満足できるあらゆる分野のトークテーマが用意されていました。 [caption id="attachment_76572" align="aligncenter" width="764"] 3つのステージでトークセッションが同時進行で実施。魅力的なテーマが多く揃っていた[/caption] セッションの1つ1つが濃密で、各分野の最先端で活動しているスピーカー達の話は、その場でしか聞けないような内容も多くありました。 GameFiのトークセッション OpenSeaの取引量が大きく減少するなど、オンラインのデータは市場からユーザーが抜けていることを示している一方、IVSをはじめとする日本のオフラインイベントでは盛況が続いています。 今、市場には一体どんなユーザーが残っており、どの層のユーザーが抜けているのかは多くの関心が集まるテーマです。 『日本 GameFi 産業におけるプレイヤーと現状』のセッションでCoincheck 執行役員/共同創業者の大塚 雄介氏は、現在の市場について、 「ユーザー層が変わってきて混在している」 と語りました。 [caption id="attachment_76575" align="aligncenter" width="397"] Coincheck 執行役員/共同創業者:大塚 雄介氏[/caption] 大塚氏は、昨今のGameFiの盛り上がりで若い年齢層が投資目的ではなくETHを500円などの少額から購入していると発言。 そのような状況の中、日本の事業者は今後どういった層をどのような方法でGameFiの経済圏に取り組んでいくのか。 海外のクリプトイベントなどにも多く参加しているというOASYS PTE Representative ディレクターの松原 亮氏は、 「まずはNFTで限定品を作ってブランド価値を高めていく」 と現在のGameFiの成長戦略について語りました。 [caption id="attachment_76577" align="aligncenter" width="410"] OASYS PTE Representative ディレクター:松原 亮氏[/caption] 狭い層に限定品としてのNFTを普及させ、ブランドとしての価値を高めたうえでNFTをゲームの世界に取り込んでいく流れが現在グローバルでは主流と説明しました。 このように、『IVS Crypto 2022 NAHA』では業界の有識者が自身で培った知見を惜しげもなく披露してくれる場面が多くありました。 サイドイベントも大盛況 会場ではメインのトークセッションイベントと並行して、NFTの展示・オークションのサイドイベントも実施されていました。 こちらの会場も常に多くの人で溢れ、自身のNFTプロジェクトのアピールやネットワーキング活動が熱心に行われていました。 同会場で行われていたNFTオークションでは、10ETH以上の値段が付く作品なども登場し、サイドイベントという枠を超えた盛り上がりを見せていたと印象に残っています。 まとめ 今回のイベントは『IVS 2022 NAHA』と並行して行われたイベントであったためか、クリプト分野でない企業の方も多く参加されていました。 それと同時に数年前からクリプトの第一線で活躍している人も参加しており、両者どちらも満足できる非常に有意義なイベントでした。 CRYPTO TIMESでは、今回の記事に加えて『IVS Crypto 2022 NAHA』の注目トークセッションの内容を順次公開していきますので是非チェックしてみてください。 更新:【IVS Crypto 2022 NAHA】『スタートアップの挑戦と苦悩:L1・DeFi編』レポート 最後まで読んでいただきありがとうございました。
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2022/06/01Solana Hacker House 現地レポート -品川オフラインイベントで大盛況のSolana-
5月25-29に東京品川区の近未来的な空間でSolanaブロックチェーンの開発者に向けたハッカソンイベントが5日間にわたり開催されました。 本記事では、その一角をレポートでお届けします。 Devs are making big things happen at the @solana x @jump_ #HackerHouseTokyo. Let's build 🛠 https://t.co/CEN01mpt1w pic.twitter.com/BAGlOZtIDL — Solana Hacker House | Tokyo 🇯🇵 May 25th-29th (@hackerhouses) May 26, 2022 今回のイベントでは、日本からだけでなく、世界各国から開発者が集まりました。Solana, NFT や WEB3のトレンド全般に興味のある投資家や事業家の参加者が数多く、見受けられました。 コロナ流行後、オフラインのイベントが控えられていましたが、今回のSolana Hacker Houseは日本でも久々のオフラインのイベントになりました。 比較的若い世代の参加者でにぎわっており、近未来的な雰囲気が漂っています。 [caption id="" align="alignnone" width="800"] NFTコミュニティアーティストのミニ・エキシビション[/caption] [caption id="" align="alignnone" width="800"] Waitingルームに置かれるプレイステーション5等のゲーム機。[/caption] ソラナの現状 Dominic Tsang (Head of Business Development @Solana Foundation) Tsang氏は取引コストやスピードのパフォーマンス的な要素や、開発言語の RUSTがプログラマーフレンドリーであることが、Solanaの爆発的な成長の大きな要因であると述べました。 [caption id="" align="alignnone" width="800"] Solanaチェーンのスマートコントラクトの数や、新規ユーザーが爆発的に増えていることを語るTsang氏[/caption] 彼によるとSolanaの成長はDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)、もしくはStepN等のブロックチェーンゲームにより後押しされていますが、今年度は以下の領域にも期待していると述べられました。 Solana Pay等の支払いソリューションの大衆化 新しい形のSNSの成長 DAO(自律分散的組織)の汎用性の拡大 [caption id="" align="alignnone" width="800"] Solanaの成長について語るTsang氏[/caption] また、今後のチェーンのパフォーマンス改善案をざっくりと説明し、QUIC(通信トランスポートプロトコル)によるセキュリティの向上や新しい変動型Feeモデルについて今年以内に実施される可能性が高いと発表がありました。 Web3と日本経済の未来 元ゴールドマンサックス日本のVCでもあるMpower Partnersの松井氏はESG及び環境配慮の重要性について語られました。 企業の大きさに問わずESGの重要性は年々増しており、ヨーロッパを始め日本においてもホットなトピックです。今後サステナビリティを軽視する企業は生き残れない可能性が高いと述べられました。 [caption id="" align="alignnone" width="800"] Mpower Partnersの松井氏(画面)、Cega創業者の豊崎氏(右下)[/caption] 日本におけるWeb3の動向 鈴木雄大氏、志村侑紀氏、Whiplus氏、平野淳也氏(モデレーター) 日本のweb3企業の代表としてざっくばらんに日本のクリプト全般のステータスや業務内容等を議論するセッションです。 いかに近年Web3が盛り上がってきているかを各自感じており、今後の業界の促進に期待を膨らませています。 Fracton Venturesはweb3の未来に向けたインキュベーションを実施、ShiftbaseはUnchainというweb3のデベロッパーコミュニティを運営、IVS(Infinity Venture Summit)はクリプトのイベント企画や運営、そしてHashhubはクリプトの踏み込んだリサーチを公開しています。 [caption id="" align="alignnone" width="800"] 左からHashhubの平野氏、IVS CryptoのWhiplus氏、Shiftbaseの志村氏、Fracton Venturesの鈴木氏[/caption] 日本におけるWeb3の税制と規制 仮想通貨を持つ人が避けては通れない道、毎年の様にやってくる税金に関する話題を柳澤氏、設楽氏、Kim氏がセッションで話しました。 現時点の仮想通貨における税金制度では優秀な起業家や投資家が海外に相変わらず流出している現状で、まずはシンガポール等の国と同等の税金制度を設定しなければ流出は止められないと考えられているようです。 既に海外に渡ってしまった起業家を日本へ呼び戻すには、さらに大胆な税制を打ち出す必要があると柳澤氏。 主に仮想通貨同士の交換によって発生する税金が税金計算を非常に複雑化していることが問題であると議論になりました。 [caption id="" align="alignnone" width="800"] クリプトの税制について議論する柳澤国際税務会計事務所の柳澤氏(右)、New Economyの設楽氏(真ん中)、コインベースジャパンのKim氏(左)[/caption] イベントを通じて その他にも5日間にわたり、日本を代表するweb3 エバンジェリストや世界的に注目を浴びている起業家からの素晴らしい対話が繰り広げられました。 今回のSolana Hacker Houseでは10代~20代の参加者が大半であり、Solanaにとどまらずweb3に対して熱い気持ちを持つ人が多かった印象です。多くの方にとって将来のweb3が実現する未来を想像もしくは創造する良い機会になったのではないでしょうか? 以上、東京品川の近代的な倉庫からのイベントレポートでした。
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2021/10/15GoodFiパネルディスカッション「DeFiは2025年までにユーザー1億人を達成できるか?」【前編】
GoodFiは、「2025年までにユーザー1億人」を目指してDeFiに関する様々な教育情報やイベントを提供している非営利団体です。 こちらの記事では、GoodFiが主催で業界の第一線で活躍する海外ゲスト5名を招き、DeFi普及への最初の一歩について議論してもらうパネルディスカッションイベントの内容を紹介します。 司会はMaker DAOのJocelyn Chang氏、パネルはRadixのCEO Piers Ridyard氏、Sushiのマーケティング担当Amanda氏、Terraform LabsのSJ Park氏、そしてBancorのMark Richardson氏の計5名となっています。 「DeFiは2025年までにユーザー1億人を達成できるか?」ディスカッション前編 DeFiが持つ強みは「競争力」 ―DeFiはどのような分野に変革をもたらしていると思いますか? Richardson: 今のDeFiを見ていると、90年代にIMG Directがオンライン預金というサービスをリリースしたころを思い出します。 当時の人々は「小切手帳も、キャッシュカードも、支店もない。窓口で現金を手渡してくれる人もいない。これは何なんだ?詐欺なのか?」となっていました。 これはまさに今のDeFiの成長過程での経験そのものだと思います。 今、世界中の金利が以上に低く、なかにはマイナス金利のところもあります。 貯金がある場合、一番良くないのは銀行に預けておくことです。保有する資本の一部を銀行に引き渡すことになるわけですから。 これがDeFiがまず最初に変革をもたらす分野です。 DeFiは「様々な場所に存在する無駄な仲介人を取り除く」というブロックチェーン・ムーブメントの意志そのものに直結します。 金融業界には、多額のマージン・報酬を受け取るブローカーや決算報告書の作成者など、エコノミーに無駄を発生させる仲介役がたくさんあります。 こういったところもDeFiが狙っているところですね。 Ridyard: DeFiでは常に驚異的な競争が起こっています。 競争の激化すれば消費者によりよい結果をもたらすことはよく知られていますが、トラディショナルな金融業界が規制の影響もありどれほど競争力を失っているのかはあまり知られていません。 DeFi界隈は常にシームレスな競争が行われているため、最も良いアイデアが市場の資本を獲得しイノベーションを起こすには最適の環境だと思います。 ―トラディショナルな金融機関は実際にDeFiを取り入れる準備ができていると思いますか? Richardson: 規制に準拠しているプロジェクトもあれば、そうでないものもあるので、その質問に対する答えは「当面はプロジェクトによる」なのではないかと思います。 例えば、私たちBancorははじめからスイス政府と密接な関係にある非営利団体と共同で作られたので、国内はもちろん米国でのコンプライアンスにも準拠できています。 実際、スイスの銀行の顧客口座はユーロ等に並んでBNTにも対応していて、オンラインバンキングを通して購入・取引までできるようになっています。 また、スイスのプライベートバンクは顧客のためにより良い利回りを探そうとする結果、BancorやSushiSwapなどを含むパイププロトコルを利用しDeFiに参加することを強いられています。 とはいえ、DeFiが主流になる準備はまだ整っていないと思います。 この先、影響力の強いDeFiプロトコルが規制準拠にフォーカスした、トラディショナルな機関のためだけに改変された特別なバージョンのプロトコルを出すことになっても、驚くべきことではありません。 また、銀行はただ暗号資産の売買をしたいだけではありません。DeFiが本当に採用されるには、銀行間のオーバーナイト取引など、既存の金融業務を代わってできるようになるまで成長しなくてはならないと思います。 もちろん、大規模な機関の中にはDLTを採り入れることだけに興味を持っている部署もあれば、プライベートウェルスマネジメントや機関投資家向けのマネジメントサービスなど実際に暗号資産への投資を考えている部門もあることと思います。 DeFiの参入障壁 ―DeFiプロトコルは大口のためだけにあるようなものだという話をよく聞きます。みなさんは、もっと少額のプレイヤーにも参加してもらうにはどうしたらよいと思いますか? Ridyard: これは大きな問題だと思います。何か取引するたびに100ドルもの手数料がかかるのは確かにおかしいです。今、界隈ではこういったコストを下げようと挑戦し続ける人々がたくさんいます。 しかし、この手数料問題の解決はDeFi普及の最初の一歩に過ぎません。この手数料の高さをないものとして考えても、一般的なユーザーはまだまだDeFiの利用には恐怖感を覚えるでしょう。 Metamaskや秘密鍵の所有・管理に加えて、様々な台帳やセキュリティ対策について理解し、詐欺やハッキングのリスクについても考えなければなりません。 現状、ツイッターのクリプトコミュニティを監視していなければこういった脅威から自分の身を守るのは難しいと思います。 こういった点も改善されなければならないのです。 GoodFiが重要である理由のひとつは、新規参加者が安全にはじめられるスペースを提供するという教育的な目的を持っているからです。GoodFiだけでなく、業界全体でもっと努力する必要があります。 「ボタンをクリックすると、自分のお金がどこか安全なところに送られて、リターンが得られる。」 いまほんの一部の人しか知らない最先端のテクノロジーを、私たちのように様々な資料に目を通す時間の無い一般的な人々が、このようにわかりやすく簡単に使えるようにしなければいけないのです。 Richardson: 最終的には、ユーザーがどのブロックチェーンを使っているかすらわからないくらいのものになれば、DeFiは本当に普及するでしょう。 Avalancheのローンチを喜んでいる人もいれば、Polygonのローンチを喜ぶ人もいます。どちらもイーサリアムの混雑状況を改善したのですから、当然です。 しかし一般ユーザーには、そんなイーサリアムの使用コストなんてことすべてを学ぶ時間はないのです。 私たち業界のプロでさえ、新しいブロックチェーンが出てくるたびに時間をかけて色々調べなくてはならないのですから。 自分がはじめてxDaiを使おうとしたとき、何をすればよいのか理解するのに丸一日かかったことをまだ覚えています。 そういった意味で、現状では資金量以外の面でも大事な障壁が存在することも意識しなければいけません。 セキュリティと競争のつり合い ―DeFiのセキュリティについてはどうお考えですか?先日のPolyネットワークのハッキングのようなことが二度と起こらないようにするにはどうしたらよいと思いますか? Park: 成長過程の副産物だとは思いますが、この問題を解決するにはDeFiコミュニティ全体の力が必要になると思います。 セキュリティを深刻なものと捉え、入念にテストを繰り返し、効果のあるバグバウンティプログラムを実施し、コード監査も行う。こういったあらゆる努力をしていかなければいけないと思います。 まだDeFiというもの自体がとても未熟な段階にあるため、プロジェクトはこの激しい競争の中一刻も早くプロダクトをローンチしなければならないというプレッシャーを感じています。 Amanda: Sushiでは3ヶ月ごとに新機能を発表していますが、従来のビジネスでは例えば指値注文などの機能を実装するのに、社内許可や監査を含め2年くらいはかかるそうです。 ですから短期間で開発されるこういったDeFiの最新の技術は、どんなに優秀な監査員でも思いつかないようなシナリオに出くわすことになるのです。 Ridyard: 私たちはまだ非常に未熟な言語と仮想マシンの上にプロダクトを構築しています。 Solidityは開発当初からあまり変わっていません。不可逆性のある台帳を起動した時点で、その仕組み上、もとの言語を変更するといったことは非常に難しいからです。 Radixはそういった点から新しい言語も開発していて、コードの間違いを減らせて、監査もしやすいよう攻撃対象となるような側面をできるだけなくしたデザインを心がけています。 これで安全なものが作れるようになれば、新規の参入障壁も下がると思いますし、開発者側の負担も減らせるようになると思います。 Richardson: Amandaさんの言ったことは間違いありません。 私たちは常に何かを生み出さなければならないというプレッシャーに圧倒されています。 DeFiでは、他の産業と違い、メールやツイートなどで24時間連絡してくれるコミュニティと毎日向き合っています。 これは素晴らしいことですが、プロダクトをもっと早くリリースしなければならないというプレッシャーにもなります。 私たちは「v3はいつリリースされるのか」などといった質問に対し「聞くのはやめてくれ。準備ができたら発表するから。」と応えています。 何十億ドルものお金が動くプロダクトですから、焦って余計なリスクは取りたくないのです。 監査機関だって同じです。いま業界では監査の専門性も人手も不足していると思います。 最も忙しい監査機関が担当したプロジェクトが次々とハッキングされているのは、すでにこの影響が出ているからだと思います。 Bancorのバージョン2.1はかなり慎重にリリースしました。TVLをできる限り小さくキープして、実世界でもシミュレーション通りの動きをしているか確かめました。 だいたいのプロジェクトはここまでしていないと思います。机上のアイデアを、それが実際どう機能するのかよく理解しないまま実世界に送り出しています。 良い例がアルゴリズム型ステーブルコインでしょう。こういったセキュリティリスクは取り返しのつかないもので、多くの人々を動揺させることになります。 まとめ 以上が「DeFiは2025年までにユーザー1億人を達成できるか?」ディスカッション前編のダイジェストになります。 DeFiの強みは「競争力」であるというところから始まり、金融機関や少額ユーザーそれぞれが抱える参入障壁、そしてそれを解決するためのプロジェクトの様々な努力が語られました。 ディスカッション後編では、同パネルが規制に関して政府・プロジェクト両サイドの現状、そしてGoodFiの「2025年までにユーザー1億人」を達成するためのカギについて熱く語ります。 後編につづく
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2021/10/02『GameFi』の概要や特徴、AMAの内容をQ&A形式で解説!
本記事では、GameFiについて、先日開催されたAMAイベントを元にQ&A形式で解説していきます。 Axie Infinityの流行をきっかけに注目を集めているP2E分野ですが、操作や初期費用の面での課題もあります。 今回紹介する「GameFi」は上記のような課題に切り込んでいくプロジェクトです。 本稿では主に下記の流れで説明していきます。 ・GameFiとはどんなプロジェクトなのか ・どんな問題を解決できるのか ・競合と比較した時の強みはなにか ・トークンの使い道はなにか ・その他細かい部分に関する内容 「GameFiについて知りたい」 「P2E分野で面白そうなプロジェクトを教えてほしい」 といった方は是非最後まで読んでみてください。 GameFiの概要 GameFiの概要 ティッカー/通貨名 $GAFI/GameFi Token 主な提携先 Gate.io、DODO、PancakeSwap 時価総額 14億円(9/26時点) Coingeckoページ $GAFI/GameFi 特徴 ゲームスタジオ、ゲーマー、トレーダー、投資家にオープンで多様的かつ包括的なエコシステムを提供。スカラーシップ、トークンIDO、NFTボックス販売、マーケットプレイス、NFTレンタルなどのゲームファイナンスに対応。 公式リンク Webサイト Twitter Telegram channel Telegram group Medium GameFiのAMA AMAにはGameFiのCOOであるLexia氏が参加してくれています。 Q1. あなた自身とGameFiで働くチームのバックグラウンドを教えて下さい 私はGameFiのCOO(最高執行責任者)、つまりGameFiのオペレーション全体を統括しています。 財務会計、人事管理、企業文化、マーケティング・コミュニケーション、ビジネス法からデザイン、プロジェクト管理、開発まで、さまざまな分野で10年近く働いてきました。GameFiの前は、いくつかのブロックチェーンプロジェクトのPMを担当していました。 Q2. GameFiに関して教えて下さい、最もメジャーなポイントは何でしょうか? GameFiの目標と使命は、ブロックチェーンゲーム業界全体をたった一か所で提供することができる包括的なハブになることです。そのため、ゲームスタジオ、ゲーマー、トレーダー、投資家にオープンで多様なエコシステムを提供しています。 私たちが注力しているのは、 スカラーシップ トークンIDO NFTボックス販売 マーケットプレイス NFTレンタル などのようなゲームファイナンス活動です。 GameFiのエコシステムには、Yield Guilds、Launchpad、Aggregator、Marketplace、Acceleratorがあります。 GameFiは、BSCとPolygonネットワークで開発された有望なブロックチェーンゲームの取り組みをゲームコミュニティに提供し、これらのネットワークでは、ほとんどトップレートのPlay-to-Earnタイトルがホストされています。 Q3. GameFiはどのような問題を解決しうるのでしょうか? 皆さんもご存知のように、ブロックチェーンを利用したPlay to Earnのゲーミングは、現在、ブームとして現れています。しかし、ブロックチェーンを利用したゲーム内エコシステム全体は、まだ初期のフェーズです。 私たちがGameFiを作り始めた時点では、 ブロックチェーンゲーム専用のローンチパッドは存在せず、興味のある人は適格のあるゲームに早期にアクセスすることができる 優れたブロックチェーンゲームのプロジェクトや貴重なゲーム内アイテムを探せるゲームハブがない プレイヤーが簡単に収益を追跡したり、ゲーム内アイテムを管理したりできる中央レポジトリがない 取引、資金調達、スカラーシップの機会など、包括的なゲームファイナンスツールを提供するプラットフォームがない ゲームアイテムの所有者が、ゲームをプレイしていない時に、所有物の価値を最大化できるモデルがない また、ブロックチェーンを導入しようとするゲームスタジオの多くは、必要である技術的専門知識や、ゲームプレイヤーやトークン保有者にアプローチするための効果的なプラットフォームを持っていませんでした。 そこで、これらの課題を解決するためにGameFiを立ち上げました。 CryptoTimes編集長 AxieやP2Eが発達したのはScholorshipが大きいと思いますが、現状のYGGなどをみてもDiscordやTwitterでのやりとりなどで、個人的にもまだまだこれからだと思ってます。 Q4. 他の競合と比べたときの強みは何でしょうか? GameFiの他にもいくつかのイールドギルドやゲーム専用のローンチパッドを持ったプレイヤーが市場に存在します。 しかし、GameFiは収益を追求し、優れたゲームを発見するためのアグリゲータ、ゲームのためのローンチパッド、イールドギルド、マーケットプレイス、アクセラレータなど、オールインワンのソリューションを提供しているのが特徴です。 また、Icetea Labs、DAO Maker、Animoca Brands、Morningstar Venturesなどの信頼できるパートナーと緊密に連携し、ゲームプロジェクトの大規模なネットワークを含むGameFiゲームコミュニティの成長と多様化を図っています。 さらに、IGO活動、ゲーム内アイテムのマーケットプレイス、生産ギルドの成長にも貢献しています。 -日本ではまだ法律が難しい部分もありますが、日本発のブロックチェーンゲームはたくさんあるので、それらの企業との今後のコラボレーションが実現することを期待しています 我々には評判の良い法律家がいるので、可能な方法を考えられると思います。 Q5.GameFiが発行するトークンのユーティリティはなんですか? 現時点で、GameFiが発行する$GAFIには以下のようなユーティリティがあります。 トークンセールやNFTセールに参加するためのティアを獲得するためにステーク ファーミングやNFTのレンタルでより良い利益を得るためにステーク マーケットプレイスの利用費の割引を受けるためのステーク マーケットプレイスでの広告枠の購入するため 超高額商品のオークションに参加するためのチケット購入のため ミニゲームやキャンペーン、新作ゲームのアーリーアクセスなどに参加するためにステーク DAOのガバナンスに参加して報酬を得ることができる CryptoTimes編集長 GameFiはオールインワンプラットフォームとして、非常にいろいろな機能があると思うので、GAFIを持つことで色々なメリットが有りますね Q6. ロードマップにはオークションハウスというのが書かれていますが、これは具体的には何でしょうか? オークションハウスとは、ゲーム内で希少価値のあるアイテムを持っている人が、そのアイテムをオークションに出すことができる場所です。 通常のオークションハウスの仕組みと同様です。ただし、ここで競売にかけられるのは、ゲームスタジオやパブリッシャーが市場に出したいと考えているNFTやゲーム内資産、限定版などです。 - ユーザーはアイテムをオークションハウスで売れるのでしょうか? 10月にリリースされるGameFi Marketplaceという機能があります。GameFi Marketplaceがリリースされた時点では、まずパートナーのショップ用にオープンします。P2Pの売買については、後ほどアップデートする予定です。 オークションハウスの仕組みについては、2022年第1四半期のサービス開始時に発表します。 Q7. AnimocaBrandがインベスターやパートナーにいますが、将来どのようなコラボを考えてますか? Animoca Brandsは、デジタルエンターテインメント、ブロックチェーン技術、ゲーム分野の世界的なイノベーターであり、多様なNFTやゲームプロジェクトを作成・公開している会社です。 Animoca Brandsは、当社のプロダクトや機能を開発するための資金を提供することで、GameFiのエコシステムをサポートしています。 Animoca Brandsは、GameFiのローンチパッドでホストされ推進されている、ゲームプロジェクトやメタバースを含む他のすべてのプロジェクトや、GameFi自体の全面的なサポートをします。また、GameFiは今回の提携により、最先端のゲームプロジェクトへの幅広いアプローチが可能です。 - 因みにブロックチェーンゲームはP2Eの要素でより魅力的になっていくと思いますが、GameFiがLaunchpadでサポートするゲームは何が最も重要ですか? GameFi Launchpadは、ゲームに特化したローンチパッドです。 ゲームトークンのIDOを行うだけでなく、ゲームプロジェクトがNFTやゲーム内アイテム、さらにはゲームのミニバージョンを初めて一般に公開することも支援します。これこそが、IGO(Initial Game Offering)と呼ばれる所以です。 - 以前、KabyArenaがIGOを行っていましたし、ゲーム内のTicketなどもIGOをしていますね。今後も多くIGOは行われますか? もちろんです。 長く待たせることはありません。GameFi正式サービス開始後の第1回目のIGOは、近日中に行われる予定です。 Q8. 未来のゲームには相互運用性が必要だと思いますが、これはPolkadot、Terra、Solanaなどのエコシステムの拡大が非常に速いためです。GameFiは今後、より多くのマルチチェーンに対応できるようになるのでしょうか? GameFiは、BSC、Polygon、Ethereumなどのマルチチェーンに対応していますが、近い将来、SolanaやAvalancheにも対応するかもしれません。Polkadotについては、メインネットが立ち上がるのを待っています。 CryptoTimes編集長 これは個人的な意見ですが、NFTの相互運用性は非常に重要なファクターかなと思っていて、マルチチェーンでゲームができることで色々なユーザーを獲得できるのかなと思ってます。 Solana , Avalancheあたりの名前が出てきているので、色々とマルチチェーンも考えられてるようですね。 Q9. 今後、P2EやGameFiの分野はどのようになっていくとお考えですか? GameFiにはまだまだ成長と発展の可能性があります。 GameFiの未来は、ブロックチェーンゲームだけでなく、従来のゲームにおいても、より多くのP2Eの形態が導入されることでしょう。それに伴い、P2Eの形態もより多様で魅力的なものになっていきます。また、そこからメタバースの世界が形成され、発展していくでしょう。s コミュニティからの質問 AMA参加者から寄せられた質問とそれに対する回答を紹介していきます。 Q. IGOでLaunchpadの割り当てを取得するために必要なGAFIトークンの枚数はどのくらいでしょうか? GameFi Tier Policyについては、今週水曜日にGamefi公式チャンネルにて発表いたします。どうぞご期待ください。 Q. プロジェクトについて読んでいると、「プレイせずに稼ぐ」がGameFiの最大の資産の1つであることに気づきました。プラットフォームでプレイしなくても、どのようにして収入を得ることができるのでしょうか? ゲームを楽しむだけでなく、収益性の高い投資に興味がある方や、受動的な収入源を探している方にも配慮しています。だからこそ、「遊ばずに稼ぐ」ことがGameFiの最大の資産なのです。 話題のゲームプロジェクトのトークンやゲームアイテムにいち早くアクセスしたり、ゲームアイテムを他のプレイヤーに貸して収入を得たり、他のプレイヤーのゲームアイテムにトークンを賭けて収入を得たり、利回りの高いギルドに参加して受動的に収入を得たりなど、様々な方法があります。 Q. 今後ゲーム関係のローンチパッドが数多く乱立すると考えられますがあなたのプロジェクトの強みはなんですか? おかげさまで、現在、DeRace、DinoX、Step Hero、Kryptomon、Bunicorn、Kaby Arenaなどのゲームプロジェクトと、Aggregator、Marketplace、Yield Guildで提携しています。 GameFiと提携したゲームプロジェクトは、GameFi Aggregatorで紹介され、GameFi MarketplaceでNFTやゲーム内アイテムを販売するための独自のページを持ち、ゲームのためのスカラシップの仕組みを研究・協力していくことになります。 また、GameFiのミニゲームもリリースしますが、これはユーザーにGameFiのコンセプトを理解してもらうためのシンプルな2Dゲームです。現在のところ、ゲームの開発計画はありません。私たちには、興味深く有望なプロジェクトを持つゲームスタジオとの大きなネットワークがありますので、彼らの成長とブランドの露出をサポートすることに重点を置いています。 最後に 私が日本市場を特に気に入っているのは、日本市場がブロックチェーン技術やブロックチェーンゲーム全般に興味を示しているからだけではなく、私が日本文化に興味を持っているからです。 私の好きなゲームの多くは、日本のゲームスタジオから生まれています。中でも、私が特に好きなゲームデザイナーは、宮崎英高さんと小島秀夫さんです。 まとめ いかがでしたか? 今後はVR、ブロックチェーン、NFT等の技術や環境、法律周りが発展していけば、ゲームで稼ぐことが当たり前になるかもしれません。 今後もGameFiのようなプロジェクトには注目ですね。 以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。 『Amasa』の概要や特徴、AMAの内容をQ&A形式で解説!