Chari インタビュー:フラットな線で描く犬が主役のアート、NFTの新境地へ
Crypto Times 編集部
今回、2023年12月8日より「You Want Some」と合同で、NFTの販売・提供、リアル展示会、メタバース展示会を行います。
本企画の参加アーティストである、Chari氏(チャリ)のこれまでの経歴、今回の展示会でのビジョン、そしてNFTリリースについて、インタビューを実施しました。
本企画、アーティストに興味を持っている方は、是非ともご覧ください。
詳細な企画の概要については、以下のリンクからご確認いただけます。
You Want SomeとCryptoTimes共催|NFTアートの販売・提供、展示会のお知らせ
目次
これまでのキャリアやアート活動を含めた自己紹介
初めまして、Chari(チャリ)です。
小さい頃から絵を描くのが好きで、気に入ったキャラクターを模写したりオリジナルキャラクターを描いて遊んだりしていました。
中学生の頃にカッコいいバナナが描いてあるポスターを買ってきて部屋に飾っていました。そのポスターが後から、画家のアンディ・ウォーホルさんのポスターだったことを知りました。アンディ・ウォーホルさんの作品やCDジャケットのグラフィックなどに強い興味を持つようになって、そこから美大に行って、卒業後はグラフィックデザイナーとしてデザイン事務所やフリーランスで、10年くらい活動していました。
ある期間、仕事がなく暇な時期がありました。その時にイラスト描いて友達に見せたら褒めてもらえて、友達にインタグラムを始めることを勧められました。これがきっかけとなり「Chari」という名義を立ててインスタグラムでアーティストとしての活動を開始しました。そこから今に至ります。
「Chari」としてスタートしたのは、いつ頃でしょうか?
2019年の夏くらいです。最初の頃は、アーティスト活動とも思っていなかったので、インスタグラムで不定期に作品を公開をしていました。空き時間がある時に描いて、良いなと思う作品が出来たらインスタグラムに公開するという形です。週に1作品の時もあれば、一気に複数公開するときもありました。特に深いことは考えず、活動していましたね。
ただ、作品の方向性みたいなのは「こういう感じでいこう!」というのがあったので、方向性は割としっかり定まっていたと思います。
インスタグラムに作品を公開していたことで、ギャラリーから「個展やりませんか?」と連絡がきました。この繋がりをきっかけに、初めての個展を開催したのが2020年の2月になります。
この個展までは、キャンバスには描いてなくデジタルで描いたものをインタグラムで公開している形でした。個展の依頼が来てから、本格的に作品作りが始まりました。
初期の作品は、まだインスタグラムにありますか?
この投稿をInstagramで見る
はい、1番最初の方の投稿に残っています。今の作品より、少しヤバめの顔に見える作品ですが現在も掲載しています。
今の作品のメインキャラクターとなっている「Chan」の元となる犬のイラストなどが残っています。
Chari Instagram:@chari_o_o_o_o
デザイナーから転向したいという気持ちは元々ありましたか?
デザイナーから転向しようという気持ちは、元々は全くなくて自分の作品を制作していくのは、面白いからやってみようという気持ちでした。
「Chari」という名前を使って活動していたこともあり、自分の作品を公開していくことにも抵抗はなく、面白い遊びみたいな感じで、最初は活動していました。
これまで、どのくらいのペースで展示会を開催していますか?
コロナの時期は、1年半くらい期間が空いてしまったのですが、年に2回くらい展示会は行なっていました。
2022年は個展は1回でしたが、その他のアートフェアやグループ展示会などに参加しました。2023年は個展が4回といくつかのアートフェアとグループ展示会に参加しています。ありがたいことに、コロナ時期以外は、継続的なお話を頂いて活動させて頂いています。
犬がメインで登場する作品の拘りについて
犬がメインで登場していると思いますが、拘りはあるのでしょうか?
基本的に愛犬がモデルになっている「Chan」という白い犬のキャラクターが主役の世界です。この世界観は「温かい世界」という設定で描いています。動物だけではなく、ハート、スカル、丸い形からなどから手足が出ている二等身のキャラクターが存在しています。あとごく稀に人間も登場します。
動物や二等身のキャラクターは、私の中でピュアな存在として扱っています。人間は、戦争したり少し邪悪な部分も持ち合わせているので、あまり描くことは多くないです。ですが、希望を込めた意味で二等身キャラクターと人間を共存させたりすることもあります。
作品の造形的なこだわりを教えてください
ごちゃごちゃ描いているように見えて、シンプルさを大事にしています。服装とかもフーディーを着ていたりすることもありますが、基本的にタートルネックの長袖を着ています。
あとは、ストリートっぽい服を私が好きなので、キャップを被っていたり、ストリートっぽいモチーフを採用することが多いです。モチーフの選び方は、子どもでもわかるような『りんご』『お花』『バナナ』のような簡単なものを選んで描いていることが多いです。
架空のキャラクターを描く際に何から影響を受けていると思いますか?
ディズニー作品と「かいじゅうたちのいるところ」という絵本を描いているモーリス・センダックさんに影響を受けていると思います。モーリス・センダックさんの作品は、3歳くらいから知っているので、最初に影響を受けていて、その後にディズニー作品、海外のアニメ作品から影響を受けています。
ディズニーは、作品自体より小さいキャラクターが好きです。例えばダンボに出てくる、ネズミのティモシーや美女と野獣に出てくるロウソクや時計などのサブキャラクターがすごい好きです。何かを擬人化したキャラクターに魅力を感じているので、自分のオリジナルキャラクターに影響されていることがあると思います。
自分らしいスタイルや描き方について
自分らしいスタイルや描き方は、どういった部分だと分析していますか?
スタイルは、世界観がちょっとボロボロだったりいびつだったり、でも温かくてなんだかんだ平和というのが世界観のスタイルかなと思っています。キャラクターの表情とかも、とびきりの笑顔だったりはあまり描かないのですが、なんとも言えない表情を描くことが多いです。ですが、結果的に平和みたいなものを表現しています。
描き方などは、色使いとフラットな塗りと線が特徴かなと思っています。色使いのところで言うと、様々な色を使っていても作品がニュートラルな状態で見れるようにを意識していて、原色っぽい色を多く使いますが、グレーの色を多めに使うことがあります。
原色っぽい色をたくさん使うと子どもっぽい絵に見えるケースもあるので、グレーの面積を多くしたりして、結果的にニュートラルな作品として見れるように意識しています。
キャラクターの表情が無表情なものが多いのは、なぜですか?
私がそういう人間なところがあって、周りから「ポーカーフェイスだね」と言われることが多いです。バスケットをしていた過去があるのですが、点を入れてもあまりガッツポーズとかするタイプではなくて、周りからはクールに見えるみたいです。でも、私自身内心はすごく嬉しくて、顔に出てないことが自分としては意外でした。
作品のキャラクターがポーカーフェイスだったり、少し淡々としている側面があるのは、自分から出ているものなのではないかな?と思います。もしかしたら、本質的なものを捉えたいというところに興味があるのかもしれないです。
制作時の道具、工程について
制作する時の道具や画材などはどんなものを使用していますか?
デジタルなものは、iPadとillustratorを使用しています。原画に関わるものだと、アクリル絵の具と線だけアクリルガッシュを使っています。
最初は、iPadとillustratorで行き来しながら描いています。ラフみたいなのは、iPadで描いています。街中の階段とか公共的なものは、illustratorで描いています。それをまたiPadに持っていって、そこに「Chan」を描いたりしています。結構、行き来することが制作序盤には多いです。
最終的にillustratorで色を検証して、最後にキャンバスに落とし込んでいる手順になっています。
キャンバスに移行する前は、ほぼガチガチに決まっている状態です。少し何かを付け足すケースもたまにはありますが、ほぼ内容が決まっている状態です。
デジタルからキャンバスに移行させたときに色味が違うなどの弊害は起きませんか?
色味に関しては、想定済みというところがあります。パソコンで出ている色より、絵の具の方が綺麗に色が出るので「デジタルの状態より絶対に綺麗になるぞ!」って思い、キャンバスに落とし込んでいます。
アップデートされた状態で、最終アウトプットされているということですか?
はい、そう思っています。
池田さん(本企画のキュレーター)に言われたのですが、私の魅力のひとつとしてキャンバスに落とし込んだ時の方が綺麗というところがあるそうです。塗り方や線の描き方の丁寧さが影響していると言って頂いています。ですので、インスタグラムや本企画のNFTの作品を観た上で、展示場に足を運んで頂き是非、実物の作品も観ていただきたいなと思っています。
12月の展示会について
You Want SomeとCryptoTimes共催|NFTアートの販売・提供、展示会のお知らせ
12月に行われる展示会、どのような作品が並ぶ予定ですか?
今回の作品は、私の作品の主役であるChanを胸から上を描くポートレートシリーズと街並みにキャラクターが居るストリートシリーズが並ぶ予定です。特にChanの魅力を伝えられたらいいなと思っています。
もしかしたら、ケースバイケースで過去作品も並べるかもしれません。絵を並べた雰囲気を見て、必要と判断をした場合は展示していきたいと思います。この辺りは、出来上がった作品を見てシミュレーションして考えていく予定です。
NFTリリースについて
今回、NFTを初めてリリースしますが、制作の心境が普段と違ったりしますか?
いつもと違うのは、配色かなと思っています。原画の場合は、ちょっとくすんでいた方が彩度とのバランスでカッコいいかなと思い、原画になる想定で配色を決めていることが多いです。
今回、NFTでのアウトプットですのでデジタル作品としての魅力を担保しようとするため、いつもより配色を気にかけています。ここがいつもと違うところと思っています。制作中に「原画だとこれでいいけど、デジタルだとこれでいいのかな?」と思うことが起きています。ですので、若干ですがデジタルを意識した彩度高めの配色になる可能性があると思います。
NFTの作品は、どのような作品が並ぶ予定になっていますか?
Chanの胸から上を描いたもので、小さいモブキャラみたいなのが肩に乗っている作品を予定しています。それぞれにポーズが違う感じで、数種類の作品を用意する予定です。
最後にこの記事を読んでくれている方へメッセージ
NFTアートを初めて持つきっかけに私の作品がなってくれたら、嬉しいなって思います。それと原画の展示としても今年最後の展示会になるので、今年の締めくくりとしても楽しみですし、一緒にELLYLANDさんと展示される空間もどんな空間になるのか、楽しみにしています。
皆さんに観に来て頂いて、楽しんでもらえたら嬉しいです。
■Chari プロフィール
東京を拠点として活動しているアーティスト、イラストレーター。
主人公の白い犬Chanと、その仲間たちが住む世界を題材に作品を制作している。そこは、動物やモンスター、人などの多様な生き物が共存する、温かい世界である。Chanは自身の愛犬がモデルとなっている。
国内外での個展やグループ展、アートフェアなどで作品を発表している。また、書籍やテレビ番組、動画作品などのイラストレーションも手がけている。
個展
- 2020:Egg/TOKYO PiXEL. shop & gallery(東京)
- 2020:Neighbours/表参道 ROCKET(東京)
- 2022:SUPER/UltraSuperNew Gallery(東京)
- 2023:With me/7gallery(京都)
- 2023:In a Dream/ギャラリールモンド(東京)
- 2023:Chan and Sun/DDD ART(東京)
グループ展
- 2020:NO PLANET NO FUN/wework iceberg harajuku(東京)
- 2022:small/SUN CITY Gallery (オーストラリア)
- 2022:CAT POWER 2022/ギャラリールモンド(東京)
- 2022:ART FAIR ASIA FUKUOKA 2022(福岡)
- 2023:YOU WANT SOME Vol.5(東京)
- 2023:ART FAIR ASIA FUKUOKA 2023(福岡)
Chari Instagram:@chari_o_o_o_o