イーサリアムが5年ぶりのガス代見直しへ|影響を受けるのは誰?
よきょい

引用元: CryptoFX / Shutterstock.com
イーサリアムの次期アップグレード「グラムスターダム(Glamsterdam)」に、ガス代の体系を組み替える2つの提案が含まれています。EIP-8037は新しい状態(アカウント、ストレージ、コントラクトコード)の作成コストを、EIP-8038は既存の状態へのアクセスコストを引き上げるもので、いずれもネットワークが実際に負担する資源量に価格を近づける狙いです。状態関連の本格的な再価格設定は2021年のベルリン以来となります。
背景にあるのは状態の肥大化です。EIP-8037によると、Gethのデータベースにおける状態部分は2026年1月時点で約390GiB。ブロックガス上限が3,000万から6,000万へ引き上げられた後、1日あたりの新規状態は約105MiBから326MiBへ約3.1倍に増え、年間ペースは約116GiBに達しました。これをガス上限2億という厳しめの想定に比例拡大すると年間約387GiBとなり、性能上の目安とされる650GiBを1年以内に超える計算になります。
提案は新規状態1バイトあたり1,530ガスという共通コストと状態専用のガス次元を設けることで、基準ブロック上限1億5,000万ガスの下で年間120GiB前後に抑えることを目標としています。
引き上げ幅は数倍規模
具体的な引き上げ幅は小さくありません。新規アカウントの作成は2万5,000ガスから18万3,600ガスへ約7.3倍、新規ストレージスロットは2万ガスから9万7,920ガスへ約4.9倍、24KiBのコードとアカウントを同時に展開する場合は494万7,200ガスから3,778万4,880ガスへ約7.6倍になります。取引レベルでは実行分と状態分を別々に支払う形になり、計算処理の余地を残しつつ、永続的な状態追加にだけ上限をかける設計です。
影響の検証は大規模に行われました。公開されている再価格設定インパクト・ダッシュボードは、2024年12月3日から2026年6月15日までの400万ブロック、9億2,973万1,274件の取引を対象に、既存ルールと候補ルールの双方で個別に再実行しています。EIP-8037では1億7,447万3,898件が元のガス上限では失敗したものの上限を引き上げれば成功し、268万7,652件が「破損の可能性あり」に分類されました。EIP-8038では8,470万8,228件が上限引き上げで解決し、303万6,537件が同じ分類です。
「数百万件」は取引件数であって契約数ではない
この数字は読み方に注意が必要です。268万件・303万件はいずれも取引件数であり、全体に対する比率はそれぞれ0.29%と0.33%にすぎません(記者試算)。しかも稼働中の一つのアプリケーションが同じ処理を繰り返せば件数は膨らむため、数百万の別々のコントラクトが危険にさらされているという意味ではありません。分類自体も、10倍のガス上限を与えても救済できなかった取引という反実仮想の定義であり、ウォレットやビルダー、手数料市場が本番稼働前に適応する余地があります。
とはいえ、上限引き上げでは直せない層は実務的に厄介です。2,300ガスの固定スタイペンド、内部呼び出しに渡すガスのハードコード、gasleft()による分岐、上限が固定された事前署名取引などが該当します。イーサリアム財団の報告では、ERC-4337のEntryPointやZeroDev、Alchemyといったスマートアカウント基盤に加え、Across、Socket/Bungee、CoW Protocol、0xでも繰り返し失敗が確認されました。変更できないコントラクトでは、新しいEntryPointやファクトリを用意して利用者を移行させる作業が必要になります。
日程面では両EIPは正式にはレビュー段階にあり、ロードマップ上の目標は2026年第4四半期です。検証用のテストネットワーク「Platåberget」は8月17日に稼働を始めていますが、SepoliaやHoodi、メインネットのフォーク日程はまだ公表されていません。開発者にとっては、日程が固まる前の今が検証の窓になりそうです。
Triaカードは世界中で使える仮想通貨クレジットカード (無料プラン有) で、最大6%が仮想通貨でキャッシュバックされます。
資産運用や最大40倍レバレッジの仮想通貨取引も同一のカード管理アプリから行えます。「バーチャルカードプラン」は期間限定で無料となっているため是非この機会に登録しておきましょう。(登録に必要なアクセスコード:MWVJXJ6475)
Triaの特徴
記事ソース:資料























































