現実資産の先物が仮想通貨超え?報告に潜む「標本」の罠

2026/09/20・

よきょい

現実資産の先物が仮想通貨超え?報告に潜む「標本」の罠

現実資産(RWA)連動の先物が仮想通貨の先物を取引高で上回った、との見方が出ています。OKXとToken Terminalの報告は、7月にオンチェーン取引所trade.xyz上のRWA契約が1076億ドルとなり、Hyperliquid上の仮想通貨契約1057億ドルをわずかに上回ったとしています。

もっともこれは特定の取引所同士の比較であり、市場全体で主役が入れ替わったわけではありません。

報告書はtrade.xyzとHyperliquidをそれぞれの分野の代表的な取引所として扱っていますが、代表的な取引所はあくまで代理指標にすぎません。その平台で何が起きているかは示せても、対象外の競合取引所や契約の規模までは示せないためです。報告書内でもRWAの取引高は2025年10月の7億6000万ドルから急拡大しており、成長そのものは確かとされています。

対象を広げると見え方は変わります。CoinDesk Researchによれば、7月のRWA無期限先物は中央集権型取引所で4600億ドルで、デリバティブ全体3兆300億ドルの約15.2%にとどまります。CoinMarketCap Researchは19の取引所で7922億ドルを計測しましたが、比較対象となる仮想通貨全体の分母は示されていません。分母の取り方一つで結論が反転する構図です。

実際、9つの分散型取引所ではRWA契約は取引高の2割未満でしたが、RWA比率が99%を超えるHIP-3系の平台を加えると、7月8日に5割を超えました。取引が実在することは確かでも、「逆転」は選ばれた標本の中の話にとどまります。取引所や契約の定義、期間、分母をそろえた比較が示されるまで、逆転の主張はその前提とあわせて読む必要がありそうです。

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