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2019/10/10【10月10日付】ビットコイン市場分析: 急上昇を事前に察知する3つのポイントとは?
昨日大きく上昇したビットコイン市場では、久々に大きめのショートカバーが起こりました。 バイナンスの中国元OTC取引の話など、市場にとってのポジティブな話もありましたが、上昇した要因はハッキリとはわかりません。ですが、大きく動き出す予兆は確かにありました。 CRYPTO TIMES編集部では、昨晩に上昇する可能性が高いと分析していました。こちらの記事では、チャートなどを用いてそのワケを紹介していきます。 まず一つ目は、ビットコインの価格とビットコインを除いた(アルトコイン)マーケットキャップ、およびビットコインドミナンスの3つの比較になります。 上画像を見ると、昨日お昼頃からアルトコインマーケットキャップ(赤線)がビットコイン(青線)に比べると大きく上昇しているのがわかります。 これはアルトコインがよく買われていた証拠だと考えて良いでしょう。また、ビットコインのドミナンス(黒線)が減少していることからも同じことが言えます。 アルトコインはUSDTなどから直接買われるケースもありますが、ビットコインを経由して買われるケースも多くあります。その為、アルトコインが買われている状況ではビットコインの需要もあると考えて良いでしょう。 まずこれが、ビットコインが上昇するのではないかという判断における一つの材料になります。 次に考えるのは、以前も紹介した、ビットコインとイーサリアムの連動性です。 上画像は、BTCUSD(青)とETHUSD(黄色)の比較のチャートです。明らかにETHUSDの方が先に動いているのがわかります。 ETHUSDがBTCの上昇を先導したこともわかります。 これが2点目のビットコインの上昇要因です。 そして最後が、OI(未決済建玉)の変化です。上画像は昨日22時30分のデータになります。 価格の変化がない中でOIが明らかに上昇しているのがわかります。 まとめると、以下のデータから明らかにポジションの仕込みがあり、大きく動く予兆を察知することができました。 アルトコインマーケットの活性化 イーサリアムのビットコイン先導 OIの変化による価格変動の予兆 この3点がわかっていたら、昨晩の大幅なショートカバーによる価格上昇は推測しやすかったのではないでしょうか。 以前にも似たような考察をしていますので、また同じような状況が来る可能性はあります。 是非参考にしてみてください。
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2019/10/10リップルのコールドウォレット2選!【あなたは知ってますか?】
暗号通貨は現金と違い、保管方法によってはハッキングの被害にあってしまう可能性があります。 みなさんの記憶にも新しいCoincheckハッキング事件では、約580億円という大量の暗号通貨が「瞬時に」盗まれてしまいました。 本記事では、人気通貨であるXRP(リップル)を安全に保管できる”コールドウォレット”について説明していきます。 「コールドウォレットとはそもそもなんなのか」「どの種類のコールドウォレットが良いのか」などについて紹介していくので是非最後まで読んでみてください。 コールドウォレットとは?ホットウォレットとの違い コールドウォレットとは、インターネットに接続されていないオフライン仮想通貨ウォレットのことを指します。 このコールドウォレットには小さな電子機器の「ハードウェアウォレット」と紙でできた「ペーパーウォレット」の2種類があります。 また、コールドウォレットとは反対に、常にインターネットに接続しているウォレットがホットウォレットです。 このホットウォレットには取引所のウォレットや、ウォレットアプリなどが含まれます。 コールドウォレット ホットウォレット 特徴 インターネットに繋がっていない 常にインターネットに繋がっている 種類 ハードウェアウォレット、ペーパーウォレット 取引所のウォレット、ウォレットアプリ 次にそれぞれメリットとデメリットを見ていきましょう。 コールドウォレットのメリット・デメリット コールドウォレットはインターネットに常に接続していないため「ハッキングのリスクを最小限に抑えることができる」というメリットがあります。 ですが、インターネットに常時繋がっていないため「通貨の出し入れに時間や手間がかかってしまう」というデメリットも存在します。 また、ウォレットにアクセスするための「秘密鍵」を忘れてしまった場合、自分の資産にアクセスできなくなってしまいます。 コールドウォレットは頻繁にトレードせずに長期保有したい方や、大量に通貨を保有している方などにオススメですね。 ホットウォレットのメリット・デメリット ホットウォレットは、コールドウォレットと反対に常にインターネットと繋がっているため「スムーズに通貨の出し入れやトレードを行うことができる」というメリットがあります。 しかしその反面、インターネットに常時接続しているため「ハッキング被害に合う可能性が高まる」というデメリットが生じます。 昨年、日本を騒がせたCoincheckの約580億円が盗み出された事件でも、狙われたのはホットウォレットでした。 ある程度頻繁にトレードする方や、少額しか保有していない方が主にホットウォレットを利用しています。 コールドウォレット ホットウォレット メリット ハッキングのリスクがない スムーズに通貨を動かすことができる デメリット ・スムーズに通貨を動かせない ・自己責任で管理しなければいけない ハッキングのリスクがある リップル(XRP)を保管できるおすすめコールドウォレット 最も安全な仮想通貨の保管手段はコールドウォレットであるハードウェアウォレットで保管するという方法です。 しかし、ハードウェアウォレットならどれでも良いと言うわけではなく、メーカーや購入経路などに注意する必要があります。 そこで、セキュリティの面などで最も安全性が高いハードウェアウォレットを使い方や公式サイトと共に2つ紹介したいと思います。 *Amazonなどの非正規業者から購入すると秘密鍵が流出している粗悪品の可能性があるので、購入する際は「必ず公式HP」から購入してください。 最も有名なハードウェアウォレット「Ledger Nano S」 人気・知名度 [star rating="5"] 値段 8990円(税込み) 対応OS Windows、OS X(Mac OS)、Linux、Chrome OS 開発・取扱元 Ledger社(フランス) コネクタ USB Micro-B型 対応通貨 リップル(XRP)、ビットコイン(BTC)等、27種以上 Ledger Nano Sはハードウェアウォレットで最も知名度のある製品です。 フランスのLedger社が開発・提供しているこのウォレットでは、USB接続でPC上の専用のデスクトップアプリでリップル(XRP)の管理が可能となります。 暗号通貨を保管する上で最も重要な秘密鍵はLedger Nano S本体に保存され、さらにデバイスとPINコードが両方揃わないと通貨の移動ができないため、遠隔からのハッキング被害を防ぐことができます。 使い方を確認する 公式販売サイト お財布にも入るスタイリッシュなウォレット「CoolWallet S」 人気・知名度 [star rating="4"] 値段 12,960円(税込み) 対応OS iOS(iPhone)、Android 開発・取扱元 CoolBitX社(台湾) コネクタ Bluetooth 対応通貨 XRP、BTC、ETH、LTC、BCH、ERC20規格トークン Coolwallet S (クールウォレット・エス) は台湾発のCoolBitX社が手掛ける世界初のカード型ハードウェアウォレットです。 こちらのCoolWallet SはスマートフォンのみでXRPを管理することが可能となっているので、PCを持っていない方や毎回PCを立ち上げるのが面倒な方におすすめです。 お財布にも入るカード型のスタイリッシュなデザインに加え、安心安全の高セキュリティが採用されています。 使い方を確認する 公式販売サイト まとめ 暗号通貨は管理の仕方によってはハッキングリスクがあるため、多少のお金がかかったとしても今回紹介したようなコールドウォレットでXRPを管理することをおすすめします。 今回は暗号通貨の保有に関して、その管理方法について紹介してきましたが、もう一つ重要なことがあります。 それは「自分の持っている暗号通貨をよく理解すること」です。 どんな通貨でも値段が上がる時代は終わり、これからはしっかりした通貨以外は淘汰されていく時代と言われています。 CryptoTimesでは以下のようなXRP(リップル)についての見識をさらに深めることができる記事を用意しているので興味がある方は是非読んでみてください。 ・リップル(XRP)とSBIの関係性とは?最新ニュースと合わせて紹介! ・XRP(リップル)にはマイニングがない?理由を簡単に解説! 最後まで読んでいただきありがとうございました!それでは!
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2019/10/09イチからわかるマイニング事情【第4回】:セルフィッシュマイニング
前回の記事では、理論上対立するマイニングプール同士の攻防の末、全体で得られる利得が減少し、マイニングプールの規模縮小が進むというシナリオを解説しました。 前回紹介した論文では、マイニングパワーの増加によってさらなる巨大化が進むという危惧が自警団"攻撃"によってある程度抑えられると説明しましたが、ひとえに”攻撃”(attack)といっても様々な種類があります。 マイニングプールの巨大化を妨げる手段となった「自警団攻撃」に加え、総ハッシュパワーの過半数(51%以上)を握るマイナーあるいはマイニングプールが恣意的にブロックチェーンに攻撃を加える有名な「51%攻撃」があります。 それらに加え、「セルフィッシュマイニング(selfish mining )」、別名「ブロックウィズホールディングアタック( block-withholding attack )/一時的ブロック隠匿攻撃」と言われる攻撃方法があります。 今回はその中で、”Majority is not Enought:Bitcoin Mining is Vulnerable”という論文を元に、セルフィッシュマイニング(selfish mining )とは何かを解説していきます。 Majority is not Enough: Bitcoin Mining is Vulnerable Majority is not Enought:Bitcoin Mining is Vulnerableの論文では、初期に理想とされていたことに反して、マイニング行為は誘引整合性がない(incentive-compatibleではない)と、研究者は結論付けています。 誘引整合性とは、個々人がインセンティブにしたがって動く時、それが結果的に集合体(社会)にとってもいいということです。 つまり個々人が自分自身の利益を最大化しようとして取った選択と、社会にとっての利益最大化が整合的であることを表しています。 しかし、仮想通貨におけるマイニングは、この誘引整合性を有していない、ということになるのです。マイナー達が自分自身の利益を最大化しようとした結果、社会にとってベストな状況にならないということになってしまいます。 具体的な例を使って誘引整合性がない状況を解説します。 ある学生が時給1000円のアルバイトに申し込みをしたとします。このアルバイトは成果によって報酬が変動することはなく、どのような働き(勤勉であろうと怠惰であろうと)をしても1時間に対して1000円が支給されます。 また彼の働きを監視する管理人もいないものとします。 このときアルバイトをする学生には努力をするインセンティブがなく、1000円の報酬に見合う働きをしないことがあります。 つまり、この学生が自分自身の利益を最大化しようとすれば(最小の努力で1000円を得るようにすれば)、雇い主である企業にとってあまり良い結果に繋がらないのです。 ではなぜマイニングを取り巻く環境は誘引整合性を満たしていないのでしょうか。 その背景にはセルフィッシュマイニング(selfish mining)と言われるブロックチェーンに対する攻撃手法の存在があります。 セルフィッシュマイニング セルフィッシュマイニングとは、ある時点で悪意を持ったマイニングプールが有効なブロックを発見したにもかかわらず、すぐに公開せずに隠し持ちながら(bitcoinネットワークへブロードキャストせず)、次のブロックを生成しようとする行為です。 イメージを掴んでいただくために以下にセルフィッシュマイニング(selfish mining)のイメージ図をお見せします。 初めに見える2(pool)と書かれているブロックが、悪意のあるマイニングプールが隠し持っているブロックです。 そのブロックは、ブロードキャストされていませんから、他の大勢のマイナーが通常時のようにブロック1から新たなブロックを繋げていくことになります。 それが、2(pub)と書かれているブロックです。 他の正直なマイナーが2(pub)の次に繋がれるブロックを生成する前に、悪意のあるマイナーが次のブロックである3(pool)を生成し、それをブロードキャストします。 そうすることによって、悪意のあるマイニングプールが生成したブロックが最長のブロックになるという攻撃です。 このような攻撃は、他のマイナーのマイニングパワーを無駄にさせることから「セルフィッシュマイニング(selfish mining)」、「利己的なマイニング」と呼ばれています。 また「一時的ブロック隠匿攻撃」と呼ばれることもあるようです。 この攻撃の存在により、正しく生成したブロックを即bitcoinネットワークにブロードキャストするインセンティブが低くなってしまうのです。 なぜならセルフィッシュマイニング(selfish mining)によって正直にブロードキャストする時よりも多くの利益を得られる可能性があるからです。 上記の場合では、2(pool)と3(pool)のブロックを生成したことによりプール側が報酬を得ています。 セルフィッシュマイニング(selfish mining)の理論 セルフィッシュマイニング(selfish mining)の構造、攻撃方法はご理解していただけたかと思います。 次にセルフィッシュマイニング(selfish mining)の理論的枠組みではどのような考えがあるのかということをご説明いたします。 Majority is not Enought:Bitcoin Mining is Vulnerableの論文ではセルフィッシュマイニング(selfish mining)で見られる攻防を様々に場合分けをして分析がされています。 その場合分けの中でも特に重要なものを今回ご紹介したいと思います。 上記で見たように、プール側が2(pool)と3(pool)のブロックを生成することに成功し、他のマイナーが追いつけなくなったような状況で、2(pool)と3(pool)をブロードキャストすればセルフィッシュマイニングが完了します。 これはプール側が持っているマイニングパワーによってセルフィッシュマイニングが成功するか否かがかかっているというわけです。 悪意のあるマイニングプールのマイニングパワーが他を圧倒している場合、簡単にセルフィッシュマイニング(selfish mining)が成功してしまうことになってしまいます。 では以下に示しているように、プール側が3(pool)を見つける前に、他の大勢の正直なマイナーが2(pub)を生成し、3つ目のブロックの生成に取り掛かろうとしている状態を考えてみましょう。 分析で最も肝心なのが、この状況です。 二つ並列されたブロックのうち、どちらに新しいブロックを繋げるのかでセルフィッシュマイニング(selfish mining)が成功するか失敗に終わるかということが決まります。 大半の正直なマイナーが、2(pub)に新たなブロックを繋ぎ合わせるのであれば、セルフィッシュマイニングは失敗に終わりますが、下のイメージのように、他のマイナーが2(pool)、つまり悪意のあるマイニングプールによって生成されたブロックに新たなブロックをつなぎ合わせた場合、結果的にセルフィッシュマイニングは成功してしまうことになります。 よって、ここで非常に重要となる一つの問題は、”分岐している並列された二つのブロックのどちらに多くのマイナーが新規のブロックを繋げるのか”ということです。 生成されたブロックが"悪意"のあるマイナーによって生成されたかどうかはわかりませんので、後にブロックを追加するマイナーがどちらのブロックに追加するかは、バイアスのない問題になり得ます。 上記をまとめると、セルフィッシュマイニング(selfish mining)が成功するかしないかには主に2つの要因が関係していることになります。 1つ目は、悪意のあるマイニングプールのもつマイニングパワーです。 マイニングパワーが大きければ大きいほど、他のマイナーよりも早くブロックを生成することができますから、上で見たように3(pool)のブロックを生成する確率が高くなります。 2つ目は、二つのブロックが並列した場合、他のマイナーが悪意のあるプールによって生成されたブロック2(pool)を選んでしまう確率です。 仮に悪意のあるマイナーのブロックに新規ブロックを繋げるのであればマイニングパワーがそれほど大きくなくてもセルフィッシュマイニングは成功してしまうことになります。 論文では、この2つの変数に対して1000人のマイナーを想定したコンピュータ上のシミュレーションが実行されました。 その結果、selfish miningは51%攻撃と違い、最大で1/3(33.33%)のマイニングパワーを持つプールなら成功してしまうということがわかりました。 仮に、他の大勢の正直なマイナーが、正直なマイナーによって生成されたブロックに新たなブロックをつなぎ合わせていく場合でも、つまり他のマイナー全員が新たなブロックを2(pub)につなぎ合わせていく場合でも、悪意のあるプールが全体の1/3のマイニングパワーを持っている場合、セルフィッシュマイニングが成功する可能性があるのです。 しかし、正直なマイナー全員が偶然にも正直なマイナーによって生成されたブロックに新たなブロックを繋げていくと考えるのは現実的ではありません。 半数のマイナーが悪意のあるプールによって生成されたブロックに、つまり2(pool)につなぎ合わせることを考えると、悪意のあるプールが1/3どころか、1/4(25%)のマイニングパワーを握っていれば成功する可能性があることがわかったのです。 よってselfish miningを防止するには最大規模のマイニングプールでも1/4以下の規模を保っていなければいけないという結論になりました。 最低でも総マイニングパワーの2/3以上が、正直なマイナーで占められていなければ、理論上いつでもセルフィッシュマイニングが起こりうるということになります。 またセルフィッシュマイニングの戦略を取るマイニングプールは、規模に比例して成功確率も上がり、よって利得も規模によって増加していきます。 そして、合理的なマイナー達にとって、このようなセルフィッシュマイニングを行うマイニングプールに参加しないことが損になり、マイニングプールへの参加のインセンティブが増していくのです。 これが先に説明した誘因整合性がないということです。 各マイナーが賢い選択をするのであれば、つまり個々人が個々人の利得を最大化するように選択していくならば、それは全体にとってよくない方向へと進むということです。 モナコインが受けたセルフィッシュマイニング攻撃 去年2018年5月13日から15日にかけてモナコインがセルフィッシュマイニング攻撃を受けました。 モナコインプロジェクトはTwitterでこのようにセルフィッシュマイニング被害について語っています。 セルフィッシュマイニングは、仕事量に応じて取引の承認権を与えるProof of Workならではといえます。ですから、セルフィッシュマイニング被害を受けてシステムの変更・修正を考慮に入れるということです。 https://twitter.com/tcejorpniocanom/status/997147764294270982 理論の枠組みだけではなく、現実の世界にも現に起きているということが重要であり、注目するべき点でしょう。 まとめ 以上に見てきたように、”攻撃”と言っても様々なものがあります。 過半数のハッシュパワーを用いて行われるブロックチェーンに対する攻撃、他のプールへ仕掛けるなりすまし行為である「自警団攻撃」、他のマイナーのマイニングパワーを無駄にさせ、ブロックに書き込まれている取引内容を改ざんするselfish mining(セルフィッシュ・マイニング)/block-withholding attack(ウィズホールディング・アタック)などがあり、目的や難易度も様々であることがお分りいただけたと思います。 これらの知識を元にして、セルフィッシュマイニングに関する報道やブロックチェーンへの攻撃に関する報道に注意すればより興味が湧いてくるのではないかと思います。 引用:Majority is not Enought:Bitcoin Mining is Vulnerable
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2019/10/08イチからわかるマイニング事情【第3回 】:マイニングプールの形成と巨大化は防げるのか?」
イチからわかるマイニング事情・第3回となる今回は、「マイニングプールの巨大化は防げるのか?」というテーマについて考察したいと思います。 マイニングへの様々な参入障壁のために、マイニングプールというマイナー達の集合体が形成され、少しずつマイニングパワーを出し合うことで誰でもマイニングができるようになりました。 現在は、マイニングを始めるならマイニングプールの利用が最善であるとされています。 なぜならば、個人レベルでマイニングを行おうとしてもハッシュパワーが足りず、ターゲットのナンスを見つけ出すことが極めて困難だからです。 第1回の記事でも説明した通り、個人がCPU, GPUなどを用いてソロマイナーとして活動することはあまりに非合理的です。 そこで、こうしたマイナーたちは、マイニングプールを形成し個人のコンピュータリソースを出し合うことで解決の糸口を見つけました。 そんなマイニングプールが「巨大化する」とはどういうことなのでしょうか?また、それにはどのような懸念点があるのでしょうか? 今更聞けないマイニングプールとは?それぞれのシェアや仕組みを解説 マイニングプールの巨大化とその懸念点 マイニングプールは、各個人がグループを形成し報酬が得られないリスクを分散化する、いわば「一人一人のマイニング報酬が少ない時の保険」のようなものです。 しかし、一旦マイニングプールが大きくなり、ネットワーク全体に対して大きなマイニングパワーを握るようになると、それが魅力となってマイナーがさらに集まり...とひとつのプールがひたすら巨大化していくシナリオが考えられます。 単一のマイニングプールが巨大化し総マイニングパワーの過半数を独占する場合、非中央集権的構造が崩壊し権力の偏りが生まれる恐れがあります。 それに加え、マイナーの発言力増加が円滑で効率的な制度設計を困難にする恐れもあります。 しかし、PoWブロックチェーンの構造上、マイニングはネットワークに欠かせないものです。 このような状況が続く中、コロラド大学の研究者が興味深い論文を発表しました。2014年に発表されたこの論文は"The Miner's Dilemma"(マイナーのジレンマ、以下MD論文)というものです。 マイナーのジレンマ マイニングプールが巨大化すると、そのプールのマイニングパワーが増加し、プール全体がさらなるマイニング報酬を獲得できるようになります。 結果的にそのマイニングプールへの参加はより魅力的になり、次々とマイナーが入ってくることでプールの巨大化が起こります。 巨大化しすぎたマイニングプールはどのような結末を迎えるのでしょうか。 MD論文は、「巨大化しすぎたマイニングプールは支配戦略により規模縮小せざるを得ない」と結論づけています。 この「支配戦略(Dominant strategy)」とは、「自分がとれる行動(戦略)の中で、他人がどう出るかを加味した上で自分が最も得する行動」を指し、一般的にゲーム理論という学術分野で使われる用語です。 「他人がどう出るか」という部分は不確定要素なわけですから、「相手がどう出ようとも自分が得られるだけの利益を得られる行動」が支配戦略となるわけです。 ...わかりにくいですね。ゲーム理論の鉄板「囚人のジレンマ」を使ってもう少し深掘りしてみましょう。 囚人のジレンマ 囚人のジレンマでは、ある犯罪の容疑で捕まったAとBが、意思疎通の出来ない別々の部屋で(重要!)尋問を受けています。 2人の囚人にはそれぞれ「自白する」か「黙秘し続ける」という行動(戦略)の選択肢があります。 しかし、2人の囚人の受ける罪の重さは、それぞれの囚人が取る戦略次第で変わります。 囚人Aも囚人Bも黙秘→それぞれ2年の禁固刑 いずれかの囚人が黙秘、もう一方は自白→黙秘した囚人は15年、自白した囚人は1年の禁固刑 両囚人が自白→それぞれ10年の禁固刑 この損得関係を図にまとめると以下のようになります。 お互いが連絡を取り合えないことや、一方が他方を裏切る可能性があることも含め、このゲームでは「黙秘」と「自白」のどちらが最適な行動なのでしょうか。 ここで、相手の不確定な行動に対して自分の利得が最大になる「支配戦略」はどちらなのか考えてみましょう。 まず初めに囚人Aの立場から考えてみます。 囚人Bが黙秘する仮定だと、囚人Aは黙秘で2年(図左上)、自白で1年(図左下)の禁固刑を受けます。ということは、囚人Bが黙秘する仮定だと、自白という戦略がAにとって最適(一番得する行動)であることがわかります。 では、囚人Bが自白を選択する場合、囚人Aはどのように行動するのが良いでしょうか。 この場合、囚人Aは黙秘で15年(図右上)、自白で10年(図右下)となります。したがってこの場合も、囚人Aにとっては自白が支配戦略(最も得する=懲役が短くて済む行動)であるということがわかります。 つまり、囚人Aは自白という選択が最適な戦略であることがわかります。どちらの囚人も禁固刑の長さは対称なので、囚人Bも自白が支配戦略となります。 禁固刑10年は重いですが、囚人A、Bどちらも他の行動をとると利得が減る(正確には、懲役の期待値が伸びる)状態にあります。このような状態を専門用語で「ナッシュ均衡」と呼びます。 ここで大事なのが、最適な状態といっても、必ずしも最善の状態ではないことです。囚人のジレンマでも、両方の囚人がお互いを信じて黙秘できるのであれば、懲役年数の両者合計は最低になるわけです。 囚人のジレンマとマイニングプール事情の関係 囚人のジレンマを長々と解説しましたが、これとマイニングプールの規模縮小にはどのようなつながりがあるのでしょうか。 マイニングプールには、「自警団攻撃(あるいはサーバント攻撃)」と言われる他のマイニングプールへの攻撃があります。 これは、囚人のジレンマで、A, Bが自白することでいわば双方に"攻撃"を仕掛けるのと同じ要領で、各マイニングプールが他のライバルプールに対して仕掛ける攻撃です。 この攻撃は、「プール管理者にとって、参加しているマイナーの確実な行動管理は難しい」というマイニングプールの弱点をついた攻撃です。 参加者は、有効なブロック(新たにブロックを生成できるハッシュ値)を見つけているにも関わらず、それを破棄して部分的なハッシュ値を提出することで、報酬を不当に得ることができます。 この「自警団攻撃」は、プール管理者から識別することはできません。 自警団攻撃では有効なブロックを破棄するので、マイニングプールはマイニングパワーを無駄に浪費することになります。しかし、予定通りプール内に報酬を分配しなければいけないので、プール全体の利益が減少してしまいます。 これを敵対するマイニングプールに仕掛けることで、攻撃を仕掛けた側はライバルの規模縮小が望めます。しかし、囚人のジレンマにあるように、このような攻撃は双方から行うことができます。 相手が行うから自分も行う、という戦略がナッシュ均衡となってしまうと、健全に(攻撃なしに)マイニングプール運営をしている時に比べ、全体で得られる利益は小さくなります。 つまり、最適な状態といっても、最善の状態ではないということです。 MD論文は、この現象がマイニングプールの規模縮小を起こすだろうと予測しています。 MD論文は正しいのか? では、マイニングプールの規模の実際の遍歴はどうなっているのでしょうか。 以下の統計は、2016年のマイニングプールのマイニングパワーの割合を示しています。 わずか2つのマイニングプールが全体の50%パーセントを支配し、30%以上のマイニングパワーを握っているプールも存在しています。また全体で見ても12のマイニングプールしか存在していなかったのが、2016年でした。 2019年現在では、17つのマイニングプールがひしめき合っており、一番大きなところでもハッシュパワーは20%以下となっています。 これらを見ると、マイニングプールの分散化が実際に起きていると言えます。 しかし、最も重要なことは、マイニングプールの巨大化が抑えられているという現時点の状況ではなく、ある一定規模からは巨大化が進まないという構造(ナッシュ均衡)があるということではないでしょうか。 まとめ 多くのマイニングパワーをもつプールでは、高い報酬を得られることに加えて自由に参加できる場合が多いと論文の著者は述べています。 そのために、巨大化したマイニングプールへの"なりすまし行為"がプールの巨大化を抑え、ライバルプールの規模縮小が起るといった論理展開をしています。 このように、あるプールが他のプールに攻撃を仕掛け利益を減らす行為が続けば、攻撃をしない状態(各マイニングプールがそれぞれのプールのためにマイニングを行うという健全な状態)で得られる利益より全体の利益が低くなってしまいます。 少なくとも、攻撃を仕掛け合うということが理論上ナッシュ均衡となる限り、規模の拡大には限界がある、というのがこの論文の主題でした。 次回は、51%攻撃とも肩を並べ、実際に起こったこともあるセルフィッシュ・マイニングというBitcoinネットワークへの攻撃手法についてお伝えします。 どのようなインセンティブでマイナーが動いているのか、またマイナーにとって正しくマイニングするインセンティブが発生しないようなケースについてもお伝えします。 引用:The Miner`s Dilemma
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2019/10/05ブロックチェーンTCG『Gods Unchained』完全攻略 -6種類のGodを理解しよう-
Gods Unchained (ゴッズアンチェインド 以下:GU)は、近頃注目を集めているブロックチェーンベースのトレーディングカードゲーム(TCG)です。 HearthstoneやMTG、Faeriaなどに似た緻密なゲームメカニックはもちろん、ブロックチェーンの活用によりユーザー間でカードを取引できるのも魅力です。 GUは1年以上前からカードのプレセールが行われていますが、その間に日本語の記事が幾つかあったものの、その時からルールや状況に変化があります。現状では公式による日本語発信は全く行われていない為、今回の記事ではGods Unchainedの基本的なルールを紹介していきます。 ゲームの登録方法や操作方法についてはある程度直感的に理解できる部分も多いでしょうし、検索すれば色々記事が出てきます。またこちらのようなバトル解説動画もあります。また、カードの入手方法と種類について、課金要素を主とした内容はこちらの記事で説明しています。 よって、本記事ではそこからもう一歩踏み込んでの紹介をしていきたいと思います。 Gods UnchainedにおけるGodとは まず、6種類ある「God」の特徴を紹介していきます。 GodとはHearthStoneで言うところの「Hero」、クリプトスペルズの「文明」、シャドウバースの「リーダー」にあたります。 Godにはそれぞれ以下のような特徴があります。 God毎に4種類の基本スキル(God Power)を持つ God固有のカードが存在する (中立のカードも存在する為、God固有カード+中立カードでデッキを構成する) God毎に得意とする効果や能力が異なる 結果としてGod毎に得意とする戦法が変わってくる God Powerとは まずはGod Power(以後Power)の特徴をまとめます。 各Godが持つ4種類の基本Powerと、カードによって一時的に得られる特殊なPowerがある (調整中の為使えないものがある場合もあります)。 試合開始時にお互い1種類だけ選択する 毎ターンに1度のみ、マナを消費して発動できる (言い換えればターン毎に繰り返し使う事が出来る) Powerはカードを消費せずに繰り返し使える能力である為、上手く使う事によって大きなカードアドバンテージを得る事も出来ますし、コンボ用カードの前提にもなるという事です。 それでは、各Godの特徴と、それぞれのGod Powerをみていきましょう。 Gods Unchainedに存在する6種類のGod Nature Natureは最もバランスが良く、扱いやすい様にデザインされたGodと言えるでしょう。 TCG初心者であればとりあえずNatureから…という選択がお薦めです。 特徴 ランダム性と引き換えにマナコストより高い効果を得られる傾向が強い ステータスが高いクリーチャーを多く持つ 様々な効果のカードをバランス良く持っている ランダム性と引き換えに高い効果を得るという特徴は、初心者のプレイへの敷居を下げるはたらきがあります。 また上級者は、対象を絞ったりタイミングを適切にする事で、ランダム要素を減らす形でマナコストより高い効果を得ることができます。 こんな人にオススメ 手持ちカードがないしゲームも慣れていないので、とりあえず遊んでみたい 色々な効果、能力を試したい ランダム性を上手く管理してプレイしたい NatureのGod Power Forage: 自分のVoid(墓地)からランダムに6枚のカードを除去する。Voidが空になった場合にはランダムなNatureカードを1毎引く Animal Bond: 1/2のBadgerもしくは2/1のEagleどちらかをランダムに召喚する Flourish: ランダムな味方クリーチャー二体を+1/±0する Leech Life: ランダムな敵クリーチャー一体に2ダメージを与える。自分のGodを1点回復させる。(敵クリーチャーが居なくても1点回復します) Magic Magicは豊富なクリーチャー除去やドロー関連(カードを引く)の能力で長期戦に持ち込み勝利に繋げる事が得意です。 特徴 クリーチャーやGodへのダメージスペルやPowerが豊富 扱いやすい敵全体除去カードが豊富 スペル関連の効果、ドローやドロー効率化、マナブースト関連が豊富 Powerも除去に直結するものが多く、Natureとは違う形ながらも扱いやすいGodと言えるでしょう。 特に試合の鍵を握りやすい全体除去系が豊富且つGod Powerでも除去が豊富な事から、手持ちカードが少ない状態でもデッキが組みやすいと言えます。 更に踏み込むと、マナ関連の効果を扱って展開速度を調整したり、ドロー系を織り交ぜて後半のアドバンテージを大きく伸ばしたりもできます。 こんな人にオススメ とにかくクリーチャー除去に困りたくない じっくり長期戦で試合を進めたい マナブーストやドロー系が好き MagicのGod Power Blastwave: 敵クリーチャー2体に1ダメージを与える(選択基準はHealth(体力)が高い順です)。 Discovery: 自分のVoid(墓地)からSpellカードを1枚選んで手札に加える。対象カードはその際コストが+2され、Soullessという属性が付く事により再利用が出来なくなる。※ちなみにSpellにはRuneも含まれます Clear Mind: Foresee2、更にGodにProtectedを付加する (Foresee Xとは、今後引くカードを上からX枚分確認した上、不要なものを選んでデッキの一番下に回す事が出来る効果です。Protectedはダメージを1回だけ防ぎます) Magebolt: 対象の敵クリーチャーに2ダメージを与える。 War Warはクリーチャーの強化やBlitz(召喚酔いを無くす速攻能力)、Relic(武器)を使った強力な一撃が得意なGodです。 特徴 クリーチャー強化が豊富 誰にでもBlitzを付加できるPowerを持つ 最も多くのRelicを持ち、Relic用Powerを使う事でRelicを延命させられる これらの能力はクリーチャー戦で優位性を持ち易くするものが多いですが、その反面間接的なクリーチャー除去はあまり得意でなく、長所を活かしてクリーチャー戦で盤面を優位に保つ事が求められます。 またRelicによる攻撃は強力ですがクリーチャーを殴ってGodが受けたダメージを回復する手段が非常に乏しい為、Relicの活用は長期戦には厳しいでしょう。 こんな人にオススメ クリーチャーを強化したりクリーチャー戦を有利に進めたい 先手を取り続けて展開をリードしたい 兎に角一回で大きなダメージを出したい WarのGod Power Onslaught: 対象の味方クリーチャーにBlitzを与える(尚、Blitzで攻撃可能になる対象は相手クリーチャーのみであり、相手Godは攻撃出来ません。また一部のクリーチャーが持つAbilityはBlitzで使える様にはなりません)。 Enrage: 対象のクリーチャーを+2/+2します。加えて味方ならばBurn+2を、敵ならばBurn+4を与える(クリーチャーの持ち主のターン終了時にBurn+X分のダメージを与え、それを毎ターン繰り返す)。 Intense Training: 自分のターン終了時、手札内のランダムなクリーチャーに+1/+2する。 Slayer: 装備しているRelicの耐久値を+1する。もしRelicを装備していない場合は攻撃力2、耐久値1のRelicを装備する。 Death Deathは代償を支払う代わりに強力な効果を得られる様なカードを多く持ちます。 扱いにくいところもありますが、それ以上に強力な要素が多く魅力的なGodと言えるでしょう。 特徴 何らかの代償がある代わりに強力な効果のカードが多い クリーチャーの死亡を有効活用する手段に長け、Reanimte(Voidからの直接的な復活)が扱える クリーチャーの除去カードが豊富、且つダメージ依存しないものが多い 例えば、Godのライフや味方クリーチャーを犠牲にする、または全体除去なら味方諸共、Godへのダメージならお互い同時といった様な両刃のカードが多くあります。 そうした効果を扱う為、クリーチャーの死亡を有効活用したり、ライフ吸収効果を与えたりと欠点を補うPowerを扱う事も出来ます。 更にクリーチャー除去が豊富な上に、ダメージ依存せずに除去出来るカードを非常に多く持ちます。 こんな人にオススメ 復活系、味方犠牲系が大好き とにかくコンボを楽しみたい 大型クリーチャーが好き DeathのGod Power Soul Burn: 対象のクリーチャーにBurn+2を与え、加えて敵Godに2ダメージを、その次に自分に2ダメージを与える(クリーチャーの持ち主のターン終了時にBurn+X分のダメージを与え、それを毎ターン繰り返す)。 Undying Wish: 対象のSoullessでない味方クリーチャーに、”死後2/1のGhoulを召喚する”能力を与える。 ※尚、GhoulもSoulless属性である為、GhoulをGhoul化しての再利用は出来ません。 Blood Ritual: 対象の味方クリーチャーを+1/-1した上、ターン終了時までLeechを与える (Leechを持つクリーチャーが与えたダメージ分、持ち主のGodを回復します)。 Reanimate: 対象の味方クリーチャーにSoullessを与え、更に破壊する。自分のVoid(墓地)から破壊したクリーチャーのマナコスト+1までのマナコストを持つクリーチャーを選んで復活させる。※尚、Voidから復活させた場合はRoar効果が発動しません Light Lightは回復と守り、クリーチャーのステータス操作に長けるGodです。 結論としては扱いにくい部類かもしれませんが独特の長所を持ちます。 特徴 Heal(回復)とステータスのコントロールに長ける Frontlineが多く、トークンクリーチャー生成能力も高い クリーチャー除去は少し特殊で扱いにくい Heal能力を持つのはほぼLight系と一部のNatureのみであり、更にCleansingというBuff/Debuffをリセットする効果を持つのはLightのみです。 またFrontline(前衛)が多く、2/2や1/1のトークンクリーチャーの生成能力にも長けています。 逆にステータスに優れる大型クリーチャーの様なものは非常に少ない欠点を持ちます(とは言えNeutralで補える)。 こんな人にオススメ 回復、防御系とディフェンシブに試合を進めたい 沢山クリーチャーを召喚したい 相手の使う強力クリーチャーを逆手に取りたい LightのGod Power Heavens's Light: 対象の敵クリーチャーを±0/-2する。ただし2以下には下がらない。 Heal: 対象を2点回復する(God/クリーチャー可)。またクリーチャーのHealthがMaxだった場合には±0/+1する。 Chosen Vision: デッキのカードを上から2枚確認し、Chosen One(ランダムに選ばれる1体のクリーチャー)を3枚分デッキの上側に近付け、更に+2/+2する。※既に選ばれたクリーチャーが手札や場に出ていた場合でも+2/+2されます。 Summon Acolyte: 2/2のAcolyteを召喚する Deception Deceptionは最も扱いにくいGodであると明言されており、TCG初心者向けではありません。 相手の環境やカードを利用したり、コピーしたりする能力に長けています。 特徴 クリーチャーを手札に戻す、コントロールを奪う、相手のカードをコピーする様な能力を持つ 相手や盤面の状況に依存するカードが多く、扱いやすさに欠ける 上手く機能すると相手の意表をついたり、大きな結果を得られる 色々なカードや戦術への知識が求められる傾向があり、クリーチャー除去も条件付きの物が多いです。様々な手管で相手への嫌がらせが出来るカードが豊富で、効果的に行使する為のタイミングが非常に重要と言えます。 特に序盤の展開が早いタイプが苦手で、巻き返しが厳しい傾向にあります。 こんな人にオススメ 人間相手の駆け引きが大好き カード同士のシナジーが重なると楽しい 色々なGodのカードを織り交ぜてプレイしたい DeceptionのGod Power Thievery: 自分のGod Powerを対戦相手が現在使っているものと同じものに変更する。更に相手が次に引くカードを1枚確認し、望めばデッキの1番下に回す事が出来る。※God Powerの使用は1ターン1回である為、これを使ったターンにはコピーしたPowerが使えません。 Memory Charm: 対象クリーチャーを+2/±0する。更に自分のターン終了時、そのクリーチャーはSleep(1ターンの間、能動的アクションが取れない)する。※敵クリーチャーに使った場合、直後の敵ターン終了時までSleepが継続します。 Cheat: 対象クリーチャーにHidden(敵からのターゲット不可、Frontlineを持っていても無効)を与え、更に1ダメージを与える。※主にダメージ用途と、敵Frontlineを隠して機能させない事、味方を隠す事等に利用します。 Flip: 敵Godに属するランダムなカードを1枚手札に加える。※相手デッキのカードではなく、相手Godのカード全てが対象となります。 まとめ 今回の記事では、Gods Unchainedのプレイでもっとも重要な「Gods」の特徴を紹介しました。 Godsはそれぞれ異なるPowerを持っているため、Neutralカードとの組み合わせで様々なプレイスタイルを楽しめます。 現在、日本でもクリスペがTCGブロックチェーンゲームとして、人気を集めていますが、海外でもTCGの人気には火がついているとみられ、開発元のImmutable社は今年9月に1500万ドルの資金調達したことを発表しました。 最近ではGods Unchainedの勝利報酬だけでブラジルのプレイヤーが最低沈金を稼ぐという話題が出てきました。 https://twitter.com/nouminkou3/status/1178926405867859968?s=20 それ以外にも、10月末にはGods Unchainedが正式リリースすることが決まっています。 今回の記事で興味を持った方は、是非Gods Unchainedをプレイしてみてはいかがでしょうか。
特集・コラム
2019/10/05兼業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析!【10月5日】
みなさん、こんにちは!えむけん(@BinaryMkent)です。 先月の更新後、BTCはディセンディングトライアングルを下抜け、見事に垂直落下していきましたね。しかし、そんな状況が続いているものの、どことなく一部のアルトコインが元気になりつつあるように思います。 ということで、今回はBTCはサラッと分析し、比較的主要アルトの分析に重きをおいてみようと思います。是非、最後までお付き合いくださいね。 それでは、早速BTCの分析から進めていきましょう。 BTCチャートの分析 BTCチャート(長期) BTCに関しては、9月5日公開の記事以降、おおむね予想通りといった展開ですね。ざっくりここまでの流れを振り返ってみましょう。 黄色チャネルにてリターンムーブ(橙矢印)、のちディセンディングトライアングルを下抜け、本格的な調整下げへ突入。現在は緑チャネルに移行し、さらに調整が継続するのか?といった状況です。 とはいえ、日足的にはどちらに転んでもおかしくない状況ですので、中期チャートを元に、より細かく分析していきましょう。 BTCチャート(中期) こちらが中期チャート(4時間足)になります。 緑チャネルの下限周辺+長期サポート帯(7500-7800ドル)に接触後、やや底形成っぽい展開に傾いていますね。では、ここをピックアップして見てみましょう。 今回の重要ポイントは、「8500ドル周辺の黄色ゾーン」。これは、現在の直近安値からのリバウンドに対し、再度戻り売られたポイント、つまりリバ取りロンガーも中期ショーターも「ここから上は厳しい」と判断し、売りを入れたポイントということです。 となれば、ここから「底形成を完了させるのか?」、それとも「底形成できず再度安値を更新する展開となるのか?」、これを占う指標として「8500ドル」というのは非常に重要な位置づけであることが推測されます。 また、少し形は汚いですが、現状を底値周辺での推移を逆三尊形成中と仮定すると、8500ドルはそのネックラインに当たるポイントになります。 ですから今後は、常にこの8500ドルを判断指標とした状況分析をお勧めします。では、これらを元に現状から考えられる今後のシナリオ、その考察に移りましょう。 BTCチャートの総評 さて、それではBTCチャートについてまとめていきましょう。今回、考えられうるシナリオは以下の2通り。 8500ドルを上抜け(逆三尊成立) ⇒一旦上昇(9400ドルを目処) 8500ドルを上抜け出来ず ⇒緑チャネル下限(7000ドル)へ 正直、比較的下優位な展開ではありますが、前回の下げ幅がかなり強烈だったのもあり、8500ドルをすんなり上抜け、一旦上に振ってくる可能性も否めないです。 なので、現状ポジションを持っていないのであれば、わざわざツッコんで売るのではなく、8500ドル上抜けでのロング、もしくはその後の戻り売りポイント、9400ドルまで待つというのが懸命でしょう。 では次に、ドミナンス分析を進めていきましょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) 少し振り返ってみますと、9月4日以降、BTC(価格)の下落に伴って、BTCドミナンスが下落、そしてそれと同時に主要アルトドミナンスが上昇しています。恐らく、資金がBTCから主要アルトへと移動したのでしょう。この資金移動によって、主要アルトの上昇相場が発生したわけですね。 しかしその後、BTC(価格)は大きく下落し、調整が本格化していきました。前回記事では、「このBTC下落のタイミングで、アルトから再度資金が抜けるのでは?」と見ていましたが、実際はどうでしょうか?少し拡大してみて見ましょう。 一時、BTCの下落により大きく下落したものの、その後の出戻りにより、アルトドミナンスは全く下落していませんね。これはかなり予想外でした。 そしてさらに驚いたのが、USDTからも資金が流出しているという点。これはつまり、『「BTCは下げ相場だが、RRを踏まえるとUSDTに資金撤退させるのではなく、アルトに資金を回したほうがいい」と判断したトレーダーが多くいる』ということです。 これを踏まえると、ここからは「アルトから資金が抜けるか?」が肝になってきそうですね。 当然、ここから再度アルトに資金が流れるとなると、アルトを投機目的で購入すべく、現物BTCが買われはじめます。こうなると、BTCが現物主導で買い支えられるため、下値も限定的になり、アルト↑、BTC→となる可能性も考えられますね。 では次に、主要アルトの分析を通して、アルト市場全体の展開予想、それを踏まえた上でのBTCの推移について、分析+解説していきましょう。 主要アルトコインの動向 これまでは、「BTC↑ アルト↓」、もしくは「BTC→ アルト↑」といった展開がほとんどでしたが、現状は「BTC↓ アルト↑」と綺麗に逆相関して推移しています。 やはりその中でも、前回記事でも取り上げた「ETH」「XRP」、そして「IOTA」の推移が目立ちますね。とはいえ、BTC価格が下がっているため、ドル建て価格はほぼ変わりませんが、BTCが下落しないのであれば、BTC建てアルトでの差益獲得も十分に見込めます。 ということで、今回は「ETH」「XRP」「IOTA」の3通貨を分析していこうと思います。 ETH/BTC 現状、綺麗に上昇していますが、サポートラインをすぐ下に控えているため、少し窮屈な展開ですね。このまま、直近高値を更新できれば問題ありませんが、サポートラインをした抜けるとなると、ダブルトップ形成に傾く可能性が急上昇してしまいます。 これらを踏まえると、ここから買うのはややリスキーですね。状況としては悪くないが、恐らくETHが上げるのであれば、他のアルトも上げると思うので、RRを踏まえると「わざわざETHにする必要もないのでは?」というのが個人的な所感です。 XRP/BTC 久しく抜けれていなかった200MA(赤)を上抜けており、この後押し目を作れるかが非常に重要な展開です。万が一、押し目を作れた場合には、白ゾーンの突破で逆三尊成立になりますし、BTCの状況を踏まえず考えると、かなり上昇見込みが高いチャートですね。 もちろんBTC建てですから、BTC価格は無視できませんが、「押し目を作ったときに、BTCがどうなっているか?」次第では、かなり投機対象としては優秀だと思われます。 IOTA/BTC コチラもパターン形成はしていないものの、状況としては全く悪くはないですね。 しかし、レジスタンス(白ゾーン)を上抜けはいるものの、なかなか伸び切れておらず、今後は「上抜けたレジスタンスをサポート(押し目)に出来るかどうか?」というのがポイントになってきそうです。 以前までは、BTCが大きく伸びるときには、その前触れとしてIOTAが急上昇する傾向があったため、それを頭の片隅に入れておくとよいでしょう。 総評(まとめ) さて、それでは最後にまとめに入りましょう。 BTCは調整本格化 →8500ドルが肝 BTC⇒アルト以降、資金が抜けていない →リスクオン転換の可能性(?) だいたいこんな感じでしょうか。 BTCだけで見ると、先日のディセンディングトライアングル下抜けもあり、目線は下ですが、主要アルトだけで見ると再度アルト上昇展開もありそうな展開ですね。 BTCは下でアルトは上・・・と、結構複雑な相場ですが、アルトを仕込むにしてもBTCを仕込むとしても、焦って動くような地合いではないと思います。とりあえず、BTC8500ドル周辺での動向を見てから・・・、といった立ち回りが最も無難でしょう。 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した動画教材『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ)
特集・コラム
2019/10/04イチからわかるマイニング事情【第2回】: 実際の統計からみるマイニング産業
前回はマイニングの難易度やハッシュレート、ビットコインの価格下落などがマイニング産業にもたらす影響を解説しました。 今回は、BitMEXが出しているリサーチを元に、去年2018年11月初めから12月初めに見られた価格下落と、ハッシュレートやマイナー報酬の関係性を実際の統計と共に見ていきたいと思います。 この記事を読めば、暗号資産と難易度の密接な関係、そしてそれらが市場に及ぼす影響がわかると思います。 基本統計 みなさんも記憶に新しいと思いますが、2018年11月〜2018年12月にビットコインの価格は45%近い下落を見せました。 価格の下落後に、ハッシュレートも31%ほど下がったという統計がBitMEXから出ています。 ハッシュレートの低下はマイナーの市場撤退を意味します。より少ないマイナー人口でマイニングを進めようとすると必然的にハッシュレートが低下していきます。 今回の31%ものハッシュレート低下は、ビットコイン価格の下落のために市場からマイナーが撤退したことによって起きたということです。 BitMEXは、130万人以上のマイナーが市場撤退したと概算しています。 結果的に、1日のマイニングによる利益が1300万ドル(現在の日本円換算で約14億2千万円)から600万ドル(約6億5千万円)まで落ち込んでしまいました。 難易度調整の遅れ またこの価格下落が、11月16日と12月3日にそれぞれ7.4%と15.1%の難易度下落を引き起こしたようです。 状況をより複雑にしているのが難易度調整の遅れです。難易度は2016ブロックごとに行われますが、その2016ブロック、約2週間の間にも価格の低下が起きてしまうことが多々あります。 価格は一夜にして暴落することもある一方で、マイニングの難易度は2週間おきに行われます。難易度の調整が価格の下落についていけないことが大きく市場自体に影響を及ぼしているのです。 価格が下落したとしても難易度の適切な調整でハッシュレートの低下は抑えられるはずですが、難易度の再調整に遅れが出てしまい、ビットコインの価格に対するマイニングコスト(電気代)が割に合わず、マイナーの数が激減することが昨年起こりました。 マイニング産業の利益率推定 BitMEXのリサーチによれば、1kWh(電気ストーブを一時間使用したときの消費電力量)につき0.05ドルの電気使用料のみを可変費用と仮定した場合、価格が下落する以前は約50%ほどの利益率を保っていました。 これは、0.05ドルの費用に対して1ドルの収益を上げていたということになります。これが価格の下落以後、ビットコインの場合30%に下落してしまいました。 これらの概算は、全てのマイナーに同一の費用がかかっていることを想定した場合でした。しかし現実には全てのマイナーが同じ費用を抱えているわけではありません。 中国でマイニングを行うマイナーはアメリカや日本でマイニングを行うマイナーに比べて可変費用(1kWhの電力量をしようする時の費用)が少なくて済みます。 そのことも考慮に入れた概算をBitMEXが出しており、そちらの方が現実を分析する上で適しています。 実際は、価格の下落に伴って電気代と比較して元が取れなくなったマイナーから順に市場退出をしていくことが考えられるからです。 そこでBitMEXは、電気代が平均0.05ドル・標準偏差0.01ドルの正規分布に従っていると仮定して分析を行いました。 平均0.05、標準偏差0.01の正規分布に従っているということは、だいたい68%のマイナーが1kWhあたり0.04ドルから0.06ドルの費用を持っている仮定になります。 そしてマイニングコストが高くつくマイナーから徐々に市場退出していくということです。 ですから、ビットコインの価格が下落すると、初めに0.09ドル/khw(平均から4つ標準偏差づれている費用)から0.08ドル/khw(平均から3つ標準偏差高い費用)のコストがかかってしまうマイナーが先に市場退出していきます。 次に0.07ドル/khwから0.06/khwの費用がマイニングにかかってしまうマイナーが市場退出をしていくといった次第です。 この仮定の下で価格下落がどれほど利益率に影響するのかということを分析しています。 この仮定で分析を行った結果、利益率が50%から40%台の下落で抑えられていることがわかりました。 これは市場にいるマイナーにとっては以前の30%に比べ幾分良い状況であるということになります。 マイニング市場からマイナーが撤退するとトランザクションの処理速度に遅れが出てしまう他、51%攻撃などのブロックチェーンに対する攻撃に無防備になってしまうということが考えられるため、当初の仮想通貨の理想から遠ざかってしまう恐れまであるのです。 価格下落の考えられる原因 それでは価格下落が起こった原因はなんでしょうか。 はっきりした原因はわかっていません。 しかし、見過ごすことのできない前兆として、価格が下落する前にマイナーによる大量の売り注文があったことがわかっています。 投資家向けに仮想通貨市場のデータを提しているプラットフォームーBoltzmannが、11月12日に大量にビットコインの売り注文を入れるマイナーを確認したと報告しています。 その中でも多くのマイナーが巨大マイニングプールであるSlushpoolのメンバーだった可能性が高いと見ています。 マイナーが保有しているビットコインを売ることで価格下落の原因を作ってしまったことも考えられるということです。 まとめ 今回はマイニングのハッシュレートと難易度、そして価格の関係を顕著に表している実際のデータを見ていただきました。 BitMEXのリサーチからもわかるように、やはり価格の下落とマイニングの難易度、そしてマイナー達のインセンティブの間には大きな関係があります。 このあたりをしっかり理解して、難易度の再調整などのニュースを見ればよりマイニング事情が頭に入るのではないでしょうか。 また今回紹介したリサーチに関して、マイナー達の売り注文がビットコイン価格の変動に大きく影響していることもおわかりいただけたかと思います。 独占状態にあるマイニングプールが価格の変動にまで影響することも見て取れたと思います。 次回は「マイニングプールの形成と巨大化は防げるのか?−理論と現状」と称しまして、マイニングプールの説明とその巨大化が懸念される中でどのような理論的枠組みが提供されてきたのかを、The Miner's Dilemmaという論文をご紹介しながらご説明していきたいと思います。
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2019/10/03リップル(XRP)とSBIの関係性とは?最新ニュースと合わせて紹介!
リップル(XRP)に関して調べていると、「リップル×SBI」というワードの組み合わせをよく目にすると思います。 本記事では、リップルとSBIが行う共同事業について解説していきます。 後半には、リップルとSBIに関する最新注目ニュースの解説やXRP(リップル)の今後についても紹介しているので、是非最後まで読んでみてください。 リップル(XRP)とSBIの関係とは? リップルとSBIは主に以下の3つの点で関わりがあります。 ・SBIがリップル社の株を10%保有している ・SBIとリップル社が合同出資でSBI Ripple Asiaを設立した ・SBI RemitでxRapidを用いた国際送金を計画中 それぞれどういうことか詳しくみていきましょう。 SBIとは? 時価総額5000億以上の持株会社「SBIホールディングス」を筆頭に、ネット銀行やネット証券会社を傘下に構えているグループ会社の総称。 SBIがリップル社株の約10%を保有している SBIグループのベンチャーキャピタル「SBI インベストメント」は過去にリップル社に出資を行っており、現在SBIグループはリップル社の株式も保有しているようです。 ここでの注意点として、SBIが保有しているのは暗号通貨XRPではなくリップル社の株式です。 つまり、例え暗号通貨XRPが普及しなかったとしても、リップル社が手がける他のサービスが普及すればSBIが困ることはありません。 合同出資でSBI Ripple Asiaを設立 2016年にSBIホールディングスとリップル社が出資して「SBI Ripple Asia」という合同企業を設立しました。 この会社では、リップル社の技術やサービスをクラウド上で利用できる「RCクラウド」を開発しています。 また同社は、日本の銀行60行以上が参加する「内外為替一元化コンソーシアム」を主導しています。 "内外為替の一元化"とは、かんたんに言うと「外国為替と内国為替に関する取引をスムーズにする」という意味です。また、"コンソーシアム"とは「共同事業体」や「集団」という意味を表す言葉です。 つまり「内外為替一元化コンソーシアム」とは、「外国為替と内国為替に関する取引をスムーズにしたい人や企業が集まるグループ」と捉えてもらえばイメージしやすいと思います。 ↓は内外為替一元化コンソーシアムなどについて解説している公式動画です。 (動画引用元:ripple.com) グループ会社SBI RemitでxRapidが利用される計画 SBIグループには国際送金事業を手がける「SBI Remit」という企業があります。 このSBI Remitは今後、リップル社のxRapidというサービスを利用して国際送金事業のさらなる拡大を目指すと発表しています。 SBI Remitは、リップル社も提携を結んでいる世界大手送金業者のMoneyGramのネットワークを活用し、国際送金累計7000億円を突破するなど、国内の送金業者としては最大規模を誇っています。 リップルとSBIの最新ニュース(最新版) リップルとSBIは「SBIがリップル社の株を10%保有している」「SBIとリップル社が合同出資してSBI Ripple Asiaを設立」「SBI RemitでxRapidを用いた国際送金を計画中」という3点で関わりがあることがわかりました。 両者の関係性について理解できたところで、「リップル×SBI」に関する最新のニュースを紹介していきます。 マネータップ株式会社へ三井住友信託銀行・大和証券グループ本社が資本参加(9/30) SBIホールディングスが今年設立したマネータップ社に、三井住友信託銀行と大和証券グループが資本参加しました。 マネータップ社は、リップル社のxCurrentという技術を利用したスマートフォン向け送金アプリ「Money Tap」を手掛けている企業です。 同アプリでは、24時間365日リアルタイムで送金が可能で、さらに相手の銀行口座情報がわからなくても携帯電話番号、QRコードのいずれかで送金をすることができます。 現在は住信SBIネット銀行と、スルガ銀行の2つの銀行のみに対応していますが、今後対応銀行が増えたらとても便利なアプリです。 マネータップへ出資している企業 SBIホールディングス、京葉銀行、足利銀行、阿波銀行、愛媛銀行、北日本銀行、きらぼし銀行、群馬銀行、山陰合同銀行、滋賀銀行、島根銀行、清水銀行、新生銀行、住信SBIネット銀行、スルガ銀行、セブン銀行、仙台銀行、第三銀行、筑邦銀行、東邦銀行、東和銀行、栃木銀行、広島銀行、福井銀行、福岡中央銀行、福島銀行、北陸銀行、みちのく銀行、三井住友信託銀行、大和証券グループ本社(*3)、その他1行 SBIコスマネー社が約90%海外送金手数料の削減を実現(9/27) 韓国ソウルを拠点にフィンテックを活用した新しいサービスを提供するSBIコスマネー社が、国際送金手数料の約90%削減を実現しました。 SBIコスマネー社は、9月中旬にアジア・ヨーロッパ・北米などへの送金をサポートする「InstaReM(インスタレム)」という企業と提携を発表しました。 このInstareMは2018年2月にRippleNetに参加しています。 「SBIコスマネー社⇄InstaReM⇄RippleNet」と間接的ですが、SBIとリップルが関わっている事例となります。 まとめ リップル社のサービスが普及していくには既存の大手企業との連携が必要不可欠で、SBIはその役割を果たす重要なポジションにある企業です。 リップル×SBIの動向には今後も要注目ですね! 以下の記事では、XRP(リップル)の今後のシナリオについて解説しています。 リップル社のサービス、そして暗号通貨のXRPが今後どのようになるのか気になる方は是非読んでみてください。 XRP(リップル)は今後どうなる?Ripple社が予想する将来を紹介! 関連記事: ・XRP(リップル)とは?特徴や仕組み、銀行の実用化例まで紹介! ・なぜXRP(リップル)は中央集権的と言われるの?わかりやすく解説! ・【初心者向け】XRP(リップル)の買い方とおすすめ取引所を紹介!
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2019/10/02イチからわかるマイニング事情【第1回】: マイニングとは?
こんにちは、Takahiroです。 「マイニング」という概念は、ブロックチェーンや仮想通貨に興味があれば誰でも聞いたことがあると思います。 こちらでは、ビットコインなど主要ブロックチェーンのネットワーク維持や価格形成に欠かせないマイニングについて、基礎概念から過去データの解析、近況などを4回に分けて解説したいと思います。 第1回では、マイニング事情の理解に不可欠なハッシュレートとマイニングの難易度、そしてマイニング設備の遍歴を見ていきたいと思います。 こちらを読めば、ハッシュレートや難易度という概念はマイニング産業の基軸で、ひいてはビットコインの価格形成にまで影響を及ぼすことがお分かりいただけると思います。 また、マイニング機器の進化に伴ってマイニング事情が大きく変動していることが見て取れると思います。 第2回では、BitMEXが発表したリサーチを元に、去年のビットコインの価格下落に関する実際の統計を見ていきたいと思います。 価格下落とマイニング産業との関連性が実際のデータから理解できると思います。 第3回・第4回では「マイニングプールの巨大化は防げるのか」を題材に、マイニングを行うインセンティブを経済学的視点から分析した二つの論文:The Miner's DilemmaとMajority is not Enough:Bitcoin Mining is Vulnerableの内容をご紹介します。 様々な疑問に答えることで、マイニング事情を包括的に理解できるようなコンテンツとなっております。少し専門的な部分もありますが、できる限りわかりやすく説明していきます。 また今回の一連の記事では主にビットコインを題材にしていますが、お伝えする内容はProof of Work(PoW)コンセンサスを採用している仮想通貨全般に通じます。 それでは、早速見ていきましょう。 マイニングってなに? マイニングとは、ブロックチェーン上のトランザクションを管理するシステムで、ビットコインなどのPoWブロックチェーンで円滑な仮想通貨経済を保つための仕組みです。 マイニングではコンピューター(ノード)に膨大な計算をさせて、その中で「当たり」の計算をしたノードがブロックチェーンの新しいブロックを生成することができます。 以下では、このマイニングの詳しいプロセスを解説します。 マイニングの仕組み マイニングは、「ハッシュ値」と呼ばれる、一定の桁数のランダムな値を算出する作業です。 ハッシュ値は「B74D18C0BAB527A9A97B42B1AC5611D01D5436F41373B9B233F25B56C8345978」のように、アルファベットの混ざった16進数で表されることが一般的です。 試しに、コチラからSHA-256と呼ばれる「ハッシュ関数」に適当な文字や数字を入力してみてください。すると、毎回同じ桁数で値の異なるハッシュ値が出てくるはずです。 マイニングでは、この「ハッシュ関数」に取引データ、ナンス値、前ブロックのハッシュ値を入力して、次のブロックのハッシュ値を計算します。 上記で述べた「当たりの計算」とは、このハッシュ関数を用いて、一定以下の大きさのハッシュ値を見つける計算のことを指します。 取引データと前ブロックのハッシュ値というのは決まった値ですから、ここをいじくって当たりのハッシュを出すわけにはいきません。 なので、ナンス値を「総当たり方式」で変えて、ハッシュ値の計算を重ねて、当たりの計算を見つけにいくのがマイニング作業なのです。 当たりの計算を最初に見つけた人が、ブロックを生成することができます。ビットコインは、このブロック生成が約10分に一回起こるようになっています。 なぜマイナーはマイニングをするのか? マイニングには莫大な計算力が必要で、処理のためのコンピューターを稼働させるには電気代がかかります。マイニングをする「マイナー」はどうして電気代を支払ってまでこの作業に携わるのでしょうか? マイニング作業の結果新たなブロックの生成に成功したマイナーは、報酬としてビットコインを得ることができます。これがマイナーにとってマイニングを続ける動機(インセンティブ)となるのです。 この報酬は、新たに発行されるビットコインによって支払われます。市場にすでに流れているビットコインがマイナーに循環するのではなく、新規に発行されるビットコインがマイナーの手に渡り、世の中に出回ることになります。 このように、膨大な計算の末ビットコインが新たに発行される様を、金などを掘り出す作業になぞらえて「マイニング(採掘)」と呼ぶわけです。 ですから、マイニングやマイナーの数はビットコインの価格やネットワークの円滑化に大きな影響を与えうるのです。 マイニングの難易度とは? マイニングには、「難易度(ディフィカルティ)」と呼ばれる、ターゲットとなるナンス値の見つけにくさが設定されています。 上の項目で、ビットコインは10分に一度新しいブロックが生成される、と解説しました。 ここで難易度の調整が行われないと、マイナーの数やコンピューターの計算能力が増えることで「一定期間内に打てるハッシュの数(ハッシュレート)」が増加し、ブロック生成の時間(ブロックタイム)が短縮されます。 そうすると、一定期間内に市場に流れ込むビットコインの枚数は増えますから、その価値がインフレしてしまいます。 そこでビットコインでは、2016ブロック毎に一度マイニングの難易度を自動で調整して、人の手を加えずにインフレ率を安定させているのです。 2016ブロック×10分間は2週間となるので、2016個目のブロックが生成されてから難易度の再調整が行われるまでに2週間の間隔があるということです。 マイニングの難易度は以下の算出式から求められます。 次の2016ブロックを掘り出す難易度 = (前回の難易度 × 2週間) / 最新の2016ブロックを掘り出すためにかかった時間 つまり、直近2016ブロック分の難易度の総量を直近2016ブロックを掘り出した総時間で平均化した値ということになります。 このように決定された難易度で再調整が行われ、ブロックの生成速度はだいたい10分に保たれます。 難易度と価格の関係性 マイニングの難易度は、どのような条件で上下するのでしょうか? 以下の時系列統計では、去年2018年12月3日から12月31の間で難易度が低下しているのが見て取れます。 この背後には、ビットコインの価格が下がり、電気代などの可変費用に対して割りが合わなくなってきたマイナー達が市場退出をしたことが考えられます。 マイニングの難易度を決定する処理速度にはマイナーの人口も関係するため、このように難易度の低下が起こっているものと考えられます。 そして結果的にビットコインの機能に欠かせないマイナーが減り、またビットコインの価格を低下させるという事態を招いているのです。 これは、一般に「死のスパイラル」と呼ばれている現象で、ちょうど経済学のデフレスパイラルと同じような構造を持っています。 景気が悪化すると(ビットコインの価格が下がると)、家計の収入が減ってしまい(マイナーが得られる報酬が少なくなってしまい)、消費を抑えることで(マイナーがマイニングを控える・やめることで)、より一層景気が悪化する(ビットコインの価格がより一層下がってしまう)という悪循環に似ているのではないでしょうか。 早稲田大学大学院商学研究科の岩村充教授は、ビットコインは価格変動に合わせたマイニングに対するインセンティブの付け方を変えなければいけないと指摘しています。 また、サンタクララ大学の財政学教授であるAtulya Sarin氏は、ビットコインは「死のスパイラル」に突入し終焉を迎えるだろうという述べていました。 難易度とは、マイナーのインセンティブ、そしてビットコインの価格形成などと切っても切り離せない重要なものだということですね。 ハッシュレートとは 続いて重要になるのが、ハッシュレートと呼ばれるものです。 ハッシュレートとは、1秒間にハッシュ値を何回計算できるのか(hash/s)という単位です。 通常ハッシュレートと言うと、マシン一つ当たりのハッシュレートか、ビットコインなどネットワーク全体のハッシュレート(各マイナーのハッシュレートの合計)のどちらかを指します。 2019年10月時点のビットコインのハッシュレートは 、秒間86,263,993テラハッシュ(TH/s)となっています。 1TH/sとは1秒間に1,000,000,000回(1兆回)の計算するということですから、現在のハッシュレートでは1秒間に86,263,993×1兆回の計算が行われていることになります。 [caption id="attachment_43153" align="aligncenter" width="801"] (Blockchainから引用)[/caption] ハッシュレートの数値は、より多くのマイナーが参加すれば当然上がります。 マイニング機器の歴史 また、マイニング機器の性能もハッシュレートに大きく関わってきます。 まずは、マイニング機器の遍歴を見ましょう。 一番初めにマイニングをするために用いられてきた装置は、CPUです。 1秒に約2000万ハッシュを計算する能力をもつといわれているCPUですが、現在の難易度のマイニングを行おうとしても全く歯が立ちません。 CPUの処理速度の欠点を補うために、続いて使われるようになったのがGPUでした。 しかし、GPUはマイニングには使えないビデオ処理をするハードウェアがたくさん組み込まれており、効率性にはまだ改善の余地がありました。 その後、FPGA(field-programmable gate array)、ASIC(application-specific integrated circuit)というようなマイニング専用のハードウェアが生まれました。 [caption id="" align="aligncenter" width="600"] CPU, GPU, FPGA, ASICの比較[/caption] 市場原理に導かれて多くのマイナーが利益を得るために労力を費やした結果、CPUからASICに至るまでかなりの処理能力の向上が見られました。 処理装置の性能が上がれば新たにブロックが生成されるまでの時間が短くなり、マイニングの難易度が上がらなければならないということが分かりますね。 しかし一方で、マイニング機器がより高価になっていったことや設備に高度な専門知識を要することなどが原因となり、誰もが参加でき、分散化された非中央集権的システムという理想から遠のいていると言えるのではないでしょうか。 一旦高性能で処理の速い装置が世に送られると、その装置を使ってマイニングが行われることになります。 仮にCPUやGPUで計算できるほどにまでマイニングの難易度が落ちたとしても、高性能なマイニング機器を持つ者が圧倒的に有利であることには変わりありません。 したがって現在の枠組みでは、専門知識を持たない、また高価な設備を備える資本を持たない人がマイニングに参入する隙が存在しないことになります。 まとめ シリーズ第一回目となる今回は、難易度やハッシュレートに焦点を当てて、それらが理論上ビットコインの価格形成にどのように影響するのかということをお伝えしました。 マイニングに関する基本的な知識をつけておけば、仮想通貨ニュースの理解度も増します。 マイニング事情はビットコインの価格変動にも影響を与え、結果的に仮想通貨が掲げる理念にも影響することが見て取れた思います。 次回は、BitMEXから出ているリサーチとともに実際のデータを見ながら、マイニングの難易度・ハッシュレート、そしてビットコインの価格下落の関係性についてお伝えします。
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2019/10/01罰金はなぜこんなに少ない?EOSは証券ではない?「EOS対SEC」の決着まとめ
米証券取引委員会(SEC)は昨日、ブロックチェーンプラットフォーム「EOS」の開発・運営を手がけるBlock One社に、認可を受けずに証券を販売したとして、2400万ドルの罰金命令を下したことを発表しました。 Block Oneは、2017年6月26日から2018年6月1日の間にかけて、ICOという形でEOSのERC-20テストネットトークンを販売し、合計41億ドルを調達しました。 SECはこのトークンが証券法に基づく証券であるとして、米国で必要な登録・免除申請を行わないまま米国市民にもトークンを販売したとして、Block Oneを証券法違反の疑いで起訴しました。 今回の決着を受けBlock Oneは、今日1日にブログを更新し、SECの主張に肯定も否定しないとした上で、命令の履行をもって一切の論争を終えたと発表しました。 メインネットトークンは証券ではない? SECが今回証券法に抵触すると判断したのは、Block OneによるERC-20テストネットトークンのICOです。 Block Oneの声明によれば、今回の一件では、このテストネットトークンを証券としてSECに登録する必要はない、という結論に至ったとされています。 これが本当にSECの意見と一致していると仮定した上で、この結論からはいくつか以下の含意が汲み取れます。 SECが優先的に着目したのは「トークンが証券であるか」ではなくて、ICOが証券発行(セキュリティ・オファリング)に当たったこと。つまり、ハウイ・テストの一部にのみ焦点を当てていた。 今回の裁判のフォーカスは、あくまでICOで発行されたテストネットトークンにある。「EOSのメインネットトークンが証券かどうか」は対象ではない。 ただ、SECの論点が商品自体(テストネットトークン)ではなく商品契約(ICO)に寄っている点、加えてこの商品を証券登録する必要がないと判断された点を踏まえると、メインネットトークンが証券にあたらない可能性は高い。 補足として、SECが4月に公開した文書では、証券とみなされない暗号資産の基準が詳しく記述されています。これでは、 ネットワークやプラットフォームがすでに稼働済み・トークンもすぐに利用可能である トークンの価格上下は偶然によるものである(スペキュレーションでない) 該当ネットワークのユーザーのみが適量のトークンを保有・交換している という要素をポイントに、デジタル資産がネットワークの利用のみに使用されることが重要視されています。さらに、SECは一度証券と判断したトークンを再度検討して、結果証券との判断を撤回するケースもあり得るとしています。 過去にSECは、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は証券ではないと発表しています。公式に認定されたわけでは決してありませんが、EOSは事実上この2銘柄に続く非証券トークンと考えられるのではないでしょうか。 罰金はなぜこんなに少ない? Block Oneが調達した41億ドルに対し、SECが命令した罰金は2400万ドルとなっています。こう見ると罰金がなぜこんなに少ないのか疑問です。 しかし、Block OneのICOはグローバルに行われていた点や、米国のIPアドレスをブロックしていた点、参加者に米国市民でないことを同意させていた点などを踏まえると、実際に参加した米国市民はそれほどの割合を占めなかったのではないかと考えられます。 「本人確認や規約に同意した参加者がいたにも関わらず罰金を課すのは酷では」という意見は最もですが、Block Oneは米国内のカンファレンスでプロモーションを行ったり、各地で広告を打ったりもしていたようです。 また、Block Oneに比較的有利な罰金命令に関し、ツイッターでは「単純に弁護士が優秀だった」という指摘も挙がっています。 まとめ: Block Oneや業界への今後の影響は? Block Oneにとって、今回の裁判は以下のような結果となりました。 罰金は調達額に比べるととても小さく済んだ 今回を以ってSECとの論争を終えることができた EOSのメインネットトークンは(おそらく)証券にあたらない ICOというトークンセール行為が証券法に抵触したことは間違いありませんが、過去に証券と判断されたトークンがプラットフォームの発展と共に(実質)非証券とみなされるケースが出てきたのは業界にとっては良いことではないでしょうか。 また、SECは今まで固執してきたハウイ・テストからもう少し視野を広げた見方をしているようにも伺えます。 しかし、同様に証券法違反で裁判の最中にいるKikが事業中止を予定するなど、過去にICOを行ったプロジェクトとSECの争いはまだまだ続きそうです。 参考サイト: SEC Block One