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2019/10/29量子コンピューターが仮想通貨の安全性を脅かすのはいつなのか?
「量子コンピューターで仮想通貨はどう変わるの?」「仮想通貨の安全性は量子コンピューターに脅かされるの?」という疑問を持っている方は多くいるかと思います。 先日Googleが量子コンピューターの実証実験を成功させたというニュースが注目を集め、仮想通貨の安全性を疑う声も多くなってきたと思います。 そこで本記事では、量子コンピューターがビットコインに与える影響をわかりやすく説明します。 この記事を読んでいただければ、量子コンピューターが与えるビットコインへの影響をゼロから理解することができますよ。 「量子コンピューターでどのようにビットコインが安全でなくなるのか」また、「量子コンピューターが出てきたら仮想通貨産業はどのように変化していくのか」を知りたいという方は、是非最後まで読んでみてください! 量子コンピューター時代に向けて 量子コンピューターの台頭で、現在一般的に使われているRSA暗号や楕円曲線暗号などの現代暗号理論が安全ではなくなる(危殆化していく)ことが問題視されています。 アメリカ標準技術研究所(NIST)は、2030年までに現在普及している暗号方式を一変し、2031年から耐量子暗号技術に移行することを推奨しています。 ビットコインでも秘密鍵から公開鍵を生成する時に楕円曲線暗号が用いられており、ビットコイン界隈の方にとっても決して他人事ではないのです。 そのような現代の暗号技術を脅かす量子コンピューターの仕組みやアルゴリズムについて、世界動向も交えてお伝えします。 量子コンピューターとは? 量子コンピューターとはその名の通り、量子力学の原理により並列性を実現するコンピューターです。 従来のコンピューターは、0と1の2つの状態で情報を表現します。 電圧のオン・オフで、0か1のいずれかの状態に1ビットは定まります。これの膨大な繰り返しで、Youtubeで動画が観られたり美しい写真を保存できたりするのです。 このビットに代わり、量子ビットで情報を処理するのが量子コンピューターです。この量子ビットは従来のビットと異なり、0と1が同時に成立している状態(重ね合わせの原理)も考えることができます。 0の状態と1の状態が決定的ではなく、確率的に決まっているということです。 この原理の画期的な応用により、1度で扱える情報量が増えます。 コンピューターで取り扱う量子ビットの数がn個のとき、1度で処理できる情報量が2のn乗となります。 2量子ビットなら4つのデータが取り扱えるということです。 先日Googleが53量子ビットの運用実験に成功したニュースがありましたが、この量子コンピューターが1度に取り扱えるデータ量は2の53乗という巨大な桁数になります。 10の15乗以上なので、1の後に0が15個並ぶほど巨大な数字ということになります。 演算処理速度が速いスーパーコンピューターでも、構造上はどこまでいってもバイナリーの原理(0か1か)の繰り返しです。量子コンピューターの演算処理が、スーパーコンピューターのそれを上回ることが将来考えられます。 しかも、重ね合わせ状態を利用して量子コンピューターでしか実行できないアルゴリズムなどが考案された結果様々な問題を従来のコンピューターよりも効率的に解くことができます。 量子コンピューター時代に向けた世界動向 各国で様々な研究所やIT企業が、こぞって量子コンピューターの研究・開発に取り掛かっています。大きな企業では、GoogleやIBMなどの取り組みが顕著なようです。 量子コンピューターの研究・開発が徐々に開始されるようになったのは、1970年代末ごろからです。 1985年にドイッチュ(David Deutsch)が、量子コンピューターを用いた計算アルゴリズムを考案しました。1994年にはショアのアルゴリズム(Shor's algorithm)が考案され、量子コンピューターで素因数分解を高速に行う方法論が発見されました。 理論研究に続いて、ハードウェア開発も1990年後期から2000年代に入り盛んに行われ、核磁気共鳴NRM、超伝導粒子などを用いた10から20量子ビットの量子コンピューターがすでに実現されています。 今後の計画では、Googleが72量子ビット、IBMが50量子ビットまで拡張させるようです。 世界の研究競争に対応して、標準的な暗号システムも変化していかなければいけません。 2016年からアメリカ標準技術研究所(NIST)が耐量子計算暗号へ移行する準備を始めました。日本でも、CRYPTOREC(Cryptography Research and Evaluation Committees)によって、電子政府推奨暗号の安全性評価などが行われています。 暗号方式は、その性質上、慎重に精査・評価をしなければいけません。我々の日常で使用される暗号に”穴"があっては大変なことになります。 そのため標準化には多くの時間と労力がかかります。そこで今は2030年からの移行に向けて世界の各機関が動いている状況です。 量子コンピューターが仮想通貨に与える影響 従来のコンピューターとはそもそもの構造が大きく異なる量子コンピューターですが、仮想通貨の脅威になることが予想されます。 ショアのアルゴリズムとグローバーのアルゴリズムによってビットコインの安全性が脅かされている状況です。 公開鍵から秘密鍵が割り出される? ビットコインを保有している方ならばご自身の秘密鍵をお持ちでしょう。誰にも公開してはいけない、自分だけが知っているべきランダムな数字とアルファベットの羅列です。 公開鍵はこの秘密鍵から生成されるので、ビットコイン取引の安全性は公開鍵から秘密鍵を割り出されないことを根拠としています。 公開鍵は名前の通り公開して良い鍵です。なぜなら、現在ではその公開鍵からいくら頑張っても秘密鍵を知るすべがないからです。 [caption id="attachment_44482" align="aligncenter" width="513"] (Mastering Bitcoin, Andreas M. Antonopoulos 図4-3から引用)[/caption] ビットコインプロトコルで秘密鍵から公開鍵を生成する暗号技術が、上記で触れた楕円曲線暗号です。画像にもあるように、秘密鍵から公開鍵を生成できても、公開鍵から秘密鍵を割り出すことはできないようになっています。 しかしこれは従来のコンピューターでの話であり、量子コンピューターと量子アルゴリズムを使えば解けてしまう時代がいずれ来ることが理論上わかっています。 ショアのアルゴリズム(Shor's Algorithm) それが、後になってショアのアルゴリズムと命名される量子アルゴリズムです。この計算手法は1994年に米国大学MITの応用数学科ピーター・ウィルソン・ショア教授(Dr.Peter Williston Shor)によって考案されました。 理論上、ショアのアルゴリズムによって、離散対数問題と素因数分解が高速で解けるようになります。現在最も普及しているRSA暗号と楕円曲線暗号は、それぞれ素因数分解と離散対数問題の計算困難性に支えらています。 実際、現在使われている2048ビットの大きさの数を素因数分解するには、スーパーコンピューターで30年ほどかかると言われています。 これほど強固な暗号理論を量子コンピューターは破る可能性があるのです。 また、扱うデータ量が増えてもさほど計算量が変わらないところもショアのアルゴリズムが突出している点です。ですから、扱うデータ量を増やすという対処法が通用しません。 これによりRSA暗号と楕円曲線暗号が危殆化を迎え、耐量子計算暗号へと移行しなければいけなくなります。 これは、ビットコインを保有する上でも重大な事実となります。 楕円曲線暗号が破られるということは、公開鍵から秘密鍵が割り出されてしまうことを意味するからです。 本来なら公開できるはずの公開鍵から誰にも教えてはならない秘密鍵がバレてしまい、保有するビットコインがウォレットから盗まれるなどの被害も考えられます。 グローバーのアルゴリズム(Grover's algorithm) もう一つ、総当たり攻撃に特化したアルゴリズムとしてグローバーのアルゴリズムがあります。 グローバーのアルゴリズムは、1996年にベル研究所の研究員であったロブ・グローバー氏(Lov Grover)によって考案された高速検索アルゴリズムです。 ここで「3つの数字の組み合わせのひとつが正解となる」ダイアル錠など、N個のデータの中から1つだけ正解を割り出す作業を考えてみましょう。 <0,0,0>から始めて<9,9,9>まで0から9の10つの数字を1つずつ試します。 この場合だと、10の3乗の1000通りの組み合わせがありますね。 N通りの場合数がある時、従来のやり方ならば最悪N通りをしらみつぶしに探る必要があります。 N-1個まで不運にも外れてN個目でやっと正解に行き着くのが最悪のケースです。平均的に考えてもN/2回の総当たりを仕掛ける必要があります。 しかしこのグローバーのアルゴリズムを使えば平均的にNの平方根程度の回数で正解にたどり着けるそうです。 100個の中から1つ選ぶのに今までなら50回平均して試さなければいけないところを10回程度で正解にたどり着けるのですから驚きです。 この効果はNが大きいほど顕著になります。Nが100万通りある場合、50万回試さなければいけないところを1000回まで抑えることができるからです。 グローバーのアルゴリズムの存在で、安全性が不安視されることも理解できますね。 ハッシュ値が衝突する? このグローバーのアルゴリズムはハッシュ値の衝突問題に応用することができます。 通常のコンピューターでは、同一のハッシュ値を得る入力値を発見するためにはハッシュ値の取り得る総数の平方根回を試せば良いことが知られています。 例えば、任意の入力に対して3桁の数字を返すハッシュ値があったとします(実際はもっともっと大きな桁数です)。 これは1000通りの3桁数字が存在することになりますが、通常のコンピューターだと1000の平方根である31通りを調べれば同じハッシュ値のペアーを発見できます。 一方でグローバーのアルゴリズムを応用した量子アルゴリズムを用いることでさらに少ない試行回数で同一のハッシュ値を見つけることができます。 具体的には、ハッシュ値の取り得る組み合わせの3乗根、つまり「1000の3乗根 = 10通り」を調べれば衝突が見つかるということになります。 ただ、グローバーの応用アルゴリズムへの対策として、ハッシュ長を1.5倍にすれば現在の安全性を保つことができます。 実際、3桁を1.5倍にした4.5桁に桁数を増やしてやってみましょう。 全ての組み合わせは10の4.5乗で31622通りです。これにグローバーのアルゴリズムを適応すると3乗根を調べればいいので、31622通りの3乗根である31回を調べればいいことになります。これは従来のコンピューターでの安全性と同程度ということになり耐量子性が保たれます。 グローバーのアルゴリズムで起こり得るハッシュ値の衝突問題は、ショアのアルゴリズムと異なりハッシュ値の桁数を増やせば十分であるということがわかりますね。 よってポスト量子コンピューター時代に入った際は、現在推奨されているSHA-256からSHA-384に移行する必要があるようです。 今後の展望 ブロックチェーンのシステム上、ビットコインのプロトコルや規格に対して変更を加えることは難しいです。 その場合、楕円曲線暗号ではなく(格子暗号や多変数多項式暗号などの)耐量子計算機暗号をプロトコルとして備え、かつSHA-384と今よりも桁数が長いハッシュ関数を採用しているシステムがビットコインからハードフォークするか、全く新しいコインが作られるかの2通りが考えられます。 既存のコインの中には、Cardano、IOTA、NEOなど耐量子性を持ったものが存在します。 ただし、これからより一層量子コンピューターの理論・実証双方からの研究が盛んに行われることも予想されます。 これからの研究により、新たに効率的なアルゴリズムが開発されたり、量子コンピューターでしかなせない計算手法が編み出されたりすれば、今存在する耐量子仮想通貨の安全性が脅かされる可能性も十分にあるでしょう。 まとめ 以上、量子コンピューターが仮想通貨にどう影響するのかをお伝えしました。 しかし、いきなり明日からショアのアルゴリズムが用いられビットコインが盗まれるという被害は考えられません。 量子コンピューターで正しい値を算出することがそもそも現時点では困難だからです。 ですから、例えばショアのアルゴリズムを使って現在使用されている2の2048乗の桁数を解読するとなると、4050以上の量子ビットを扱えなければいけません。しかしグーグルが開発中の量子コンピューターの現目標は比べてたったの72量子ビットです。 その上、多くの量子ビットで実装し計算すれば大きな誤差が出るため、実用に向けてはエラー修正への研究も進めなければいけません。さらに、量子ビットを多く使用すると重ね合わせ状態が消えてしまう現象(デコヒーレンス)が起こってしまう問題もあります。 [caption id="attachment_44484" align="aligncenter" width="515"] (国立研究開発法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター 科学技術未来戦略ワークショップ報告書から引用)[/caption] したがって、現状の暗号化標準が脅かされるまでにはまだ時間がかかり、早くて2030年手前と予想されています。 今後量子コンピューター技術の飛躍に関するニュースが出てきた場合は、それが達成した量子ビット数などをチェックできれば、「現状の暗号通貨にも危険性が出てきたのか」を過剰反応することなく正確に知ることができるでしょう。 参考文献 [1] Newsweeks (2019.10.25) “グーグルは本当に量子コンピューターの開発は成功したのか?” https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13265.php [2] Andreas M. Antonopoulos「Mastering Bitcoin unlocking Digital Cryptocurrencies」, NTT出版 (2017). [3] 国立研究開発法人、科学技術振興機構、研究開発戦略センター (2018.8.17) “ 科学技術未来戦略ワークショップ報告書、みんなの量子コンピューター 〜情報・数理・物理で拓く新しい量子アプリ” https://www.jst.go.jp/crds/pdf/2018/WR/CRDS-FY2018-WR-09.pdf [4] 高木剛「暗号と量子コンピューター耐量子計算機暗号入門ー」, オーム社 (2019).
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2019/10/26兼業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析!【10月26日】
みなさん、こんにちは!えむけん(@BinaryMkent)です。 先月からの2000ドル近い下落を続けていたビットコインですが、昨日今日でそれを全戻しする強烈な上昇を見せ、久しぶりに「これぞビットコイン!」といった値動きになりましたね。私も往復で取れたのでウハウハです笑 さて、そんな上下に激しく動いたあとではありますが、それらを踏まえて今後どういった動きを見せてくるのか?、今回も分析・考察を進めていこうと思います。 それでは、早速BTCの分析から進めていきましょう。 BTCチャートの分析 BTCチャート(長期) こちらが、現在のBTC(日足)になります。 少し遡って見てみますと、前回高値圏にてディセンディングトライアングルの形成・成立後、調整相場が本格化し、市場は一気に売り優勢へと傾きました。 その後、前回記事でも支持価格帯としてご紹介した7400ドルに到達。のち7400ドルから、一時10000ドル周辺まで、2000ドル幅以上の急騰を見せました。 改めて見ると、本当に恐ろしい値動きですよね笑 しかし、ボラティリティの上昇はビットコインが再び世間の注目を浴びるきっかけにもなり得ます。今のうちにしっかり現状把握や展開予想などを行い、今後のチャンスを逃さないように準備しておきましょう。 BTCチャート(中期) こちらが中期チャート(4時間足)になります。 見ていただければわかる通り、直近で大きな上ひげをつけてしまっておりますし、現状抵抗帯(レジスタンス)が複数重なるポイントにて推移している為、今後の展開に対する判断が非常に難しい状況にあります。 その為今回は、先ほどの日足解説同様、再度4時間足でもここまでの流れを分析・考察し、テクニカル的な側面よりもトレーダーの動きなどを元に、現状の相場状況・今後の展開について考察していこうと思います。 まず、先ほども触れたように高値圏でディセンディングトライアングルを形成・成立し、7700ドル周辺まで大きく下落しました。その後、底値を基準にした青チャネルを形成し、緩やかではありましたが、着実に上昇を続けていきましたね。 しかしその後、この青チャネルを下抜け、再度直近安値更新に向けて下落を始めてしまいます。チャネルの下抜け後、なんとか一時は戻したのですが、これまでサポートラインとして機能してきたチャネル下限が今度はレジスタンスとなり、これを機に再度大きく戻り売られてしまいます。 昨日〜本日の上昇前の下落では、おおよそこのような流れで展開されてきました。そして、これらを元にしますと、テクニカルのセオリー通りに動いた場合、「以下の2点にショートポジションが集中してるのでは?」と考えられます。 ディセンディングトライアングルの下抜け(9400ドル) 青チャネル下限でのリターンムーブ(8000ドル) これらを踏まえますと、昨日〜本日の急騰を通して、「上記のショートポジションらはすでに撤退(損切り)されている」と考えるのが妥当です。(すでに損益分岐点を大きく割っているので) つまり、現状は9400ドルの下抜けで撤退したロングポジション、それと同時に新規で入ってきたショートポジションも撤退…と、「燃料不足状態(既存ポジションの不足)」だと考えられます。 これを踏まえますと、今後は再度ポジションが偏り始めるまでは現価格帯(黄色□)にて停滞を見せ、ここでのポジション偏りを燃料に、再度中期の流れを決める初動へと展開されるのでは?と見ています。(いわゆるシンプソンチャートになると思われます) では、これらを元に現状から考えられる今後のシナリオ、その考察に移りましょう。 BTCチャートの総評 さて、それではBTCチャートについてまとめていきましょう。今回は現状の推移が際どいポイントということもあり、下記以外の展開も十二分に考えられますので、あくまで参考程度に見ていただけますと幸いです。 押し目を作り、緑チャネル上抜けへ ⇒8500ドル周辺が押し目候補か? 押し目作れず、再度緑チャネル下限へ ⇒チャネルセンターライン(白)を参考に戻し判断 正直、現状の状況からは上下どちらの可能性も考えられる為、そもそものエントリーを控え、様子見に回るのが得策でしょうね。(私も、しばらくは現状のポイントでの停滞を見守り、次の大きな動きに備えるスタンスでいこうと考えております。) では、次にアルト市場を分析していきましょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) やはり、あれだけの大きな上昇ですから、BTCのドミナンスは急上昇していますね。それに伴い、主要アルトのドミナンスも軒並み下落しておりますから、「BTC→アルトへと資金が流れている」と判断するのが妥当だと思われます。 では少し拡大して見てみましょう。 ここまで好調をキープしていた「ETH」「XRP」でしたが、直近の資金流入先であったのもあり、資金抜けが顕著に出ていますね。また、「Tether」についても、新規発行などの背景もありましたが、BTC下げ相場に対する不安視による資金流入があったのもあり、BTCの急上昇と同時期にドミナンスも大きく下落していますね。 少し気になる通貨としては、BCHABCやBTCSVなどのビットコインHF通貨でしょうか。どちらもドミナンスは1〜2%前後と、主要通貨の中でも比較的占有率が低い通貨ではありますが、「ビットコイン好調期に上昇を見せるアルトコイン」というのは貴重ですし、何よりも投機対象にする場合には、BTC枚数が増えるだけでなく、BTC単価も上昇しますから、相乗効果で大きな利益にもなり得ます。 なので今後、BTCがさらに上昇した時のことを想定して、「BCHABC」「BCHSV」についてもBTCと並行して見ておくと良いかと思います。(BCHSVについては、比較的出来高も少ないので、BCHABCに比重を置いて分析しておくのが良いと思います) 主要アルトコインの動向 やはり、全体的にアルトからの資金抜けが激しいですね。 また、先ほど取り上げたBCHABC(オレンジ)についても、BTC上昇と同時期に大きく上昇したにもかかわらず、その後大きく反転下落してしまっております。恐らくBCHSVよりも占有率が高いだけあって、塩漬けホルダーも多く、その分上値も重くなっているのでしょう。 ということで今回は、アルト市場の中心でもある「ETH」と「XRP」、「BCHABC」の3通貨をピックアップして分析を進めていこうと思います。 では、早速それぞれの通貨について分析していきましょう。 ETH 現状、このような長期間にわたる青レジスタンスライン、0.025の抵抗帯(白ゾーン)を超えれずにくすぶっておりますが、ここらで押し目さえ作れれば、これらのレジスタンス突破も視野に入ってきそうですね。 それでは、少し拡大して見てみましょう。 4時間足で見てみると、現在ちょうどその押し目候補である0.0195の支持帯周辺(黄色ゾーン)かつ半値ポイント、と押し目を作るのであれば、絶好のポイントだと思われます。(書きながらロング入れてみました笑) ただ、ここで押し目を作ったとしても、その後「三尊展開になってしまう可能性もある」という不安要素もあるため、そこまで大きなリスクを背負うべき状況ではないというのも確かですね。 XRP 現状としては、このように直近ぐんぐんと上昇しているものの、長期の移動平均線(200SMA)にそれを阻まれてしまっている、といった状況ですね。 これを超えれるとなると、また少し雰囲気も変わってきそうですが、それもこれもここで押し目を作れるか次第です。では、少し拡大して見てみましょう。 日足の200SMA接触後、大きく下落してはいますが、現状直近の上昇トレンドの高値を結んだレジスタンスを基準にしたチャネル(青)の下限周辺にて推移しており、ETH同様に「ここで押し目を作れるか?」といった状況です。 直近に、SWELL 2019(11/7~8)が開催されるという背景もあるため、個人的にはここらはまだSWELL事実売りよりも期待買いが湧いてくるので、少なくとも一旦は耐えるんじゃないのかな?と思っています。(こちらについても先ほどロングを入れてみました) SWELLの日程や登壇イベントについては、下記記事をご参考ください。 参考記事:『Ripple(リップル)主催カンファレンス「SWELL 2019」の登壇イベントが一部公開済』 BCHABC ETH、XRPほどの力があるわけではないので、本来であればそこまで注目しておく必要はないのですが、今回BTC急騰時にも売られることなく、むしろ買われたという点が少し気がかりです。(詳しくはありませんが、マイナー関連での動向などがあったのかもしれませんね) チャート的には、レジスタンスライン(白)を上抜けたものの、抵抗帯に上昇を阻まれて反転下落。現在、上抜けしたレジスタンスラインがサポートとして機能するかどうか?といったポイントになります。 引き続き上昇するのであれば、最低でもここらでしっかり押し目を作っておかないと厳しいでしょうね。こちらについては出来高も少ないですし、現物を少量だけ買って、あまり期待せず、損切り注文だけ入れて少し放置してみようと思います。 総評(まとめ) さて、それでは最後にまとめに入りましょう。 BTCは黄色ゾーンで停滞の可能性 →今後の方向性はここでのポジションの偏り次第 BTCが停滞なら、BTC建アルトが◎ →ヘッジが難しいので、ロット調整は慎重に 主要アルトは、「押し目を作れるか?」に注目 →特にSWELLを直前に控えたXRPの動向に注目 だいたいこんな感じでしょうか。 前回も記事でも「アルトを触る際には、BTCショートで最低限のリスクヘッジを…」、とお伝えさせていただきましたが、今回の場合「BTCが上昇した場合は、アルトは下落」「BTCが下落した場合は、アルトも下落(?)」の可能性があるため、ややヘッジポジションに迷うところですね。 とはいえ、メインポジションとヘッジポジションとで二重損失になってしまったら元も子もないので、今回のような状況であれば、無理にヘッジするのではなく、ヘッジを立てれない前提でのロット調整が非常に重要になってくると思います。 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した動画教材『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ)
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2019/10/24「量子超越性実証がBTC下落に影響」は本当?23日の大下落を徹底分析
昨夜大きく下落したビットコインですが、グーグルによる「量子超越性の実証」が暗号通貨市場に影響を与えたことが原因だとする報道が多く見受けられました。これは、本当なのでしょうか。 価格が大きく動くと何かしらのファンダメンタル的理由がつけられがちですが、このような要素は実際、市場に影響ないものがほとんどだと考えています。 2017年頃はビットコインETFの話などで市場が大きく動くことはありましたが、そのときに比べて今はプレイヤーの成熟度も違いますし、マーケットの大きさも変わってきています。 ですから、今はこういったニュースでビットコイン市場の価格が大きく変動することは基本的にはないと考えていいのではないでしょうか。 まず、ビットコイン市場は大きく価格変動する予兆がありました。加えて、グーグルの量子超越性実証に関する文献は1ヶ月ほど前にすでにリークされ、大きなニュースになっていました。 こういったことを考えると、大手メディアですら価格変動を何かに結びつけるようなバイアスがあることがわかります。 速報性も大切ですが、これからブロックチェーン業界が盛り上がる為には、情報を見る側・届ける側両者とも高い投資リテラシーを身につける必要があるのではないでしょうか。 大下落の本当の理由は? ...話が逸れてしまいましたが、昨夜の価格変動をいつも通り分析をしていきましょう。 昨夜、大きく値動きする前にOIが大きく急上昇していたことに気づいた方はたくさんいると思います。以前にも触れた、価格とOIの逆行現象です。 ロング・ショート両方とも新規でかなり積まれていき、価格が下がるにつれて、ロングポジション側が含み損の状態で推移していました。 価格変動と大きな関係があるのは、「溜まっているポジションを狩る動き(ストップを発動させる)」ことです。今回は、含み損で推移していたロングポジションのストップを発動させることで、大きな価格下落を起こしたものだと考えられます。 それはこちらのOIの推移をみてもわかるのではないでしょうか。 今回の下落の大きな要因は「ロングポジションを狩りにいく動き」で、量子コンピューターのニュースが出なくても引き起こされていたはずではないでしょうか。ビットコインはこういったストップ狩りで価格変動を起こすことが非常に多いです。 ではどのあたりが下落の底になるのかと気になるところですが、それは正直なところわかりません。ただ、前回のバブル崩壊の値動きと似ている動きをしているため、少し比較していきます。 薄いブルーに囲まれた部分がバブル崩壊から底打ちするまでの期間、黄色の部分が$5800を割るまでの値動き、パープルが底値圏でのレンジ帯となっています。 ここでは、 黄色の部分がおよそ11ヶ月ほど 底値圏でのレンジ帯がおよそ5カ月 対して今回の黄色部分は3ヶ月ほどでした。したがって、これから底値圏でのレンジ帯を形成するなら1~2カ月くらいはヨコヨコの値動きをする期間が必要になるのではと思っています。これはあくまでも前回の値動きとの比較ですので、参考程度にしてください。 まとめると、ビットコイン市場は1~2年前に比べるとニュースに対する影響力がかくだんと低く、今回の大下落もOIなどを観察することで十分予測ができるものということでした。
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2019/10/14兼業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析【10月14日】
みなさん、こんにちは!えむけん(@BinaryMkent)です。 先月末、BTCがディセンディングトライアングルを下抜けたものの、依然アルト市場にはやや活気が残っており、方向感の読みづらい展開が続いていますね。 とはいえ、アルト市場にとっても「ここからBTCがどう動いてくるか?」というのは非常に重要です。今回は、調整波が本格化したBTCに対し、「ここから一旦上に戻すのか?」に焦点を当てて分析していこうと思います。 それでは、早速BTCの分析から進めていきましょう。 BTCチャートの分析 BTCチャート(長期) こちらが、現在のBTC(日足)になります。 ディセンディングトライアングルの下抜け後、緑チャネルの下限、7600ドルのサポート帯(橙色)に支えられ、「ここからさらに上を狙うのか?」といった展開ですね。 パッと見、前回記事とあまり状況が変わっていないようにも見えますが、実際はどうでしょう?中期チャートを元に、より細かく分析を進めていきましょう。 BTCチャート(中期) こちらが中期チャート(4時間足)になります。 前回記事では、「サポート帯である7600ドルにタッチ後、8500ドルをネックラインとしたダブルボトム、逆三尊形成の可能性」とお話ししましたね。しかし、その8500ドルを上抜けるも、すぐ下落に転じ、再度8500ドルを下抜けてしまいました。 これは、言い換えると「上昇における絶好のタイミングを逃した」ということです。これにより、買い目線だった人もますます買いづらくなるため、今後より上値が重くなってしまうと思われます。 ダブルボトム、逆三尊の見込みがなくなったため、中期的には圧倒的下目線優勢な状況ですが、以降青チャネルを基準にした推移も考えられます。 つい突っ込んで売りたくなってしまう状況ではありますが、とりあえずはこの青チャネル内での推移を見守り、そのブレイクorサポートを機に中期の方向感を推測していくのが妥当でしょう。 では、これらを元に現状から考えられる今後のシナリオ、その考察に移りましょう。 BTCチャートの総評 さて、それではBTCチャートについてまとめていきましょう。今回、考えられるシナリオは以下の2通り。 青チャネル下限で反発(チャネル継続) ⇒中期SMA200、9400ドルを天井目安に 青チャネル下抜け(チャネル継続否定) ⇒7600ドル、緑チャネルを底目安に BTC単体では、ダブルボトムや逆三尊などの底パターン形成を否定したのもあり、やや下目線優勢ですが、アルト市場がさらに活気付くとなると、BTCがアルトに引っ張られてヨコヨコor緩やかに上昇の可能性もあります。 では、そういった可能性を踏まえ、アルト市場の分析を進めていきましょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) BTCドミナンスは、依然下降傾向にありますが、それに対して主要アルトのドミナンスは上昇傾向にありますね。未だBTC→アルトの流れは健在のようです。 では少し拡大して見てみましょう。 BTC→アルト、中でもETH、XRPへの資金移動が目立ちますが、その裏でTether(紫)のドミナンスが緩やかに上昇してきているのが少し気になりますね。 これを見るに、現状は「引き続き、BTC→アルトの可能性もあるが、BTCの更なる下落にも警戒し、徐々にUSDT(Tether)での利益確定を進めている」といった状況でしょうか。 となると、次に見るべきは、「今資金が流れているアルト(ETH、XRP)から資金が抜けるかどうか?」です。今後、これらの通貨から資金が抜けるようであれば、多くのトレーダーが「我先に…!」と利食いに走るため、現状のアルト→USDTの流れはさらに加速しますし、円建てでの利益を確保すべく、BTC→USDTの流れも加速すると思われます。 ですから、今回は現状資金が流れている、「ETH」「XRP」について分析を進めていこうと思います。ではその前に、主要アルトコインの動向を見ていきましょう。 主要アルトコインの動向 主要アルトの推移を見たところ、やはり「ETH」「XRP」「IOTA」の3通貨が目立ちますね。IOTAは、その他の2通貨に比べれば、比較的マイナーな通貨ではありますが、昔から「BTC上昇前に、先だって上昇する傾向がある」と言われていた通貨なので、こちらも要注目ですね。 では、早速それぞれの通貨について分析していきましょう。 ETH ここまでジワ上げ展開が続いたのもあり、MACDではダイバージェンス発生と推進力(上昇力)が徐々に弱まっている様子が伺えますね。その上、直近のサポートラインを下抜けておりますし、一時調整移行といった判断が妥当だと思われます。 それでは、少し拡大して見てみましょう。 1時間足で見てみると、前回保ち合いのレジスタンスがサポート転換しており、ダイバ発生+サポート抜け後にしては、ややしぶといな…といった印象です。 今後は、ここからさらに上げるとしても、前回下抜けしたサポートラインでのリターンムーブ(戻り売り)、ここでの値動きを参考に買いの強弱を計るのが妥当でしょう。 総評としては、「今から買う!」というのは、RRもよくありませんし、あまりお勧めできませんね。 XRP 前回記事では、「逆三尊形成前のため、要注目!」とお話しさせていただきましたが、直近の推移を見ると、逆三尊というより「青チャネル推移」の方がしっくりきますね。 この青チャネルを基準にすると、現在上限周辺のためスルーすべきなのですが、今回のように角度が浅いチャネルの場合には、チャネル上限を上抜けてさらに大きく上昇するパターンも考えられます。 すでに直近のレジスタンス(白ゾーン)は上抜けておりますし、万が一のチャネル上限上抜けのためにも、上限ブレイクアウトでの飛び乗りも視野に入れておくと良いと思います。 IOTA ETH、XRPほどの勢いはありませんが、前回お話ししたレジスタンス帯(黄色ゾーン)を上抜け、さらにサポート転換も完了しているため、今回取り上げた通貨の中では、最もRRが優秀ですね。 ややイージーではありますが、レジサポ転換を終えた、黄色ゾーンを背に買っていくという立ち回り方であれば、少ない損切りで大きな値幅が狙えますし全然有りだと思います。 ただ、他の2通貨と比べても出来高が少ないため、利食い損切りを踏まえてのロットコントロールが必須ですね。(買いすぎても逃げる際に捌き切れなかったりするので…) 総評(まとめ) さて、それでは最後にまとめに入りましょう。 BTCは青チャネルを参考に →Sはブレイクアウトまで静観推奨 BTC→アルトから、BTC→アルト&USDTへ →アルト上昇に対してやや懐疑的(?) ETH、XRPから資金が抜けるかどうか? →資金抜けなら、BTCはもう1段下へ だいたいこんな感じでしょうか。 ETH、XRPは、どちらもそれなりに上昇する見込みはありますが、ここから触るにしてはややリスクが高いような印象を受けました。そのため、個人的にはBTCショートをこのままホールドし、BTCの動向を中心に様子を伺おうと思います。 もし仮に、今からアルトを触るのであれば、それなりにリスクも伴いますから、BTCへのショートでヘッジをかけるなどをして、リスクコントロールされることをお勧めします。 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した動画教材『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ)
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2019/10/11ブロックチェーンTCG『Gods Unchained』完全攻略 -カード効果と用語の解説-
Gods Unchained (ゴッズアンチェインド 以下:GU)は、近頃注目を集めているブロックチェーンベースのトレーディングカードゲーム(TCG)です。 GU完全攻略コラムの第2回となる今回は、カード上で登場する用語と効果を説明します。 ※後者の方は特に呼び方が定まらないので、この記事では便宜上「カード効果」もしくは「効果」と呼ぶことにします。公式では「カードメカニクス」という呼び方もありました。 まず今回のテーマの簡単な紹介として、Nagemonさんの動画を見ると良いでしょう。 そしてこの記事では、そこからもう一歩踏み込んだ内容を解説していきます。 GU完全攻略コラム第1回: ブロックチェーンTCG『Gods Unchained』完全攻略 -6種類のGodを理解しよう- ※本情報は2019年10月11日時点の仕様です。公開現在、本リリース前により、一部情報が変わる可能性があります。 GUのカードに登場する用語を徹底解説! こちらはカードが持つ効果や能力ではなく、カード上に記載されている専門用語になります。 カードタイプ Creature:クリーチャー、最も汎用性が高くゲームの主軸となるタイプのカード Spell:スペル、基本的には使い切り。クリーチャー除去はこれが多い Relic:レリック、God用の武器や防具みたいなもの Relicは一度に一つだけ装備出来ます。攻撃力と耐久力があります。Godの攻撃はクリーチャーとの殴り合いになる為、強いクリーチャーを殴る場合には注意が必要です。 また、中には攻撃用ではないレリックもあり、それらはAbilityとして効果を発動させたり特定条件で機能するものとなっています。 カード状態 Board:盤面、プレイ中の状態 Void:墓地、使用済み状態 Hand:手札、未使用状態 Obliterate:場外、ゲームから除外された状態。 これらは特にDeathを使う場合には意識しましょう。手札からObliterateする系はカードがVoidに行かず消滅する為、Reanimate出来ません。 Mana Cost: そのカードを使う為のマナコストです Tribe:クリーチャーが属する部族の様なもので、特定Tribeにのみ効果を及ぼすカードや、特定Tribeの枚数を基準に効果が決まるカード等があります。一部のクリーチャーのみこの属性を持っており、カードの最下部に記載されます。 Strength:攻撃力、以前はAttackと表記されていた為、記事や情報を見るとAttackとなっているものも多いです。 Health:体力、HP。基本的に自然回復はしません。 補足:+X/+Xという表記では左側がStrength、右側がHealthを指します。また基本値より補強されているものは緑色、被ダメージがあると赤色で表記されます。 カードの効果を解説 基本的にはこうした効果に関する記述はカードテキストの冒頭に記載されます。ただし、例外的に末尾や文中に記載される場合も無くはないです。 Roar 手札からのクリーチャー召喚時に記載された内容を実行します。 例えばカードを1枚引く、指定のクリーチャーに1ダメージを与える、特定のクリーチャーを召喚する等です。 注意点としてこの効果はあくまでも“手札から召喚した時”のみ発揮される為、Voidからの召喚では効果が発動しません。 この性質はデメリットにもメリットにもなる為、上手く扱えると効果的です。 Afterlife クリーチャーの死亡をトリガーに発動します。 Ability これを持つ場合、そのクリーチャーやRelicでは通常の攻撃が出来ません。 代わりに、Ability以後に記載された能力を攻撃の際に使用する事が出来ます。 Frontline 俗に言う前衛です。相手にFrontlineクリーチャーが居る場合には相手Godや非Frontlineクリーチャーを攻撃出来ません。 Backline こちらはFrontlineとは逆の後衛です。Backline以外のクリーチャーを全て除去しないとBacklineを攻撃出来ません。 Flank Flankを持つクリーチャーもしくはRelicで、2番目以降に攻撃した場合、FrontlineやBacklineを無視出来ます。 Flankの効果がONになった際、クリーチャーに羽ばたきのエフェクトが出ます。Relic持ちGodにも毎回出ますが、これはFlankの有無に関わらず出てしまいます。 この条件は、基本的にクリーチャーの通常攻撃とレリックによる攻撃にのみ適用されます。 スペルやAbilityを含む直接指定、もしくはクリーチャーがランダムに自動攻撃する(Confuseではなく)場合には適用されません。 また、Hidden状態のクリーチャーはBacklineやFrontlineに関係する判定ではいないものと扱います。 Protected 1度だけ被ダメージを防ぎ、Protectedが解除されます。 Ward 1度だけGod PowerもしくはSpellを防ぎ、Wardが解除されます。ちなみに、自Godから味方クリーチャーへのポジティブエフェクトがWardで邪魔される様な事はありません。 ProtectedとWardの区別は解りにくいところで、実際どう作用するのか曖昧に感じる方も多いかと思います。そこで効果を一覧表にしてみました。 ◯=防げる、X=防げない となります。 Hidden 敵クリーチャーやGodによる能動的なターゲットにされません。ただしランダムターゲットや全体攻撃の目標にはなります。 Hidden状態は攻撃やAbilityを使う事で解除されます。“Hidden for 1 turn”という記載であれば、次の自分のターンが始まる時には自動解除されます。 また、FrontlineがHiddenすると前衛としては機能しない為、味方にHiddenをつける際には注意しましょう。 Sleep 次のオーナーのターン開始時まで能動的な攻撃やAbilityの使用が出来なくなります。ただしクリーチャーに攻撃された場合にはしっかり反撃します。 その為、Frontline持ちはSleepしたとしてもまだ役立つ状態とも言えるでしょう。 Blitz 召喚したターンから“クリーチャーに対する攻撃”が可能になります。相手Godへの攻撃、またはAbilityの使用は出来ません。 Godblitz Blitzの属性に似ていますが、相手Godへの攻撃も可能です。主にRelicについています。 Twin Strike 1ターンに2回の攻撃が可能です。ただしGodへの2回攻撃は出来ません。 公式ページでは同じ対象への2回攻撃は出来ないと書いてありますが、現状はクリーチャーに対して2回攻撃出来ている為、修正される可能性もあります。 Leech Leechを持つクリーチャーもしくはRelicで与えたダメージ分、自GodのLifeを回復します。 ”与えたダメージ”の定義ですが、直接攻撃のみでなく間接攻撃でも構いません。また相手クリーチャーの残りHealthまでしか吸収できません。つまり10点与えても残りHealthが1しかなければ吸収量は1点という事です。 Deadly Deadlyを持つクリーチャーからダメージを受けたクリーチャーは残りHealthに関係無く即死します。これは直接攻撃のみでなく間接攻撃にも有効です。 相手がProtectedを持つ場合、またはDeadly持ちのStrengthが0だった場合は、ダメージが通らない為即死効果は発動しません。 Confused 攻撃を行う際、50%の確率でランダムな対象へ攻撃してしまいます。 ただしFrontlineやBacklineを無視する事はありません。 Burn X Burn状態のクリーチャーはオーナーのターン終了毎にXダメージを受けます。最初からBurnしているクリーチャー、ダメージを与えた際相手にBurnを与えるクリーチャー、対象にBurnを与えるSpell等があります。 Regen X Regen状態のクリーチャーはオーナーのターン終了毎にXダメージを回復します。 BurnもRegenもオーナーのターン終了時に効果が出ますが、両方同時に持っていた場合にはBurnの処理が優先される為、Burnで死亡する体力の場合Regenする前に死亡します。 また、味方のBurnはそのターン終了時に効果が出る為扱いが難しいです。例えば敵味方同時に全体へBurnを与える様な効果の場合、味方だけ先にダメージを受ける事になります。 Pick One カードを使用した際、複数の効果から一つを選択します。 Forsee X 今後引く予定のカードをX枚確認した上、選択したカードを最後尾に回す事が出来ます。 主に自分のDeckが対象ですが、稀に相手が引くカードに対して動作するものも存在します。 Spell Boost X これを持つクリーチャーの持ち主はSpellのダメージを+Xします。 Unlock Mana Lock マナロックを一つ解除します。Mana Bagと異なり、解除したマナはすぐ使えません。 ちなみに5マナまでは1 Mana Lock=1 Manaですが、6マナ以降は徐々に増えていきます Delve X 指定されたカテゴリのカードのうち、ランダムに選ばれた3枚の中から1枚のカードを手札に加えます。カテゴリは特定God、Tribe、Legendary等様々です。 またMagicのGod PowerであるDiscoveryの様な例外的Delveも有ります。 Overkill クリーチャーとの戦闘で相手クリーチャーのHealthを上回るダメージを与えた場合、残った余剰ダメージを残った相手側クリーチャーとGodに振り分けて与えます。 最後に 以上がGods Unchainedに登場するカードの用語と効果の解説でした。 GUのカード効果はかなり多様で、上記に含まれない様な固有の効果も沢山あります。 それでもこれらを理解すれば大半のカードは理解出来るでしょう。 今回は細かい仕様についても踏み込んで説明している為、ゲームを遊ぶうちに気になったら、ここで確認すると良いかもしれません。 ブロックチェーンTCG「Gods Unchained」のプロプレイヤーの引き込み方がカッコいいと話題に Gods Unchained開発元のImmutableが1500万ドルを調達
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2019/10/10【10月10日付】ビットコイン市場分析: 急上昇を事前に察知する3つのポイントとは?
昨日大きく上昇したビットコイン市場では、久々に大きめのショートカバーが起こりました。 バイナンスの中国元OTC取引の話など、市場にとってのポジティブな話もありましたが、上昇した要因はハッキリとはわかりません。ですが、大きく動き出す予兆は確かにありました。 CRYPTO TIMES編集部では、昨晩に上昇する可能性が高いと分析していました。こちらの記事では、チャートなどを用いてそのワケを紹介していきます。 まず一つ目は、ビットコインの価格とビットコインを除いた(アルトコイン)マーケットキャップ、およびビットコインドミナンスの3つの比較になります。 上画像を見ると、昨日お昼頃からアルトコインマーケットキャップ(赤線)がビットコイン(青線)に比べると大きく上昇しているのがわかります。 これはアルトコインがよく買われていた証拠だと考えて良いでしょう。また、ビットコインのドミナンス(黒線)が減少していることからも同じことが言えます。 アルトコインはUSDTなどから直接買われるケースもありますが、ビットコインを経由して買われるケースも多くあります。その為、アルトコインが買われている状況ではビットコインの需要もあると考えて良いでしょう。 まずこれが、ビットコインが上昇するのではないかという判断における一つの材料になります。 次に考えるのは、以前も紹介した、ビットコインとイーサリアムの連動性です。 上画像は、BTCUSD(青)とETHUSD(黄色)の比較のチャートです。明らかにETHUSDの方が先に動いているのがわかります。 ETHUSDがBTCの上昇を先導したこともわかります。 これが2点目のビットコインの上昇要因です。 そして最後が、OI(未決済建玉)の変化です。上画像は昨日22時30分のデータになります。 価格の変化がない中でOIが明らかに上昇しているのがわかります。 まとめると、以下のデータから明らかにポジションの仕込みがあり、大きく動く予兆を察知することができました。 アルトコインマーケットの活性化 イーサリアムのビットコイン先導 OIの変化による価格変動の予兆 この3点がわかっていたら、昨晩の大幅なショートカバーによる価格上昇は推測しやすかったのではないでしょうか。 以前にも似たような考察をしていますので、また同じような状況が来る可能性はあります。 是非参考にしてみてください。
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2019/10/10リップルのコールドウォレット2選!【あなたは知ってますか?】
暗号通貨は現金と違い、保管方法によってはハッキングの被害にあってしまう可能性があります。 みなさんの記憶にも新しいCoincheckハッキング事件では、約580億円という大量の暗号通貨が「瞬時に」盗まれてしまいました。 本記事では、人気通貨であるXRP(リップル)を安全に保管できる”コールドウォレット”について説明していきます。 「コールドウォレットとはそもそもなんなのか」「どの種類のコールドウォレットが良いのか」などについて紹介していくので是非最後まで読んでみてください。 コールドウォレットとは?ホットウォレットとの違い コールドウォレットとは、インターネットに接続されていないオフライン仮想通貨ウォレットのことを指します。 このコールドウォレットには小さな電子機器の「ハードウェアウォレット」と紙でできた「ペーパーウォレット」の2種類があります。 また、コールドウォレットとは反対に、常にインターネットに接続しているウォレットがホットウォレットです。 このホットウォレットには取引所のウォレットや、ウォレットアプリなどが含まれます。 コールドウォレット ホットウォレット 特徴 インターネットに繋がっていない 常にインターネットに繋がっている 種類 ハードウェアウォレット、ペーパーウォレット 取引所のウォレット、ウォレットアプリ 次にそれぞれメリットとデメリットを見ていきましょう。 コールドウォレットのメリット・デメリット コールドウォレットはインターネットに常に接続していないため「ハッキングのリスクを最小限に抑えることができる」というメリットがあります。 ですが、インターネットに常時繋がっていないため「通貨の出し入れに時間や手間がかかってしまう」というデメリットも存在します。 また、ウォレットにアクセスするための「秘密鍵」を忘れてしまった場合、自分の資産にアクセスできなくなってしまいます。 コールドウォレットは頻繁にトレードせずに長期保有したい方や、大量に通貨を保有している方などにオススメですね。 ホットウォレットのメリット・デメリット ホットウォレットは、コールドウォレットと反対に常にインターネットと繋がっているため「スムーズに通貨の出し入れやトレードを行うことができる」というメリットがあります。 しかしその反面、インターネットに常時接続しているため「ハッキング被害に合う可能性が高まる」というデメリットが生じます。 昨年、日本を騒がせたCoincheckの約580億円が盗み出された事件でも、狙われたのはホットウォレットでした。 ある程度頻繁にトレードする方や、少額しか保有していない方が主にホットウォレットを利用しています。 コールドウォレット ホットウォレット メリット ハッキングのリスクがない スムーズに通貨を動かすことができる デメリット ・スムーズに通貨を動かせない ・自己責任で管理しなければいけない ハッキングのリスクがある リップル(XRP)を保管できるおすすめコールドウォレット 最も安全な仮想通貨の保管手段はコールドウォレットであるハードウェアウォレットで保管するという方法です。 しかし、ハードウェアウォレットならどれでも良いと言うわけではなく、メーカーや購入経路などに注意する必要があります。 そこで、セキュリティの面などで最も安全性が高いハードウェアウォレットを使い方や公式サイトと共に2つ紹介したいと思います。 *Amazonなどの非正規業者から購入すると秘密鍵が流出している粗悪品の可能性があるので、購入する際は「必ず公式HP」から購入してください。 最も有名なハードウェアウォレット「Ledger Nano S」 人気・知名度 [star rating="5"] 値段 8990円(税込み) 対応OS Windows、OS X(Mac OS)、Linux、Chrome OS 開発・取扱元 Ledger社(フランス) コネクタ USB Micro-B型 対応通貨 リップル(XRP)、ビットコイン(BTC)等、27種以上 Ledger Nano Sはハードウェアウォレットで最も知名度のある製品です。 フランスのLedger社が開発・提供しているこのウォレットでは、USB接続でPC上の専用のデスクトップアプリでリップル(XRP)の管理が可能となります。 暗号通貨を保管する上で最も重要な秘密鍵はLedger Nano S本体に保存され、さらにデバイスとPINコードが両方揃わないと通貨の移動ができないため、遠隔からのハッキング被害を防ぐことができます。 使い方を確認する 公式販売サイト お財布にも入るスタイリッシュなウォレット「CoolWallet S」 人気・知名度 [star rating="4"] 値段 12,960円(税込み) 対応OS iOS(iPhone)、Android 開発・取扱元 CoolBitX社(台湾) コネクタ Bluetooth 対応通貨 XRP、BTC、ETH、LTC、BCH、ERC20規格トークン Coolwallet S (クールウォレット・エス) は台湾発のCoolBitX社が手掛ける世界初のカード型ハードウェアウォレットです。 こちらのCoolWallet SはスマートフォンのみでXRPを管理することが可能となっているので、PCを持っていない方や毎回PCを立ち上げるのが面倒な方におすすめです。 お財布にも入るカード型のスタイリッシュなデザインに加え、安心安全の高セキュリティが採用されています。 使い方を確認する 公式販売サイト まとめ 暗号通貨は管理の仕方によってはハッキングリスクがあるため、多少のお金がかかったとしても今回紹介したようなコールドウォレットでXRPを管理することをおすすめします。 今回は暗号通貨の保有に関して、その管理方法について紹介してきましたが、もう一つ重要なことがあります。 それは「自分の持っている暗号通貨をよく理解すること」です。 どんな通貨でも値段が上がる時代は終わり、これからはしっかりした通貨以外は淘汰されていく時代と言われています。 CryptoTimesでは以下のようなXRP(リップル)についての見識をさらに深めることができる記事を用意しているので興味がある方は是非読んでみてください。 ・リップル(XRP)とSBIの関係性とは?最新ニュースと合わせて紹介! ・XRP(リップル)にはマイニングがない?理由を簡単に解説! 最後まで読んでいただきありがとうございました!それでは!
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2019/10/09イチからわかるマイニング事情【第4回】:セルフィッシュマイニング
前回の記事では、理論上対立するマイニングプール同士の攻防の末、全体で得られる利得が減少し、マイニングプールの規模縮小が進むというシナリオを解説しました。 前回紹介した論文では、マイニングパワーの増加によってさらなる巨大化が進むという危惧が自警団"攻撃"によってある程度抑えられると説明しましたが、ひとえに”攻撃”(attack)といっても様々な種類があります。 マイニングプールの巨大化を妨げる手段となった「自警団攻撃」に加え、総ハッシュパワーの過半数(51%以上)を握るマイナーあるいはマイニングプールが恣意的にブロックチェーンに攻撃を加える有名な「51%攻撃」があります。 それらに加え、「セルフィッシュマイニング(selfish mining )」、別名「ブロックウィズホールディングアタック( block-withholding attack )/一時的ブロック隠匿攻撃」と言われる攻撃方法があります。 今回はその中で、”Majority is not Enought:Bitcoin Mining is Vulnerable”という論文を元に、セルフィッシュマイニング(selfish mining )とは何かを解説していきます。 Majority is not Enough: Bitcoin Mining is Vulnerable Majority is not Enought:Bitcoin Mining is Vulnerableの論文では、初期に理想とされていたことに反して、マイニング行為は誘引整合性がない(incentive-compatibleではない)と、研究者は結論付けています。 誘引整合性とは、個々人がインセンティブにしたがって動く時、それが結果的に集合体(社会)にとってもいいということです。 つまり個々人が自分自身の利益を最大化しようとして取った選択と、社会にとっての利益最大化が整合的であることを表しています。 しかし、仮想通貨におけるマイニングは、この誘引整合性を有していない、ということになるのです。マイナー達が自分自身の利益を最大化しようとした結果、社会にとってベストな状況にならないということになってしまいます。 具体的な例を使って誘引整合性がない状況を解説します。 ある学生が時給1000円のアルバイトに申し込みをしたとします。このアルバイトは成果によって報酬が変動することはなく、どのような働き(勤勉であろうと怠惰であろうと)をしても1時間に対して1000円が支給されます。 また彼の働きを監視する管理人もいないものとします。 このときアルバイトをする学生には努力をするインセンティブがなく、1000円の報酬に見合う働きをしないことがあります。 つまり、この学生が自分自身の利益を最大化しようとすれば(最小の努力で1000円を得るようにすれば)、雇い主である企業にとってあまり良い結果に繋がらないのです。 ではなぜマイニングを取り巻く環境は誘引整合性を満たしていないのでしょうか。 その背景にはセルフィッシュマイニング(selfish mining)と言われるブロックチェーンに対する攻撃手法の存在があります。 セルフィッシュマイニング セルフィッシュマイニングとは、ある時点で悪意を持ったマイニングプールが有効なブロックを発見したにもかかわらず、すぐに公開せずに隠し持ちながら(bitcoinネットワークへブロードキャストせず)、次のブロックを生成しようとする行為です。 イメージを掴んでいただくために以下にセルフィッシュマイニング(selfish mining)のイメージ図をお見せします。 初めに見える2(pool)と書かれているブロックが、悪意のあるマイニングプールが隠し持っているブロックです。 そのブロックは、ブロードキャストされていませんから、他の大勢のマイナーが通常時のようにブロック1から新たなブロックを繋げていくことになります。 それが、2(pub)と書かれているブロックです。 他の正直なマイナーが2(pub)の次に繋がれるブロックを生成する前に、悪意のあるマイナーが次のブロックである3(pool)を生成し、それをブロードキャストします。 そうすることによって、悪意のあるマイニングプールが生成したブロックが最長のブロックになるという攻撃です。 このような攻撃は、他のマイナーのマイニングパワーを無駄にさせることから「セルフィッシュマイニング(selfish mining)」、「利己的なマイニング」と呼ばれています。 また「一時的ブロック隠匿攻撃」と呼ばれることもあるようです。 この攻撃の存在により、正しく生成したブロックを即bitcoinネットワークにブロードキャストするインセンティブが低くなってしまうのです。 なぜならセルフィッシュマイニング(selfish mining)によって正直にブロードキャストする時よりも多くの利益を得られる可能性があるからです。 上記の場合では、2(pool)と3(pool)のブロックを生成したことによりプール側が報酬を得ています。 セルフィッシュマイニング(selfish mining)の理論 セルフィッシュマイニング(selfish mining)の構造、攻撃方法はご理解していただけたかと思います。 次にセルフィッシュマイニング(selfish mining)の理論的枠組みではどのような考えがあるのかということをご説明いたします。 Majority is not Enought:Bitcoin Mining is Vulnerableの論文ではセルフィッシュマイニング(selfish mining)で見られる攻防を様々に場合分けをして分析がされています。 その場合分けの中でも特に重要なものを今回ご紹介したいと思います。 上記で見たように、プール側が2(pool)と3(pool)のブロックを生成することに成功し、他のマイナーが追いつけなくなったような状況で、2(pool)と3(pool)をブロードキャストすればセルフィッシュマイニングが完了します。 これはプール側が持っているマイニングパワーによってセルフィッシュマイニングが成功するか否かがかかっているというわけです。 悪意のあるマイニングプールのマイニングパワーが他を圧倒している場合、簡単にセルフィッシュマイニング(selfish mining)が成功してしまうことになってしまいます。 では以下に示しているように、プール側が3(pool)を見つける前に、他の大勢の正直なマイナーが2(pub)を生成し、3つ目のブロックの生成に取り掛かろうとしている状態を考えてみましょう。 分析で最も肝心なのが、この状況です。 二つ並列されたブロックのうち、どちらに新しいブロックを繋げるのかでセルフィッシュマイニング(selfish mining)が成功するか失敗に終わるかということが決まります。 大半の正直なマイナーが、2(pub)に新たなブロックを繋ぎ合わせるのであれば、セルフィッシュマイニングは失敗に終わりますが、下のイメージのように、他のマイナーが2(pool)、つまり悪意のあるマイニングプールによって生成されたブロックに新たなブロックをつなぎ合わせた場合、結果的にセルフィッシュマイニングは成功してしまうことになります。 よって、ここで非常に重要となる一つの問題は、”分岐している並列された二つのブロックのどちらに多くのマイナーが新規のブロックを繋げるのか”ということです。 生成されたブロックが"悪意"のあるマイナーによって生成されたかどうかはわかりませんので、後にブロックを追加するマイナーがどちらのブロックに追加するかは、バイアスのない問題になり得ます。 上記をまとめると、セルフィッシュマイニング(selfish mining)が成功するかしないかには主に2つの要因が関係していることになります。 1つ目は、悪意のあるマイニングプールのもつマイニングパワーです。 マイニングパワーが大きければ大きいほど、他のマイナーよりも早くブロックを生成することができますから、上で見たように3(pool)のブロックを生成する確率が高くなります。 2つ目は、二つのブロックが並列した場合、他のマイナーが悪意のあるプールによって生成されたブロック2(pool)を選んでしまう確率です。 仮に悪意のあるマイナーのブロックに新規ブロックを繋げるのであればマイニングパワーがそれほど大きくなくてもセルフィッシュマイニングは成功してしまうことになります。 論文では、この2つの変数に対して1000人のマイナーを想定したコンピュータ上のシミュレーションが実行されました。 その結果、selfish miningは51%攻撃と違い、最大で1/3(33.33%)のマイニングパワーを持つプールなら成功してしまうということがわかりました。 仮に、他の大勢の正直なマイナーが、正直なマイナーによって生成されたブロックに新たなブロックをつなぎ合わせていく場合でも、つまり他のマイナー全員が新たなブロックを2(pub)につなぎ合わせていく場合でも、悪意のあるプールが全体の1/3のマイニングパワーを持っている場合、セルフィッシュマイニングが成功する可能性があるのです。 しかし、正直なマイナー全員が偶然にも正直なマイナーによって生成されたブロックに新たなブロックを繋げていくと考えるのは現実的ではありません。 半数のマイナーが悪意のあるプールによって生成されたブロックに、つまり2(pool)につなぎ合わせることを考えると、悪意のあるプールが1/3どころか、1/4(25%)のマイニングパワーを握っていれば成功する可能性があることがわかったのです。 よってselfish miningを防止するには最大規模のマイニングプールでも1/4以下の規模を保っていなければいけないという結論になりました。 最低でも総マイニングパワーの2/3以上が、正直なマイナーで占められていなければ、理論上いつでもセルフィッシュマイニングが起こりうるということになります。 またセルフィッシュマイニングの戦略を取るマイニングプールは、規模に比例して成功確率も上がり、よって利得も規模によって増加していきます。 そして、合理的なマイナー達にとって、このようなセルフィッシュマイニングを行うマイニングプールに参加しないことが損になり、マイニングプールへの参加のインセンティブが増していくのです。 これが先に説明した誘因整合性がないということです。 各マイナーが賢い選択をするのであれば、つまり個々人が個々人の利得を最大化するように選択していくならば、それは全体にとってよくない方向へと進むということです。 モナコインが受けたセルフィッシュマイニング攻撃 去年2018年5月13日から15日にかけてモナコインがセルフィッシュマイニング攻撃を受けました。 モナコインプロジェクトはTwitterでこのようにセルフィッシュマイニング被害について語っています。 セルフィッシュマイニングは、仕事量に応じて取引の承認権を与えるProof of Workならではといえます。ですから、セルフィッシュマイニング被害を受けてシステムの変更・修正を考慮に入れるということです。 https://twitter.com/tcejorpniocanom/status/997147764294270982 理論の枠組みだけではなく、現実の世界にも現に起きているということが重要であり、注目するべき点でしょう。 まとめ 以上に見てきたように、”攻撃”と言っても様々なものがあります。 過半数のハッシュパワーを用いて行われるブロックチェーンに対する攻撃、他のプールへ仕掛けるなりすまし行為である「自警団攻撃」、他のマイナーのマイニングパワーを無駄にさせ、ブロックに書き込まれている取引内容を改ざんするselfish mining(セルフィッシュ・マイニング)/block-withholding attack(ウィズホールディング・アタック)などがあり、目的や難易度も様々であることがお分りいただけたと思います。 これらの知識を元にして、セルフィッシュマイニングに関する報道やブロックチェーンへの攻撃に関する報道に注意すればより興味が湧いてくるのではないかと思います。 引用:Majority is not Enought:Bitcoin Mining is Vulnerable
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2019/10/08イチからわかるマイニング事情【第3回 】:マイニングプールの形成と巨大化は防げるのか?」
イチからわかるマイニング事情・第3回となる今回は、「マイニングプールの巨大化は防げるのか?」というテーマについて考察したいと思います。 マイニングへの様々な参入障壁のために、マイニングプールというマイナー達の集合体が形成され、少しずつマイニングパワーを出し合うことで誰でもマイニングができるようになりました。 現在は、マイニングを始めるならマイニングプールの利用が最善であるとされています。 なぜならば、個人レベルでマイニングを行おうとしてもハッシュパワーが足りず、ターゲットのナンスを見つけ出すことが極めて困難だからです。 第1回の記事でも説明した通り、個人がCPU, GPUなどを用いてソロマイナーとして活動することはあまりに非合理的です。 そこで、こうしたマイナーたちは、マイニングプールを形成し個人のコンピュータリソースを出し合うことで解決の糸口を見つけました。 そんなマイニングプールが「巨大化する」とはどういうことなのでしょうか?また、それにはどのような懸念点があるのでしょうか? 今更聞けないマイニングプールとは?それぞれのシェアや仕組みを解説 マイニングプールの巨大化とその懸念点 マイニングプールは、各個人がグループを形成し報酬が得られないリスクを分散化する、いわば「一人一人のマイニング報酬が少ない時の保険」のようなものです。 しかし、一旦マイニングプールが大きくなり、ネットワーク全体に対して大きなマイニングパワーを握るようになると、それが魅力となってマイナーがさらに集まり...とひとつのプールがひたすら巨大化していくシナリオが考えられます。 単一のマイニングプールが巨大化し総マイニングパワーの過半数を独占する場合、非中央集権的構造が崩壊し権力の偏りが生まれる恐れがあります。 それに加え、マイナーの発言力増加が円滑で効率的な制度設計を困難にする恐れもあります。 しかし、PoWブロックチェーンの構造上、マイニングはネットワークに欠かせないものです。 このような状況が続く中、コロラド大学の研究者が興味深い論文を発表しました。2014年に発表されたこの論文は"The Miner's Dilemma"(マイナーのジレンマ、以下MD論文)というものです。 マイナーのジレンマ マイニングプールが巨大化すると、そのプールのマイニングパワーが増加し、プール全体がさらなるマイニング報酬を獲得できるようになります。 結果的にそのマイニングプールへの参加はより魅力的になり、次々とマイナーが入ってくることでプールの巨大化が起こります。 巨大化しすぎたマイニングプールはどのような結末を迎えるのでしょうか。 MD論文は、「巨大化しすぎたマイニングプールは支配戦略により規模縮小せざるを得ない」と結論づけています。 この「支配戦略(Dominant strategy)」とは、「自分がとれる行動(戦略)の中で、他人がどう出るかを加味した上で自分が最も得する行動」を指し、一般的にゲーム理論という学術分野で使われる用語です。 「他人がどう出るか」という部分は不確定要素なわけですから、「相手がどう出ようとも自分が得られるだけの利益を得られる行動」が支配戦略となるわけです。 ...わかりにくいですね。ゲーム理論の鉄板「囚人のジレンマ」を使ってもう少し深掘りしてみましょう。 囚人のジレンマ 囚人のジレンマでは、ある犯罪の容疑で捕まったAとBが、意思疎通の出来ない別々の部屋で(重要!)尋問を受けています。 2人の囚人にはそれぞれ「自白する」か「黙秘し続ける」という行動(戦略)の選択肢があります。 しかし、2人の囚人の受ける罪の重さは、それぞれの囚人が取る戦略次第で変わります。 囚人Aも囚人Bも黙秘→それぞれ2年の禁固刑 いずれかの囚人が黙秘、もう一方は自白→黙秘した囚人は15年、自白した囚人は1年の禁固刑 両囚人が自白→それぞれ10年の禁固刑 この損得関係を図にまとめると以下のようになります。 お互いが連絡を取り合えないことや、一方が他方を裏切る可能性があることも含め、このゲームでは「黙秘」と「自白」のどちらが最適な行動なのでしょうか。 ここで、相手の不確定な行動に対して自分の利得が最大になる「支配戦略」はどちらなのか考えてみましょう。 まず初めに囚人Aの立場から考えてみます。 囚人Bが黙秘する仮定だと、囚人Aは黙秘で2年(図左上)、自白で1年(図左下)の禁固刑を受けます。ということは、囚人Bが黙秘する仮定だと、自白という戦略がAにとって最適(一番得する行動)であることがわかります。 では、囚人Bが自白を選択する場合、囚人Aはどのように行動するのが良いでしょうか。 この場合、囚人Aは黙秘で15年(図右上)、自白で10年(図右下)となります。したがってこの場合も、囚人Aにとっては自白が支配戦略(最も得する=懲役が短くて済む行動)であるということがわかります。 つまり、囚人Aは自白という選択が最適な戦略であることがわかります。どちらの囚人も禁固刑の長さは対称なので、囚人Bも自白が支配戦略となります。 禁固刑10年は重いですが、囚人A、Bどちらも他の行動をとると利得が減る(正確には、懲役の期待値が伸びる)状態にあります。このような状態を専門用語で「ナッシュ均衡」と呼びます。 ここで大事なのが、最適な状態といっても、必ずしも最善の状態ではないことです。囚人のジレンマでも、両方の囚人がお互いを信じて黙秘できるのであれば、懲役年数の両者合計は最低になるわけです。 囚人のジレンマとマイニングプール事情の関係 囚人のジレンマを長々と解説しましたが、これとマイニングプールの規模縮小にはどのようなつながりがあるのでしょうか。 マイニングプールには、「自警団攻撃(あるいはサーバント攻撃)」と言われる他のマイニングプールへの攻撃があります。 これは、囚人のジレンマで、A, Bが自白することでいわば双方に"攻撃"を仕掛けるのと同じ要領で、各マイニングプールが他のライバルプールに対して仕掛ける攻撃です。 この攻撃は、「プール管理者にとって、参加しているマイナーの確実な行動管理は難しい」というマイニングプールの弱点をついた攻撃です。 参加者は、有効なブロック(新たにブロックを生成できるハッシュ値)を見つけているにも関わらず、それを破棄して部分的なハッシュ値を提出することで、報酬を不当に得ることができます。 この「自警団攻撃」は、プール管理者から識別することはできません。 自警団攻撃では有効なブロックを破棄するので、マイニングプールはマイニングパワーを無駄に浪費することになります。しかし、予定通りプール内に報酬を分配しなければいけないので、プール全体の利益が減少してしまいます。 これを敵対するマイニングプールに仕掛けることで、攻撃を仕掛けた側はライバルの規模縮小が望めます。しかし、囚人のジレンマにあるように、このような攻撃は双方から行うことができます。 相手が行うから自分も行う、という戦略がナッシュ均衡となってしまうと、健全に(攻撃なしに)マイニングプール運営をしている時に比べ、全体で得られる利益は小さくなります。 つまり、最適な状態といっても、最善の状態ではないということです。 MD論文は、この現象がマイニングプールの規模縮小を起こすだろうと予測しています。 MD論文は正しいのか? では、マイニングプールの規模の実際の遍歴はどうなっているのでしょうか。 以下の統計は、2016年のマイニングプールのマイニングパワーの割合を示しています。 わずか2つのマイニングプールが全体の50%パーセントを支配し、30%以上のマイニングパワーを握っているプールも存在しています。また全体で見ても12のマイニングプールしか存在していなかったのが、2016年でした。 2019年現在では、17つのマイニングプールがひしめき合っており、一番大きなところでもハッシュパワーは20%以下となっています。 これらを見ると、マイニングプールの分散化が実際に起きていると言えます。 しかし、最も重要なことは、マイニングプールの巨大化が抑えられているという現時点の状況ではなく、ある一定規模からは巨大化が進まないという構造(ナッシュ均衡)があるということではないでしょうか。 まとめ 多くのマイニングパワーをもつプールでは、高い報酬を得られることに加えて自由に参加できる場合が多いと論文の著者は述べています。 そのために、巨大化したマイニングプールへの"なりすまし行為"がプールの巨大化を抑え、ライバルプールの規模縮小が起るといった論理展開をしています。 このように、あるプールが他のプールに攻撃を仕掛け利益を減らす行為が続けば、攻撃をしない状態(各マイニングプールがそれぞれのプールのためにマイニングを行うという健全な状態)で得られる利益より全体の利益が低くなってしまいます。 少なくとも、攻撃を仕掛け合うということが理論上ナッシュ均衡となる限り、規模の拡大には限界がある、というのがこの論文の主題でした。 次回は、51%攻撃とも肩を並べ、実際に起こったこともあるセルフィッシュ・マイニングというBitcoinネットワークへの攻撃手法についてお伝えします。 どのようなインセンティブでマイナーが動いているのか、またマイナーにとって正しくマイニングするインセンティブが発生しないようなケースについてもお伝えします。 引用:The Miner`s Dilemma
特集・コラム
2019/10/05ブロックチェーンTCG『Gods Unchained』完全攻略 -6種類のGodを理解しよう-
Gods Unchained (ゴッズアンチェインド 以下:GU)は、近頃注目を集めているブロックチェーンベースのトレーディングカードゲーム(TCG)です。 HearthstoneやMTG、Faeriaなどに似た緻密なゲームメカニックはもちろん、ブロックチェーンの活用によりユーザー間でカードを取引できるのも魅力です。 GUは1年以上前からカードのプレセールが行われていますが、その間に日本語の記事が幾つかあったものの、その時からルールや状況に変化があります。現状では公式による日本語発信は全く行われていない為、今回の記事ではGods Unchainedの基本的なルールを紹介していきます。 ゲームの登録方法や操作方法についてはある程度直感的に理解できる部分も多いでしょうし、検索すれば色々記事が出てきます。またこちらのようなバトル解説動画もあります。また、カードの入手方法と種類について、課金要素を主とした内容はこちらの記事で説明しています。 よって、本記事ではそこからもう一歩踏み込んでの紹介をしていきたいと思います。 Gods UnchainedにおけるGodとは まず、6種類ある「God」の特徴を紹介していきます。 GodとはHearthStoneで言うところの「Hero」、クリプトスペルズの「文明」、シャドウバースの「リーダー」にあたります。 Godにはそれぞれ以下のような特徴があります。 God毎に4種類の基本スキル(God Power)を持つ God固有のカードが存在する (中立のカードも存在する為、God固有カード+中立カードでデッキを構成する) God毎に得意とする効果や能力が異なる 結果としてGod毎に得意とする戦法が変わってくる God Powerとは まずはGod Power(以後Power)の特徴をまとめます。 各Godが持つ4種類の基本Powerと、カードによって一時的に得られる特殊なPowerがある (調整中の為使えないものがある場合もあります)。 試合開始時にお互い1種類だけ選択する 毎ターンに1度のみ、マナを消費して発動できる (言い換えればターン毎に繰り返し使う事が出来る) Powerはカードを消費せずに繰り返し使える能力である為、上手く使う事によって大きなカードアドバンテージを得る事も出来ますし、コンボ用カードの前提にもなるという事です。 それでは、各Godの特徴と、それぞれのGod Powerをみていきましょう。 Gods Unchainedに存在する6種類のGod Nature Natureは最もバランスが良く、扱いやすい様にデザインされたGodと言えるでしょう。 TCG初心者であればとりあえずNatureから…という選択がお薦めです。 特徴 ランダム性と引き換えにマナコストより高い効果を得られる傾向が強い ステータスが高いクリーチャーを多く持つ 様々な効果のカードをバランス良く持っている ランダム性と引き換えに高い効果を得るという特徴は、初心者のプレイへの敷居を下げるはたらきがあります。 また上級者は、対象を絞ったりタイミングを適切にする事で、ランダム要素を減らす形でマナコストより高い効果を得ることができます。 こんな人にオススメ 手持ちカードがないしゲームも慣れていないので、とりあえず遊んでみたい 色々な効果、能力を試したい ランダム性を上手く管理してプレイしたい NatureのGod Power Forage: 自分のVoid(墓地)からランダムに6枚のカードを除去する。Voidが空になった場合にはランダムなNatureカードを1毎引く Animal Bond: 1/2のBadgerもしくは2/1のEagleどちらかをランダムに召喚する Flourish: ランダムな味方クリーチャー二体を+1/±0する Leech Life: ランダムな敵クリーチャー一体に2ダメージを与える。自分のGodを1点回復させる。(敵クリーチャーが居なくても1点回復します) Magic Magicは豊富なクリーチャー除去やドロー関連(カードを引く)の能力で長期戦に持ち込み勝利に繋げる事が得意です。 特徴 クリーチャーやGodへのダメージスペルやPowerが豊富 扱いやすい敵全体除去カードが豊富 スペル関連の効果、ドローやドロー効率化、マナブースト関連が豊富 Powerも除去に直結するものが多く、Natureとは違う形ながらも扱いやすいGodと言えるでしょう。 特に試合の鍵を握りやすい全体除去系が豊富且つGod Powerでも除去が豊富な事から、手持ちカードが少ない状態でもデッキが組みやすいと言えます。 更に踏み込むと、マナ関連の効果を扱って展開速度を調整したり、ドロー系を織り交ぜて後半のアドバンテージを大きく伸ばしたりもできます。 こんな人にオススメ とにかくクリーチャー除去に困りたくない じっくり長期戦で試合を進めたい マナブーストやドロー系が好き MagicのGod Power Blastwave: 敵クリーチャー2体に1ダメージを与える(選択基準はHealth(体力)が高い順です)。 Discovery: 自分のVoid(墓地)からSpellカードを1枚選んで手札に加える。対象カードはその際コストが+2され、Soullessという属性が付く事により再利用が出来なくなる。※ちなみにSpellにはRuneも含まれます Clear Mind: Foresee2、更にGodにProtectedを付加する (Foresee Xとは、今後引くカードを上からX枚分確認した上、不要なものを選んでデッキの一番下に回す事が出来る効果です。Protectedはダメージを1回だけ防ぎます) Magebolt: 対象の敵クリーチャーに2ダメージを与える。 War Warはクリーチャーの強化やBlitz(召喚酔いを無くす速攻能力)、Relic(武器)を使った強力な一撃が得意なGodです。 特徴 クリーチャー強化が豊富 誰にでもBlitzを付加できるPowerを持つ 最も多くのRelicを持ち、Relic用Powerを使う事でRelicを延命させられる これらの能力はクリーチャー戦で優位性を持ち易くするものが多いですが、その反面間接的なクリーチャー除去はあまり得意でなく、長所を活かしてクリーチャー戦で盤面を優位に保つ事が求められます。 またRelicによる攻撃は強力ですがクリーチャーを殴ってGodが受けたダメージを回復する手段が非常に乏しい為、Relicの活用は長期戦には厳しいでしょう。 こんな人にオススメ クリーチャーを強化したりクリーチャー戦を有利に進めたい 先手を取り続けて展開をリードしたい 兎に角一回で大きなダメージを出したい WarのGod Power Onslaught: 対象の味方クリーチャーにBlitzを与える(尚、Blitzで攻撃可能になる対象は相手クリーチャーのみであり、相手Godは攻撃出来ません。また一部のクリーチャーが持つAbilityはBlitzで使える様にはなりません)。 Enrage: 対象のクリーチャーを+2/+2します。加えて味方ならばBurn+2を、敵ならばBurn+4を与える(クリーチャーの持ち主のターン終了時にBurn+X分のダメージを与え、それを毎ターン繰り返す)。 Intense Training: 自分のターン終了時、手札内のランダムなクリーチャーに+1/+2する。 Slayer: 装備しているRelicの耐久値を+1する。もしRelicを装備していない場合は攻撃力2、耐久値1のRelicを装備する。 Death Deathは代償を支払う代わりに強力な効果を得られる様なカードを多く持ちます。 扱いにくいところもありますが、それ以上に強力な要素が多く魅力的なGodと言えるでしょう。 特徴 何らかの代償がある代わりに強力な効果のカードが多い クリーチャーの死亡を有効活用する手段に長け、Reanimte(Voidからの直接的な復活)が扱える クリーチャーの除去カードが豊富、且つダメージ依存しないものが多い 例えば、Godのライフや味方クリーチャーを犠牲にする、または全体除去なら味方諸共、Godへのダメージならお互い同時といった様な両刃のカードが多くあります。 そうした効果を扱う為、クリーチャーの死亡を有効活用したり、ライフ吸収効果を与えたりと欠点を補うPowerを扱う事も出来ます。 更にクリーチャー除去が豊富な上に、ダメージ依存せずに除去出来るカードを非常に多く持ちます。 こんな人にオススメ 復活系、味方犠牲系が大好き とにかくコンボを楽しみたい 大型クリーチャーが好き DeathのGod Power Soul Burn: 対象のクリーチャーにBurn+2を与え、加えて敵Godに2ダメージを、その次に自分に2ダメージを与える(クリーチャーの持ち主のターン終了時にBurn+X分のダメージを与え、それを毎ターン繰り返す)。 Undying Wish: 対象のSoullessでない味方クリーチャーに、”死後2/1のGhoulを召喚する”能力を与える。 ※尚、GhoulもSoulless属性である為、GhoulをGhoul化しての再利用は出来ません。 Blood Ritual: 対象の味方クリーチャーを+1/-1した上、ターン終了時までLeechを与える (Leechを持つクリーチャーが与えたダメージ分、持ち主のGodを回復します)。 Reanimate: 対象の味方クリーチャーにSoullessを与え、更に破壊する。自分のVoid(墓地)から破壊したクリーチャーのマナコスト+1までのマナコストを持つクリーチャーを選んで復活させる。※尚、Voidから復活させた場合はRoar効果が発動しません Light Lightは回復と守り、クリーチャーのステータス操作に長けるGodです。 結論としては扱いにくい部類かもしれませんが独特の長所を持ちます。 特徴 Heal(回復)とステータスのコントロールに長ける Frontlineが多く、トークンクリーチャー生成能力も高い クリーチャー除去は少し特殊で扱いにくい Heal能力を持つのはほぼLight系と一部のNatureのみであり、更にCleansingというBuff/Debuffをリセットする効果を持つのはLightのみです。 またFrontline(前衛)が多く、2/2や1/1のトークンクリーチャーの生成能力にも長けています。 逆にステータスに優れる大型クリーチャーの様なものは非常に少ない欠点を持ちます(とは言えNeutralで補える)。 こんな人にオススメ 回復、防御系とディフェンシブに試合を進めたい 沢山クリーチャーを召喚したい 相手の使う強力クリーチャーを逆手に取りたい LightのGod Power Heavens's Light: 対象の敵クリーチャーを±0/-2する。ただし2以下には下がらない。 Heal: 対象を2点回復する(God/クリーチャー可)。またクリーチャーのHealthがMaxだった場合には±0/+1する。 Chosen Vision: デッキのカードを上から2枚確認し、Chosen One(ランダムに選ばれる1体のクリーチャー)を3枚分デッキの上側に近付け、更に+2/+2する。※既に選ばれたクリーチャーが手札や場に出ていた場合でも+2/+2されます。 Summon Acolyte: 2/2のAcolyteを召喚する Deception Deceptionは最も扱いにくいGodであると明言されており、TCG初心者向けではありません。 相手の環境やカードを利用したり、コピーしたりする能力に長けています。 特徴 クリーチャーを手札に戻す、コントロールを奪う、相手のカードをコピーする様な能力を持つ 相手や盤面の状況に依存するカードが多く、扱いやすさに欠ける 上手く機能すると相手の意表をついたり、大きな結果を得られる 色々なカードや戦術への知識が求められる傾向があり、クリーチャー除去も条件付きの物が多いです。様々な手管で相手への嫌がらせが出来るカードが豊富で、効果的に行使する為のタイミングが非常に重要と言えます。 特に序盤の展開が早いタイプが苦手で、巻き返しが厳しい傾向にあります。 こんな人にオススメ 人間相手の駆け引きが大好き カード同士のシナジーが重なると楽しい 色々なGodのカードを織り交ぜてプレイしたい DeceptionのGod Power Thievery: 自分のGod Powerを対戦相手が現在使っているものと同じものに変更する。更に相手が次に引くカードを1枚確認し、望めばデッキの1番下に回す事が出来る。※God Powerの使用は1ターン1回である為、これを使ったターンにはコピーしたPowerが使えません。 Memory Charm: 対象クリーチャーを+2/±0する。更に自分のターン終了時、そのクリーチャーはSleep(1ターンの間、能動的アクションが取れない)する。※敵クリーチャーに使った場合、直後の敵ターン終了時までSleepが継続します。 Cheat: 対象クリーチャーにHidden(敵からのターゲット不可、Frontlineを持っていても無効)を与え、更に1ダメージを与える。※主にダメージ用途と、敵Frontlineを隠して機能させない事、味方を隠す事等に利用します。 Flip: 敵Godに属するランダムなカードを1枚手札に加える。※相手デッキのカードではなく、相手Godのカード全てが対象となります。 まとめ 今回の記事では、Gods Unchainedのプレイでもっとも重要な「Gods」の特徴を紹介しました。 Godsはそれぞれ異なるPowerを持っているため、Neutralカードとの組み合わせで様々なプレイスタイルを楽しめます。 現在、日本でもクリスペがTCGブロックチェーンゲームとして、人気を集めていますが、海外でもTCGの人気には火がついているとみられ、開発元のImmutable社は今年9月に1500万ドルの資金調達したことを発表しました。 最近ではGods Unchainedの勝利報酬だけでブラジルのプレイヤーが最低沈金を稼ぐという話題が出てきました。 https://twitter.com/nouminkou3/status/1178926405867859968?s=20 それ以外にも、10月末にはGods Unchainedが正式リリースすることが決まっています。 今回の記事で興味を持った方は、是非Gods Unchainedをプレイしてみてはいかがでしょうか。