ウォーシュ議長発言でBTC急落|8万ドル回復を阻むインフレの壁
よきょい

米連邦準備制度理事会のケビン・ウォーシュ議長は8月28日のジャクソンホール講演で、個人消費支出(PCE)の199項目のうち54%が過去12か月で3%を超えて上昇したと述べました。6か月の年率ベースでは49%です。12か月の指標はパンデミック後の約77%から改善した一方、パンデミック前20年の平均32%を大きく上回ります。同氏は6か月年率の総合インフレ率を4.1%とし、経済分析局は7月のPCE価格指数が前月比0.2%、前年比3.7%だったと公表しています。
この枠組みの下では、早期の金融緩和は正当化しにくくなります。同氏は2%というPCE目標を維持し、労働市場は完全雇用と整合的で、信用や貸出の面に引き締めの兆候は乏しいと説明しました。金融環境を全体として引き締め的と表現するのは難しいとも述べています。講演の前後でビットコインは8万1,280ドルを付けたのち8万ドルを割り込み、7万9,000ドル前後で推移しました。
対抗する材料は仮想通貨側の資金流入です。米国上場のビットコイン現物ETFは8月27日までの4営業日で11億ドル超を集めました。ただし内訳を見ると、ブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)が9億7,170万ドル、全体の約86%を占めています。集中した流入は価格を支えうる一方、単一商品の配分変更に結果が左右されやすい構造でもあります。
米財務省による長期債の買い戻し拡大もしばしば支援材料として語られます。しかし上限の引き上げは9月9日から適用され、あくまで債務管理の一環です。買い戻された債券は消却され、政府は発行を通じて資金調達を続けます。量的緩和と同一視すれば、財政の債務管理と金融政策を混同することになります。
8万ドルの回復が定着するには、インフレの広がりを示す指標の低下が必要になりそうです。
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