今話題のIEO(Initial Exchange Offering)とは?従来のICOとの違いや特徴を解説
2019/04/20

今話題のIEO(Initial Exchange Offering)とは?従来のICOとの違いや特徴を解説

kaz【CRYPTO TIMES公式ライター】

kazCRYPTO TIMES公式ライター

スイスの高校を卒業し、アメリカの大学に通う大学生。去年の6月に仮想通貨に参戦し、その面白さと魅力にハマり投資を始めました。

仮想通貨を使った資金調達法としてはICO(Initial Coin Offering)が有名ですが、最近では新たな手法が登場し話題になっています。それがIEO(Initial Exchange Offering)と呼ばれる調達方法です。今回の記事ではIEOの特徴やICOとの違い、実態などについて解説していきます。

IEO(Initial Exchange Offering)とは?

IEOとは一言で表すと仮想通貨取引所が代行して行うICOです。

IEOを実施するプロジェクトチームはトークンの発行を行い、取引所へ送付します。取引所はプロジェクトチームに代わって受け取ったトークンを告知し、投資家に販売します。投資家らはトークンを取引所を通してトークンを購入するため、取引所のアカウントが必要となります。

セカンダリーマーケットでトークンを売ることで、従来のICOで、いつ取引所に上場をするの?というようなこともなくなります。

ICOとの違い

従来のICOでは資金をETHで調達した後に、プロジェクトが逃げてしまうようなことも少なくありませんでした。

これは資金を調達することで、プロジェクト側は開発に対するインセンティブが無くなってしまうため、問題となってきました。

IEOは、ICOと最も異なる点はトークンセールの主催者が異なるという点です。この違いがICOの様々な問題点を解決するのではないかと現在、注目を集めています。

IEOのそれぞれの特徴に関しては次の項目で詳しく説明していきます。

IEOの特徴

IEOはICOにはない特徴をいくつか備えています。ここではそれぞれの特徴について説明していきます。

取引所のユーザーに直接アピールできる

大企業が主導している場合などは別ですが、ICOではほぼ0から投資家にアピールしていかなければならないため、ここに多くの労力を費やす必要が出てきます。

一方、IEOでは取引所にプロジェクトが掲載されるため、すでに取引所を利用しているユーザーに直接アピールできます。例えばBinanceは1,000万人を超えるアクティブユーザーを抱えており、同取引所でIEOを行えばこの1,000万人にリーチできます。

ICOで必要だった資金を他に回すことができる

上の項目で説明したように、ICOでは投資家にアピールをするという段階に多くの労力と資金を費やす必要があります。具体的には広告を打ってより多くの投資家にプロジェクトの存在を知ってもらうなどが挙げられます。

IEOでは取引所に支払う手数料は発生しますが、上記の労力や支出は必要ないため、その分をプロジェクトの開発や運営体制の強化などに充てることが可能です。

取引所によってプロジェクトの審査が行われる

取引所はプロジェクトチームからIEOの申請を受け取った後、内容を精査します。例えばBinanceのLaunchpadの審査プロセスでは約束されたチーム、実用性のあるプロダクト、大きなユーザー層といった項目が重要視されるようです。

これらの審査を突破して初めてIEOとして取引所に掲載されるため、中身がないプロジェクトはこの段階で弾かれます。

IEO後取引所へ上場されやすい

ICOではトークンセール終了後にどこの取引所にも上場しない、もしくはマイナーな取引所にのみ上場するといった状況が数多く見受けられました。

IEOは大手仮想通貨取引所で行われることが多く、トークンセール終了後にはその取引所に上場される可能性も高いため将来性という点ではICOよりも安心できます。

詐欺や資金の持ち逃げが防げる

IEOでは資金力と信頼性を持ち合わせた取引所が仲介役としてプロジェクトチームと投資家の間に入るため、厳格な資金管理が行われ持ち逃げなどのリスクを大幅に減らすことができます。

取引所側としても資金持ち逃げなどが起これば信頼が一気に落ちてしまうので、慎重に対策を投じています。

IEOの実施例

すでにIEOは様々な取引所で行われており、成功を収めている例がいくつもあります。ここではその中からいくつか代表的な例を紹介します。

Binance Launchpad

Binanceは以前、ICOを行うためのプラットフォーム、Binance Launchpadをリリースしましたが、いくつかのプロジェクトを上場した後は放置されていました。2019年に入りBinanceはサービスの再開を発表し、毎月一つずつIEOを行なっていくとしました。

第一弾として行われたBitTorrentはトークンセール開始後18分間で売り切れ、約7.7億円を調達しました。このニュースは大きな話題を呼び、続く第二弾のFetch.AIはわずか22秒間で完売しました。

Binanceの実施したLaunchpadがキッカケで各取引所のIEOブームのきっかけになったとも言えます。

因みに、Binance Launchpad上で販売されたトークンは上場後、販売価格の数倍に上昇しており大きな成功を収めていると言えるでしょう。

Huobi Prime

HuobiはIEOプラットフォームのHuobi Primeを運営しており、今年の3月に第一弾としてTOP Network($TOP)のIEOを開催しました。

公式発表によると、IEOに参加したユーザーは全世界で13万人に登り、そのうち3764名がトークンを購入したとされています。こちらもBinanceのIEO同様に全てのラウンドが瞬時に終了し、争奪戦の様相を呈していたようです。

$TOPの価格は上場後、最大で0.014HTまで上昇し、トークンセール価格の19倍を記録しました。

KuCoin Spotlight

KuCoinのIEO第一弾にはMultiVAC($MTV)というプロジェクトが選ばれています。MultiVACはブロックチェーンや仮想通貨で問題視される分散化、スケーラビリティ、セキュリティの3つの問題を解決するべく開発されています。

4月3日にトークンセールを開催し、上場後は販売価格の3倍まで上昇したことで話題となりました。現在は第2段の発表が待たれるばかりです。

IEOの懸念点

IEOは実際に行われているの?

上で紹介したBinanceのLaunchpadは大きな話題を呼びました。Binanceの抱えるユーザー数から考えれば多くの投資家の関心を集めるのは当然かもしれませんが、大きな理由の一つとして売り切れまでの時間が早かったとという点です。

特に初回のBitTorrentでは買えたユーザーが殆どおらず、一部の間では本当に販売をしたのか?という噂まで出てきたほどでした。

また、実際行われているにしろ、トークンセールに参加した投資家の数に対して実際に購入できた人の少なさが度々取り上げられており、IEOの問題点として懸念されています。

これを受けてBinance LaunchpadはIEOの方式を先着順から抽選方式に変更すると発表しました。今後各取引所でも同様の対策が予想されます。

取り上げられるプロジェクトがVCの出口に?

現在、主要取引所で実施されているIEOは2018年の5月以降に話題になったプロジェクトが多く存在します。

2018年は市場の悪化のため、VCから投資を受けたものの、ICOを実施せずに時を待ったプロジェクトも多く存在しました。

BinanceでIEOを実施したCeler NetworkやHuobi PrimeでIEOを実施したTop Networkがその最たる例です。

2018年に有望と言われていたプロジェクトに投資したVCは、今日まで投資したトークンが上場するのを待ってきました。そのため、自分たちが投資したトークンを早く売ることでエグジットを行いたいと考えるのが普通です。

現状では上場後にIEO価格を割れているプロジェクトは殆どありませんが、今後、エグジットを考えるVCが一気にトークンを売り浴びせることで価格が大きく割れることなども出てくるかもしれません。

IEOはDecentralizedな仕組みではない?

Ethereumのスマートコントラクトを介して行われていたICOはスマートコントラクトにアクセスすれば、どのウォレットからいくら購入できたかなどは容易にわかりました。

そのため、プロジェクトが集めた資金の流れを追うことも非常にたやすい仕組みとなっていました。

しかし、取引所が行うIEOでは、実際の結果のみが出されるだけです。そのため、上部でも問題に上げたIEOが実際に行われているか?というのは取引所にしかわかりません。

Binanceで初回に行われたBitTorrentのIEOも、Binance上で行われたため、どのユーザーがどのくらいのトークンを購入したかまでは透明ではありません。

そう言う意味では取引所が実権を握っているIEOはDecentralizedな仕組みではないと言えるでしょう。

IEOの参加方法

IEOに参加するには各取引所のアカウントが必要となります。また、KYC(本人確認)や2段階認証などのセキュリテイも参加条件に含まれてきます。

取引所によって参加方法は異なりますが、ここではBinance Launchpadを例に紹介します。

まずはBinanceにログインし、右上の人型のアイコンから「My Account」を選択します。

続いてマイページ上部のLv.2の下にある「Submit Verification Documents」をクリックします。

アカウントの所有者が個人か法人か聞かれるので個人の方はPersonalを選択します。

上の画面が表示されるので以下の順に情報を入力していきます。

  • 名前
  • ミドルネーム(ない場合は空欄)
  • 苗字
  • 生年月日
  • 住所
  • 郵便番号
  • 都市

入力が完了したら「Begin Veritification」をクリックして次へ進みます。IDの認証プロセスが開始されるので「Start」をクリックして始めます。

身分証の発行国を選択し、アップロードする書類を選びます。日本の身分証はパスポート、免許証、保険証などに対応しています。

身分証の写真をアップロードすると、自撮り写真のアップロードを求められます。紙にBinanceと今日の日付を書いて自分の顔と一緒に撮影し、アップロードします。

ここまで完了すると、最後のプロセスとしてアプリ上での顔認証が求められます。Binanceのアプリをダウンロードし、表示されるQRコードを読み込んで認証を完了させます。

これで一連の認証プロセスは完了となります。あとは参加したいIEOのプロジェクトページに受付期間中に行き、「Claim  Tickets」を押すと抽選に参加できるチケットがもらえます。

まとめ

IEOはICOで多発していた詐欺や資金持ち逃げなどが防げる点や事前に審査がある点などからICOに代わる新たな資金調達法として注目されています。

しかし、一方で取引所のユーザーの多さ故に問題点も存在します。IEOは新たな方法として登場したばかりで今後解決策やアップデートが施されていくことでしょう。

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