ラップドビットコイン「cbBTC」、時価総額が1億ドル突破
Crypto Times 編集部
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記事の要約
- Coinbase発行のラップドビットコイン「cbBTC」の時価総額が1億ドル突破。
- 供給量の比率はEthereumが56%、Baseが44%
- ジャスティン・サン氏はcbBTCの中央集権性を批判
米大手仮想通貨取引所Coinbaseが先日ローンチした、ビットコイン(BTC)に裏付けられた仮想通貨「cbBTC」の時価総額が1億ドルを突破しました。現在市場で供給されているcbBTCは1670枚となっています。
cbBTCは、BTCと1:1の価値を持つように設計された仮想通貨で、EthereumとCoinbaseが手掛けるレイヤー2チェーン「Base」の2つのチェーンで展開されています。発行方法は、コインベースの仮想通貨口座からEthereumやBase上にBTCを送ると、自動的にcbBTCに変換される仕組みとなっています。
cbBTC is onchain.
cbBTC is an ERC20 token that is backed 1:1 by Bitcoin (BTC) held by Coinbase.
This means millions of BTC holders can now securely access DeFi apps on @base and Ethereum ecosystems—with more chains coming soon.
Here’s what you need to know ↓ pic.twitter.com/nF8mF3JGms
— Coinbase 🛡️ (@coinbase) September 12, 2024
現在、cbBTCはDEXではAerodrome、Curve、Matcha、Uniswapなど、レンディングではAave、Compound、Morpho、Moonwell、Sparkなどのプロジェクトで利用可能。供給量の比率はEthereumが全体の56%に対してBase上は44%となっています。
一方、DEX(分散型取引所)でのcbBTCの取引ボリュームは、Baseが8割以上を占めています。
オンチェーン分析プラットフォームNansenのCEO Alex Svanevik氏は、cbBTCによってBase上の総資産が大幅に増加する可能性があると指摘。さらに、WintermuteはcbBTCのマーケットメーカーとしてトッププレイヤーとして参入しており、堅実なビジネスとしてcbBTCが機能すると述べています。
This could explode total assets on @base pretty rapidly 👀
Smart move.
Looks like @wintermute_t is the #1 market maker for it. Will be a solid business for them too! https://t.co/qVf6SPSCjU pic.twitter.com/Aq94RyUuPq
— Alex Svanevik 🐧 (@ASvanevik) September 13, 2024
cbBTCへの批判的な声も一部では上がっています。
Tron創設者のジャスティン・サン氏は、cbBTCは準備金証明や監査がなく、Coinbaseが一方的にユーザーの資産を凍結できることを問題視し「ユーザーはCoinbaseをただ『信じる』しかない」と批判。米政府の召喚状があればユーザーのBTCが押収される可能性にも触れ「これほど中央集権的なビットコインはない」と厳しく非難しました。
また、サン氏は多くのDeFiプロトコル創設者と親交があることを明かした上で、cbBTCのDeFiへの統合は重大なセキュリティリスクになると警鐘を鳴らしています。政府の召喚状一つでオンチェーンのビットコインが凍結されれば、DeFiが掲げる分散化は意味をなさなくなると主張しました。
I’m friends with many DeFi protocol founders, but integrating cbbtc will pose major security risks to decentralized finance. A single government subpoena could freeze on-chain Bitcoin instantly, making decentralization a joke. https://t.co/bi7EkKznpn
— H.E. Justin Sun🌞(hiring) (@justinsuntron) September 12, 2024
先日DeFiプラットフォームであるMakerDAOがWrapped Bitcoin(WBTC)を担保とした新規融資を停止しました。
これは、ラップドビットコインWBTCのカストディアンであるBitGoと、Tron創設者ジャスティン・サン氏に関連する企業BiT Globalとの提携に由来する管理一元化の可能性やセキュリティリスクへの懸念に起因しています。
一方、DeFiレンディングプラットフォームのAaveは、大手取引所コインベースが提供予定のラップドビットコイン「cbBTC」をV3プロトコルにも統合する提案を検討するなど、cbBTCの人気が高まっていることが窺えます。
今後、ラップドビットコインは大きな注目分野となる可能性がある一方、DeFi分野への影響については引き続き議論が続くことが予想されます。
記事ソース:Dune