過去の仮想通貨早期投資ブームはもう来ない?VC市場は成熟か

過去の仮想通貨早期投資ブームはもう来ない?VC市場は成熟か

仮想通貨業界のベンチャーキャピタル(VC)市場が「成熟フェーズ」に入りつつあります。米デジタル資産運用会社Galaxy Digitalが配信するポッドキャスト「Galaxy Brains」最新回で、リサーチ責任者のAlex Thorn氏は初期段階のスタートアップへの投資が縮小しているのは単なる弱気相場の影響ではなく、業界そのものの構造的変化によるものだとの見方を示しました。

「買い手市場から売り手市場へ」

議論のきっかけはVC投資家のTom Dunleavy氏による指摘でした。同氏は仮想通貨VC市場が「買い手市場から売り手市場へとシーチェンジを迎えた」とし、旧来プレイヤーの多くが初期段階の投資から撤退し、すでに確立されたプロジェクトへの投資にシフトしていると分析。プロジェクトの多様性は失われ、初期段階で小切手を切る意思のあるファンドはごく少数に限られていると指摘しました。同氏はこの環境を残されたVCにとっては「絶好の機会」だと位置づけています。

これを受けてThorn氏は「指摘は正しいがGalaxyも直近2回のレポートで同じことを書いてきた。この状況は数カ月前から続いている」と応じました。

実際、足元のデータもこの見方を裏付けています。2026年Q1に新規上場したトークンで投資利益率が1倍を超えたのはわずか8銘柄にとどまり、大多数のプロジェクトが上場時の水準すら回復できていません。Magic EdenやNifty Gateway、Dmailなど、かつて話題を集めたプロジェクトの閉鎖・縮小が相次いでおり、Q1だけで86件のプロジェクトが清算に入ったとされています。



「VCが選んでいる」のではない

Thorn氏が強調したのは状況の捉え方です。VCが成長後期の案件への投資を「選んでいる」のではなく業界自体がそこまで成熟してしまった、というのが同氏の見立てです。

具体的には中央集権型の主要インフラ(取引所など)はすでに構築済みで、新規プロジェクトが切り込める余地が大きく目減りしている状況です。NFT、ミームコイン・ローンチパッドといった新しいブームの不在も重なり「ほかに何が構築されるべきか」という問いに答えるのが難しくなっていると指摘しました。同氏は「もはや、どの法域でも取引所を立ち上げれば最終的に価値を持つようになる2016年のような業界ではない」と表現しています。

むしろ足元では、資金力を持つ確立されたプレイヤーが弱ったプロジェクトを吸収する「再編」の局面に入っています。2025年の仮想通貨関連M&Aは267件・86億ドルと前年比4倍に急増しており、新規プロジェクトへのシード投資ではなく、既存プレイヤー同士の統合が業界の主要な資本移動となっています。

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ただし、エージェント型トレーディング、仮想通貨×AI、予測市場といった新たな芽の存在は認めた上で「2017年や2021年、2022年に見られた初期段階の投資ブームの熱気はない」と結論づけました。

実際、AI関連セクターは市場ピークから半年でも下落率30%にとどまり、DeSciやSocial-Fiの80%下落と比べて明確に耐性を示しています。予測市場のPolymarketは1日の手数料収入が190万ドルに達し、Delphi創設者がAIエージェント関連プロジェクトを「最も注目する領域」と位置づけるなど、限定された領域ではたしかに熱が観測されています。

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Web3カテゴリの消滅とAIファンドへの資本流出

進行役のLucas Tcheyan氏は構造変化の補足要因として2点を挙げました。1点目は2021年サイクル以降に「Web3投資」というカテゴリが事実上消滅したこと。極めて初期段階の投資の多くがこのカテゴリに集中していたため、その消失が現在の初期投資の細りに直結しているとの見方です。

2点目は多くの仮想通貨ファンドが現在では「部分的にAIファンド」を兼ねるようになっており、本来仮想通貨領域に投じられていたはずの資本がAI領域に流出していることです。

この「AIへの資本吸引」は仮想通貨業界の内側でも進行しつつあります。Galaxyの別レポートでは、将来的にオンチェーン取引の99.9%がAIエージェントによって実行される可能性が示唆されており「人間のためのWeb3」から「AIのための金融インフラ」へと業界そのものの前提が書き換えられようとしているとも言えます。

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リサーチャーのZack Pokorny氏も「業界の成熟と価格のレンジ相場が市場参加者の精神的疲労感とつながっている。斬新なアイデアや実験が見られなくなったという肌感覚が現在の悲観ムードの一因になっている」と指摘しました。



「もう来ない」のか「次の波の前」なのか

一方でTcheyan氏は現在の議論を「ベアマーケット時の典型的な会話」とも評しています。Thorn氏の構造変化論には同意しつつ「次に資金が仮想通貨に戻ってきたとき、何が定義的なメタ(潮流)になるのかを先回りして考えることが重要だ」と付け加えました。

その「次のメタ」の有力候補として市場で注目され始めているのが、実物資産(RWA)のトークン化です。運用大手の一部は株式や債券、コモディティといった現実世界の資産をオンチェーンに乗せる動きを、「仮想通貨の次の本命」として位置づけ始めています。

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仮想通貨業界が「何を作っても価値がついた」初期段階を抜け、投資家にもプロジェクトにもより厳密な目利きと差別化が求められるフェーズに入っていることは各論者の見解が一致する点と言えそうです。

VC市場の成熟はかつての投機的な盛り上がりを失わせる一方で業界全体の基盤を固める過程でもあります。次の波がどこから来るのか。その答えは今まさに投資家たちの視線が注がれているAIや実物資産といった領域の中に徐々にかたちを現し始めているのかもしれません。

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