NFT活用のWeb3コンテンツプラットフォーム「Mirror」の使い方を解説

2024/03/28・

Henry

NFT活用のWeb3コンテンツプラットフォーム「Mirror」の使い方を解説

– 著者:Henry(@HenryWells1837

これまでに、ブロックチェーンの技術を社内に導入するためのツールとして、HedgeySablierIntmax Walletなどをご紹介してきました。

今回の記事では、会社の外へアウトプットする際の出版プラットフォーム「Mirror」について、概要や実際の使い方について解説していきます。

Mirrorとは = Web3出版プラットフォーム

Mirrorは、Web3技術を活用した出版プラットフォームです。

ユーザーは自身で所有しているEthereumのウォレットを接続することで、プロジェクトのアカウントを設定し、コンテンツの作成、配信、ブロックチェーン技術を通じた収益化を行えます。

同プラットフォームで発行されるコンテンツ(記事)は、NFTとして生成され、Arweaveという分散型ストレージに永久保存されます。

Arweaveとは
永続的なデータストレージとホスティングサービスを提供する分散型ネットワークプロジェクト。2024年3月時点で時価総額4,155億円の仮想通貨$ARがインセンティブとして働くことで仕組みが保たれている次世代のストレージ/ホスティングソリューションを提供している。

Mirrorの強み

画像引用元:Koshiro K / Shutterstock.com

Mirrorの4つの強み

上記4点について、人気パブリッシュプラットフォームのnoteと比較しながら紹介していきます。

1. 多面的な収益化モデルを実現可能

Mirrorではコンテンツクリエーターは自身の作品を「Writing NFTs」として発行し、読者側がこれを購入してコレクションできます。さらに、独自のNFTを作成し、購読者がミントすることも可能です。

これに対して、noteは購読料や「投げ銭」等の支援金モデルを採用しており、読者が直接クリエーターをサポートする形式を採用しています。

Mirrorでは、文章内にNFT購入までの導線を埋め込む機能も付いています。一般的なパブリッシュサービス同様、定期購読の設定も可能となっており、従来のプラットフォームと比較しより多様な収益化モデルが実現できます。

2. 多様なコミュニティ構築手法の模索が可能

Mirrorでは、NFTを介したインタラクションにより、クリエイターを中心とする読者コミュニティの結束力を高め、クリエーターとファンの間に新たな関係を築くことが可能です。

読者側はEthereumのアドレスを登録して出版物 (NFT) の購入や購読などを行うため、コンテンツクリエイター側は自身の読者のアドレスの傾向などをオンチェーンデータから分析し、多様な施策が展開できます。

noteではコメント機能やお気に入り機能、著者のフォロー機能を通じて、より従来型のソーシャルエンゲージメントを提供しています。

一般的なプラットフォームと比較して、Mirrorにおいてユーザーはより読者との多様な関係構築が行えます。

3. コンテンツの改ざん、消失リスクを低減可能

Mirror上のコンテンツはNFTとして生成され、ブロックチェーン上で管理されるため改ざんや消失のリスクが低減され、コンテンツの不変性と真正性が保証されます。

noteなどの一般的な集中型な管理を行うパブリッシュサービスでは、プラットフォームが継続して運営されている限りコンテンツが保存されますが、ブロックチェーンのような不変性や分散型の保証はありません。

ビジネスの場面で情報発信を行う場合、Mirrorを活用することでコンテンツが消失するリスクを抑えられるのは大きな強みと言えます。

4. コンテンツクリエイターのプライバシー保護が可能

ブロックチェーン技術を基盤としているMirrorにおいて、ユーザーはEthereumウォレットを通じてプラットフォームにアクセスするため、自身の個人情報を明かす必要がありません。

noteでは集中型のサーバーを使用しており、過去にはユーザーのIPアドレスが流出するというセキュリティインシデントも発生しています。

Mirrorは、ユーザー側が自身の情報をどこまで明かすか選択できるため、よりコンテンツクリエイターの意思が尊重されたプラットフォームと言えます。

Mirrorの使い方

画像引用元:https://mirror.xyz/

事前準備

事前に、Metamaskなどでウォレットアドレスを作成ください。ウォレットアドレスをお持ちでない方は、過去のこちらの記事を参考にしながらアカウントを作成しましょう。

ウォレットアドレス作成後は、利用したいメインネットにETHを準備します。

現在は、以下のチェーンに対応しているので予め利用したいメインネットにETHを入れておきましょう。

  • Base
  • Linea
  • Optimism
  • Polygon
  • Zora

MirrorへのアクセスとNFT(コンテンツ記事)の購入方法

まずは、Mirror ( https://mirror.xyz/ )にアクセスします。

アクセスしたら、画面右上の Connect をクリックしてウォレットを接続しましょう。

*Rabby Walletには対応していないのでご注意ください。

Walletを接続したら、以下のように Inbox と Explore で画面を選択することができます。

また、初回登録時はオススメのコンテンツクリエイターが画面右側に表示されるので定期購読を選択できます。

Explore では、以下のように表示されます。こちらの、一番上のコンテンツ記事をクリックしてみましょう。

 

記事をクリックしたら、記事単体の画面に移行します。こちらは、The Optimism Collectiveが発行している記事になります。

この記事自体は最後まで無料で読めますが、従来の雑誌などと同様に購入して自分のウォレットにNFTという形式で保有したい場合は、Mint ボタンを選択することで、当該コンテンツを購入できます。

上記の画面では、既に89名のユーザーがCollect(購入)したと表示されており、その内訳を以下のように見られるのもブロックチェーンの特徴の一つです。

例えば、事業会社の方がアプローチしたい潜在的な顧客がOptimismユーザーであった場合、このように購入したユーザーのウォレットアドレスを別途DeBankなどで閲覧することで、ユーザーの属性、好み、趣向などのデータを収集できます。

コンテンツの記事は、発行者が自由に決められる仕様になっており、コンテンツ料金、プラットフォーム手数料、ガス代の3つの費用をユーザーが払います。

今回の例として紹介している記事では、コンテンツ料金が0.001 ETH、プラットフォーム手数料が0.00069 ETH、そしてガス代が加わる形になります。

*Mirror上で取得したNFTはセカンダリ市場でも売買可能です。その際に発生する手数料も同様に0.00069ETHが発生します。

定期購読の設定方法

Mirrorでは、定期購読もできます。

Subscribeボタンを押した後、対象のウォレットアドレスとメールアドレスを紐づける作業が発生します。

下記のように、発行者がコンテンツを発行した際に通知を受け取れるようにメールアドレスを入力してください。

メールアドレス入力後、Continueボタンを押したら指定のメールアドレスに認証メールが届きます。

認証を完了させたら、Subscribeも完了します。

実際にSubscribeが完了したクリエーターのトップページに行くと、画面右上がSubscribedと表示されています。

コンテンツを発行する方だけに限らず、Defiユーザーなどにとっても役立つ情報がMirrorでは飛び交っています。

エアドロップに関する情報が発信されている場合もあるので、気になるコンテンツクリエイターは見逃さないようにSubscribeしておきましょう。

コンテンツの作成と発行方法

記事の作成方法

こちらでは基礎的なコンテンツの作成方法をご紹介します。

まずは、自身のウォレットをMirrorにConnectしてください。

その後、画面右上に + Createというボタンが表示されますので、そちらをクリックしてください。

そしたら、以下の記事作成ページが表示されます。

基本的な作りは、WordPressと同じです。WordPressで記事の作成経験がある方は問題なく作成いただけます。

初めて作成される方は、まずは上記画面のように「タイトル」と「本文」に入力してみてみましょう。直感的に記事コンテンツが作成できるかと思います。

執筆が完了したら、画面右上のPublishボタンをクリックします。

クリック後、発行する記事を無料にするか有料にするかを決められます。もし有料にしたい場合は、下記のように赤枠の所に希望の金額をETH単位で入力ください。

その後、Sign and Publish を押すと発行が完了します。

NFT販売ページの効果的な埋め込み方

NFTを作成し販売する際には、販売ページとMintページの作成が一般的です。

例えば、私達が昨年立ち上げた「自然災害復興支援NFTプロジェクト」の秋田県災害復興支援NFTでは、以下のように構成されていました。

NFTミントページ以外を用意する主な目的は、ユーザーにプロジェクトについて詳しく知ってもらい、関心を持ってもらうことです。しかし、このアプローチには制作コストがかかり、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

また、ユーザーに複数のサイトを遷移させる必要がありその分離脱率が高まります。

MirrorでのNFT販売ページ埋め込み

Mirrorでは、販売するNFTを直接エントリーに埋め込めます。これにより、ウェブサイトを離れることなくNFTを展示でき、購入プロセスをよりタイトにできます。

以下は、Manifoldを利用したNFT埋め込みの手順です。今回は、上記のManifoldをページ内に埋め込みます。

上述したコンテンツ作成の際に、Blocks を選択して、NFT Embed を選択したら下記のウィンドウが出てくるので、右側を選択してください。

すると、下記のウィンドウが表示されます。

ManifoldのURLを入力します。

入力後、URLの内容が反映されたら上記の画面のように対象のNFTの画像が表示されます。

反映後、Create Blockが表示されたらクリックして完了です。

この埋め込み機能は、ウォレットに接続している読者を直接NFT販売ページへ誘導する効果的な手段です。これにより、新しいマネタイズ方法としてMirrorを活用できます。

まとめ:Mirrorの利点を活用する

この記事では、ブロックチェーンベースの出版プラットフォーム、Mirrorの使い方を紹介しました。

Mirrorはコンテンツの永久保存、真正性保証、そして収益化の新しい手法を提供します。これらの特徴は、情報の配信だけでなく収集においても、Mirrorを有効な選択肢にします。また、当該プロジェクトはトークン発行がされていないことから、活用することによりエアドロップの期待もできるかもしれません。

情報の収集においても非常に優れたプラットフォームになりますので、ぜひ一度活用してみてください。

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