香港金融管理局、デジタル香港ドルのパイロット実験を開始
Crypto Times 編集部
香港金融管理局(HKMA)が、デジタル香港ドルのパイロット実験プロジェクトを開始します。このプロジェクトでは、金融、決済、テクノロジー分野から選ばれた複数の企業が参加し、第1ラウンドフェーズで各分野の調査が実施されます。
調査対象となる分野は「包括的な支払い」「プログラマブルな支払い」「オフライン支払い」「トークン化された預金」「Web3トランザクション決済」「トークン化された資産決済」の6つで、それぞれにおける潜在的なユースケースについて参加企業により調査が行われます。
HKMAは、デジタル香港ドルの導入に向けて下記3段階のアプローチを採用しており、今回のパイロット実験は第2フェーズにおける重要な要素としています。
HKMAのデジタル香港ドルの導入アプローチ
- 法的基盤の構築
- デジタル香港ドルのユースケース、実装、設計等に関する詳細な調査の実施
- 1と2を並行して進め、その結果を集約しデジタル香港ドルの開始スケジュールを設定
HKMA最高責任者は今回の発表に関して下記のように述べています。
- “「HKMAはデジタル香港ドルをいつ開始するかまだ決定していませんが、デジタル香港ドルのパイロットプロジェクトを開始できることを嬉しく思います。これは、HKMAが業界と協力して革新的な使用例を模索し、将来的にデジタル香港ドルを開始する可能性に備えるための良い機会です。
CBDCの研究に多くの学識経験者が参加されたことを嬉しく思います。 政府、産業界、学界のコラボレーションを促進することで、研究開発作業が時代と歩調を合わせ、その結果を具体的なビジネスチャンスに結びつけることを期待します。- 引用元:HKMA」”
先日開催されたG7財務大臣・中央銀行総裁会議で、G7によるCBDCに対する評価や今後の方針についての声明が公開されました。
\#G7新潟/
G7新潟財務大臣・中央銀行総裁会議は共同声明を採択し、3日間の日程を終えて閉幕しました。
共同声明の詳細はこちら▼https://t.co/V1Vgq4IB4I写真は、議長国会見の模様です。 pic.twitter.com/Tfytu0R6lw
— 財務省 (@MOF_Japan) May 13, 2023
G7は、信頼性が高く安定した透明性の高いグローバルな決済システムは経済や金融活動の重要な基盤となるとしたうえで、CBDCがその中で大きな役割を果たすと評価。
今年4月にIMF (国際通貨基金) が発表したCBDC導入を検討する国のためのガイド”CBDCハンドブック”の作成を歓迎すると、IMFの取り組みを支持しています。
関連:G7会議、暗号資産とCBDCに言及|国際機関による規制を支持
今年4月、香港では政府機関やTikTok運営会社等も参加するWeb3.0協会、ファンドが設立されるなど、地域をあげてWeb3事業への取り組みが進行中。米では複数の州でCBDCの禁止が検討されるなど、国や地域によって異なる方針が取られています。
香港でWeb3.0協会・ファンドが設立|TikTok運営会社や香港金融管理局も参加
記事ソース:HKMA