今週の最大の関門はエヌビディア決算|BTC22%高は続くか
よきょい

引用元: Poetra.RH / Shutterstock.com
ビットコインが週間で約22%上昇し、6万2800ドル近辺から7万6900ドル台へ駆け上がった直後の今週、米国市場には性格の異なる2つの大型イベントが控えています。26日のエヌビディア決算と、27日から29日にかけて開かれるジャクソンホール経済シンポジウムです。今年のシンポジウムは、テーマそのものが仮想通貨業界と重なります。
今週の主要日程
| 日付 | 主なイベント | 時間(米東部) | 市場が見る点 |
|---|---|---|---|
| 8月25日(火) | 8月消費者信頼感指数 | — | 消費マインドの減速度合い |
| 8月26日(水) | 4-6月期GDP改定値/7月個人所得・支出(PCE) | 午前8時30分 | インフレの粘着度と成長の実勢 |
| 8月26日(水) | エヌビディア 2027年度第2四半期決算 | 米市場の引け後 | AI設備投資が続くかどうか |
| 8月27日(木) | ジャクソンホール経済シンポジウム開幕 | — | テーマは金融イノベーションと決済 |
| 8月28日(金) | ウォーシュFRB議長 基調講演(予定) | 午前 | 9月会合への示唆 |
26日に材料が集中
最も密度が高いのは26日です。米商務省経済分析局(BEA)の公表予定表によれば、同日午前8時30分に4-6月期GDPの改定値と7月の個人所得・支出統計が同時に発表されます。後者には、FRBが物価判断で重視するPCE価格指数が含まれます。
そして同じ26日、米国市場の引け後にエヌビディアが2027年度第2四半期(5〜7月期)の決算を発表します。会社側のガイダンスは売上高910億ドル±2%で、前年同期の467億4000万ドルからおよそ2倍の水準です。約40人のアナリストによる市場予想は売上高918億ドル前後、1株当たり利益2.08ドルとされ、会社見通しをわずかに上回る程度に収れんしています。
| 項目 | 会社ガイダンス | 市場予想 | 前年同期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 910億ドル±2% | 約918億ドル | 467億4000万ドル |
| 1株当たり利益(非GAAP) | — | 約2.08ドル | 1.05ドル |
| 発表タイミング | 8月26日 米市場引け後 | — | — |
AI半導体の決算が仮想通貨に関わる理由
エヌビディアの決算と仮想通貨に直接の取引関係はありません。それでも注目されるのは、両者がともに投資家のリスク許容度に沿って動く資産として扱われる場面が増えているためです。加えて、ビットコインのマイニング事業者がAI向けデータセンターへ事業領域を広げる例が相次いでおり、AI設備投資のペースはマイニング関連銘柄の前提条件そのものになりつつあります。
27日から29日にかけて、カンザスシティ連銀がワイオミング州のジャクソンレイクロッジで年次シンポジウムを開きます。今年のテーマは「金融イノベーション:決済と政策への含意」で、デジタル決済と金融技術が正面から議題に据えられました。ステーブルコインやトークン化された預金、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に取り組む各国中銀の担当者が集まる見込みで、仮想通貨業界にとっては例年以上に直接的な関心事になります。
注目はケビン・ウォーシュFRB議長の講演です。ウォーシュ氏は5月22日にパウエル前議長の後任として就任した第17代議長で、ジャクソンホールでの講演は今回が初めてになります。複数の市場向けプレビューは28日午前の基調講演を見込んでいますが、カンザスシティ連銀は例年、詳細なプログラムを開幕の直前まで公表していません。
論点は利下げではなく利上げ
ここが例年と大きく異なる点です。FRBは7月28〜29日の会合でフェデラルファンド金利の誘導目標を3.50〜3.75%に据え置きましたが、採決は9対3で、クリーブランド連銀のハマック総裁、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁、ダラス連銀のローガン総裁の3人が利上げを求めて反対票を投じました。据え置きに対して3人が利上げ方向で反対したのは2016年9月以来です。
8月19日に公表された議事要旨では、インフレが低下しなければ金融引き締めが必要になる可能性が高いと多くの参加者が評価したことが示されました。一部の参加者は、現在の金融環境が物価目標への復帰を促すほど引き締め的ではないかもしれないとも述べています。政策金利は2025年12月以来据え置かれたままで、次回の会合は9月15〜16日です。ウォーシュ議長が就任後に事前の方向づけを控える姿勢を示していることもあり、講演の一言の重みは平時より増しています。
整理すると、今週は26日にインフレ統計と企業業績、28日に金融政策の方向感という順で材料が並びます。前週の22%高が政策期待によるものだった分、そのいずれかが期待を裏切れば戻しも速くなりそうです。
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