マルチチェーン対応DEXアグリゲーター「1inch.Exchange」の基本的な使い方・リスクを徹底解説!
airutosena
1inchは、複数存在するDEXの中から、最適なレートを探してくれるDEXアリゲーターです。
DeFiを普段から利用している・DEXで良くスワップ・取引機能を利用している方なら、チェックしておきたいサービスです。
この記事では、そんな1inchの概要から特徴、使い方〜注意点に至るまで、徹底解説しています。
1inchとは?便利過ぎるDEXを解説
まず、はじめに1inchの概要や実装されている機能についてご紹介していきます。
使いこなせるようになるとかなり便利なので、概要を押さえていきましょう。
1inchは最安価格を探してくれる
1inchとは、1inch.exchangeというDEXの略称、1inchのガバナンストークンを指します。(この記事では便宜上、1inch.exchane = 1inchとしています)
1inchを一言で表すと「最適なレートで取引できるDEXを自動的に探してくれる」機能を持ったDEXです。
つまり、たくさんのDEXが登場している中で、取引コスト最安ルートを探してくれるのです。
例えば、UniswapとSushiswapの取引コストを計算し、安い方を表示してくれるといった機能を持っています。
DeFi界隈の比較サイトのような存在となっており、利用者は簡単に最安価格にアクセス可能です。
また、1inch自体もDEXとしての機能を持っていて、独自の流動性プールを持っています。
1inchの代表的な機能を解説
どうしても、DeFi関連の話題は概念だけでは分かりにくいものです。
これから、1inchが実装している機能から、1inchの概要を掴んでいきましょう。
取引(Trade)
1inchのもっともベーシックな機能が取引(Trade)にあたる画面です。
一般的なDEXにおいて、Swapにあたる画面です。
取引画面には「シンプルモード(Simple mode)」と「クラシックモード(Classic mode)」の2種類存在しています。
シンプルモード
クラシックモード
シンプルモードはその名の通り、シンプルなUIで初心者でも簡単に取引を行うことできます。
しかし、その一方で「指値注文(Limit)」などの複雑な注文を行うことはできません。
クラシックモードは上級者向けのUIとなっているものの、より高度な注文・取引が可能です。
例えば、シンプルモードで利用不可だった指値注文もクラシックモードなら利用可能です。
シンプル・クラシックモードには色々な違いがありますが、基本的に「クラシックモードの方が上級者向け」と覚えておけば問題ありません。
流動性の提供(Pool)
1inchのPoolにあたる画面では、流動性の提供を行うことができます。
前述の通り、1inch自体もAMMを実装しており、流動性プールを持っています。
つまり、この画面は1inchの流動性プールに流動性を提供する画面ということです。
流動性を提供すると、報酬の「1inchトークン」がAPYに沿った割合で配布されます。
LPトークンを預ける(Farming)
1inchでは、LPトークン(流動性を提供すると入手可能)を預けると、更に1inchをゲットできます。
ただし、預け入れを募集しているLPトークンは時期により異なるので、注意が必要です。
すでに、募集が終了している・そもそも募集していない通貨ペアのLPトークンでは、LPトークンを預けることによる恩恵は受けられません。
つまり、LPトークンを預けて運用を行いたいときは、予めFarmingの画面を確認し、募集しているプールに流動性を提供する必要があります。
1inchを預ける(Governance)
1inchでは、さまざまな方法で獲得した1inchトークン自体を、1inchに預けることで更に増やすことできます。
具体的には1inchの「Governance」の画面で、預けることが可能です。
1inchの3つの特徴
次に、1inchの特徴を3つご紹介していきます。
1inchの強みを把握していきましょう。
フロントランニング防止機能が実装
1inchでは、フロントランニングを防止するための機能を実装しています。
DEXの問題点の1つにフロントランニングが挙げられます。
フロントランニングとは、オーダーを確認したフロントランナー(加害者)が先回りして自身のオーダーを処理することです。
これにより、オーダーした元々の被害者は、不利なレートで取引させられます。
これに対して1inchでは、フロントランニングが行われる際に見られる一定の条件が発生した場合に、仮想レートを用いてフロントランナーが利益を出しにくい仕組みを実装しています。
複数のチェーンに対応
1inchは、各DEXの中から最適なレートを探し出してくれます。
そして、その比較対象となるDEX・ブロックチェーンが豊富です。
対応しているブロックチェーンは、イーサリアム・BSC・Polygonとなっており、各ネットワークのウォレットを利用することができます。
最近ではLayer2のネットワークであるOptimism EthereumやArbitrumなどにも対応しています。
また、上記のブロックチェーンを利用している以下のようなプロトコルに対応しています。
イーサリアム
BSC
Polygon
プロトコル・ブロックチェーンともに豊富で、主要なDEXは揃っていると言えるでしょう。
手数料が掛からない
1inchでは、1inch独自の手数料は掛かりません。
つまり、1inchの機能を利用するにあたり掛かるプラスの手数料は無いということになります。
もちろん、各DEXの手数料・ガス代は必要になってくるので、注意が必要です。
1inchの使い方を1から解説
1inchの概要や特徴がわかったところで、使い方を1から解説していきます。
1inchを使いこなせるようになっていきましょう。
1inchを使う前の下準備
まず、はじめに1inchを利用するために必要な下準備をチェックしていきます。
1inchを利用するには、以下の4つ・手順が必要となります。
- イーサリアムを用意する
- ウォレットを作成する
- 用意したイーサリアムをウォレットへ送金する
- ウォレットと1inchを接続する
仮想通貨を用意
1inchはDEXの一部で、取引所としての機能を持っているものの、対応しているのは「仮想通貨 TO 仮想通貨」の取引です。
(1inchには、Buy EHTにてMoonPayへのリンクがありますが、日本では対応していないという表示がされます)
そのため、1inchを利用するには何らかの形で、イーサリアムを購入・用意しましょう。
国内仮想通貨取引所であれば、日本円からイーサリアムを購入することができます。
まだ、国内仮想通貨取引所を開設していない!という方には、「Coincheck」がおすすめです。
- 安心の国内取引所
- 国内仮想通貨取引アプリダウンロード数1位
- 販売所の銘柄が16種類で国内最多
Coincheckはアプリダウンロード数1位ということもあって、非常にシンプルな取引画面で、仮想通貨を購入することができます。
このことから初心者の方でも使いやすいため「仮想通貨ってなんだか難しそう・・・」とハードルを感じている方は、「Coincheck」です。
Coincheckの口座開設についてはコチラ。
動画でも、Coincheckの口座開設方法を解説しています。
ウォレットを作成
1inchでは、ウォレットを利用者が各自用意する必要があります。
ウォレットについては「仮想通貨を入れておく場所」という認識で問題ありません。
このウォレットと1inchを接続することが1inchが利用可能になります。
さまざまなウォレットが存在していますが、特にこだわりが無いならもっともポピュラーで他のDeFiでも使いやすい「MetaMask」がおすすめです。
MetaMaskであれば、基本的にどのDeFiでも利用可能で、汎用性が高いです。
MetaMaskの作成手順はコチラ。
動画でもMetaMaskの作成方法を解説しています。
ウォレットへ送金
MetaMaskなどのウォレットが作成できたら、取引所で購入した仮想通貨を送金しましょう。
各取引所によって出金手順は異なるため、予めチェックが必要です。
推奨したCoincheckの出金方法はコチラ。
ウォレットと1inchの接続
1inchとウォレットは以下のような手順で接続可能です。
- 「Connect Wallet」を選択
- イーサリアムを選択
(BNBであれば、BSCなど適切なものを選択)
- MetaMaskを選択
(送金したウォレットを選択)
- ウォレットの処理を済ませる
- 右上に文字列が表示されたのを確認
1inchとウォレットが接続できたら、1inchを利用することができます。
一連の手順は少し長いものの、他のDeFiでも応用可能なので、これからDeFiに触れていきたいという方は経験しておきたいところです。
1inchの使い方を機能別に解説
次に、1inchの使い方を機能別に解説していきます。
代表的な以下の4つを触れていきます。
- 1inchで取引
- 1inchで流動性の提供
- 1inchでLPトークンを預ける
- 1inchトークンを預ける
1inchで取引する(Trade)
1inchのシンプルモードで、取引を行う手順は以下の通りです。
- 1inchにてTradeへ
- シンプルモードを選択
- 取引元の通貨を選択
- 交換したい通貨を選択
- 取引元の数量を入力
- 内容を確認し「Swap Token」
特にこだわりが無ければ、1inchが自動的に最安のルートから仮想通貨を取引してくれます。(多くが1inch)
1inchで流動性の提供(DAO)
1inchで流動性を提供する手順は、以下の通りです。
- 1inchにてDAOを選択
- Poolsを選択
- 提供したい通貨ペアを探す
- +マークを選択
- 数量を入力
- ロック記号がある場合は、アンロックボタンををクリック
- ウォレットにて内容を確認
1inchでLPトークンを預ける(DAO)
1inchでLPトークンを預けるには、前述した流動性の提供を行い、LPトークンを獲得する必要があります。
ただし、預けられるLPトークンは募集されているものに限るため、もしもLPトークンを預けたいなら、まずはFarming画面にて通貨ペアを確認しておきましょう。
- 1inchにてDAOへ
- Farmingへ
- 流動性を提供した通貨ペアを探す
- Depositへ
- 数量を入力
- 再度Depositを選択
1inchトークンを預ける(DAO)
流動性の提供や、LPトークンの運用によって得た1inchは、以下の手順で増やすことができます。
- 1inchにてDAOへ
- Governanceへ
- 数量または割合を選択
- ロック解除などを行いStake Tokenへ
他のチェーンについて
1inchは、イーサリアム以外のBSC・Polygonなども利用可能となっています。
しかし、ブロックチェーンを変更したとしても、利用方法は大きく変化しません。
また、MetaMaskなどであれば、ウォレット側でネットワーク設定を変更すると、自動的にモードが切り替わります。
そのため、基本的にどのブロックチェーンであっても、上記と同じような方法で問題なく利用できます。
1inchの注意点・リスクを解説
この記事では、1inchの概要や特徴・使い方まで詳しく解説しました。
しかし、1inchの利用に伴っては一定のリスクが存在しており、留意しておきたいポイントもあります。
これから、1inchの注意点・リスクを3つの観点から解説していきます。
サイト自体が何らかの理由でストップ
1inchは、開発者が積極的に開示されており、他のプロジェクトほど開発サイドの匿名性が高くありません。
しかし、それでも、1inchを運営している組織・個人が悪意をもって、1inchのサイトを落とす・アクセスできない状態にするといったリスクは存在しています。
どのDeFiでも共通しているリスクですが、運営の主体となっている組織・個人はしっかりとチェックしておきたいところです。
インパーマネントロス
1inchの流動性プールに対する流動性の提供に際しては、他のAMMと同様にインパーマネントロスのリスクがあります。
インパーマネントロスとは、流動性を提供する通貨ペア間で価格変動が発生した場合に、起こる損失のことを指しています。
基本的に流動性の提供を行うと、少額ながらもインパーマネントロスが発生すると考えておいたほうが良いでしょう。
一例ではありますが、一般的なAMMの場合、5倍の価格変動が通貨ペア間で発生すると、25.5%の損失が発生します。
インパーマネントロスの仕組み・原理については、以下の動画で分かりやすく解説しています。
1inchトークンの価格下落
1inch内におけるさまざまなアクションに対する報酬としてもらえる1inchトークンですが、そもそも1inchトークンが価格下落する可能性は十分にあります。
1inchトークン自体に大きな価値がある訳ではなく、あくまで1inchというDEXが利用されているからこそ、価値を持っているトークンです。
このことから、1inchが利用されなくなった・なんらかのトラブルが発生したといった際に、1inchトークンの価格が下落する可能性は否定できません。
まとめ
この記事では、1inchについてさまざまなポイントを解説しました。
1inchは、マルチチェーン展開に積極的で、これからもどんどん利便性が高くなっていく可能性が十分にあります。
1inchを利用することによって節約できる金額は少額なものの、トータルで見ると大きな金額になることもあるので、積極的に利用したいところです。
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