トークン問題で揺れるArbitrum、透明性向上を目指す対応策が発表

トークン問題で揺れるArbitrum、透明性向上を目指す対応策が発表
ct analysis

先日、大型エアドロップを実施したレイヤー2ソリューションプロジェクト「Arbitrum」の$ARBトークン配分に対して各所で疑問が上がっている件に関して、Arbitrum Foundationが声明と今後の対応を正式発表しました。

今回のトピックが話題となったきっかけは4月1日に公開されたBlockworks Reserchによる投稿

上記によると、当初公開されていたArbitrumの公式ドキュメントでは、初期供給上限枚数100億$ARBの約42%にあたる42.78億$ARBがArbitrum DAOのトレジャリーに割り当て予定だったにも関わらず、実際は35.27億$ARBのみが転送され、残りの7.5億$ARBが3人の初期取締役(Campbell Law、Edward Noyons、Ani Banerjee)によって運営されているArbitrum Foundationによって管理されていると推測されるウォレットに転送が行われたとしています。

上記の内容を含む提案(AIP-1)がアクティブな状態であるにも関わらず、7.5億$ARBの一部が既にステーブルコインに変換されたことも報告されており、コミュニティでは懸念の声が上がりました。現在、AIP-1はコミュニティ投票にて82%の反対を受けています。

AIP-1の提案 | 画像引用元:snapshot

前述の$ARBエアドロップにて、DAOとして最多の800万$ARBを獲得したTreasureDAOもAIP-1に反対票を投じたことを発表。同コミュニティは「トークンの割り当てに関して問題あるとは考えていない」としながら、詳細な情報の提供やAIP-1の分割などを求めました。

上記状況の中、Arbitrum Foundationは公式Twitterで各疑問に対する説明と今後の対応についてツイートを投稿しました。


:Arbitrum Foundationによる発表

  1. 「AIP-1が規模が大きすぎて多くのトピックをカバーしている」→AIPを分割し、コミュニティはそれぞれに関して議論、投票が可能となるようにする。
  2. 「7.5億$ARBがArbitrum Foundationに転送された件について」→より多くの説明責任を追加するためのオプションを検討している。例えば、権利確定期間は4年であり、またトレジャリーが保有するトークンを投票に使用することはできないとする。
  3. 「AIP-1 は、資金がどのように使われるかについての透明性について議論していない」→資金がどのように使われているかをコミュニティに知らせる透明性レポートを提供する。
  4. 「”特別助成プログラム”が曖昧で、DAOの関与が欠けている」→Arbitrumエコシステムのためにどのように資金が使われるのか、その背景を説明することで透明性とコミュニティ参加を向上させる。

同財団によると、Arbitrum FoundationはOffchain Labs(Arbitrumを開発する企業)とは別のエンティティで資金なしで設立されており、1000万$ARBがArbitrum Foundationによって売却されたのは「既存のコントラクトに資金を提供し、短期的な運用コストを支払うためだった」としています。

CoinMarketCapのデータによるとArbitrumの時価総額は現在39位の15.2億ドル(約2026億円)。先日、Arbitrumと同じくL2ソリューションを手掛けるzkSyncがメインネットα版を公開するなど、同分野で複数のプロジェクトが動きを見せるなか、ArbitrumをはじめとするL2分野の今後の動向に注目が集まります。

記事ソース:Twitter、ArbitrumArbitrum DAOsnapshotCoinMarketCap

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