ドル信認低下でBTCが買われる理由「ディベースメント取引」とは
よきょい
米国の財政リスクへの警戒からドル安が進み、通貨価値の下落を見込んで資産を移す「ディベースメント取引」が再び意識されています。
ディベースメント取引とは、通貨の信認が揺らぐ局面で、値動きの相関が低い金(ゴールド)や銀(シルバー)などに資金を移す動きを指します。インフレによる通貨安というよりも、財政拡張や過度の金融緩和によって通貨そのものへの信頼が損なわれる場合に起きやすいとされています。
今回はその対象が基軸通貨であるドルに向かい、離れた資金が金や仮想通貨へ流れ込む構図となっています。
背景にあるのは米国の財政への懸念です。米財務省は19日、償還までの期間が10年以上に及ぶ国債の買い入れ消却(バイバック)の上限を、少なくとも従来の2倍となる40億ドル(約6360億円)へ拡充すると発表しました。長期・超長期金利の上昇を抑える措置ですが、金利の上昇ペースは落ち着いたものの低下までには至っていません。連邦政府債務の総残高は18日に史上初めて40兆ドルを超え、7月までの10カ月間の財政赤字も前の会計年度の水準をすでに上回っており、財政不安が現実的なリスクとして意識されているとの見方が強まっています。
ディベースメント取引は2025年の第2次トランプ政権の発足以降、たびたび蒸し返されてきました。米連邦準備理事会(FRB)への度重なる利下げ要求による中央銀行の独立性の揺らぎ、大規模な相互関税、グリーンランド領有の意向表明といった政治リスクが市場で意識されるたびに、無国籍の資産とされる金やビットコインが買われる展開が繰り返されています。
長期的にはドルへの偏重を見直す動きも進んでいます。欧州中央銀行(ECB)が6月に公表した調査では、2025年に世界の外貨準備に占める金の割合が27%となり、米国債の22%を約30年ぶりに上回りました。ドル売り圧力は円安の修正にも追い風となりやすい一方、一段の円高には日銀の利上げなど日本固有の要因が必要との声もあり、当面は金や仮想通貨への資金シフトが相場の方向性を左右しそうです。
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記事ソース:日本経済新聞
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