『金持ち父さん』著者1900億円の負債告白、保有ビットコインは無事か

2026/09/03・

よきょい

『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が、自身は12億ドル(約1900億円)の負債を抱えていると明かし、注目を集めています。同氏はビットコイン(BTC)や金の保有を長年公言してきた人物だけに、仮想通貨の値動きが巨額債務の背景にあるのではないかとの見方も一部で広がりました。

結論から言えば、そうではありません。79歳のキヨサキ氏がポッドキャスト番組『Get Rich Education』で説明したのは、借入によって収入を生む資産を取得してきたという投資手法であり、担保となっているのは集合住宅です。ビットコインも金も、この借入には一切関与していません。

12億ドルは誰の借金なのか

元妻でビジネスパートナーのキム・キヨサキ氏は、この12億ドルがパートナーと共同で保有する約1500戸のアパート投資ポートフォリオ全体に紐づく借入だと説明。「厳密に言えば確かにこれだけの債務がある」としつつ、融資はいずれも不動産を担保としており、キヨサキ氏個人が直接負う額は12億ドルを大きく下回るとしています。

試算では、同氏が実際に負担する債務は3000万〜6000万ドル(約48億〜96億円)程度とされています。これは同氏が自称する年収約300万ドル(約4.8億円)から逆算された数字で、公開された財務諸表に基づくものではありません。

表に出る総債務額と個人が返済義務を負う額は別の概念だという点が、今回の騒動の中心にあります。

借り換えとLLCが支える仕組み

資金調達の流れ自体は米国の集合住宅投資では一般的なものです。まず物件を保有し、資産価値が上昇した段階で増えた純資産を担保に金融機関から再融資を受けます。売却ではないため受け取った資金には課税されず、その現金を次の投資に回します。裏を返せば、家賃収入が返済を上回り、貸し手の与信が続くことが前提の仕組みでもあります。

もう一つの柱が案件ごとに有限責任会社(LLC)を設けて法的な器を分ける手法です。キヨサキ氏はこれを「ファイアウォール」と表現し、一つの物件で問題が起きても他の資産に波及しない構造だと説明してきました。

実際、同氏傘下のRich Global LLCは2012年8月、負債総額約2600万ドル、資産約180万ドルで米連邦破産法第7章に基づく清算を申請していますが、キヨサキ氏本人は個人破産を申請していません。

ビットコインは担保になっていない

キヨサキ氏は今年7月、自身が「偽造通貨」と呼ぶ法定通貨への対抗策として、ビットコインやイーサリアム(ETH)、金を保有していると公表しました。

ただしこれらの資産は融資の担保には使われておらず、担保となっているのは土地と家賃収入です。仮想通貨価格の変動が返済条件を直接左右する構造ではないと見られています。

残るのは、不動産レバレッジ特有のリスクです。JPTD Partners創業者のジョン・プール氏は、レバレッジは価格が上昇している間は有効でも、上昇が止まれば経済的にチェーンソーのような打撃をもたらすと警告しています。安いクレジットがいずれシステムを壊すと訴えてきた同氏の資産運用が、そのクレジットへの依存を前提としている点は、フォロワーが発信内容との距離を測るうえで見過ごせない材料になりそうです。

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